とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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銛で魚がゲット出来るのは4だけ

 月 日

鶏が卵を産む、それは自然な事だ。しかし金の卵を産む鶏が実際に居るとは思わんだろう。プラーガよりも驚いたぞ、寧ろ此方を研究したい位だ。という訳でお持ち帰りしようと捕獲した鶏を小脇に抱えて歩いていると、怪しげな武器商人と遭遇。何か武器を買っていかないかと聞かれる。現地調達した武器がまだまだ残っているし、無くなればまた村人達から奪い取ればいいだろうと伝えたら。

「こんなのも有るぜ」

とアタッシュケースや防弾服に宝の地図を見せてきた。アタッシュケースは要らんし、防弾服も必要ない。とりあえず宝の地図だけ購入しておこう。

「ヒッヒッヒ、センキュー」

と嬉しそうな武器商人に別れを告げて、探索を続けた。見つかった宝は持って帰って売り捌くとしよう、ちょっとした臨時収入だな。イエローハーブも無事に採取出来た事だし、宝探しが終わったら直ぐに帰るとしよう。村人達の気を引いてくれた茶髪の男性には感謝をしなければな。

 

 月 日

 

茶髪の男性が金髪の女性を連れて逃げていた、あの女性には見覚えがある。確か大統領令嬢じゃあなかったかな、私の記憶が間違っていなければだがね。誘拐でもされて、こんな村まで連れてこられたのだろうな。彼が此所へ来た理由は彼女の為のようだが、恋人というほど親密ではなさそうだ。

まあ彼が何処の誰であろうと、彼のお蔭でハーブが楽に採取出来たのだから。彼への感謝の言葉代わりだ、二人が逃げ切れるように少々手助けしておこう。

奪い取ったボウガンで彼等を追う村人達の脚を撃ち抜いてやり、体勢を崩して倒れたところで火矢の出番だ。燃え上がる村人達に道を塞がれた他の村人が、此方へ気付いて近寄ってくる。斧や鎌を投げつけてきたので、掴み取って投げ返してやった。そうした応戦を繰り返し数が集まったところで村人の群れへ、奪い取ったダイナマイトを放り込んだら家屋の陰に隠れて爆発を遣り過ごす。ほんの少し残った村人達には奪い取った数本の包丁を急所に突き刺してやり、怯んだ所に蹴りを入れて息の根を止める。

これで終わりかと思っていたんだが、勿論そんな事は無く。顔に包帯を巻いた女性が二名ほど、チェーンソーを持って叫びながら家屋から飛び出してきた。どう見ても危ないお二人様には態々近付いて攻撃せず、ボウガンの餌食になってもらう事にする。針鼠の様な状態で倒れて呻く二名へ向かって着火したダイナマイトを三本転がしておく。爆発が起こる前に急いでその場を離れて、安全な場所から振り向くと木端微塵となる姿が見えた。

小脇に抱えたままだった鶏は逃げられないように籠へ入れておき、帰り支度を整えることにする。

 

少しは役に立っただろう、後は自分で頑張ってくれたまえ。

私は帰ることにする、欲しい物はもう手に入った。

日記を閉じて懐に入れると深紅のチャイナドレスを着たエイダが家屋の屋根から飛び降りてきた。どうやら彼女も此所へ来ていたようだ、目当てはプラーガだろうがな。

「随分派手にやってるようね、デスクワークが専門じゃなかったのかしら」

いやキミのドレスよりは派手じゃあないと思うが。

どう考えても潜入に向いてないぞ、その服。

似合ってはいるが色々と間違ってるだろう、ちょっと目立ち過ぎなんじゃないかね。

言ったところで改めんだろうから言わないが、後で日記には書いておくとしよう。

それはさておき結局は何の用かと彼女に伺う、一々私に観戦の感想を言いにくるような女性じゃあないからな。やはりそれは正しかったようで、彼女は写真を取り出して私に投げ渡してきた。回りながら飛んできたそれを受け取ると同時に彼女が言う。

「彼を保護して、連れ帰ってほしいの」

受け取った写真には軽薄そうな二十代後半の男が写っていた。

「ルイス・セラ、プラーガの研究者よ」

気が向いたら引き受けよう。とだけ返事をして写真を投げ返す。プラーガは興味深い生物であるが、ウィルスじゃあないのでね。正直気が乗らんよ。

「報酬は、熱い一夜でどう?」

「信用出来んな」

前にもそんな事を言っていたが、結果は散々だったじゃあないか。年甲斐も無く喜び勇んで部屋に入った瞬間、モンスターと化した性悪アレクシアが飛び掛かってきた事を私は忘れていないからな。ホテルが全焼するほど熱い一夜だったが、望んでいたのと違い過ぎて悲しくなったぞ。

「ふふっ今回は、先払いしておくわよ」

色々と思い出してため息を吐く私にエイダはそう言って近寄ってくる。先払いという言葉にとてつもなく嫌な予感がして、身構える私の耳元へ彼女が顔を近付けて囁く。

「頑張ってね」

何を!?

と聞き返す間もなく、いつの間にか取り出したフックショットで移動していくエイダ。

何なんだと思いながらも考える、嫌な予感が消えてくれない。先払い、熱い一夜の先払い。まさか!?

勘に従い、近場の家屋の後ろへ跳ぶ。先程まで私が居た場所へ火球が降り注ぎ、鶏が入った籠が激しく燃え上がる。

「鶏ぃぃぃぃぃぃぃ!?」

金の卵を産む貴重な鶏が焼き殺されて、思わず叫んでしまった。何という事をしてくれたんだ、名前も考えていたんだぞ。タンドリーかフライドのどちらかにしようと思っていたのに、無駄になってしまったじゃないか。

 

「それ、食べるんでしょう?焼いておいてあげたわよ」

灰色の肌に緑の植物が入り交じったかのような化物の姿でそんな事をほざく性悪。

「炭になった肉が食えるわけ無いだろう。ふざけるな、33歳」

燃え盛る村の中、ウィルスに完全適合した化物と対峙する。

 

 

全く、何が先払いだ。こんなのどう考えても報酬じゃあないだろう。




ネタバレ注意
武器商人
見た目が怪しい
話しかけるとWelcomeとコートを広げてくる
手に入れた宝石や財宝を買い取ってくれる
陽気な武器屋

顔に包帯を巻いた二人の女性 チェーンソー姉妹

物騒な姉妹、壁をぶち破って登場してくる


白、茶、金。三種類の卵をランダムで産む。卵は回復アイテムとして使える。装備して敵に投げつける事も出来る
攻撃すると死ぬ

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