とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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バイオハザード6以降の作品でジェイク君の再登場はいつになるんだろうか

 月 日

今は無き「ネオアンブレラ」の手で世界中に広まったCウィルスと巨大BOWオグロマンを東欧のイドニア共和国の内戦で反政府軍が使用したようだ。当然BSAAが出向きそれらを排除していったそうだが、北米支部から人員を派遣して被害を迅速に終息させたBSAAの手際は流石と言えよう。とある酒場で遭遇したBSAA北米支部の面々は隊長のクリス君に率いられており、新人らしきフィンと呼ばれていた青年が隊員の1人に酒を奢られていた。隊員達は皆クリス君を尊敬しているようで、クリス君もそんな隊員達を「家族」と呼び、強い信頼関係で結ばれているみたいだ。ロックフォート島で見かけた軽機関銃青年も北米支部の部隊に参加していたようで他の隊員達にスティーブと呼ばれている。ようやく彼の名前を知ることが出来たが、私が呼ぶことはないだろう。クリス君はピアーズと呼ばれた青年が次代のリーダーとなりえると期待をしているようだった。

 

酒場はBSAA北米支部の面々で賑わっている。酒を楽しむ面々が羽目を外し過ぎない様に気を配っているクリス君は大変そうだが、とても楽しそうに見えるな。顔を見たのはアフリカにトライセルの依頼でウェスカーを殺しに行った時以来だが、あの時の張りつめた表情とはだいぶ変わって良い表情をするようになったクリス君を見ていると少し安心した。ウェスカーを倒し、相棒のジルを取り返して少しは肩の荷が降りたらしい。私は賑やかな酒場を後にする。楽しそうな彼等のこれからに幸が訪れることを願っておこうか。

 

 月 日

屋台を梯子して買い食いをしていると目の前で男性が倒れ込んだ。体調でも崩したのかと思えばただの行き倒れで腹を空かしているだけだったので、屋台で買い込んだ食事を与えてみると直ぐ様平らげて満足げに腹をさすっていた。話を聞くと何でも財布を盗まれて故郷に帰ることも出来ず丸4日も何も食べられなくて困っていたらしい。とりあえず故郷に帰れる程度の金を渡して男とは別れたが、また盗まれたりしなければ良いんだがな。

 

 月 日

闇市場でサソリを元に作製されたBOWスティンガーを改良し甲殻の強度を向上させたものを売り出そうとしていた武器商人の1人が、他の武器商人が用意していたが制御に難があったようで暴走したプレイグクローラーの集団に襲われて死亡したらしい。プレイグクローラーを用意していた武器商人は大勢を危険にさらしたとして粛正されたようだが、何故制御が難しいプレイグクローラーを持ち込んでいたのだろうか。自分なら大丈夫だとでも思っていたのだとすれば、それは傲慢としか言い様がない。亡くなった武器商人が用意した改良型のスティンガーは廃棄処分ということになったそうだ。なんとも哀れな話だが、無法の世界では自身の身は自らが守らなくてはならない。誰かが助けてくれるなんて甘いことは考えてはいけないのだ。そんなことを考える奴は裏社会では生きてはいけない。

 

 月 日

駆け回る子供達がつまづいて盛大に転けて膝を擦りむいて血を流していたので、膝を水で洗って土を洗い流してから消毒し、特製の調合したハーブを膝に塗り込んでおく。打ち身と擦り傷の痛みが引いたらしく再び元気に駆け回ろうとする子供達に「もう転けるんじゃないぞ」と言い聞かせてからその場を立ち去った。薬効成分を高めた私特製の調合したハーブは軽い傷ならば瞬く間に完治させる代物だ。重度の負傷にも対応が可能なこの調合したハーブの使い道としては勿体無かったかもしれないが、一度も使わずに死蔵したままになるよりかは良いだろう。ただでさえ負傷がしにくい身体になったのだから、用意していた備えが無意味なものにならなかったと考えれば問題はない。

 

