ハターン・モンスータの狩りと愛の日々   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 こちらでは第1作目となるわけですが、『小説家になろう』にて掲載していた作品です。

 モンハン小説ですけど、あらすじに書いてある通り、モンハンらしさは期待しないでくださいねw


 


第一章:イトラが黒くない編
厄介なことを押し付けるなよ


 酒とタバコの匂いの漂う店内に慣れた様子で入っていく。

 

 そんな俺に気づき食事の手を止めて、憧れの眼差しを向けてくる者がいるがそんな事は俺の知ったことではないので足を止めることなくまっすぐにカウンターに進む。

 

 

「あら、おかえりなさぁ〜い。

 やっぱりハターンさんには今回の依頼も簡単すぎたみたいね」

 

 

 カウンター席からの受付嬢とは思えないだらけきった態度の出迎えすら俺にとってはどうでもいいことだ。

 

 

「俺より強いモンスターなどいない。

 いるのは獲物だけだ」

 

 

「うーん、そんなところがカッコいいけどその無愛想な所を直さないとモテないわよ」

 

 

「ほっとけ」

 

 

 俺はいつものように報酬の入った麻袋を受け取り、いつもの席に着き、いつものメニューを頼む。

 

 これが俺の日常だ。

 

 

 さて軽く説明すると俺の名はハターン・モンスータ。

 

 このトイダーヴァという街でハンターとして第一位の座にいる者だ。

 

 それと信じられないだろうが俺はこれまで恐怖を感じたことがないのだ。

 

 生まれついての特異体質なのか俺の目に映る生き物はすべて弱者にしか見えないからな。

 

 そんな事だから新人研修の手伝い以外で俺が誰かと組むこともなく、つねに一人で狩りに出ている。

 

 そしてそれは今日も変わることなくいつも通り食事を終えたらいつも通り帰って寝るといういつも通りの行動を予定していたのだが、今日に限ってはいつもと違って珍しくそれができなくなってしまうのだった。

 

 うるさい馬鹿にみつかってしまたからな。

 

 

「おーいハターン。

 やっぱりここにいたかー♪」

 

 

 お気楽な顔をした背の高い女が手を振りながら俺の席に近づいてくる。

 

 まったく手を振るな、周りをよく見ろ、人のグラスを床に落とすんじゃねぇ。

 

 

「また面倒事を持ってきたのか。

 俺に近づくな」

 

 

「釣れないこと言うなよぉ〜。

 可愛い弟子が会いに来てやったんだからさぁ〜♪」

 

 

 このアホ女、サラ・ムーイという名前なのだが俺が以前に新人研修をしたときに勝手に弟子として任されてしまったのだがずば抜けて優秀な成績でハンターになってわずか一週間でリオレウスを狩るまでに成長した太刀使いとなったのですでに弟子は卒業している。

 

 もっとも俺のことを師匠だなんてこれっぽっちも思ってないから尊敬の念などは持っちゃいないがな。

 

 ちなみにこの街のハンターの中でナンバー2、俺の次に強いハンターだ。

 

 

「実はハターンに頼みがあってきたんだよ」

 

 

「そんなこったろうと思ったよ。

 そして断る。

 俺は食事を終えたら帰って寝るから忙しいんだ」

 

 

 こいつが来るのはいつも面倒事を押し付ける時だからな。近づきたくないのだ。

 

 

「それにしても相変わらず無愛想だなハターンは。

 もっとあたしみたいに笑顔を意識すればモテるんじゃないか?」

 

 

「俺は恋だの愛だのといったチャラついたものに興味はない。

 ただのハンターであり続けることが出来ればそれでいいんだ」

 

 

「まぁそれは置いといて、あたしは弟子を育てることになったんだ♪」

 

 

 唐突だな。そしてやはり俺の話なんてこれっぽっちも聞いちゃいない。

 

 

「だけど師匠になるってのはどうしればいいのかわからないからハターンに師匠のやり方を教わりにきたんだ」

 

 

「そんなもん知るか! 

 ひとり立ちしたお前に俺が教えることはないさっさと帰れ」

 

 

 それでもサラは帰らない。

 

 

「ふっふっふ、実はハターンならそう言うだろうと思って連れてきているのだ!

 さぁ、出でよ我が弟子。

 ハターンに色々と教えてもらえ♪」

 

 

 サラの背後には俺ですら気配に気づかないほど存在感の薄い少女がいた。

 

 そしてサラよ。教わると言っておきながらこれは俺に丸投げしてるんじゃないのか? 

 

 

「あ、ああの、始めまして。

 サラさんの弟子になったイトラ・ウボンガと言います。

 その、よ、よろしくお願いします」

 

 

 そう言うと再びサラの背後に隠れてしまう。

 

 気弱な少女のようだな。

 

 背中に背負っているのはライトボウガンのようだがそれがヘヴィボウガンに見えてしまうくらい目の前の少女は小柄だった。

 

 

「おいサラ。

 この子はいったいいくつだ。

 俺もお前も背は高い方だがこの子は異常に小さく見えるんだが」

 

 

「おう、イトラは今年で10歳だ。

 本来ならまだまだ遊び盛りなんだろうけど両親が死んで引き取り手がいないからあたしが弟子として育ててるんだ」

 

 

 ……あぁ、やっぱこう来るか。

 

 俺がお人好しだというのを知ってるから来たんだろうな。

 

 確かにここで断るのは簡単だが、俺としても何かしてやらざるを得ない気持ちになってくるな。

 

 

 サラを見ると断れないだろう、と言いたげな顔で俺を見ている。なんかムカツク。

 

 

「まぁ、いいさ。

 それじゃあお前ら二人に教育してやるさ。

 これでいいんだろ?」

 

 

「さっすがハターンだ。

 あたしってば考えなくイトラを引き取ったけど子どもの気持ちとかには疎いからさ」

 

 

 あぁ、そうだろうさ。だからお前が俺の弟子だった時に俺は他の弟子育成をしていたハンターよりも何倍も苦労かけられたからな。

 

 卒業は早かったけど。

 

 

「あの、よろしくお願いしますハターンさん。

 弱いですけどがんばります」

 

 

 外見通り小さな声を精一杯出したのだろう、イトラはビクビクしながらも俺の前に来て言った。

 

 そんなに俺は恐いかねぇ。




 私はネーミングセンスはないですので毎回毎回適当につけています!

 フロム脳ですが魔法みたいなものは出しません。

 というか戦闘描写はおまけですのでモンハンらしさは期待しないでくださいw

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