ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜   作:竜華

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お、お気に入りが60越えしてる……⁉︎奇跡だ‼︎


第23話 敵の判明

 睨み合う僕、アボカとトワ達。先に口を開いたのはトワだった。

 

「なんで貴女、私達の名前を……?あぁ、貴女は私達の事、前世で知ってるんだったわよね。そうでしょう?……アボカさん、いや、龍崎 菜実さん」

 

「……僕の名前を知ってる理由を、教えてもらいましょうか?」

 

「知ってるのは貴女の事だけじゃないわよ?貴女の相棒ちゃんの情報もあるわ。キャッツべ、もとい星霧 澄華ちゃんでしょう?」

 

 更に怪しい。何故、原作キャラでは無い僕達の名前を知っているのだろうか?しかも、3次元にいた頃の名前を。

 

「そんな顔しないで頂戴。折角の可憐な顔が台無しよ」

 

「じゃかあしいのです。真面目に答えてください」

 

 そう切り捨てれば、トワが口を尖らせる。

 

「冗談よ冗談。全く……冗談通じない娘は好かれないわよ。……彼に教えて貰ったのよ。彼、貴女達の事沢山調べてたから」

 

「……ストーカーですね、完全に」

 

 現世なら兎も角(兎も角じゃ無いが)、前世まで調べるとか新手過ぎる。と言うより、嘗てこんな事出来た奴いないだろ。

 

「彼ね、熱心に貴女達の事調べてて、ちょっと妬いちゃったわ」

 

「ストーカーに愛されても嬉しくありません」

 

「この女……口には気を付けろ」

 

 ここで初めてミラが口を挟んだ。脅しですか。まぁ、気を探った感じだと……勝てないかな。王子でも無理そうだ。

 

「……はーい……。んで、そっちの謎男さんは何で僕達の事、調べてたんですか?」

 

「……貴様らの魂は、“計画”の邪魔なんだ。消す為に相手を調べるのは、当然の事だろう?」

 

「邪魔て……」

 

 心外だ、と言いそうになった所ではっとする。

 

 こいつ、今『魂が邪魔』って言っていた。つまり、僕達の転生目的を邪険に思っていると言うことだ。まさか……

 

 こいつが、僕達と敵対すべき《運命操作の力》の持ち主なのか?

 

「……そういう事ですか。理解しました」

 

 僕がそう言って構えると、トワが待ったをかけた。

 

「あら、彼を攻撃なんてさせないわ。それより、良いのかしら?……物語が進んじゃうわよ」

 

「⁉︎」

 

 急いで振り返ると、ナッパが空高く浮かんでいた。背中には餃子がへばり付いていて。

 

「何をする気だ……餃子⁉︎」

 

 腕を既に失っている天津飯が声を荒げる。

 

「くそっ……この……チビ‼︎」

 

 ナッパが餃子を振り落とそうと手を背中に伸ばすが、小さい為に届かない。薄っすら涙を浮かべる餃子は、そのまま発光、そして、

 

 ズドァッ……‼︎

 

 ナッパ諸共爆発した。大切な天津飯をこれ以上傷付けない様に、自らの命を生贄にして。

 

「餃子ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ‼︎」

 

 響く天津飯の悲鳴が、酷く悲痛に感じられた。

 

「……今の所は原作通りじゃないですか。何をそんなに……。あっ⁉︎」

 

 原作通りの展開を見届けてトワ達の方を向くと、そこに奴らはいなかった。

 

「……逃げられた……」

 

 盛大に舌打ちをすると、

 

『ここにはもう爆弾を仕掛けておいたわ。いつ爆発するかは、仕掛けられた相手次第……楽しみね。ふふふっ』

 

 嘲笑うかの様なトワの声が聞こえた。……すっごくムカつく。

 

 しかし、爆弾とは……また怖い表現をしてくれる。爆弾とは、恐らく凶悪化のこと。仕掛けられた相手は王子とナッパと考えて間違い無いだろう。キリ集めに必死だな、トワ。そんなに最強の戦士を創りたいのか。確かに、僕だって最強には憧れるけど……それでも、

 

「……自力でやんなきゃ、ロマンも糞も無いでしょうに……」

 

 さて、そんな戯言は置いといて。さっさと王子の所に戻りますか。もうここに用は無いし。

 

 戻ると、すぐに王子に声を掛けられた。

 

「……覗き見していた奴らはもう良いのか?」

 

「はい。もういなくなりましたから」

 

 安心は出来ないけど、と心の中で付け足す。ごめんね王子。幾ら大好きな王子でも原作キャラである以上、この事を教える訳にはいかないんだ。

 

「……?まぁ良い。それより見てみろ。面白い事になってきたぞ」

 

 ちょっと口角の上がった王子が指差すのはピンクの煙。あぁ、これはフラグですね。死んだと思わせた後、実は生きてますっていうタイプの。

 

 実際、ナッパはピンピンしていた。煤は付いていたが、ほぼノーダメである。現実は無慈悲だ。僕達が言えたことでは無いけど。

 

「ふぅ……。脅かしやがって」

 

 余裕の笑みで何言ってやがる。しばくぞゴルァ。餃子の命返せこの野郎。

 

「凄むのを辞めろ」

 

「……バレてました?」

 

「顔に出ていた」

 

「……何ですと?」

 

「おい、アボカ‼︎ベジータ‼︎漫才してるんやない‼︎もっと緊張感を持たんか‼︎緊張感を‼︎」

 

 キャッツべに怒られた。くっそ、ナッパ並みにムカつく。

 

「気功砲ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ‼︎」

 

 怒りは、その声で吹っ飛んだ。天津飯が片手で気功砲を撃ったのだ。勢いも威力もそこそこある閃光はナッパを包み、

 

 ドォォォォォォォォォォォォォォォォ……ン……‼︎

 

 火柱を上げた。爆風が身体に当たる。小石が巻き込まれて、宙を舞っていった。しかし、ナッパの気は健在。原作通り、生きている。

 

「……今のは流石にヒヤッとしたぜ……。俺にゃ効かねぇけどな‼︎」

 

 煙の隙間から再びナッパが登場。笑顔がZ戦士達の絶望を誘う。……ナッパ、早く死ねば良いのに。

 

「……む、無念……」

 

 そう最期に呟いて、天津飯は地面に崩れ落ちた。




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