 月 日

強くなりたいと頼み込まれて、以前から銃の扱いと実戦的な格闘術を仕込んでいたジェイク君がかなりの腕前になっていた。素手の格闘術の方は部下達ではもう歯が立たないとのことで私が相手をしたが、此方が進化をしていなければ一本取られていたんじゃあないかな。天性の才能という奴だろうか。まだまだ強くなれる余地があるジェイク君の相手をしていると此方も楽しくなってきたが加減は確りとしておいた。銃器の扱いも一流になっていたので銃に関してはもう教えることはない。ジェイク君の母親であるミス・ミューラーは病も治り、イエローハーブによる体質改善は成功していて今では元気に私が紹介した職場で働いている。定期的な血液の提供でかなりの金銭をジェイク君には支払っているが、それらは全て貯金しているらしい。「オフクロも元気になったし、出来るなら一度世界中を回ってみたい」と夢を口にしたジェイク君の夢を叶えることにした。私も同行することになるが、それで構わないなら直ぐにでも行こうかと話しかけるとジェイク君はとても喜んで身支度を整える。

 

パスポートも用意して準備万端のジェイク君を連れて飛行機に乗り込み、暫くは空の旅を満喫だ。先ずは極東を回り、南米、中東、オセアニア、アフリカ、欧州、北米の順番で巡る予定だが、何事もない旅になればいいんだがね。こういう時に限って何かが起こる気がするな。

 

 月 日

ちょっとした世界一周旅行はジェイク君の中で良い経験となったようだ。しかし出向いた先々でバイオテロが巻き起こりジェイク君と共に解決することになったが、逃げ遅れた少女の差し出した林檎1個の報酬で山の様なナパドゥの群れと対峙することになるとは思わなかった。ジェイク君は林檎1個の報酬が気に入ったようで、バイオテロを解決する度に林檎を要求していたな。ジェイク君はバイオテロが個人的に気に食わないから解決するだけでBSAAに所属するつもりはないらしい。合衆国のエージェントとして調査に派遣されたシェリー・バーキンとも出会ったが、ジェイク君が請求した林檎1個の報酬には面食らっていたな。彼女はシモンズやファミリーの手の内からは既に解き放たれているが、完全に自由になっている訳ではない。彼女は合衆国の手の内にある。まあ、シモンズの手中にいた頃よりは安全と言えば安全なので私は特に気にすることなく。彼女の相手はジェイク君に全面的に任せておいた。意外と相性は良いみたいだったが、別れの時はいつでも訪れる。互いに連絡先を交換した2人は別れを告げて別々の道を歩いていく。

 

 月 日

トールオークスを訪問したアダム・ベンフォード大統領が講演を行い「ラクーン事件」の真相を公に明らかにした。今は無きシモンズがラクーンシティの「滅菌作戦」を指示したことを認めるベンフォード大統領に批判的な声も上がったが、大多数の人間は真実を明らかにしたベンフォード大統領を支持していたようだ。「ラクーン事件」の生き証人として同行していたレオン・S・ケネディも大統領と共に講演を行ったらしく。ラクーンシティからの生存者としての観点から行われた話は講演に出席していた人々を唸らせるほど臨場感に溢れていたそうだ。レオン・S・ケネディを直接見かけたのはヨーロッパでイエローハーブを採取しに行った時に大統領令嬢を連れた彼を追う村人達の足止めをした時ぐらいで、もう9年も前になる。

 

 月 日

休暇中らしいエイダから装備の点検整備をしてほしいと頼まれたので引き受ける。渡されたクロスボウとフックショットを分解し、摩耗が激しい部分と僅かに歪んでいた部品を新品の部品に取り替えて組み立て直して正常に動くか動作確認を行なってからエイダに手渡す。エイダはクロスボウの試し射ちを何回か行なってから満足したかのように頷いていた。そう難しい調整ではなかったが、お気に召してくれたようで何よりだ。

 

 月 日

タロウ・ヨシハラ氏がまた1つレストランを開いたようなので早速向かってみることにした。大衆向けであるようだが味は確かなもので流石はヨシハラ氏が開いたレストランだと思う。相席していた女性が大盛りのチャンポンを幸せそうな顔で食べていたので私も注文して食べてみると良い味をしていて注文して正解だったと言える代物だった。相席していた女性と少し会話することになり、互いに自己紹介をする。女性の名はメラ・ビジというらしい。BSAA極東支部1と言われるエージェントと同じ名前であったが、恐らくは本人だろう。食事にはこだわりがあるらしく休日は美味しい食事を食べにちょっと遠出もするらしいので、私が美味しいと思った食事処の情報を提供すると同時に彼女が美味しいと思った食事を食べた場所を教えてもらうことになった。同じ場所が被ってしまうことがあったが、彼女の味覚と私の味覚が近いことが良く解ったので互いに紹介しあった食事処の情報に期待が持てる。別れる時は握手をして別れるくらいには意気投合してしまったが、こんな日もあるか。彼女に紹介してもらった場所に今度行ってみるとしよう。

