とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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後日談その11

 月 日

白昼堂々と誘拐されそうになっていた少女を保護した。少女の名はナタリア・コルダというそうだ。バイオテロ事件で両親を亡くした彼女はテラセイブの施設で幼い頃から育ち、ようやく見つかった里親となってくれる人物の元へ向かう最中に誘拐されそうになったところを私に助け出された様子。誘拐という危機に不安は感じているようだったが、ナタリアには恐怖という感情が欠落していると判断できた。恐らくは彼女が3歳の頃、2004年に起きたバイオテロ事件テラグリジア・パニックから奇跡的に救出されたことが原因で恐怖の感情を失ったのだろう。彼女を誘拐しようとしていた人間は失神する前に「こいつが例の」と言っていたことから情報が漏れていたことは間違いない。問題は誰が情報を漏らしたのかだが、外部の不穏な輩に情報を漏らしそうな奴がテラセイブの幹部職員に1人いるな。今回の誘拐はニール・フィッシャーの手引きによるものの可能性が高い。見返りに何を手に入れるつもりだったのかは解らないが、計画は頓挫している。今回の件でニール・フィッシャーが利益を手にすることはないだろう。

 

失神している誘拐犯達は良く眠れるように薬を投与しておいて誘拐犯達の車にある広い後部座席に詰め込んでおいたから何をしようと数時間は眠ったままだ。ナタリアを里親の元まで送っていく時間は十分にある。ちょうど車が落ちていたので車で送っていくとしよう。助手席にナタリアを乗せて車を発進させた。里親の元で新生活を迎えることになるナタリアは不安を感じているようだったが、会話をして心を落ち着かせてから里親がどんな人なのか聞いていく。優しそうな人だったから誘拐されそうになったって言ったら心配するかもしれないと言うナタリアに正直に全部話して素直に心配された方がいいと言っておいた。辿り着いた里親の家の前で車から降りたナタリアが色々とありがとうお兄さんと言って去っていく。ナタリアは素直ないい子だった。さて誘拐犯達は情報を搾り取ってから処理するとして、この車はどうするかな。買い取ってもらうのも悪くはないか。商人の元に向かうとしよう。彼なら問題なく買い取ってくれる筈だ。車に傷がつかないように行動しておいて良かった。それなりの値段で売れるとは思うが、どうなるかな。まあ、売ってみれば解るか。

 

 月 日

誘拐犯から搾り取った情報ではナタリアを狙っていた連中は、恐怖心のない彼女を老い先短い首領の精神と記憶を注ぎ込む新たな器として求めていたようだ。問題の組織が開発した精神と記憶の転移システムは器となるものが強固な精神を持っていなければ成立しない。恐怖を感じることのないナタリアはまさにうってつけな存在だったらしいな。ナタリアが恐怖心のない存在だということを知っていた理由はテラセイブの幹部職員からの情報ということになる。その幹部職員は見返りとしてウロボロス・ウィルスを求めていたようだが拉致が成功してから提供するとのことなので、幹部職員がウロボロス・ウィルスを手にすることは無さそうだ。このままではナタリアが狙われ続けることは間違いない。彼女の新生活にも支障をきたすことになる。新たな門出を祝う代わりに問題の組織は潰しておくとしよう。組織の拠点と構成員達の情報は解っている。装備を整えて向かうとするか。老い先短い首領が寿命を迎える前に息の根を止めてやろう。

 

 月 日

到着した組織の拠点に静かに入り込む。構成員達の背後から忍び寄って頭部を掴み真後ろを強制的に向かせて頚椎を捻り折っていきながら殺害していき装備を奪い取る。異常に気付いてBOWを放ってきたところで奪い取っていた装備を活用して始末していく。弾を撃ち尽くした機関銃を放り捨てて新たな機関銃を構えて撃つ。全てのBOWを始末することができたら生き残りの構成員を処理していく。構成員も全て処理をし終えたら拠点にある最奥の部屋の扉を開けた。そこでは老い先短い老人が1人豪勢な椅子に座っている。確実に寿命が迫っていた老人は自らにウロボロス・ウィルスを投与していたようで瞬く間に黒い蛭状のウィルス嚢胞に全身が覆われて異形と化した。どうやらウロボロス・ウィルスに適合する遺伝子を老人は持っていなかったようだ。左腕義手を変形させて火炎放射を行うとオレンジ色のコアを露にするウロボロス。剥き出しのコアにL・ホークで大口径の銃弾を叩き込み、コアにダメージを喰らわせていく。どうせ死ぬならせめて一矢報いんという気持ちでウロボロス・ウィルスを自らに投与したであろう老人は新たな肉体に執着していた割りには思い切りがいい。確かに無力な老人と比べればウロボロスは厄介な存在だが、変形した左腕義手からせり出してきた銃口から発射された特製の焼夷弾を連続で喰らい続けたウロボロスは遂に倒れる時がきた。老人の成れの果てを打ち倒して私は拠点を後にする。これでナタリアを狙う組織は壊滅だ。見返りを求めていたテラセイブの幹部職員の計画もご破算といったところかな。残念だったなニール・フィッシャー君。貴様の思い通りにはならない。いい加減に諦めてテラセイブの仕事だけに専念するんだな。

