ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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やはりこうなるのか……

イトラside

 

 ディオシキさんってどんな人なんだろう?

 

 ハターン師匠は嫌っている、というより苦手意識を持っているみたいだけど昨日ギルドでマルさんにハターン師匠の弟子リストってのを見せてもらったけどディオシキさんって牙獣種の討伐記録だけなら師匠よりも上だったな。

 

 もしかしたらサラさんみたいに師匠の秘密を知ってるのかもしれないし教えてもらおう♪

 

 

ガキィンバキィンメキメキメキィ!

 

 農場の奥は森になってたから入ってみたんだけどそのさらに奥から何かの破壊音が聞こえる。

 

 

「女王乱舞!」

 

 

 そこには木を蹴りでへし折っていく長い青髪の綺麗な女性がいた。

 

 

「ん?僕様ちゃんの修行を盗み見るなんて敵かと思って見てみれば可愛らしい子猫ちゃんじゃないの♪」

 

 

 子猫ちゃんって私のこと?

 

 この人がディオシキさんかな?

 

 

「はじめまして、イトラ・ウボンガと申します。

 あなたはもしかしてディオシキさんですか?」

 

 

「お~やおや、君は最近……というか昨日から話題になっているミラボレアス殺し『殺戮人形(キリングドール)』のイトラちゃんかしら?

 やっぱり僕様ちゃんは運がいいね。

 君の姉弟子のディオシキ・ブラザキで間違いないわよ」

 

 

 ディオシキさんはとても丁寧なお辞儀をするとなんの前触れもなく突然私に抱きついてきた。

 

 

「あっはー、もう最っ高に可愛いわ♪

 ハタっちもこんな可愛い子を弟子にしたならすぐに連絡くれれば良かったのに」

 

 

「むぎゅ~、ちょっと苦しいです。

 あ、あのハターン師匠も農場の入り口で待ってますし、早く行きませんか?」

 

 

 この人すごい力だ。

 

 それに優しそうだけどなんでハターン師匠は会いたがらないんだろう?

 

 ……というか私よりもずっと大きな胸でベアハッグだなんて嫌味かしら。

 

 私だってまだ子どもだけどいつかは大きくなるんだから!

 

 

「それじゃあさっそく行きましょうか♪

 ハタっちは僕様ちゃんを嫌ってるから早くいかなきゃ君を置いてでも帰っちゃうだろうからね」

 

 

 ようやく離れてくれたディオシキさんは私の手を引いて歩き出した。

 

 森の奥へと。

 

 

「ちょっとディオシキさん!

 道が違います!

 入り口はこっちですから!」

 

 

 そう言えば方向音痴で目が悪いんだっけ。

 

 それなのにハンターをしているなんてこの人はどんな戦い方をするんだろう。

 

 だけどちょうどその時ハターン師匠が私を追ってきたやってきた。

 

 

「おーいイトラ。

 ディオシキは本当に面倒な奴だから見つからないように早く帰ろ……う」

 

 

「あー、ハタっち見ーつけた♪」

 

 

 ディオシキさんと目があった師匠は心底嫌そうな顔をして逆方向に逃走しようとしたけどそれよりも早くディオシキさんは師匠に飛びついた。

 

「ウッハー♪

 久しぶりのハタっちだー♪

 くぅぅぅぅ、このハタっち特有の匂いは最高だよ~」

 

 

「おい、離れろ馬鹿弟子!

 気持ち悪い気持ち悪い、いやマジで気持ち悪い!

 今の弟子のイトラはマジで ぱないんだから俺に近寄るなって!」

 

 

 なるほどなるほど、これが知られたくなくて師匠はディオシキさんに会いたがらなかったのね。

 

 よく分かったわ。

 

 ディオシキ・ブラザキは私の恋敵ね!

 

 

 

 

 

 

ハターンside

 

 

 まずいな、イトラの奴がまた黒くなってやがる。

 

 結局いつも俺が苦労するんだよな。

 

 やれやれだぜ。

 

 

「イトラも落ち着け。

 そしてディオシキも離れろ。

 俺は今更逃げたりしないからよ」

 

 

 ディオシキを無理矢理押しのけてイトラを抱き上げてやると途端にイトラは大人しくなりディオシキも素直に離してくれた。

 

 

「さて、ハタっちもイトラちゃんが可愛いから独り占めしたくて僕様ちゃんに連絡をしなかったんだろう。

 イトラちゃんも安心してよ。

 僕様ちゃんはハタっちに惚れてはいるけど結婚には興味がないからお嫁さんの座は君に譲るよ。

 というか君の殺気はさすがの僕様ちゃんでも耐えれそうにないからさ」

 

 

 ま~たイトラが勘違いするような事言いやがって、迷惑な奴だ。

 

 ほら見ろ、さっそく俺に甘えてきやがったじゃねえか。

 

 

「それで目的はイトラだけじゃないんだろ?

 見つかってしまった以上今更逃げたりはしないが俺も暇じゃない。

 用件は早く言ってくれ」

 

 

 イトラの方を見れば俺の胸に顔をこすりつけて幸せそうにしている。

 

 これでしばらくは暴走を防げるだろう。

 

 

「ぎゃはは。

 気が早いハタっちも最高に可愛いじゃないか♪

 実は用件とは僕様ちゃんをしばらくハタっちの家に泊めて欲しいってことなんだよ♪」

 

 

 俺の意見を聞くつもりはさらさら無いようだな。

 

 こいつも昔からこうだったが俺の家に泊まるのはもう決定事項のようだ。

 

 抱き上げたイトラの温もりに癒されながら俺は現実逃避を試みてみた……




 昔、私がまだモンハンを遊んでいた頃、何となく面白そうだからという理由で猟団を作っていたんですよね。

 作った猟団は私のモットーに賛同してくれる人が集まってるので、かな~り変人揃いだったのをよく覚えています。
 本当にやりたい放題で、ゲームとはいえ、秩序とルールがない組織がどんなものかを教えてくれる経験でしたよ♪

 なのでこの物語に出てくる登場人物も普通じゃない人が多くなっていくと思います。

 そこがモンハン原作の二次創作のこの作品における、数少ないモンハンらしさだったりするので、やっぱりモンハンらしい話は今後もあまり出ないんですよねw

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