ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 やっぱモンハンなら4人いなきゃならないわけで、主人公は最強ですが過剰戦力にしていきたいのでもう一人欲しい訳ですよ。

 過剰戦力……いい響きだ♪




第三章:ディオシキ襲来編
かつての弟子の来訪は歓迎すべきではない


 翌朝、いつもより早くに目を覚ました俺は着替えを終えるとイトラ達の朝食を作るために台所に向かった。

 

 

「おはようごさいます師匠。

 朝は清楚なのがいいと思ったのでキリンSシリーズでシンボルカラー白にしてみました♪

 それにしても下位、上位、G級のキリンシリーズの全サイズを全シンボルカラーごとに作成してるなんて本当に師匠はキリン好きなんですね」

 

 

 しかしイトラは俺よりも早起きしてすでに朝食を作り、今朝もキリン装備を着て俺を出迎えた。

 

 あぁ、寡黙で渋いカッコいいという俺のイメージが崩れてしまった気がする。

 

 

「……キリン装備はイトラにとてもよく似合っているが一晩寝て頭をすっきりさせた俺にその装備は効かん(内心いっぱいいっぱいなのは秘密)。

 ところでサラはどこだ?」

 

 

 サラが余計な事を吹き込まなければ俺が理性と欲望の板挟みにならなくても済んだってのに。

 

 まったくあのアホ女め!

 

 イトラにつまらん事を吹き込んで楽しんでるんだろうな。

 

 ……確かにキリン装備のイトラは可愛いけど。

 

 

「サラさんならまだ寝てますよ」

 

 

 それは意外だな。

 

 サラは食べることが生きがいだから食事の時間はきっちりしてたんだがどうしたんだろうな。

 

 

「さて、イトラ。

 今日の予定だが今日はお前にハンターの基礎として採掘や採取を教えるために農場に行こうと思う」

 

 

「いまさら農場ですか。

 何やら師匠の教え方は気分で決めているみたいですね。

 そんな所も私は大好きですけど♪」

 

 

 キリンシリーズを着ているからか昨日までの三倍はかわいく見えるな。

 

 まぁ、いい。

 

 

「とりあえず朝食が済んだら出かけるから準備しろよ」

 

 

 俺の弟子育成方法はかなり気分で決まっていたりするが、ハンターなのだからモンスターを狩るための知識と技術が一番大事で、採取や採掘、調合なんかは二の次三の次となるのが普通だろう。

 

 そうしたやり方で俺はずっと多くの弟子を一流のハンターに育て上げてきたのだ。

 

 ギルドでも最近は俺のやり方を真似し始めているようだしな。

 

 あとサラにも一応声を掛けてみたんだが二日酔いで寝ていたようだ。

 

 ざまぁみろ。

 

 

 さて、そんなこんなで俺たちは農場に来ている。

 

 実は俺専用にギルドが用意してくれたこの『ハターン農場』は広さも資源も豊富で俺一人では使いきれないほどの鉱物や虫、野菜や魚などもたくさん採れるため、ハンターをやめても食って行けるほど儲かっていたりするのだ。

 

 

「ニャニャーン♪」

 

 

 そして、農場に入った途端に俺に飛び付いて頬ずりしてきたこの猫こそが俺の農場の管理を任せている管理責任者アイルーのワリサだ。

 

 

「ご主人久し振りだにゃ。

 あにゃたのために忠誠を誓ったこの農場管理責任者のワリサはご主人のためにゃらたとえ火の中水の中にゃのにゃ。

 はぁ~、ご主人のほっぺはスベスベにゃ、す~りす~り♪」

 

 

 農場に来るのもかなり久し振りなんだがこいつの俺への忠誠心は相変わらずだな。

 

 こいつとの出会いは思い出しても馬鹿らしいのだが、道端で死にかけているのを拾ったのだ。

 

 困ってる奴を助けるのは男らしくてカッコいい、と思って同情や情けみたいなチャチな感情ではなくそうすべきだという直感で助けてやったのだ……というのは嘘だが色々あったんだよ。

 

 まぁ、それでもここまで懐かれてしまうのも照れてしまうがな。

 

 怪我で尻尾は失くなってしまったようだがその銀色の毛並みは相変わらず美しい光沢と手触りのため、実は特にお気に入りのアイルーだったりする。

 

 だからしばらく顔に張り付いてくるワリサを放置して頬に当たる肉球やふかふかの毛並みを堪能していたのだが隣にいるイトラの視線が段々と黒くなってきたのでそこで終了。

 

 ったく、イトラも猫相手にそこまで殺気をぶつけるなよな。

 

 

「暑苦しい挨拶は寄せ、ワリサ。

 ところでほかの連中はどうしてた?

