ハターン・モンスータの狩りと愛の日々 作:ヨイヤサ・リングマスター
思い返せば今年1月にPS3のトロステで初めて知り、アニメの一話を観てツボにハマり、6月くらいから原作を読みはじめ、7月半ばくらいで全十二巻読み終わり友人にその事を話したら物語シリーズを勧められ、そして戯言シリーズへといきましたが西尾維新さんは素晴らしい!
この勢いのまま傷物語も頑張ってほしいですね。(2010年 12月12日)
……と、以前投稿していた時書いていたので、この作品ってもう二年も前の小説になるんですねぇ~。
自分が成長出来たのかはさておき、今でも楽しんでいるのでこれからも楽しく書いて行こうと思います♪
「さっすがハターン会長ッスね。
リアルでこんなに可愛いキリン娘三人を食べちゃうだなんて憧れるっす!」
俺の過去を最もよく知る女が来た……
この女の名はルナ・ギドイト。
かつて俺が『キリン娘愛好会』の会長をしていた時に副会長を務めていた同志だ。
あらゆる銃火器(ライト、ヘヴィ、ガンスのこと)に精通し、ギルドナイトの一員でありながら『キリン娘愛好会』の参謀としてその名を大陸全土に広めたのは俺よりもこの女の力が大きいと言えるだろう。
「会長が愛好会を抜けた後、ウチも抜けて仕事に専念してたらこの間ギルドナイトの千人長に出世したんッスよ♪
でもやっぱりキリン娘に囲まれる生活も恋しいッス♪」
ちなみに付け加えるならルナはレズなので自分がキリン娘とにゃんにゃんしたいがために『キリン娘愛好会』に入ったのだ。
「ハターン師匠?
この女は師匠の恋人だったりはしないよね?
もちろん師匠の初恋の相手は私でしょうけど私に出会う前に恋をしたことがあるってんだったら私もそれ相応の手段に出るよ。
けど今白状するなら指一本で許してあげるんだよ♪」
イトラは現在俺の膝の上に座っているわけだが、その両手にはディオシキあたりがあげたのだろう、いつもの剥ぎ取り用ナイフではなく人間の首を切り落とすために作られたかのような大ぶりのナイフを握り、俺の喉につきつけてくる。
あ、少し刺さった。
「イトラ、落ち着け。
こいつは……俺がかつて『キリン娘愛好会』を立ち上げた時に手伝ってくれた同志で、特にやましい関係ではない。
そうだろルナ?」
「ウチは男には興味ないッスけど初めてウチをドッキドキにさせてくれたハターン会長のことはめっちゃ好きッスよ♪」
否定はしないのか。
サラとディオシキは大笑いしながら見ている。
俺を助ける気は皆無……というより、自分達の知らない俺の過去を知る女に興味があるようだな。
「あれはまだウチが12歳、ハターン会長が13歳の時。
夜の酒場で偶然出会ったウチら二人はキリン娘が大好きという共通の夢を実現するために協力しあった結果『キリン娘愛好会』が生まれたんスよ。
ハターン会長は途中で『ハードボイルドに俺はなる!』って言って愛好会を抜けて急に寡黙なハンターになっちゃったんスよね」
「あの頃の俺はまだ若かったのさ。
そして固ゆで卵のような男の中の男になれば自然に俺の魅力に惹かれて集まってくるかと思ってたんだが集まってくるのはどうもこんな頭のネジのぶっ飛んだ弟子ばかりさ。
いや、まぁ可愛いんだけどね」
イトラはすでに定位置となっている俺の膝の上から殺気を振りまき、サラとディオシキも『自分たちの魅力が分からないならわからせてやる!』、と店の中だと言うのに防具を脱ごうとしだすし。
はぁ、まったくやれやれだな。
「で、そんな過去の思い出話に花を咲かせるためだけに来たわけじゃないだろう。
本当の狙いはなんだルナ?」
こいつが来たということは今度のトラブルはギルドナイトも動き出すような騒動なのだろう。
というか俺の知り合いが来て面倒なことにならなかったためしがない!
俺にかかわってくる連中は出てくるたびに騒動を持ち込む輩しかいないからな。
「さっすがハターン会長ッス!
その慧眼による推理力にはただただ脱帽するばかりッスね♪
いつかはウチもそんな会長のようなキリン娘とリアルでにゃんにゃんできるハンター、もといギルドナイトになりたいと思うッス!」
「前置きはいい。
さっさと言え」
「ちなみに前置きを続けさせてもらうと、ウチもギルドナイトの中では人気があるから先週の『週刊ギルドナイト通信』で紹介されていた『可愛い新人ギルドナイト』特集でトップ10入りした女の子は全員食べちゃったんスけどね♪」
と、舌を出して照れたフリをする。
そう、フリだけで実際には反省も後悔もなく部下は自分のおやつ程度に考えてるのだろう。
「お前はあのベスト10の女の子全員食っちまったのか。
俺も気になる子がけっこういたってのに本当に手が早いなお前は。
というかそもそも職場にまで百合の風を巻き起こす女を千人長に任命するなんてギルドの上層部は何を考えてるんだ!?
