僕と許嫁と学園生活   作:風澄龍

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遅くなってすいません。リアルが忙しくて編集する時間がありませんでした。


第6話

福原が新しい(と言ってもボロいのは変わりないが)を持って来たり島田の趣味で雄二と康太、それに秀吉に睨まれる等あったものの自己紹介は滞りなく進んでいたが雄二の心境は穏やかではなかった。

(おかしい、明久のヤツが来ない。何してやがんだアイツ?正直に言って現戦力じゃ勝負にすらならねえ。何か、何か決定打になる奴が欲しいところだな。)

「すいませんっ保健室に行っていて遅れました」

そう言って入ってきた生徒に全員が唖然となった。

「丁度良かったです、今自己紹介中ですので姫路さんもお願いします」

福原は入ってきた生徒ー姫路に自己紹介を促す。

「あっはい、ひ、姫路瑞希です、よろしくお願いします」

そう言って頭を下げるあたっては相当良い環境で育ったのだろう。

「はい、質問してもいいですか!」

「どうぞ」

すると1人の男子が手を挙げたので姫路は彼を当てる。

「どうして此処に居るんですか?」

なんとまあお馬鹿な質問である。質問された本人も一瞬不服な顔をしたが気を取り直して理由を述べた。

「あのっ試験の日に風邪を引いてしまい熱があったので」

成る程、と雄二は納得した。

此処の学校では2年に上がる際振り分け試験が実施される。その試験では体調管理も自己負担のため試験の途中退席や欠席が無得点になるのを思い出した。

だが、これは雄二にとっては嬉しい誤算だっただろう。

現に彼の顔はほくそ笑んでいた。

(姫路には悪いが俺にとっては渡りに船だ。これで勝算が上がった)

