僕と許嫁と学園生活   作:風澄龍

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バカテスト

「団体が政策に影響を与えようと政治家に働きかけることを何と言うか答えよ」

吉井 明久の答え
「ロビー活動と呼ばれ団体と接触する政治家の控え室がロビーと言われているのでこの名がついた。また、ロビー活動をする個人や集団をロビイストと呼ばれている。」

教師のコメント
正解です。吉井君は何でもよく勉強して知っていますね。

木下 優子の答え
「ロビー活動」
正解です。流石は優等生の木下さんですね。

島田 美波の答え
「合コン?」

教師のコメント
王様だ〜れだ?



第32話

僕たちは、如月グランドパークに向かって母さんが寄越したリムジンに乗って移動していた。

「明彩さんって茶目っ気たっぷりね」

リムジンに乗って優子が言った最初の言葉がこれ。

 

いや、確かに茶目っ気あるけど、リムジンを送迎用に寄越さないで欲しい。帰って目立って仕方ないんだけど。

 

心の中で愚痴りながら優子の頭を撫でる。こうすると彼女はとても機嫌が良くなる。

 

「そういえば明久はこれに乗り慣れてるの?」

「まあ、優子と許嫁と知らされた時にそのホテルに向かう時とか、祖父ちゃんの家に行く時とかかな?」

優子が僕に聞いてくる質問に頭の中で乗っていた時を思い出す。毎度この車は何かしら仕掛けが施されている。というか父さんがそう言うのが好きという何とも子供らしい理由で家も所有車もこうなっている。

 

「ふうん?じゃあこの車にも仕掛けとかあるの?」

ワクワクした顔して聞いてくる。何で純粋な目なんだ。昔の僕を見るみたいだ。

「あるよ。ここを押すと」

僕はその問いを肯定しながら座席の近くの壁をスライドさせボタンを押すと、席の後ろからテレビと冷蔵庫etc………が出てくる。

冷蔵庫の中を開けると飲み物や、デザートなどが常備されている。

「」

優子は驚きのあまり、言葉を発せずにいた。

 

 

 

 

 

「優子着いたよ。行こう、デートへ」

僕は如月グランドパークに到着を告げられるとリムジンから降りる。けど優子が来ないので振り返ると、まだ呆然としたまま座席に座ったままだった。

「優子?」

「え?ええ、今行くわ」

僕が呼ぶとハッとした後にこちらを向く。

僕はそんな彼女に車の外から手を差し出す。優子はそれを笑顔で握るのを確認した僕はリムジンのドアの近くまで移動してきた優の手を握り、外に立たせる。そして家を出た時と同じ様に腕を組む。

 

「吉井?」

いざ、入ろうとしたら背後から声を掛けられたので振り返ると僕らと同じ様に腕を組んでいる雄二と霧島さんがこちらに歩いてきた。

「やあ、坂本夫妻」

「明久!テメエ余計な事を「雄二五月蝿い」ガハッ⁉︎」

茶化しで言ったことに雄二が反応し霧島さんの腕を解いて殴り掛かって来るのを軽くいなして腹にボディブローを叩き込む。

 

その一撃が効いたのか雄二は噎せて腹を抑える。

一言で言って弱い。僕は今までずっと雄二と喧嘩をしてきたけど僕の全戦全勝で終わっており、今回もまた雄二に黒星が付いた。

「……雄二平気?」

「ああ、ゴホッ、大丈夫だ。俺はそこまでやわじゃない」

「ここで喧嘩しても邪魔だから行くよ優子」

「うん!」

僕たちはむせる雄二を霧島さんに任せて中に入っていった。

 

 

 

「「いらっしゃいませ!如月グランドパークにようこそ‼︎」」

ゲートを潜り抜けてで待ち構えていたのはここ数日の間に親しくなった人物だった。

 

「あのさ恭介さん達何してるの?」

「恭介?誰の事だ。俺は芳乃祐介だ。それでこっちは」

「花咲茜です」

2人はにこやかな笑顔で普段通りの喋り方で話す。

でも2人共、その名前は流石にネタとはいえマズイ。

「棗さんに神北さんよね?何をしてるの?」

優子も疑問が一杯らしく聞く。

 

