僕と許嫁と学園生活   作:風澄龍

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明久さんと出会い運命を救われた少女の過去の回想


第13話

沙織side

アタシは父さんが嫌いだった。父さんは何時だってアタシを評価してくれなかった、まるでこのぐらいできて当然だと言わんばかりにアタシを兄さんと比較し、兄さんには良い評価を、アタシには全うな評価をされなかった。

何時だってアタシは兄さんのおまけ………そんな毎日だった。

アタシがそれでも耐えれたのは母さんがいたからだ。

兄にも愛情を注いでいたけど、母さんはアタシに父さんから与えられなかった愛情を全て与えてくれた。

アタシは母さんのために一生懸命に努力した、それはもう兄さんにも負けないように、でも父さんの評価は変わらない。

そして次第にアタシと兄さんの兄妹の仲には亀裂と言う名の溝が出来始めた。それは年を重ね、学年が上がるたびに深く広がった。

最初の頃はそこまで酷くなかった。時々口論したりするぐらいだった。

それが段々エスカレートして今ではあの頃の仲の良かった兄妹の面影は何処にも無かった。同じ家に住んでいるのにまるで他人の様に振る舞っている。血を分けた兄妹なのに………仲良しの二卵性双生児だったのに。

私はそれなりに可愛いので女の子から色々なアドバイスをあげたり、サポートするけど私自身は荒れていた。

チンピラに売られた喧嘩はとことん買ってフルボッコにして、師弟にした。

アタシは母さんと違い髪の色は父さんと同じ緑だった。

それは兄さんも同じで、それだけはアタシと兄さんの唯一の繋がりだった。

でも父さんはそんなアタシに愛情を注いではくれなかった。

言ってくるのは何時も説教や落胆のセリフばかりだった。

そんなのばかりだから私はチンピラを憂さ晴らしの道具に使っていた。

喧嘩をして、師弟にしてグループを作る。

成績は悪くは無かったけど、学校では清楚で可憐な女の子として過ごし、放課後は師弟に色んな他のチンピラを焚きつけさせソイツ等をボコすのを楽しんだ。

それだけが楽しかった。何時しかアタシはそのやり取りと母さんとの話だけが生き甲斐になった。

そんなある日のことだアキと会ったのは

アタシはアキがものすごく面白いのを他の女の子から聞いていたので面白半分で彼をからかうことにした。

嫌がってるけどアキとのそれは次第に楽しくなった。

そして親しくなるにつれてアタシは裏の生活が堪らなく嫌になりだした。

そして最後の決闘を境にアタシは裏の生活から足を洗い、グループを後任に任してカタギの人として過ごすようになった。

悲劇があったのは、その数日後だった。母さんが病気で倒れまたのだ。治る見込みもないぐらい危険な状態だと医者から告げられた。

その翌日母さんが亡くなった。

亡くなってしまった今母さんのお陰で家の居場所が在ったアタシは存在自体が危ぶまれた。

父さんからの嫌がらせの毎日、アタシは学校では元気に振舞っても家では何も出来なかった。

そして決意した家出しようと、アタシは兄に手紙を残すと持ってたお金と衣類をバックに詰めて親の目を盗んで家出した。

 

それから何日も経った。友達の家に泊まらせてもらって暫く過ごしたけど、そのあとは宛てもなかった、そして出会ったのがアキだった。

アキはアタシの身の上を話すと憤った。

そしてアタシをアキのお母さんの元に身を寄せてもらった。

そこからは天国のようだったのを覚えてるわ。再び学校に通い、数年ぶりに兄さんと和解して残りの学生時間を楽しく過ごした。

やっぱりアキには敵わないよ、アタシを救ってくれたひーろーさん

 




次回は清涼祭編をアップしようと思います。
それでは皆さんさよなら
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それでは次回の小説で、お会いしましょう

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