 月 日

ウィルスに適合した人間は常人を遥かに超えた存在だと言える。ウィルス適合者である自らを選ばれた存在と信じる者も少なくはない。その力を振りかざして物事を強引に押し通そうとする者も多く。私が今まで遭遇してきたウィルス適合者で、まともだと言える存在は片手で数えられる程度の数しかいない。ウィルス適合者の大概がまともな人間ではなかった。力を手にして変わってしまったのか元々そういう人間だったのかは解らないが、ろくな人間がいなかったのは間違いない。ウィルスに適合する人間は総人口に比べれば一握りだが、確実に存在している。どうやら私はウィルス適合者との遭遇率が高いようで頻繁に遭遇しているが、ウィルス適合者の殆どが敵だった。今まで打ち倒してきた数は片手では数え切れないほどになる。ウィルス適合者達の思想が受け入れられるものではなかったり、問答無用で敵対していたりもしながら結局は戦うことになることばかりだ。例外は商人の元にいる金髪君とシェリー・バーキンに最近出会った喧嘩屋ぐらいだな。直接出会った訳ではないがマヌエラ・ヒダルゴもまともではありそうだ。後は私の息子もまともな子だな。やはり片手で数えられる程度しかウィルス適合者で、まともな人間はいない。私とアレクシアはまともとは言えないので外しておく。非道な人体実験をしても何ら罪悪感を感じることのない人間は、とてもまともとは言えないのでな。息子がウィルス適合者達みたいに歪むことのないように育てていこう。真っ直ぐな優しい子に育っているようなのでこのまま成長していってくれればいいんだが。今まで始末してきた適合者達のような思想を抱くことのないように気をつけていかなくてはいけない。親として責任重大だな。

 

 月 日

BSAA北米支部の面々が休暇を謳歌している中でクリス君とピアーズ・ニヴァンスにスティーブ・バーンサイドは休日も3人で行動しているようでプライベートでも付き合いがあるようだった。クレア・レッドフィールドとの結婚が決まったスティーブがクリス君とピアーズにお祝いをされているようで、先立って必要になりそうな物を買いにきている様子。山の様なベビー用品を購入しているクリス君に「こんなに必要になるんですか隊長」と困惑しているピアーズの姿があった。期待されていることに報いれるか不安になっているスティーブにクリス君の力強い励ましの声がかかる。前を真っ直ぐに向いたスティーブに「クレアを幸せにしてやってくれ、それができるのはお前だけだ」とクリス君からの言葉がかけられて、スティーブは「任せてくれ、隊長」と力強く頷いていた。1998年にロックフォート島で見かけた2人が結婚するとは思ってもみなかったが、めでたいことではあるので祝福しておこう。2人は互いに仕事があるので家庭を両立するのは大変なことかもしれないが、それもきっと乗り越えることができる筈だ。多忙な毎日をおくるスティーブが家庭に帰れるように調整をするとクリス君は言っていた。その分の負担はクリス君がカバーすると決意をしているようだが、無理をしなければいいんだがね。BSAA北米支部への資金提供をもう少し多くしておくとするか。潤沢な資金があれば充実した装備を用意することができるだろう。隊員達の生存率も向上することは間違いない。これでクリス君の負担も少しは減ることになる。バイオテロがこの世から消え去れば、危険を伴うBSAAの仕事も無くなるんだが、そう上手くはいかないか。バイオテロの根絶は遠い。

 