「ですから私は棗ではなくここのゲートの係りをしている芳乃祐介とサポーターの花咲茜です」

あくまで、別人だと言って聞かないらしい。仕方ない諦めよう。

 

「もう良いよ、であなた方が係りの人なんですよね、(21)さん」

「明久、(21)って?」

「何でお前が知ってんだ⁉︎ていうか、俺はロリじゃねえ‼︎」

 

僕発言の意味が分からない優子は首を傾げ、祐介さん(笑)はそれを否定する。

 

「え、えっと、きょ、今日はプレオープンです!チケット持ってますか⁉︎」

「ああ、これでしょ?」

 

茜さん(笑)が必死に仕事を全うしようとするので助けてあげる事にした。

「拝見させて貰います。……お客様、これは運が良い。擬似結婚式体験ツアー付きのプレミアムチケットではありませんか!」

 

一言で言おう………恭介さんのキャラがウザい。何なんだろう本当に?僕は遊園地で笑う優子を見たいんだ!一分一秒でも早くしてほしい!

「擬似結婚式体験ツアー?」

優子がオウムのように繰り返しながら質問する。

厄介そうだ。断るか。

「擬似結婚式体験ツアーとはですね…………」

「結構です。入場したら、もうこちらの好きにさせて下さい」

 

恭介さんが説明に入ろうとするとそれを制してこちらの要求を突き付けて終わらせる。

「そう言うなって、すんげえ豪華なんだぜ?」

「お断りです」

 

彼が説得に掛かるが、意思は曲げるつもりはない。

「そこは、ああ、受けるぜっていうべきだろ」

 

「殴りますよ」

 

「この通りだ頼む!」

 

「要求を棄却する」

 

「仕方ない。この手は使いたくなかったんだが…………」

 

しばらくそんなやり取りをしていたら、恭介さんがやれやれといった顔をした後、僕の肩に手を置いて僕に耳打ちしてきた。

「鈴のパンツ見たって言っちまうぜ?」

「卑怯者!」

僕はその言葉にすぐに反応した。自己紹介の時に鈴さんが真人君の事を蹴った時にパンツがチラッと見えてしまったのだ。僕はその瞬間をどうやら恭介さんに見られたらしい。

 

「よし優子、擬似結婚式体験ツアーに参加しよう!」

ここは戦略的に従うまでだ。そんな事が優子に知られたら、拗ねてしまう。最悪、許嫁の関係解消なんてことになったら僕は死を選ぶよ!

ーお前は本当に一途だな。けれどそれは素晴らしいことだ。

ーそうですね。あなたのその1人の人をただ愛そうとする心はとても感心いたします。

 

そんな僕に高虎も隆景も賞賛してくれる。

 

 

「け、結婚……///いつかしたいな」

優子が結婚という単語に反応して頬を赤くする。ああ、可愛い‼︎

 

「ありがとうございます。それでは初めに写真を撮らせて貰います」

「写真?」

「はい、私達はここで擬似結婚式を挙げる人達のために記念撮影をするのも仕事なのです」

 

恭介さんがそう説明していると作業服を着た女性がやってくるって、

「あ、愛子⁉︎」

優子が工藤さんの登場に驚く。

「ソイツは月島小恋だ」

イヤ、だからそれ危ないって………何でわざわざ危ない橋渡ろうとするのさ⁉︎

 

「カメラも来たことだし、そこの君。そう君だ、君にとって貰おう」

そう言うと近くの花壇を手入れしていた作業服の女性が立ち上がりこちらを向く。その人物もまた、知り合いの西園さんだった。

 

「西園「私は柴門たまきです。西園ではありません」あっ、そう………」

突っ込まん、突っ込まんぞ!

