ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜 作:竜華
「はっ‼︎」
バキィッ‼︎
「ギャァァァァァァァ…⁉︎」
よぉ、のっけから栽培マンをボッコボコにしてる澄華や。ったく、栽培マン共、余計なことばっかしやがって……。仕事が増えるだろうが。でも……
「……余裕ぶっこいてる暇も無いわけで」
「ギャァァァッギャッギャッ……ギャッ⁉︎」
ブゥゥゥゥゥゥ…ン……
ズァッ‼︎
背後を取ったと言わんばかりに高笑いする栽培マンの顏に、振り返って気功波を食らわせた。頭を失った栽培マンは、力無く地面に落下する。しかし、亡骸は身体を発光させると、3つの光塊へと変化した。そして、それぞれが栽培マンの形をなしていく。あ、これ身体ちょっとでも残すと増えるパターンだ。確かに、こういう敵はゲームでよくいるよくいる。あーめんどくせー。
「……まぁ、残さなけりゃ良いんやけど……なっ‼︎」
スッ……
ドォォォォォォォォォォォォ……ン……‼︎
手をかざし、気を込めれば、たちまち地面が崩れ、栽培マン達は岩の波に呑まれた。
「はぁっ‼︎」
ズァァァァァァァァッ……‼︎
気の量を増やすと、地球本来の気と、俺の気が混ざった閃光が空を切る。金の光柱は、栽培マン達を岩諸共その熱で消し去った後、光を失った。
「……す、凄ぇ……こんなのをこの後敵に回すのか……」
「……寒気がするわ……」
外野がヒソヒソ話している。ぜーんぶ、聞こえてるぞ?
とまぁ、それはさておき、
「……多くね?」
栽培マンが多すぎる。ざっと見て、40体ぐらい増えてるぞ。
「……おい、アボカ、ベジータ、脳筋爺、栽培マンの頭数が増えてんだけど、何してるんや?」
「「「頭部の粉砕」」」
お前らか。
「……消さないと、増えるだけやで?」
「「え、マジで?」」
「……そう、なのか」
「そこは気付くべきやで。ベジータに関しては、頭良いやん」
何故気付かない。増え過ぎにも程があるだろうが。目に見えるランクだぞ、これは。
「……とりあえず、細胞1つ残さずに消さないと、ゲームクリアにはならんで。エネルギー弾の攻撃をお勧めしとくわ」
「ほう、そうか。情報を感謝する」
「……面倒だなぁ」
「それを言ったらお終いや」
頬を膨らませるアボカを宥め、地上のZ戦士達と栽培マン達を見下す。あー、ちょっと押されてる?全く、しょうがねぇ、
「……助っ人、してやりまっか」
ゆっくり、地面に両足を降ろす。Z戦士達は、驚愕に顏を歪めていた。あ、ピッコロは無表情だわ。
「……何の用だ?まさか、慈悲で加勢にでも来たか?なら、情けない限りだぜ」
「酷い言われようやな。まぁ、助っ人なんやけどさ。こいつら消すには、細胞1つ残しちゃいけないんやで」
「……思ったんだけど、お前、本当に敵か?」
クリリン、だっけ?そいつが訝しげに尋ねる。それに少し考えて、笑いかけながら1言。
「……さぁ?まぁ、上手くいけば、光になれるかもしれへんな。光になれる、《何か》があれば、の話やけど」
「それって、もしかして……俺達に……」
「お喋りはここまでだ。来るぞ」
ピッコロが話を遮った。マジで助かったわピッコロ。口滑っちゃって滑っちゃって。なんか病んでる菜実みたいになった。反省だ。
『ギャァァァァーッギャッギャッギャッギャッ‼︎』
栽培マン10体以上が地を蹴る。うわっ遅っ。
「チッ……邪魔やなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
ズドォォォォォォォォォ……ン……‼︎
苛立ち混じりの気弾攻撃が炸裂。栽培マンは消滅した。やった、殆ど消えたぜ‼︎
「サ、サンキュー……えっと……」
「……キャッツべや」
「ありがとうございます、キャッツべさん‼︎」
悟飯が幼い笑みでこちらを向く。ヤベェ、可愛いんだけど。いやいやいや、俺ショタコンじゃねぇし。
頭を左右に振って、疚しい感情を弾き出した。
「……う、うるせぇ‼︎さっさと倒さんかい餓鬼が‼︎」
「……キャッツべマジツンデレ」
「あ"ぁ”?なんか言うたか?アボカァ?」
「……テラヒドス。なんで僕にだけ怖いのさ」
泣きそうな呟きは幻聴だと割り切り、これも思考から弾き出して、辺りを確認する。結構減ってるな。アボカ達が頑張ってるらしい。良々、そのまま頑張れ。
「他人任せにしないでよ」
ばれてたか。
「……あともう少しやな。一気に畳み掛けたるで‼︎どきぃや‼︎巻き添いになりたくないんやったらなぁぁぁぁぁ‼︎」
両手を突き出す。そして、お気に入りの技の咆哮。
「《ダークサイド・キャノン》‼︎」
ズァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼︎
「ちょっ……地球抉る気かい⁉︎」
「こん位じゃ抉れへんよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」
『ギャァァァァァァァァァァァァァ⁉︎』
運良く栽培マン共は全員地上だ。勿論、どいつも巻き込まれる。勝った。その感情に口角が上がる。
この陶酔感が好きだ。正に、サイヤ人にとっての至高。俺はそう信じて止まない。
フッ……
赤い閃光が消えた。何mもの深さで地面が消えている。栽培マンの欠片はどこにもなく、煙だけかたなびいているだけ。
「……おぉ〜まぁ〜えぇ〜……‼︎人の獲物を取って、そんなに楽しいかい?」
いきなりだが、俺に死亡フラグが立った。振り返れば、般若の形相で笑うアボカが。背後で、どす黒いオーラがぷんぷんしている。押し潰されそうだ。
実はアボカ、人は殺せない癖に、栽培マンなどの、敵視している奴らは笑顔で殺る。その笑顔は、フリーザ軍では《破滅の破顔》とまで恐れられている程だ。
「……えっと、悪ぅございましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
そう叫び、猛ダッシュで岩山の間を走る。逃げないと死ぬ気がする。ていうか死ぬ。
「待てやゴラァァァァァァァァ‼︎」
背後から、ドドドドドドドドッ、という激しい駆走る音が聞こえる。あいつ、足は異常に速いのですぐ後ろに気を感じた。冷や汗が頬を伝った。
この後、俺がこぶだらけになったのは、言うまでもない。