ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 とりあえず過去へ飛んだハターンが目にしたものとは……。

 それとタイムマシンの時間設定はハターンの感覚でやってます。




この頃から俺の運命は決まっていたのか……

 いくらトン爺さんでも普通はタイムマシンなんて作れないと思うだろ?

 

 だが実際にギィギを素材として作ったタイムマシンは目の前にあるのだから信じるしかあるまい。

 

 トン爺さんの発明は武器や防具以外も完璧で失敗など何一つないのだから……

 

 だから俺はタイムマシンに乗り込み時間旅行をする事となったのだ。

 

 これはトン爺さんを信じての坑道であり、決してタイムマシンの存在を最初から信じてしまう頭が春な人ではない。

 

 

「さて、乗り込んでみたが行き先はどうやって入力すればいいんだ?」

 

 

 意外と乗り心地は良く、俺は球体のタイムマシンの上に座る。

 

 扉があって中に入る作りにはなっていなかったのだがタイムマシンらしい機器もついていないシンプルなデザインだ。

 

 

「イメージじゃ。

 イメージすればどうとでもなる!

 それじゃ頑張ってこい!」

 

 

 それだけ言うと突然タイムマシンが光り出し、そして……消えた。

 

 

シュン

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「ふむ、とりあえず適当に過去に飛んだんだようだがここはどこだ?」

 

 

 トン爺さんの工房からタイムマシンは転移したはずなのだが見渡す限りの草原だった。

 

 しかも人の気配がまったくない。

 

 

「このタイムマシンは時間だけでなく場所までも転移してしまう仕組みになっているのか?

 仕方がない、しばらく歩くしかないだろう」

 

 

 タイムマシンは鎧の内側に隠し(暗器使いの能力で)、適当に歩き出す。

 

 北か南か東か西に進めばいつかは人里につけるだろうしな。

 

 見渡す限りの草原と頬を撫でる心地よい風を感じ、過去に来た実感がないからかピクニック気分になっていたのだが、突然女性の悲鳴が聞こえてきた。

 

 

「キャーーーー」

 

 

 義を見てしない訳にもいかないので声のした方に向かってみるとそこは血の海だった。

 

 壊れた馬車が横たわり、焼け焦げたような人間の死体もある。

 

 そして……見たこともないような龍の姿があった。

 

 

「グルァァァァァァ!」

 

 

 これまで多くのモンスターを狩り、新種のモンスターも数多く発見し、そのほとんどを討伐(捕獲依頼はちゃんと捕獲してるぞ)してきた俺でも見たことのない龍は黒いブレスを吐き、黄色い球体を空中に浮かせ光線のような攻撃を繰り出してくる。

 

 

「おんどりゃぁぁぁー!」

 

 

 属性が分からないモンスターだが四本足という古龍の定義を満たしている新種のモンスターに俺は愛剣竜骨砕きを取り出しその横っ面に叩きつけた。

 

 

「ギャァァァァァー」

 

 

 それは悲鳴。

 

 この世に存在する奴は俺以下の存在のみ!

 

 いつも通りの展開として見たことのない龍を吹き飛ばし、追撃をしようとしたのだがその龍はあっという間に逃げだしてしまった。

 

 

「ちっ! あの野郎俺に勝てないとみてあっという間に逃げやがった!

 これだから古龍ってやつはよう」

 

 

 だが逃げた龍を追うよりも先にするべきことがある。

 

 

「おい!誰か生きてる奴はいるか!?」

 

 

 倒れた馬車に駆け寄り生存者を捜す。

 

 全身黒コゲになっている男の死体があったが女性が生きていた。

 

 背中に大きな火傷を負いながらも、一人の少女を抱きしめながら。

 

 

「おい、大丈夫か?

 俺はハンターだ、あの龍は追い払った」

 

 

「……あ、ありがとうございます。

 私はもう助かりませんがどうか……この子を助けてあげてください……」

 

 

 そう言って女性は俺に腕の中に抱いていた少女を預けると息絶えた。

 

 

「こ、この子は……」

 

 

 俺は眼の前の女性が最後に託した唯一の生き残りである少女を見て驚いた。

 

 それは間違いなく未来での俺の弟子、イトラ・ウボンガだった。

 

 

「これは俺が助けてもいいんだろうか?

 この後イトラはサラの弟子になり、そして俺の弟子になるが、ここで俺がイトラと出会うのはマズイんじゃないだろうか……」

 

 

「う……うぅん」

 

 

 うお、目を覚ましそうだ。

 

 

「……誰?」

 

 

 眼を覚ましたイトラは俺に気づいたようだが間一髪で俺は普段使っている『ブロミウスシリーズ』の防具ではなく、ディアブロZシリーズに着替え終えていたのでフルフェイスの兜で顔を隠すことには成功していた。

 

 この防具はコレクションの中でも特にお気に入りだがイトラには見せたことがないから未来に戻ってもばれることはないだろう。

 

 

「俺は通りすがりのハンターだ。

 君や君の家族がモンスターに襲われている現場に遭遇したので助けにきたんだ」

 

 

「……パパは?

 ママ……は?」

 

 

 顔をあげて回りを見るイトラ。

 

 そして見てしまった。

 

 変わり果てた自分の両親の姿を……

 

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」

 

 

「落ち着け!

 とにかく落ち着け!」

 

 

 だがパニックを起こしたイトラは落ち着く訳もなく、暴れまわる。

 

 

「くっ、仕方ない」

 

 

 俺は懐からネムリ草を取り出しイトラに嗅がせる。

 

 

「う……」

 

 

 やはり色んなアイテムを鎧の内側に隠し持っていた甲斐があったな。

 

 

「しかしどうするかな……

 幸いにもここは街道みたいだし近くの街にでも向かってみるか」

 

 

 この辺がどの辺かはわからないが治安がいいとは思えないし、奴隷売買や密猟を行っているアクトが会長をしている『キリン娘愛好会』も滅んでいない。

 

 ここで放置してサラに会わせないとイトラも裏の住人に売り買いされる商品になりかねないし何とかしないとな。

 

 壊れた馬車の物はほとんどが燃えて使い物にならなかったのでイトラの両親と一緒に道の脇に埋葬した。

 

 幸いにもイトラの両親の馬車は街道を走っていたようなのでどうにか向かうべき方向は分かったしな。

 

 眠っているイトラを抱き上げると俺は街道を歩きはじめた。

 




 書いてて思いましたが、モンハンの世界って文明の利器もないですしモンスター以外にも山賊や犯罪者も多そうですけど、そういうのもギルドナイトが取り締まってるんでしょうかね?

 本当に恐ろしいもの、それは人間の心だと思います……。

 それと今回出てきたモンスターはモンハンではなくキングスフィールド2のモンスター? です。

 知ってる人にはすぐに分かりそうですけど、ラストはアレと戦います♪

 もちろんそれだけで終わるつもりはないですけど。

 今はどうか知りませんが、ユーチューブで『キングスフィールド2』と検索したら一発で出てきました。

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