日本国憲法第28条でも認められている労働者による争議行動の一種を何と言うか答えなさい。
吉井 明久の答え
「ストライキと呼ばれる労働者による争議行為の一種で労働法に基づいて労働者が雇用者に抗議活動することを一般的に言う。これらは労働組合法、労働関係調整法に保障されている。また、ストライキを無視して働くことをスト破りと言い、労働組合の団結を乱したとして除名・罰金・始末書提出処分を受ける。逆の場合はロックアウトと言う」
教師のコメント
正解です。流石は吉井君ですねここまできっちりと説明されると先生の出る幕がありません。
木下 優子・田村 速和・田村 沙織の答え
「ストライキ」
教師のコメント
正解です。逆のことをロックアウトと言います。
土屋 康太の答え
「テロ」
教師のコメント
テロを容認するような憲法はありませんし、そんなものは永久に制定されません。
一夏side
明久と優子が明彩さんに何か受け取ると2人して学校の制服に着替えてどこかに行っちまった。何かは分からねえけど明久と優子が嬉々として出て行ったんだきっと良い物なんだろ。
そう思いながら俺はシャルと並んでいろんな料理を作る。
俺は基本、洋食を作り、シャルがフランス料理を作っている。和食は俺達を中心に速和と久保が得意だったのでフォローに回ってもらっている。
「それにしても一向にお客さん減らないね」
料理を作りながらシャルがそう呟く。
確かにそうだよなかれこれ4時間は経ってるというのに一向に客の足が途絶えない。沙織(そう呼んで良いと本人に言われた。きっと速和と被るからそう呼んで欲しいんだろう)の人気はとんでもない物だ。
「あっ一夏とシャルロットは休憩してこい。ずっと働きぱっなしだと体に良くないからな。心配するな、ここは俺と久保でなんとかするしな。何より…
不意に速和の口調が打って変わって真っ直ぐな人のようになった。
それに何だ、この体に来る胸の高鳴りは………?
「高刑?なんの話だよ。なあシャル……シャル?」
シャルは胸を押さえていた。俺は慌てて駆け寄り声をかける。
「シャル⁉︎どうしたんだよ!」
俺の声にシャルは反応せずに胸を押さえて蹲っている。
「なんでもないよ。高刑」
胸を押さえていた手を下ろすとシャルが立ち上がってこちらに笑顔を向けながら俺の事を高刑と呼んだ。
シャルまでもが俺の事を高刑って一体何がどうなってるんだよ⁉︎
ーお前には分からないか?俺の存在が
誰かが囁いてきた。けどこんな声は聞いた事も無いし、喋った事すら無い。それに周りは未だに喧騒に包まれているのにその声だけははっきりと聞き取る事ができた。俺は誰も居ないのに恐怖を覚え始めた。本当に誰なんだ!
ーそう殺気立つな。俺はお前の中に居るもう一人の人格とでもいうべき存在だ。
その声は語り出した。自分が明久の中に居る藤堂高虎の異母弟の藤堂高刑という存在であること、俺が一番その中では近しい存在であるということ、そして俺の生き様が高刑と重なった事が憑依した理由だという事も分かった。
(それはいいとして、シャルは一体どうなってるんだ?)
ー気になるのは当然だな。あの者は高虎の養女ーつまり養子の娘だ、その娘は私の妻なのでな。あの少女に憑依したのだろう。
高刑が答えてくれる。つまり俺の中にいるお前はシャルの中にいる奴と夫婦ってわけか。
『いらっしゃいませ』
ホールの方でまたお客が来たらしい。
「ここの事は某に任せよ、きっちりと役目を果たそう」
そう言って速和(?)は皆に指示を与えつつ手を緩めずに動く。
「ねえ一夏、デートしに行こっ」
シャルが笑顔で俺のキッチン班用の制服を引っ張る。俺達がこんな格好をしているのかと言うと、明久が言い出した事でホール班とキッチン班はそれぞれ制服を用意されているのでそれに着替えて接客や調理をしている。
(作者「格好のイメージはworkingワグナリアの制服がモデルです」)
そのため俺達も明久が用意した更衣室で学校の制服に着替えるめに一旦別れて、Bクラスの教室の付近で待ち合わせする事にした。
(デート、かどこに行きたいんだシャルは一体?)