「では御二方腕を組んで寄って下さい」

西園さんの指示に黙って従い、腕を組む。

 

ふにょん

 

ゆ、優子の胸が当たってるーーーー‼︎柔らけー‼︎

「だ、ダメだ。ダメだぞ吉井明久!落ち着け、修行僧の気持ちになれ。仏の道に女は不要、仏の道に女は不要………って使えるか‼︎優子を捨てれるわけないだろ!修行僧使えねえ‼︎」

「だ、大丈夫明久?何か有ったの?」

優子が僕の顔を覗き込んでくる。

 

やめてーーーー‼︎明久のライフは0よ!後、そのふよんって当たってる胸をどうにかしてください。二の腕あたりで形を変えて意識をそっちに行くんですけど⁉︎

 

そんな感じでドキドキしながら撮るのだった。

 

 

 

 

園内に入り、どこに行くか決めあぐねていた。そもそもここは、ナイトパレードにホテル、病院まで完備している巨大な施設だ。行くところに迷わない方がおかしい。

 

「ようやく見つけたわよ、吉井‼︎」

不意に怒声が耳に聞こえそちらを向くと、妙なオーラを出した島田さんと姫路さんがこちらに近づいて来た。

「またあなた達なの?いい加減にしなさいよ!アタシと明久のデートの時に現れて邪魔して何様のつもり⁉︎」

僕とのデートを邪魔されて優子の怒りのボルテージは上がって行く。それによって優子の口調はとても強いものになる。

「なによ!ウチらはただ吉井が何かしないように教えるだけよ!」

「あなた達に関係ないでしょ!明久はアタシの物なの!それ以上でも、それ以下でもない!そしてアタシは明久の物でもあるの!つまり、アンタ達2人にとやかく言われる筋合いはないわ‼︎」

「そんなことありません!私達は吉井君が木下さんに変なことしないようにオシオキするだけです!」

「それがすでに間違ってるって言ってるのよ!大体姫路さん⁉︎あなたもと学年次席でしょ!そのぐらい少し考えればわかるじゃない!」

優子と姫路さんと島田さんの言い争いに周りのお客さんの視線が集まる。

「………優子もう良いよ、行こう」

「でもっ………」

「El tiempo es oro.」

僕の言ったスペイン語の意味が分かった優子は渋々といった感じで僕とその場を離れる。

ちなみにさっきのはスペイン語の意味は時は金なりだ。

「待ちなさい!まだ、オシオキしてないんだから止まりなさいよ!」

「そうです!待ってください!」

けど僕は巧みに人混みの中に入り込み、それを使って2人を撒くのだった。

その後その2人は巡回していた佳奈多さんと葉留佳さんにひっ捕らえられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ、ゲホッ、明久の野郎」

俺は数分間噎せながら、翔子に背中をさすってもらった。

「……雄二、もう大丈夫?」

「ああ、もう大丈夫だ。ありがとな」

そう言って俺は翔子の頭を撫でる。すると翔子は気恥ずかしそうに頬を赤らめて、俯向く。

俺はそんな翔子の手を握ってゲートをくぐった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「記念撮影だと?」

ゲートを潜った俺達は樺色の髪にに樺色の目の男子と砥粉色の髪に柳色の目をした女子からチケットを拝見と言われたので見せると、俺達に擬似結婚式体験ツアーというものを進めてきたので、仕方なく、仕方なく受けてやる事にした。

おい、誰だ今、お袋の料理が怖いからの逃げだなとか言った奴、お前がお袋と一週間一緒に暮らしてみろ。ノイローゼで倒れるぞ。

「はい、先ほどの組も取られたのでそちらもどうですか?」

「………撮る」

翔子が即決してしまったし、仕方無え。

「ではカメラマン頼むぜ!」

「ハイハイーイ!」

「………任せろ」

そう言うと現れたのは工藤とムッツリーニ。

「では、お客さん!ボクたちの真似をして下さいね!」

そう言って工藤はムッツリーニに抱き着き頬にキスをする。ムッツリーニにも耐えながら、額にキスする。

「………雄二やろ?」

それを見た翔子がそう言って俺に正面から抱きついてくる。

「ま、待て⁉︎行動と言動が一致してねえぞ!///」

「カシャッ」

シャッター音を言うとフラッシュが焚かれ、写真が撮られる。

「………次は雄二の番」

翔子は俺の反論の中何食わぬ顔して、頬にキスする。仕方ないので翔子の額にキスする。またムッツリーニに撮られるのだった

 




軍人も真っ青なほど鍛えられてる明久は強いのです。
不良と喧嘩をして強いと言われた雄二が勝てるわけありません。
さて次回から本格的にデートです。彼女と云う者が居ない作者が原作を元にできるだけたくさんの人物がいちゃつける様にしたいです。

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