まったく……どうして俺の周りにはこんな変人しかいないんだよ」
こいつもどちらかと言えばカッコいい顔してるし同性からモテるんだろうな。
なんて羨ましい。
そう言えば確かに先週の『ギルドナイト通信』に出ていた新人の女の子達のコメント欄に『ルナに憧れて入った』と書いてあったけどそういう経緯があったんだな。
「ふっふっふ、ウチはこれでも仕事はバリバリこなしてるからパーフェクトクールビューティーにも見えるらしいッスよ。
だから勤務中に『仕事の事で話がある』と言っては個室に引っ張り込んでウチのコレクションしているキリン装備を着せてにゃんにゃんしても上からは全然疑われてないッス♪
で、本題なんですが会長の立ち上げた『キリン娘愛好会』なんですけど昔とは全然別物になって腐敗していってるみたいなんスよ」
急に真面目な顔になったと思ったら真剣に話し出した。
こいつは本当に公私の切り替えが早い。
早すぎてついて行くのに苦労するのもいつも俺なのだ。
「なんだ?
もしかして裏で密猟や奴隷を買いあさってキリン娘を飼育し始めて、とかじゃないだろうな?」
「よくわかったッスね!
この事は連中も上手く隠してるからまだ表には出てないッスけど、どうやら連中は法を犯してまでキリン娘を大量生産しようと画策しているみたいッス!」
マジで当たりかよ!
てゆーか俺が作った『キリン娘愛好会』は俺が抜けても問題ないようにちゃんと規則を文書化してあるし、そのルールを守れる奴しか入れない決まりになってるのにいつからそんな腐敗しちまったんだ!
「ったく許せねぇぜ……
許せねぇよなルナ。
キリン娘ってのは鍛え上げた女性ハンターの引きしまった無駄のない筋肉と適度な脂肪の混じり合った女性ならではの柔らかさのある美しいボディと、申し訳程度に隠す布地部分の絶妙なバランスによって成り立ち、汗ばむ肌と煌めくキリンの皮が生み出す芸術的な眩い光こそ最高なのだ!
だというのに裏で奴隷を買ってきて、適当なハンターに密猟させて手に入れた素材で作ったキリンシリーズを着せて悦に浸っているような馬鹿共が俺の作った愛好会の看板に泥を塗ってるなんて許せるわきゃねぇだろうがぁぁぁぁ!!」
「会長ならそう言ってくれると思ってたッス!
ウチはこれからギルドナイトの仕事として『キリン娘愛好会』の本部に直接乗り込むつもりッスけど一緒についてきてくれないッスか?
今回会長に会いに来たのもちょっと別件が忙しくて人数が割けないからハターン会長ならそう言って協力してくれると思ったからなんスよ」
「もちろんついて行くぞ!
イトラ達はどうする?」
イトラ達にも一応確認のために視線を向けてみればイトラ、サラ、ディオシキの三人は俺についてきてくれるようだ。
「私もサラさんやハターン師匠に拾われなければ奴隷としてその子たちと同じ運命だったかもしれないですしそんな連中を許せません」
「あたしの大好きなハターンを怒らせるなんて本当に許せない連中だよな!
きっちり、地獄すら生ぬるい暴力でとっちめてやる!」
「確かにハタっち繋がりで愛好会の人たちにも友人はいるからその人たちの安否も気になるしね。
僕様ちゃんもついていくよ」
さすがは俺の弟子だ。
俺の気持ちを分かってくれるなんて今日ほど三人の存在を嬉しく思ったことはないぞ。
「よし、今日はこのまま『キリン娘愛好会』を叩き潰しに行くぞぉ!」
「「「おー!」」」
こうして俺達は店を出るとルナが用意してくれていた竜車に乗り込む。
聞けば俺が同行すると言う前から用意されていたらしい。
俺がついて行くのはこいつの中ではすでに決定事項だったんだな。
あとギルドナイトの仕事を手伝うわけなんだから酒場での代金はしっかりとルナに払わせた。
ふっ、俺はいつでも冷静な頭脳を持っているからどんな事情があってもただ働きはしないのさ。
なんかこれって最高にハードボイルドじゃね?
モンハンからはまたまた逸れていくけどこういう話が10や20くらいあっても問題ないでしょう。