ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜   作:竜華

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受験で消えてる間に、お気に入りが50人以上……だと?ヤバイ、嬉し過ぎる。ありがとうございます。これからも頑張ります。


第22話 様々な未知

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 クリリンの放つ散弾の全てが、キャッツべを襲う。幾ら彼女でも、あれを食らえばダメージは免れない。まぁ、凄く余裕そうな表情でギリギリを避けているから、問題は無いだろう。あ、ども。一向に出番が回ってこないアボカです。あぁ、何でだろ。キャッツべが敵に見えるー。

 

「それで全力かいな〜。ホンマ、期待外れやわ〜」

 

「……死ネ」

 

 最早自我が残っているのかすら危ぶまれる様な視線を向けて、クリリンは手を上げた。瞬間、赤黒い巨大気弾が生まれる。赤い電気を纏ったそれを、無言でキャッツべに投げつけた。あれ、避けたら皆死ぬパターンですね分かります。

 

「ちょっ⁉︎自分が守ろうとしてるもんまで壊れるで⁉︎」

 

 流石に余裕が消えたキャッツべは、地面に付けた足を支点に、凶暴な気弾を受け止めた。数m後ろに押されて、漸く勢いを殺す。

 

「ぐっぅうぅぅぅ……‼︎」

 

 歯を食いしばり、必死に押し返そうと踏ん張った彼女の腕に、首に、顔に、青筋が立っていた。全力近くまで出しているのは確実だ。

 

「……手伝おうとか言ったらぶん殴るったるで」

 

「お前は超能力者かい?」

 

「今までの思考パターンを読めば簡単に分かるやんけぇっ‼︎」

 

「そもそも、思考パターン読めるの⁉︎」

 

 叫びながらも、気を上げだした彼女。気弾の表面に、細い指が食い込む。

 

「こんなんなぁ……俺1人で十分なんやわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 グググッ……‼︎

 

 気弾が、軌道を逆戻りし出した。ゆっくり、ゆっくりと。でも、確実に進んでいる。

 

「ナッ……⁉︎」

 

 クリリンは、驚嘆の声を漏らしていた。

 

「避けへんと……消えてまうでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 最後の怒鳴り声と共に、気弾を上に返した。目を見開いていたクリリンは、慌てて軌道の外にずれる。真っ直ぐ宇宙(そら)に向かっていった気弾は、1筋の光となった後、

 

 ドォォォォォォォォォォォォォ……ン……‼︎

 

 宇宙を包む程の黒い光を発して爆発した。一瞬、世界が暗転する。

 

「……流石に、あれまともに食らってたら……ヤバかったかも知れへんな」

 

 暗転から戻ろうとしている間に、キャッツべの呟きが聞こえた。視界が完全復活した後の皆は、唖然とした表情で、同じ方向を向いている。

 

「……あんただけで済めばいいけど……。あの威力じゃ、僕らもノーダメとはいかないと思うよ」

 

「そんなことしたら……、貴様も減俸だ」

 

「なんでや⁉︎」

 

 外野って、本当便利だと思う。なんでも言えるしね。被害者のキャッツべは、かの有名なムンクの名画『叫び』の様な顔で悲鳴を上げている。凄く……面白い。

 

「ふぅ……さぁてと、そろそろ真面目にやったるか」

 

 誤魔化す様にそう言った彼女は、再び宙に浮き、クリリンと対峙した。下の方─ナッパvsZ戦士達─も再開していた様で、ピッコロさんを筆頭に、ナッパの方へ、空気を切りながら向かっていた。

 

「へっ……さっきも言っただろ。テメェらは所詮、屑なんだよ‼︎」

 

 ナッパはそう叫んで、ピッコロさんの頭を掴んだ。そのまま、Z戦士達に投げ付ける。

 

「わっ⁉︎」

 

「きゃっ‼︎」

 

 蒼魔とスイレはギリギリの所で避けた。しかし、後ろの天津飯と餃子は反応し切れず、ピッコロさんと共に吹っ飛ぶ。

 

「「「ぐっ……⁉︎」」」

 

 吹っ飛んだ先は、1峰の岩山。基盤の1部を崩された岩山は、ヒビの通りに割れ、重力に従って落ちていく。

 

「くっ……だぁっ‼︎」

 

 1回地面に片足を付いた蒼魔は、ナッパに拳を振り下ろした。それをヒラリと躱すと、蒼魔の腹を殴り付ける。

 

「がふっ……⁉︎」

 

 呻き声が聞こえた。だが、すぐに余裕ぶった笑顔で体勢を立て直す。

 

「悪りぃけど……そん位じゃ俺は殺せないぜ?何せ、耐久力ならピッコロ越えだからな」

 

 蒼魔よ、お前は耐久チートだったのか。謎人物の1人が耐久チート野郎とか、これは怪しまざるを得ない。

 

 蒼魔のチート発言の後に、スイレの華麗な踵落としが、ナッパの頭に決まった。

 

「おい、何かしたか?小娘」

 

 しかし、ナッパはビクともしない。ただ、ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべるだけである。彼女の細脚を掴み、地面に叩きつけた。

 

「あ"っ……⁉︎」

 

 飛び散った岩の隙間から、悲鳴が上がる。

 

 いきなりかがみ込んだナッパは、蒼魔の顎にアッパーを1つ食らわせる。

 

「あぐっ……⁉︎」

 

 宙を舞った彼は、そのまま孤を描いて落ちた。

 

「……さぁ、もっと俺様を楽しませろ‼︎」

 

 ナッパは、酷く愉快そうに嗤った。

 

「あ〜あ、あんな調子じゃあ、こっちまで回っちゃきませんね」

 

 自分でも呑気だな、と思う声を出して、王子の方を向いた。本人は、無表情を決め込んだまま、腕を組んで、キャッツべの方を向いている。相当夢中になってるな、これは。返事してくれないもん。

 

 今なら、行けるかも。

 

 王子に踵を返し、僕は地を蹴った。向かうは、近くの岩山。正式に言うと、岩山にいる3人の元だ。気自体は大きくない。しかし、その気1つ1つに、悪意が孕まれている。そんな感じがして、落ちつかないのだ。

 

「……見ーつけた」

 

 予想は的中。僕が元々いた地点を見ていた。2人は知っている。アニメにも、漫画にもいない、ゲームオリジナルの奴ら。

 

「さてと、ミラさんとトワさん、そして誰かさん。キリ集めは辞めましょうね?」

 

「……あら、バレてたの」

 

 ミラとトワ、そして未知野郎が、そこにはいた。

 

 

 


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