ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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俺の理性はもう駄目かもしれない……

 イトラのやつ、あの目は俺をピンチに陥れて吊り橋効果による相思相愛でも計画しているような目だな。

 

 だが、俺がそんな計画に捕まってしまうようなチャチな師匠ではないことを示してやる。

 

 

「それじゃあちょっと狩ってくる。

 サラ、ディオシキ。

 二人ともイトラのことを頼んだぞ」

 

 

 サラとディオシキにイトラが押さえられるとは思わないがだからと言って何も言わないのは師匠として問題あるし。

 

 一人での狩りなんて久しぶりだし本当のところ俺の活躍をイトに見せるとかよりも俺が楽しみたいという考えもあるんだよな。

 

 そうして川底に潜るために肺の中の空気をすべて吐き出し一気に潜水を開始する。

 

 ちなみに俺は超人的身体能力により呼吸どころか食事も水もなくとも一月は生きていけるのだ。

 

 

「(お、さっそく見つかったな)」

 

 

 川底には食事中らしいガノトトスの姿を見つけた。

 

 ガノトトスは俺に気づいたらしくゆっくりと様子を窺うように近づいてくる。

 

 このガノトトスみたいに用心する心構えを弟子たちにも身につけてほしいんだがな。

 

 あいつら単純だから作戦を立てたり考えて動くことをほとんどしないからいつか大怪我を負ってしまいそうだし。

 

 まっ、それで死ぬようなら俺の弟子をやれるわけないしあいつらの事は気にせず、俺は俺の狩りを始めようじゃないか。

 

 

「だっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁー!」

 

 

 川の水を大剣の衝撃波で切り裂き、すぐにガノトトスに接近し、その横っ面を思いっきり大剣で叩いて川から吹き飛ばし陸上戦にする。

 

 うん、やっぱ戦うなら陸上戦に限るからな。

 

 

「そしてガノトトス。

 お前の次のセリフは『ギャォォォォォォー!』だ」

 

 

「ギャォォォォォォー! はっ!!」

 

 

 急に川の中から陸上へ飛ばされたことに驚いていたようだが、もともと水陸両用のガノトトスは落ち着きを取り戻し、ブレスを放ってくる。

 

 

 そのブレスは難なく避けてトドメを刺そうとしたところで背後から俺を目掛けて飛んでくる物体を感じ大剣でガードをする。

 

 

[えへ♪

 師匠の手助けをしたくてサポートしようと思ったら外しちゃった♪」

 

 

 イトラだ……

 

 やはりお前はこういう作戦だったのか。

 

 

「おいイトラ一応言っとくけど俺をサポートするフリをして吊り橋効果を期待してるならやめておけ。

 俺はその程度でお前にときめくような柔な精神じゃないぞ」

 

 

「やっぱり……さすがはハターン師匠ですね。

 じゃあこれでどうですか?」

 

 

 イトラは先ほどまで着ていた水着を一瞬で脱ぐと次の瞬間にはサラと同じキリンシリーズ水着バージョンになっていた。

 

 

「こんなこともあろうかと思ってサラさんと一緒にトンお爺さんのところで特注して作ってもらってたんです♪」

 

 

 と、着替えを終えたイトラは年に似合わぬ色気を出しながらその幼い体を晒してくる。

 

 ぶほぉ!イトラの奴その格好でなんてポーズをとるんだ……

 

 イトラだけは今回キリン水着を持ってきていないと思って油断していたがここでその水着を俺に見せるのか!?

 

 ただでさえ今回はサラやディオシキの水着に普段の俺にはありえないくらい興奮していたというのにイトラの未成熟な四肢と膨らみかけたその小さな胸を申し訳程度に隠す幻獣キリンの美しい皮でできた水着は反則だろ!

 

 見ればサラやディオシキもあられもないポーズで俺を挑発してくる。

 

 

「ハターン、お前の大好きなキリン娘三人衆による応援団はどうだー?」

 

 

「ちなみに言っとくけど僕様ちゃんに脱ぐのが好きなんじゃなくて見られるのが大好きなだけだからその辺を勘違いしないでね。

 と言うわけだからハタっちになら特に見せたいし存分に見てちょうだい♪」

 

 

 こりゃ、すごい。

 

 まさに男の夢が詰まった最高の状況だ。

 

 なんかもうガノトトスなんてどうでもよくね?

 

 だってこの三人とイチャついてそれで終わりにしてもいいじゃん。

 

 誰もこんなおまけの狩りの結果なんて興味ないって。

 

 

「ギャォォォォォー!」

 

 

 だがせっかくいい気分で弟子三人を眺めていたのに心なしかイラついた様子のガノトトスが水ブレスを吐いて邪魔をしてくる。

 

 どうやらこのガノトトスは独り身のようだな。

 

 さびしい奴め。

 

 

「弟子にときめけ!

 キリン娘にときめけ!

 by,ハターン・モンスータ」

 

 

 俺は面倒になったので空高く跳びあがりガノトトスの背に降り立つと、その首に右腕を突き刺して中にある頸椎を一気にへし折る。

 

 このやり方は楽ではあるが首に腕を突き刺すときに腕に血がつくからあまり好きではないのだがたまにはいいだろう。

 

 すぐ傍に川もあるし俺はいま水着だし。

 

 

 で、ボギンと。

 

 命を狩り取った音が響く。

 

 ガノトトスは首の骨を折った時点ですでに死んでいるが俺の攻撃はまだ終わらない。

 

 口の中に瞬時に大タル爆弾を仕込む。

 

 

「正義は必ず勝つ!」

 

チュドーン!

 

 

 ガノトトスの死体に背を向けて決めポーズをとるとその瞬間死体が爆発した。

 

 この演出のために俺はガノトトスの口の中に大タル爆弾を多数仕掛けたのだがやっぱこれって最高にカッコいいよな。

 

 剥ぎ取りが出来なくなるからあまりしないんだけど。

 

 

「ふははははー!

 見たか弟子よ!

 この俺の真の姿をー!」

 

 

 なんか当初の目的とは大きく変わったがこれにてイトラに俺の腕前を見せる狩りは終了した。

 

 ……あれ?最初はディオシキの狩りを見せて終わりじゃなかったっけ?

 




 鉄拳チンミのネタをこれまで出してなかったので今回のハターンの狩りはボル将軍の穿孔破をイメージして書きました。

 そういえばチンミってもう30周年だったんですねぇ~。日本一ソフトウェアやジョジョもですが、周年が続くとファンとしては嬉しく思います♪

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