 何やらしばらく来ないうちに農場はボロボロになってるしそれと関係があるのか?

 これでもお前を信頼して管理を任せていたってのに荒れ放題じゃないか。

 俺の新しい弟子に採掘や採取を教えようと思ってたんだがモンスターでも襲ってきたのか?」

 

 

 ハードボイルドなカッコ良さを目指すためにもこう言っておかなければこの猫は俺にいくらでも甘えてきそうだからな。

 

 などと考えながら顔にしがみついていたワリサを引っぺがしたのだが周りをよく見てみれば、鉱石採掘が出来る岩壁は無残にも崩れ落ち、釣り用の桟橋は破壊され、虫の生息する茂みは踏み荒らされていた。

 

 前回来た時はここまで荒れていなかったはずなのにな。

 

 

「はにゃ~、実はご主人の元弟子の『殺獣鬼』ディオシキ・ブラザキ様がやってきまして、暇だからと言って暴れまわってしまったのですにゃ」

 

 

 いまなんて言った?

 

 ディオシキ・ブラザキ?……それは俺のもっとも聞きたくない名前じゃねえか!

 

 

「ハターン師匠、ディオシキさんって確か師匠の弟子の中でもサラさんと一位、二位を争う凄腕ハンターでしたっけ?」

 

 

「ああ、俺の弟子の一人で牙獣種専門のハンターなんだが、とにかく変人でな。

 俺の弟子の中でも特に異常な性癖の持ち主だ」

 

 

 俺の関わりたくない人物ランキングでも上位に位置するディオシキ・ブラザキという女が今ここに来ているというのならそうそうに立ち去るべきだろう。

 

 あの女はとんでもない方向音痴でド近眼だから たぶん俺の家を目指していたら俺の農場に辿りつき、これ以上探すくらいならここで俺が来るのを待ってた方がいいと考えたに違いないからな。

 

 そして暇つぶしでそこらで遊んでいたら結果的に農場が滅茶苦茶になったってところだろうな。

 

 

「あー、すまんなワリサ。

 俺とイトラはいったん帰ってまた今度来ることにする。

 ディオシキにはサラの次に迷惑かけられたから出来れば会いたくないんでね」

 

 

 俺のこれまで育ててきた弟子達は俺の育成方法がトラウマになった奴も多く、俺に会いに来る酔狂な奴はそんなにいないのだ。

 

 その中で俺に会いたくて会いにくる奴というのは本当にまともじゃない奴なのだ。

 

 と、すでに俺の中ではディオシキ=過去であり現在にかかわり合いを持たない者と位置づけていたのだがどうやらイトラの方は興味があるらしい。

 

 

「でもでも、私の姉弟子の方なら私は会っておきたいです。

 ちょっと探してきますね♪」

 

 

「あ、コラ。

 ディオシキは迷惑なやつなんだから探すんじゃない!」

 

 

 だが、すでに走り出したイトラはディオシキを探すために農場の奥へと走って行ってしまった。

 

 あぁ、イトラも俺の弟子の中では特に異常なんだったな……

 

 もしかしたら弟子同士の何かしら感じる波動だか覇気だかにあてられたのかもしれん。

 

 そんな事を考えながら俺も農場の奥へと足を踏み入れる。

 

 かつての弟子にできるだけ会いたくないと思いながらも……

 




 新キャラは次話で♪
 名前でだいたいわかりそうですけど、アレとコレを元に混ぜ合わせてます。
 明日の話を投稿したら登場人物設定に追加予定です。

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