そんな事を考えながら服を着替えていると明久のキッチンでの制服のポケットから何かが出かかっているのを見つけた。
「何だこれ?………」
俺は誰も見てないのを確認するとそれをポケットから取り出した。
ーそれは家系図のようだな。
高刑が教えてくれたので明久には悪いが中を見させてもらった。
そこには自分と優子それに秀吉とシャルの名前が書かれていて、明久たちの両親の名前があってさらにその上に行くと………
「が、学園長の名前⁉︎どうしてここに、つまり明久は学園長の孫ってことか?」
アイツの事知る度に驚かされるな。
俺はそう思いながら紙を元の場所に戻すと急いで着替えて待ち合わせ場所に向かった。
「えっと、シャルはっと………あっいたおいシャ…」
着替え終わり待ち合わせ場所に着いてシャルを探すと目立ちやすい金髪の髪を発見して声を掛けようとして俺はその声を途中で飲み込んだ。
理由はシャルが1人じゃなくて数名の男子生徒に話しかけられているからだ。よく見ると少し困った顔をしている。
「なあ、良いだろ〜?俺らとどっか行こうぜ?」
「僕、待ち合わせしてて…」
「良いじゃん、そんなの。俺らと居た方が楽しいって」
どうやらナンパされてるらしいな。凄え腹立つ。
「おい、俺のシャルに何気安く触ってんだよ」
俺はドスを効かせた声でナンパ男共に話し掛ける。
「チッなんだよ彼氏持ちかよ。行こうぜ」
そう言ってナンパ男は仲間を引き連れてさっさと去って行っちまった。
「ありがと一夏♪」
そう言ってシャルは俺の腕に抱きついてくる。
「シャルは俺の彼女だからな。当然の事をしただけだって」
俺はそう言ってシャルを抱きしめるとシャルの顔は恥ずかしさで赤くなってしまった。抱き締めてなんだが俺も顔が赤くなってる気がする。
「シャル顔赤いぞ///」
「い、一夏だって///」
俺たちは互いに顔を赤くしたままその場を離れた。
「シャルはどこ行きたいんだ?」
腕を組んで歩きながら校舎の廊下を歩いてる最中にシャルに質問する。
「えっとね………僕はこのカップル喫茶ってところに行きたいんだけど、ダメかな?」
シャルが腕を組みながら俺の方を見上げて目に涙を浮かべながら上目遣いをしてくる。
こんな表情されちゃうとNOと言える男子は日本には居ないんじゃないだろうか?そんな事を考えながらも目を逸らしつつ頬が赤くなる。
「一夏ってばまた赤くなってる。可愛いなあ」
今度は満面の笑みでこちらを見てくる。
コロコロと表情が変わって俺はその表情の変化にときめいてしまい、固まってしまいそうになる。
「なら、そこに行くか」
「うん!」
俺たちはその場所に行くため二人で歩き出した。
一夏side end
秀吉side
ワシの名前は木下秀吉じゃ。よく皆に女だと思われておるが男じゃぞ、そこは間違えんようにな。さて今の間は少し雄二から清涼祭を回ってきて良いと言われたので学校の制服に着替えて明久がいるAクラスに向かっておる。ワシらのFクラスは旧校舎にあるので少し遠いのがネックじゃ。
そんな事を考えているとAクラスに到着しておった。
「さて入るかの」
そう思い、Aクラスの扉を開けると中はこっちと違ってものすごく盛況しておるし、学校の制服とは違い専用の制服なのだろう。男子は長袖に黒い蝶ネクタイに学校の指定ズボンを穿いていて、女子は半袖のシャツに学校指定の男子制服と同じ色のスカートにクリーム色のエプロンを前に掛けた格好をしておる。
「いらっしゃいませ!『田村沙織のディナーショー』にようこそ、1名様ですか?」
Aクラスの生徒がこちらに気付き聞いてくる。
「うむ、ワシ1人じゃ」
「ではお席にご案内します。こちらにどうぞ」
そう言って案内してくれたのは二人掛けの席だった。どうやら人数によって座る席を決めるようじゃな。
「こちらがメニューです。ご注文が決まりましたらスタッフにお声掛けください」
そう言って店員は他のお客の席の方に呼ばれたので急いで行った。
メニューを眺めると日本食とフランス料理があり、飲み物にはそれぞれの料理にあったものが書かれていた。
「どうですかお客さん?一つインタビューに答えてくれませんか?」
不意に話しかけられてメニューを見ていた目を上げるとそこにはオレンジ色のショートカットの女の子がマイクを持って立っていた。
見渡すと周りにいるお客が全員こちらを見ている。
なるほどの、これがディナーショーの醍醐味というわけじゃな。
「構わんが何をインタビューされるのじゃ?」
ワシにとってはこれは未知の領域じゃからの、しっかりと情報は掴んでおかんとならん。
「えっとね〜私、田村沙織があなたにするのはこのお店の感想だよ。それじゃあ演劇部のホープの木下くんにインタビュー!あなたはこの催し物どう思うか答えてくれるかな?」
とても元気にアイドルのように聞いてくるし、どこかで見たことがあると思えば今話題沸騰中の高校生歌手の田村沙織ではないか⁉︎何故こんな学校におるんじゃ?
「う、うむそうじゃな………お店も綺麗じゃしスタッフも様になっておって悪くないと思うぞ」
「そっか、そっかありがとうね!皆が頑張って作ったこのディナーショー喫茶店のこと気に入ってくれてありがとう!」
そう言ってワシに向かって微笑んでくる。その顔につい、ときめいてしもうたワシじゃった。
沙織のキャラは芸能界モードと学生モードあります。そのためこのように普段と言葉遣いやテンションが180度ガラリと変わります。
終わり方はなんかすいません。では次回の更新でお会いしましょう。