 月 日

裏社会で大規模な抗争があり人間とBOWが入り交じった大量の死体が転がっている。早急に死体の処理をしなければならないと依頼が回ってきたが、死体を墓に納める必要はないとのことなので有効に活用させてもらうことにした。エヴリンを連れて現地に向かい全ての死体を手早くモールデッドに転化させて連れ帰って戦力の増強を行っておく。人間とBOWの死体は原型を留めずに全てがモールデッドへと変わった。これだけの数のモールデッドがあればできることは沢山ある。エヴリンも久しぶりに生物兵器としての力を振るうことができて満足している様子だった。あとは特異菌が残らぬように特異菌の血清と同様な効果がある薬品を散布しておけば問題はない。それで死体の処理は完了だ。エヴリンとモールデッド達を拠点にまで送ってから、依頼達成の報告をすると確認の為に人員が派遣された後に報酬が振り込まれた。十分な報酬を手に入れることができたので、今回の功労者であるエヴリンに報酬を全額渡しておくとしよう。エヴリンがいなければ依頼をこんなにも早く達成することはできなかったのでな。今回はエヴリンの働きが非常に大きいので報酬はエヴリンが手にする権利がある。私は最後に薬品を散布しただけなのでね。拠点に帰りエヴリンに報酬を手渡すと驚いているエヴリンに今回はエヴリンが頑張ったから報酬はエヴリンのものだと説明して受け取らせることにしたが、エヴリンはたいしたことはしていないと報酬を返そうとしてくる。その後は何とかエヴリンを説得して報酬を受け取らせることには成功したが少々手間がかかったな。働きに見合う報酬をエヴリンに渡せて良かった。

 

 月 日

息子が研究成果を見てほしいと言ってきたので拝見させてもらうことにする。ハーブの効率的な薬剤への加工方法から始まり、ハーブの理想的な調合配分に、色違いのハーブの用途の詳細など、数多のハーブに関する内容が詰め込まれた研究成果は、3歳の子供が考えたとは到底思えないほどに綿密なものであり、読むだけでハーブに対する熱意が伝わってきた。文句なしに素晴らしい内容ではあったので、正直な感想を息子に伝えると照れている息子。可愛らしい様子の息子を抱き上げて抱きしめる。息子の頭を撫でながら研究成果の一部分を抜き出して質問すると、直ぐ様答えが返ってきた。息子は完全に研究成果を記憶しているようだ。ハーブに関する内容であそこまで情報が詰め込まれたものを見たのは初めてだった。息子のハーブに関する知識は既に一部の分野ならば私に匹敵しているらしく。このままの調子で息子が成長していけば、私以上のハーブの知識を手に入れることは間違いないだろう。いずれは追い抜かれるとしてもそれは今ではない。私も今のままではいけないな。ハーブに関する知識を更に身に付けるとしよう。容易く追い抜かれることがないように新たな知識を手に入れていかなくてはいけない。愛する息子の壁となれるように父親として努力しなければな。とりあえずは全世界のハーブは知っているが、更に知識を深めていくとするか。まだまだ息子に負ける訳にはいかないのでね。また忙しくなりそうだ。

 

 月 日

アレクシアがエヴリンと会話していた。会話の内容は日記に書けるような内容ではないが、2人は真剣に話していたので邪魔をするようなことはしなかったが、息子の両耳を両手で塞いで内容が聞こえないようにしてから一緒に移動しておく。3歳の息子が聞くには早すぎる内容だったのでね。まあ、いずれは必要なことかもしれないが今現在は早すぎる。息子には、せめてあと11年は必要だ。アレクシアとエヴリンの会話は暫く続いており、会話が聞こえない位置で息子と2人で過ごすことになった。無邪気な息子と一緒に遊びながら時が過ぎていくのをひたすら待つ。息子の体力はかなりのもので、遊びの最中にも尽きることのない無尽蔵な体力を見せつけたが、身体能力で上回る私が息子を捕まえることは容易かった。追いかけっこが終わり満足した息子と横になって昼寝をしていると会話が終わったのかエヴリンとアレクシアが現れる。エヴリンとアレクシアも昼寝をしにきたらしい。頬が赤いエヴリンが私の背中に身体を預けてきた。まだ頬が赤いのは会話の内容が内容だったからだろう。エヴリンごと抱きしめるように伸ばされたアレクシアの手が私の身体に触れた。息子、私、エヴリン、アレクシアの順番で並んで横になっている。エヴリンの息が荒く背中に息が当たるので、大丈夫かと聞くと大丈夫だと返事が返ってきた。とてもそうは思えないが本当に大丈夫なんだろうかと思いながらも眠気には堪え切れず段々と瞼が重くなっていくことを自覚する。今日の日記はこれまでにしようか。