「そういや俺も熱(の問題)のせいでFクラスに」

「化学だろ?アレ難しかったよな」

「実は弟が交通事故にあって……」

「黙れ一人っ子」

「昨日の晩、彼女が寝かせてくれなくて「「「異端者には死を‼︎」」」すいません!嘘つきました!」

1人の男子の言い訳に際して他の(雄二達を除く)Fクラス生徒が黒い頭巾とローブを纏い何処からともなく鎌を取り出したのを見るとすぐさま土下座する。

「と、とりあえず一年間よろしくお願いします」

そう言うと姫路は雄二の隣が空いていたためにそこに座った。

「坂本雄二だ、よろしく頼む。ところで姫路体調はもういいのか?」

「初めまして姫路です。はい、先生に大丈夫と言われましたので」

「では最後に代表の坂本君お願いします」

雄二が話していたらいつの間にか自己紹介は進み雄二の番が回ってきた。

すぐさま雄二は返事をし教卓の前に立つと皆を見渡す。

それによって全員の注意が雄二の方に向けられる。

「Fクラス代表の坂本雄二だ。坂本でも雄二でも好きに呼んでくれて構わない。さてFクラス諸君に問いたい、俺たちの設備はどうだ?」

彼は嘗て神童と呼ばれたほどの天才児だった。だが、ある事件を境に悪鬼羅刹と呼ばれるほどに喧嘩に明け暮れた毎日を送っていた。そんな彼が初歩的な質問をする。

「最悪に決まってんだろう!」

「こんなので満足する奴は相当の馬鹿だ」

等の文句が溢れてきた。彼はそれを聞くと頷いた。

「そうだろう。だが、Aクラスの設備はとても豪華なんだが見たものは居るか?」

その問いに何人かの者が手を挙げる。

「見ていない奴もいるみたいだからな、教えてやろう。Aクラスの生徒にはリクライニングシート、システムデスク、ノートパソコンに個人冷蔵庫と個人エアコンが付いている」

「なんだよそれ?明らかに差がありすぎだろ」

「同じ学費なのになんでここまでされなきゃいけないんだよ!」

「そうだ!いくら方針だからってこの待遇はあんまりだ‼︎」

「「「そうだ!そうだ!」」」

その言葉を聞いて息を飲む者や羨ましがる者がたくさんいた。

「皆の意見も尤もだ。俺自身もこの教室の待遇には少なからず疑問がある。そこで、だ。俺達FクラスはAクラスに試召戦争を挑もうと思う!」

雄二がそう言った瞬間、今まで騒がしかったFクラスがしんと静まり返った。

「無理だ」

「勝てるわけない」

「何を根拠に」

「姫路さんさえいれば後は何もいらない!」

そして彼らは口々に無理だと言い出した。1人だけ可笑しな事を口走っていたが………

「いや、勝てる。俺が勝たせてみせる。そのために必要な戦力がここには揃っている。そいつを今から紹介してやる」

そう言うと雄二は教室を見回し、ある一点で視線を止める。

「おい康太、いつまでも姫路のスカートの中を覗いてないで前に来い」

その言葉に全員の視線がそちらに向くと康太と呼ばれた少年が、カメラを持って姫路のスカートの中を見えるか見えないかぐらいのラインから覗いていた。

「はっはわ⁉︎/////」

姫路が慌ててスカートを下に引っ張るが手遅れである。

「コイツがあの有名な寡黙なる性意識者(ムッツリーニ)だ」

その言葉に本人は首を振って否定する。

「なっ⁉︎奴がそうなのか!」

「見ろ、あから様に畳の跡を隠してるぞ」

「ああ、ムッツリーニの名に恥じない姿だ」

雄二の言葉に全員が驚愕しながらいろんな事を言うが本来これは恥ずべきなのだが………

土屋康太という名はあまり有名ではないがムッツリーニともなれば話は別だ。

その名は男子からは畏怖の意味を、女子からは軽蔑の意味が含まれている。

それを知らない姫路は頭に疑問符を浮かべている。

「姫路の事は言わないでも分かるだろう」

「えっ⁉︎わ、私ですか⁉︎」

姫路は自分が呼ばれると思っていなかったのか驚きの声を上げる。

「ああ、ウチの主戦力だ。期待している」

「が、頑張ります‼︎」

雄二の言葉に手を胸の前で握る。

「木下秀吉だっている」

「やれるだけやってみるかの」

秀吉も乗り気らしい。

「おおっ演劇部のホープ」

「確かAクラスの木下優子の……妹!「ワシは男じゃ‼︎」ノー‼︎」

秀吉が呼ばれると更に士気が高まる。おかしいことをいう奴は無視することにする。

「もちろん俺も全力を尽くす」

雄二はそう宣言した。

「坂本って昔神童って呼ばれてたんだろ」

「まじかよ、つまりこのクラスにはAクラス並みの実力者が3人もいるってことか?」

「勝てる、勝てるぞ!この戦争」

そう誰かが言ったことでFクラスの士気は更に上がった。

「何よりこのクラスには………吉井明久が居る!」

その言葉によって最高潮だったクラスは一気にしんと静まり返った。

「誰だ、吉井明久って?」

「そんな奴このクラスにいたか?」

「知らないのなら教えてやる。アイツは観察処分者だ」

「観察処分者って馬鹿の代名詞だろ」

「そいつがどうしたんだ」

「アイツの利点は召喚獣の操作が学年、いや、学園一だ」

その言葉でどよめきが起きるが、雄二はそれらを制す。

「これだけの戦力になる奴がいるんだ、俺達は勝てる!そして俺達がAクラスに勝てば………」

「システムデスクだ‼︎」

全員の心がこの時一つに纏まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

僕がクラスで自己紹介を終えて、高橋先生がガイダンスをしようとしたらFクラスがDクラスに試召戦争を仕掛けたために今は自習中で僕は机に向かって熱心に問題を解いていた。もちろん持ち込んできた問題集だ。課題はさっきのうちに先生が用意してくれていたので、そちっをサクッと片付けて今に至る。

「おはよ明久」

不意に声をかけられたので顔を上げると笑顔の優子と去年の学年主席の霧島さんと見たことのない緑色の髪のボーイッシュな生徒が居た。

「ああ、優子、それに霧島さんもおはよ。ところで君は?」

僕は笑顔で挨拶を返すのと同時に初対面女の彼女に質問を投げかける。

「初めましてダネ吉井君、ボクは去年の11月に転校してきた工藤愛子だよ。特技はパンチラで好きな物はシュークリーム、スリーサイズは上から、78・56・79なんだ、ヨロシクね」

そう言ってウィンクする工藤さん。正直言ってその趣味はどうかと思うな?

「あれ?反応なし?つまんないなー」

「ああ、ごめんごめん。どうリアクションすればいいか分からなくてね」

「にしても、吉井君と優子仲良いね。もしかして付き合ってたりして「許嫁だよ」ええっ⁉︎本当に⁈」

確かに驚くよね。僕も驚いたけどね。

「本当だよ。親同士が決めた許嫁さ。でもあんまり言いふらさないでね、後々大変だから」

ピンポンパンポン♪

「あれ?放送だね」

『船越先生、船越先生』

誰だろう、僕には関係な………

『2年Fクラスの吉井明久君が体育館裏で待っています』

い……へっ?

『何でも生徒と教師の枠を超えた話があるそうです。繰り返s………ギャー‼︎』

あれ?止まった。どうしたんだろ?

『………船越先生、今のこの生徒の照れ隠しです。婚姻届を持って大至急向かってください』

この声はムッツリーニだ。ありがとうムッツリーニ、後で隠してる聖典(エロ本)全部譲るよ。

そう言って声は途絶えた。

『うふふ♪ここかしら〜♪』

マイクの電源が切れていないのか船越先生が入ってきたのが聞こえた。

『ヒィイ⁉︎船越先生‼︎』

『須川君、そんなに私と結婚したいならこの婚姻届にサインして〜」

『イヤー‼︎』

その叫びを最後にマイクの電源が落とされた。

「私の明久を貶めようとするからああなるのよ」

そう言って優子は僕の隣にやってきた。

「ねえ明久、今度はどこの大学の問題集解いてるの?」

ああ可愛い‼︎今すぐ抱きしめたい‼︎

「………どういうこと?」

「どれどれってこれウエストバージニア大学って、アメリカの大学だよね?」

確かにアメリカにある大学の一つだ。なんで持っているかというと、この間母さんが送ってくれた物の一つでもある。

「これはあの点数差も納得だね。こんなの解いてたらそのぐらい余裕だね」

そういう工藤さんのかおはひきつっていた




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