 

 月 日

かつてアンブレラの兵器開発部門に務めていた知人が私の元を訪ねてきて、共同で新兵器を作製しないかと持ちかけてきた。完成したものはどうするのかと問えばBSAAに提供するとのこと。銃のパーツを寄せ集めて作製された科学燃料火炎放射器や高電圧銃スパークショットにマインスロアーとリニアランチャーなどを作製した豊富な経験のある知人ならば1人でも兵器を開発できると思ったんだが、開発したくても金が無いそうだ。私の資金が目当てだったらしい。まあ、私も暇を持て余していたところなので共同開発を承諾した。人間同士の争いには使用しても目眩まし程度にしか意味がない「P.R.L.412」の様な人間には無害な兵器を作製することになったが、難航を極めることになる。度重なる試行錯誤の末に作製されたものは、人間には無害でBOWやクリーチャーに有害な抗ウィルス剤を狙撃銃並みの遠距離にまで飛ばし、機関銃の様に連続して強制投与を行なうカプセルシューター改が完成。現在の技術で拳銃程度のサイズに収めることに成功。知人はこれは新兵器なんだろうかと疑問に思っていたようだが、一応新兵器とは言えるものに仕上がっていると私は思う。BSAAにこれを提供しても正式採用はされないかもしれないがね。

 




ネタバレ注意
バイオハザード0に登場するBOW
スティンガー
tウィルスを投与されたサソリが驚異的速さで巨大化して完成したBOW
全長はハサミを含めると3メートル近くもあり、ウィルスの影響で外骨格は硬質に進化している
ハサミは鉄を切断できるほど硬く、厚みと強度を増した外骨格は銃弾のダメージを吸収できるほど耐久力が高い
鎧の様に頑丈な体を持っているがその反面頭部だけは驚くほど柔らかくなっており唯一の弱点となっている
尾針の毒腺に毒を分泌する機能がスティンガーには備わっておらず、とてもサソリの特性を生かしているとはいえない

プレイグクローラー
様々な種類の昆虫にtウィルスを投与し、遺伝子操作を繰り返した結果生み出された昆虫型BOW
tウィルスによって2メートル近くにまで巨大化した体に、殺傷能力の高い鎌を持つ
表面上は兵器として十分なものに見えるが、実際はとてもBOWとして実戦投入できる代物ではなく、開発中止とともに廃棄処分となった
理由としては、昆虫ベースのBOWには知能の発達が見込めなかったということが挙げられる

バイオハザードマルハワデザイアに登場する人物
メラ・ビジ
両親を「ラクーン事件」で亡くした彼女は自分と同じ思いを他の人達にさせないと固く決意してBSAA極東支部技術研究局でBOWの効率的な殺傷方の研究を行い、研究に目処がたつと今度は特殊作戦部隊に異動を希望する
最初は過酷な訓練についていけない様子だったが彼女はそれでも諦めず1年後には極東支部のナンバー1にまで登り詰めた
極東支部のエースとなった彼女は訓練を見ていたピアーズとクリスと出会い、ピアーズと手合わせを行い敗北する
マルハワ学園にクリス達と向かったメラはバイオテロの首謀者であるビンディと交戦
Cウィルスを投与してジュアヴォと化していたビンディの変異した腕を切り落としダメージを与えるがビンディがサナギと化した後孵化して蜘蛛のようなクリーチャーに姿を変えてメラに襲いかかる
追い詰められた彼女を救ったのは車を操作するピアーズだった
ピアーズに救われたメラは彼と共にクリスとの合流を目指す
クリス達と合流し追いすがるビンディを排除した全員がヘリに乗り込んだ時、BOWと化していたナナン・ヨシハラから伸ばされた触手がピアーズへ向けて放たれ、メラはピアーズを庇い触手に腹部を貫かれ致命傷を負う
最後にバイオテロの無い世界をと願いをクリス達に託して息を引き取る

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