 

 月 日

引き受けた者達が今まで誰も帰ってきていないという調査依頼を受けて向かった先でtウィルスによって巨大化した蛇が現れた。ウィルスによって凶暴化していても蛇としての動きしかできない相手に遅れを取ることはなく。容易く始末することができた。巨大化した蛇の牙には毒があり、採取したそれは猛毒である。私ならば噛みつかれても問題はないが、常人ならば数分で死亡することは間違いない。更に奥に進むと今度はtウィルスで巨大化したワニが現れた。種類としてはアリゲーターで間違いないがサイズが大違いだ。蛇よりも随分と打たれ強かったがガスボンベを噛ませてからボンベを銃弾で撃ち抜き爆発させてやり頭部を吹き飛ばすことで始末した。その後は障害なく最奥まで辿り着き調査は完了となる。調査の途中で遭遇した蛇とワニに関する情報も添えて依頼主に調査情報を送ると依頼達成となり成功報酬が振り込まれた。今まで調査依頼を引き受けた者達が帰って来なかったのは蛇とワニに喰われてしまったからだろうな。私のように撃退することができなかった者達は全て蛇とワニの腹の中だ。今となっては完全に消化されていて腹を裂いても痕跡を見つけることはできない筈で遺体も残っていない。今回も私は生き残ることができた。危険な依頼であろうと引き受けて達成する私に、仕事の依頼が途切れることはない。どれを引き受けるかは私が決めているが、一度引き受けた依頼は失敗することなく達成しているので依頼主には満足してもらえているみたいだ。大概の依頼は引き受けるが表の人間を犠牲にするような依頼は引き受けないようにしている。線引きは大事だ。一線を越えない様に気をつけている。それでも十分な利益は得ているから問題はない。

 

 月 日

BSAAの大手スポンサーになっている9人の富豪は以前ウロボロス・ウィルスの適合者が開いた仮装パーティーに参加していた人物達で、私の手によって適合者によるウィルス投与の選別から逃れた者達だ。その時の経験から全世界に散らばるウィルスに危機感を覚えてBSAAに出資するという発想に至ったことは間違いない。彼等が出資してくれたことでBSAAは潤沢な資金で最新の装備を整えることができた。それによって隊員達の生存率も大幅に上昇したようだ。BSAAにとって9人の富豪はとてもありがたいスポンサーだったことだろう。あの出来事が無ければ9人はBSAAに出資するという決断を下すこともなかった筈だ。世の中何がきっかけになるか解らないものだな。9人の富豪はBSAAの本部とそれぞれの支部に均等に出資をしている為にどこか1つが突出しているということはないようだ。バイオテロと日々戦うBSAAには私も出資しているが、富豪達9人の合計金額に比べれば微々たるものだな。それでも確実にBSAAの力にはなっているようだから問題はない。これからも資金提供は続けていこう。9人の富豪の様に自らの経験からBSAAに出資する者達も少なくはない。自分に被害が訪れないと実感ができない人間も多く存在する。対岸の火事と思っていたものに直面して被害者となったことで脅威を実感した者達は、ようやくそれに備え始めるのだ。バイオテロの脅威を知り、それと戦うBSAAに手助けをしなければと思い、資金提供という形で力になろうとする者達は世界中にいる。そんな者達や「製薬企業連盟」の資金提供を受けて今日もBSAAは戦っていく。バイオテロが消え去ることを願って戦い続けるBSAAの願いが叶う日が、いつになるのかは解らない。それでもBSAAは戦いを続けていく。より良い明日が訪れることを信じて戦いを続けるBSAA。いずれ戦いが終わる時を目指していくBSAAに幸が訪れることを祈っておく。

 

 月 日

家族全員で出かけることになりはしゃいでいる息子とエヴリンと3人で手を繋いではぐれないように気をつけておく。元気な子供達に引っ張られるように進んでいく道の途中で、つまづいて転びそうになった息子とエヴリンを瞬時に抱き抱えた。2人が転ぶことはなく私の腕の中にいる。息子とエヴリンの2人を降ろして立たせて、注意して歩くように言っておく。頷いた2人に手を差し出して再び手を繋いでおいた。そんな私達を後ろから見ていたアレクシアが笑いながら私の背中に抱きついてくる。そのままの状態で歩くことになり奇妙なものや微笑ましいものを見るような目で見られることになった。両手と背中が家族で塞がっている私に近寄るものはおらず、距離を置いて此方を眺める者達が多く存在する。どう考えても仲の良い家族だと思われていることは間違いない。辿り着いた目的地のレストランでようやく背中から離れたアレクシア。家族全員が座れる席に案内されて着席し、料理を注文する。全員が満足のいく味だった料理を食べ終えて食事を終わらせてから席を立ち支払いを済ませてレストランを後にした。

