ドラゴンボールFG 〜転生少女達と戦闘民族は仲間だった⁉︎〜   作:竜華

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第19話 危険な芽は摘み去るのが筋

「はっ‼︎」

 

 バキィッ‼︎

 

「ギャァァァァァァァ…⁉︎」

 

 よぉ、のっけから栽培マンをボッコボコにしてる澄華や。ったく、栽培マン共、余計なことばっかしやがって……。仕事が増えるだろうが。でも……

 

「……余裕ぶっこいてる暇も無いわけで」

 

「ギャァァァッギャッギャッ……ギャッ⁉︎」

 

 ブゥゥゥゥゥゥ…ン……

 

 ズァッ‼︎

 

 背後を取ったと言わんばかりに高笑いする栽培マンの顏に、振り返って気功波を食らわせた。頭を失った栽培マンは、力無く地面に落下する。しかし、亡骸は身体を発光させると、3つの光塊へと変化した。そして、それぞれが栽培マンの形をなしていく。あ、これ身体ちょっとでも残すと増えるパターンだ。確かに、こういう敵はゲームでよくいるよくいる。あーめんどくせー。

 

「……まぁ、残さなけりゃ良いんやけど……なっ‼︎」

 

 スッ……

 

 ドォォォォォォォォォォォォ……ン……‼︎

 

 手をかざし、気を込めれば、たちまち地面が崩れ、栽培マン達は岩の波に呑まれた。

 

「はぁっ‼︎」

 

 ズァァァァァァァァッ……‼︎

 

 気の量を増やすと、地球本来の気と、俺の気が混ざった閃光が空を切る。金の光柱は、栽培マン達を岩諸共その熱で消し去った後、光を失った。

 

「……す、凄ぇ……こんなのをこの後敵に回すのか……」

 

「……寒気がするわ……」

 

 外野がヒソヒソ話している。ぜーんぶ、聞こえてるぞ?

 

 とまぁ、それはさておき、

 

「……多くね?」

 

 栽培マンが多すぎる。ざっと見て、40体ぐらい増えてるぞ。

 

「……おい、アボカ、ベジータ、脳筋爺、栽培マンの頭数が増えてんだけど、何してるんや?」

 

「「「頭部の粉砕」」」

 

 お前らか。

 

「……消さないと、増えるだけやで?」

 

「「え、マジで?」」

 

「……そう、なのか」

 

「そこは気付くべきやで。ベジータに関しては、頭良いやん」

 

 何故気付かない。増え過ぎにも程があるだろうが。目に見えるランクだぞ、これは。

 

「……とりあえず、細胞1つ残さずに消さないと、ゲームクリアにはならんで。エネルギー弾の攻撃をお勧めしとくわ」

 

「ほう、そうか。情報を感謝する」

 

「……面倒だなぁ」

 

「それを言ったらお終いや」

 

 頬を膨らませるアボカを宥め、地上のZ戦士達と栽培マン達を見下す。あー、ちょっと押されてる?全く、しょうがねぇ、

 

「……助っ人、してやりまっか」

 

 ゆっくり、地面に両足を降ろす。Z戦士達は、驚愕に顏を歪めていた。あ、ピッコロは無表情だわ。

 

「……何の用だ?まさか、慈悲で加勢にでも来たか?なら、情けない限りだぜ」

 

「酷い言われようやな。まぁ、助っ人なんやけどさ。こいつら消すには、細胞1つ残しちゃいけないんやで」

 

「……思ったんだけど、お前、本当に敵か?」

 

 クリリン、だっけ?そいつが訝しげに尋ねる。それに少し考えて、笑いかけながら1言。

 

「……さぁ?まぁ、上手くいけば、光になれるかもしれへんな。光になれる、《何か》があれば、の話やけど」

 

「それって、もしかして……俺達に……」

 

「お喋りはここまでだ。来るぞ」

 

 ピッコロが話を遮った。マジで助かったわピッコロ。口滑っちゃって滑っちゃって。なんか病んでる菜実みたいになった。反省だ。

 

『ギャァァァァーッギャッギャッギャッギャッ‼︎』

 

 栽培マン10体以上が地を蹴る。うわっ遅っ。

 

「チッ……邪魔やなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ズドォォォォォォォォォ……ン……‼︎

 

 苛立ち混じりの気弾攻撃が炸裂。栽培マンは消滅した。やった、殆ど消えたぜ‼︎

 

「サ、サンキュー……えっと……」

 

「……キャッツべや」

 

「ありがとうございます、キャッツべさん‼︎」

 

 悟飯が幼い笑みでこちらを向く。ヤベェ、可愛いんだけど。いやいやいや、俺ショタコンじゃねぇし。

 

 頭を左右に振って、疚しい感情を弾き出した。

 

「……う、うるせぇ‼︎さっさと倒さんかい餓鬼が‼︎」

 

「……キャッツべマジツンデレ」

 

「あ"ぁ”?なんか言うたか?アボカァ?」

 

「……テラヒドス。なんで僕にだけ怖いのさ」

 

 泣きそうな呟きは幻聴だと割り切り、これも思考から弾き出して、辺りを確認する。結構減ってるな。アボカ達が頑張ってるらしい。良々、そのまま頑張れ。

 

「他人任せにしないでよ」

 

 ばれてたか。

 

「……あともう少しやな。一気に畳み掛けたるで‼︎どきぃや‼︎巻き添いになりたくないんやったらなぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 両手を突き出す。そして、お気に入りの技の咆哮。

 

「《ダークサイド・キャノン》‼︎」

 

 ズァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼︎

 

「ちょっ……地球抉る気かい⁉︎」

 

「こん位じゃ抉れへんよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

『ギャァァァァァァァァァァァァァ⁉︎』

 

 運良く栽培マン共は全員地上だ。勿論、どいつも巻き込まれる。勝った。その感情に口角が上がる。

 

 この陶酔感が好きだ。正に、サイヤ人にとっての至高。俺はそう信じて止まない。

 

 フッ……

 

 赤い閃光が消えた。何mもの深さで地面が消えている。栽培マンの欠片はどこにもなく、煙だけかたなびいているだけ。

 

「……おぉ〜まぁ〜えぇ〜……‼︎人の獲物を取って、そんなに楽しいかい?」

 

 いきなりだが、俺に死亡フラグが立った。振り返れば、般若の形相で笑うアボカが。背後で、どす黒いオーラがぷんぷんしている。押し潰されそうだ。

 

 実はアボカ、人は殺せない癖に、栽培マンなどの、敵視している奴らは笑顔で殺る。その笑顔は、フリーザ軍では《破滅の破顔》とまで恐れられている程だ。

 

「……えっと、悪ぅございましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 そう叫び、猛ダッシュで岩山の間を走る。逃げないと死ぬ気がする。ていうか死ぬ。

 

「待てやゴラァァァァァァァァ‼︎」

 

 背後から、ドドドドドドドドッ、という激しい駆走る音が聞こえる。あいつ、足は異常に速いのですぐ後ろに気を感じた。冷や汗が頬を伝った。

 

 この後、俺がこぶだらけになったのは、言うまでもない。

 

 


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