ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 なんか自分の文章は地の文が多い気がしたので今回は意図的に会話文を増やしてみました。

 自分の書きたいものを書けてはいますが表現したいようには表現できないんですよねぇ。

 これからの課題でもあります。


ライバルの最後……

 まったくやれやれだぜ! ……と、ハターンなら言うところだな。

 

 あたしも久しぶりに本気を出したから少し疲れちまったよ。

 

 

「おーい、スーラン。

 終わったぞー」

 

 

 壁際に倒れていたスーランを振り返ってみるとそこには雪に埋もれ、カチコチに凍っているスーランが……

 

 一体なぜ!?

 

 

「っておい!

 大丈夫かよ!?」

 

 

 慌ててスーランを担ぐと断崖絶壁の崖から飛び降り、スーランの持っていたランスとセットの盾をボード代わりにして雪山を滑走する。

 

 

「あー、そういやこんな雪山で回復薬グレートなんかをぶっかけたら怪我の治癒よりも先に凍りついちまうわな。

 うっかりうっかり」

 

 

 あたしとしたことが最後の最後で失敗しちまうなんてらしくねーな。

 

 まっ、これはこれでいいか。

 

 今回の勝負もあたしの勝ちだぜスーラン。

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 そして中継地点であるポッケ村で宿に泊まり、そのまま一夜を過ごす。

 

 クエストの方はギルドに連絡入れておいたしあたしの名を出しておいたから面倒な事は全部マルが上手くやっといてくれるはず。

 

 ただ難点を言うなら観光シーズンということもあり、フラヒヤ山脈はハンター以外にも観光客が多いということだ。

 

 おかげで部屋は一つしか取れなかったがちょっと狭いだけで雪山の寒さを緩和してくれてるから別に問題ないだろ。

 

 スーランの解凍もすでに終わってベッドに寝かしつけているので、あたしはその隣に潜り込むとそのまま眠りについた。

 

 そして翌朝目を覚ましたわけなんだが隣では昨日までカチコチに凍って大ダメージを受けたというのにもう一晩で元気に回復したスーランが正座していた。

 

 何か話でもあるのか?

 

 

「おはようっさ、サラ。

 昨日はなんか色々と迷惑かけたね」

 

 

「迷惑ってほどでもねーさ。

 結局ティガレックスは二頭ともあたしが狩ったし勝負に関してはスーランの負けだけどな」

 

 

 ブルファンゴに突進で勝てるってのはすげーけどティガレックスとは比べものにならねーし案外こんなもんか、という思いはあるがそれでも一応ライバルのスーランの成長も見れたし今回の狩りもまったくの無駄ではなかったけどな。

 

 実はスーランがティガレックスを見つけて突進勝負をするところはちょうど見ていたのさ。

 

 

「それなんだけど……さ。

 私、ハンターやめようと考えてるんだ」

 

 

「はぁ?

 お前すっげぇつえーじゃん。

 あたしの同期でハンターになった中で二番目につえーのになんでやめんだ?」

 

 

 というかあたしと同時期にハンターになった連中はあたしとスーラン以外みんな狩猟中に死んじまってるんだよな。

 

 

「私はサラには勝てないことがよくわかったっさ。 だから今回の狩りで勝てなかったら最初から引退するつもりだったのさ」

 

 

「ふーん、まぁお前がそう言うんならそれでもいいけどハンター辞めた後、なんかしたいことでもあんのか?」

 

 

「軽っ!

 ちょ、ちょっとそこは引き留めるところでしょ!?

 『スーランには狩りの才能がマジであっからやめんじゃねーよ』とか」

 

 

「お、今のあたしのモノマネけっこう似てたな。

 もしかして今度は芸人として身を立てていくつもりか?」

 

 

「ちっがーう!

 つまり引き止めてほしいのよ! わかる!?」

 

 

 顔を真っ赤にして言うスーラン。

 

 どうやらジョークのつもりだったみたいだけどあたしにはそういうの全くわかんねーんだよな。

 

 

「じゃあ引き止めてやるけど実際どうするつもりだ?

 今回の狩りでお前にあたしは倒せないってのは十分に理解できただろ」

 

 

「ふふん、引き止めてもらって悪いけど実はハンターを辞めるってのはある意味本音なのさ。

 今回の雪山に限らず、私は狩り場に出るのが面倒だと思ってたからハンターに似た仕事をしようかと思ってるのさ」

 

 

「ほうほう、それはどんな?」

 

 

「つまり!

 私の隠された『猛獣使い』の能力で捕獲してきたモンスターに芸を仕込んでショーをしたり、私自身も歌って踊れる闘技場専門のハンターになってがっぽり稼ぎまくることにしたのさ!

 サラにも今回の最後の勝負で勝つことが出来たし『トイダーヴァの第二位サラ・ムーイに勝った女』って書けば集客率アップは間違いないさね!

 アイドルってけっこう憧れるしさ♪」

 

 

「おい! それこそちょっと待てだぞスーラン!

 このあたしがいつ、どこで、お前に負けたってんだ!?」

 

 

 スーランはなぜか勝ち誇った顔をし、

 

 

「今回のティガレックス二頭討伐クエストの契約書の内容をよく確認しなかったの?

 『なおこの狩りにおける勝者は雪山を下山する時に敗者に背負ってもらって山を降りることとする』って書いてあるでしょ?

 つまり私は二頭のティガレックスを狩ることは出来なかったけど雪山を下山する時にサラに担がれてここまで来たみたいだしこの条件なら私の勝ちってことで♪」

 

 

「ふっざけんなよ!

 あたしは断じて認めねー!

 そんな看板見つけ次第たたき割ってやる!」

 

 

「無駄よサラ。

 実はサラがそう言うと想定して今回のクエスト出発前に、すでに看板を10万枚発注してあるから♪

 さすがにこの枚数を全部割るのは難しいでしょ」

 

 

 初めっからこうなることを予想していやがったのかこいつ……

 

 確かにそれだけの枚数をたたき割るのはかったりーし。

 だけど、これでハンターをある意味辞めてアイドルデビューするって言うなら最後くらいいいかもしれねーな。

 

 

「OK、万事わかった。

 それじゃお前はお前でがんばるがいいさ」

 

 

「ええ、そうさせてもらうっさ。

 すでに私の出るショーはものすごい人気でチケットはすでに完売してるけどサラには特別に安くしといてあげるっさ」

 

 

「無料じゃねーってところが、ちゃっかりしてんなお前は」

 

 

 その後すっかり元気になったあたしとスーランはトイダーヴァの街に無事に戻り。

 

 後日スーランの出るというショーにハターン達と一緒に見に行ったけどありゃなかなかのもんだったぜ。

 

 何しろモンスターがみんなスーランに懐いているらしいからショーとしては最高のものだったんだけど、『オオナズチと美女の戯れ』や、『ギギネブラによる美女の捕食』ってなショーはまさにヌトヌトのベトベトで男の観客には最高にウケが良かったな。

 

 思わずあたしも濡らしちまったよ。

 

 まっ、そんなこんなでこうしてあたしのライバルは転職したのだったってオチで今回の話を締めさせてもらうぜ♪

 

 




 スーランはモンスターの飼育員としての才能を開花させたのでした。

 MH2ではモンスターの飼育出来たし、古龍の飼育を出来る人間がいてもおかしくはない! と、思える自分の小説の滅茶苦茶さには相変わらず笑っちゃいますねw

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