 

レストランを出ると手を差し出してくる息子とエヴリン。2人と手を繋いで歩き出したらやはり背中にアレクシアが抱きついてくる。どうやら今日はそうしたい気分らしい。アレクシアをそのままに拠点にまで帰宅すると家族全員で手を洗いにいく。特製のハーブ配合液体石鹸で手を洗い雑菌を洗い流す。手が綺麗になったところでタオルで拭き、部屋に移動する。今度は真正面から抱きついてくるアレクシアに左右から抱きついてきた息子とエヴリン。家族に愛されていることがよく解る。私に抱きついている家族全員を持ち上げて移動を開始すると、皆楽しそうに笑っていた。家族の相手は大変だ。皆に怪我をさせないように気をつけて動かなければいけないからな。愛する家族に愛されていて幸せだから、この程度は苦ではないがね。今日は何時間このままなのかは解らないが、家族全員が満足するまで離れることはないだろう。いつもこうして抱きつかれている最中に思うことは、家族が愛しいということだけだ。家族の笑顔を見ていると胸が暖かくなる。私が護らなくてはならないものがここにあると実感できた。私は家族を愛している。だからこそ誰にも手出しはさせない。大切な家族を必ず護り通してみせる。手段を選ぶつもりはないし、容赦もしない。家族の敵は私の敵だ。誰1人として逃しはしない、確実に仕留めてやるとしよう。今までそうしてきた、これからもそうする。何も変わりはしない、いつも通りだ。平穏な日常の為に不要なものの処理をする。ただそれだけのことだな。

 




ネタバレ注意
バイオハザードリベレーションズ2に登場する人物
ナタリア・コルダ
バリーが孤島に上陸した直後に出会った、いたいけな少女
理性を失った被験者や獰猛な変異クリーチャーが徘徊する危険な島で、何の武器も特殊な装備も持たずに海岸線までの長い距離を移動しながら、たったひとりで無事に生き長らえていた
2004年の大規模バイオテロ事件で両親を失って孤児となり、それ以来テラセイブの施設に保護されて育つ
こうした幼少時の過酷な体験から、感情の起伏に乏しく、あまり自分の気持ちをはっきりと示さない内向的な性格となっているが、何よりも孤独を恐れるために島内捜索の同行については決して譲らず、バリーを折れさせるだけの意志の強さを見せた
不思議な知覚能力を備えており、肉眼では捉えられない敵の存在を感じ取ることができる
ナタリアが持つ超知覚は物陰に潜む存在を目に頼らず察知することができる
バリーの上陸地点にまで辿り着けたのもこの能力によるもの
ナタリアが3歳当時に遭遇したのは、意図的にBOWとウィルスが都市攻撃に使用されたテラグリジア・パニックであった
地中海の人工島に建造された先進海上都市テラグリジアでは四方を海に囲まれていた地理的要因もあって住民の多くが脱出できぬままにテロ攻撃にさらされ、その犠牲者はおびただしい数にのぼった
ナタリアの両親もここで命を落としており、まだ幼かった彼女が救助されたのはまさに奇跡と呼ぶべきケースだったのだが、結果としてナタリアは恐怖心が麻痺した特殊な心理状態を示すことになる
バリーと出会い島内を共に散策することになるナタリアは小さな身体を活かして大人には通れない場所を進み、施錠された扉をナタリアが内側から開放したりして協力しながら先へと進んでいくバリーとナタリア
ナタリアはウィルスによって醜い身体で蘇ったアレックス・ウェスカーに狙われながらもバリーと島の最奥まで到達する
友達のクマのぬいぐるみロッティがアレックスに八つ裂きにされながらもウロボロス・ウィルスを自らに投与して怪物化するアレックスに戦いを挑むバリーと共に戦い
ナタリアはアレックス・ウェスカーに掴まれてしまう
この後エンディングによってはナタリアはナタリアではなくなるが
グッドエンディングではモイラ・バートンが助けにきてナタリアは助かる
バッドエンディングではナタリアの身体を得たアレックス・ウェスカーが覚醒する

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