八幡に対する城廻めぐりの気持ちです。
原作とは違い、めぐり先輩が八幡を好きという仮定で書かれています。

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私から見た彼は……

私が彼に始めて関わったのは文化祭の時だったかな?

私から見た彼の第一印象は正直あまり良くなかったっけ。

それでもはる先輩が気にしてる子だからきっと面白い子なんだろうとは思っていたかな

 

「〜人〜よく見たら片方楽してる文化祭」

 

これは文化祭スローガン決めの時に出した彼の案。

この時の私はこれがどういう意味で、どういう意図でこう言ったのか分からずにいた。

だから彼の事を最低だとこの時思い始めてしまったのかな。

今思うと彼のこのセリフがあったからこそ文化祭は間に合ったっていうことが分かる。

やっぱり彼はすごいなぁ。

 

「やっぱり君は不真面目で最低だね」

 

これは私が彼に言った言葉。

文化祭の終了間際、逃げ出した相模さんに対して行った彼の行動に対する気持ち。

この時も私は彼の本当の意図が分からなかった。

彼のこの言葉がなければ相模さんはエンディングセレモニーに間に合わず、文化祭は最悪な終わりを迎えただろう。

彼が相模さんにワザと酷いことを言わなければ相模さんが皆に攻められていただろう。

彼はどうして自分を犠牲にしてまで他人を守るのだろうか。

きっと彼に聞いたら他人を守るつもりは無かったし、結果的に勝手に他人が助かっただけとか捻くれたことを言うのかな?

それでも私含めて君が傷付くのが辛いと思っている人がいると言うことに気づいて欲しいな。

 

 

その後私が彼の居る奉仕部に依頼したのは体育祭の時だったったけ。

その時は彼の名前を覚えていなかった。どうして覚えていなかったのだろう?今では忘れられない名前なのに。

 

でもこの依頼の時に私の中の彼に対する評価が上がったっけ。

その時にも私は、

 

「やっぱり君は不真面目で最低だね」

 

  と、あの時と同じセリフを彼に言った。

その時のそのセリフに込めた意味を彼は分かってくれたかなぁ。

もう少し素直に褒めれば良かったかな。今更ながらちょっと後悔している。

 

 

その次は、いろはちゃんの生徒会長選挙のときだった。

いろはちゃんを奉仕部に連れて行った時、私は彼に会えることを楽しみにしていたのを今でも覚えている。

でもその時の奉仕部、彼を見ていると前とは違う雰囲気だったというのはすぐに分かった。

だからこそ私は彼ら、いや、彼を見ているのがつらくなった。

そんな時にいろはちゃんをあそこに連れて行ったのは間違いだったと最初は思った。

結果的にいろはちゃんの依頼は失敗に終わった。

それでも今は彼女をあそこに連れて行ったのは正解だったとおもっている。

 

今ではいろはちゃんは生徒会長として様になっているし、奉仕部も元の関係以上によくなっていることが目に見えて分かる。

 

きっと彼の横にいるあの2人の女の子が強く、彼を受け止められるということがあるからこそ、今の奉仕部は他人が入り込めないくらい強い絆で結ばれているのだろう。

 

彼とそんな関係になれる彼女らがとっても羨ましいなぁ。

 

それでも私はいろはちゃんの手伝いをしながら彼と話すことができる事が凄く嬉しかった。

少しでも彼に近づこうと思った。

 

 

でもそんな日常も今日で終わってしまう。

 

私達3年生の卒業式のこの日に。

 

私が学校を卒業すれば彼に会うことはなくなってしまうだろう。

 

悲しいなぁ。

卒業式も滞りなく終わり、もうすぐ私は本当にこの学校を卒業するというところで、彼にあった。

 

めぐり「こんにちは、比企谷君」

 

八幡「どうもです、城廻先輩」

 

彼は私に挨拶を返す。

 

この挨拶も今日で聞かなくなると思うとさみしいなぁ。

 

八幡「それとご卒業おめでとうございます」

 

めぐり「えへへ、ありがとね」

 

それから私達は今までの事や、これからの事などいろいろと話した。

 

幸せだなぁ。

 

めぐり「ねぇ比企谷君、君は今幸せ?」

 

ふと思い私は彼に問う。

 

八幡「いきなりどうしたんですか先輩?」

 

めぐり「ふと気になってね。君はこの学校生活を楽しんでいるのかなぁと思ってね」

 

八幡「なんかそれ平塚先生みたいですよ、先輩」

 

え、本当?

 

八幡「まあ、俺はこの学校生活を楽しんでますし、今の生活も幸せですよ。」

 

めぐり「そっかー。それは良かったかな。」

 

八幡「そういう先輩はどうなんですか?」

 

めぐり「私は今とっても幸せだよー。まぁ卒業するって事は少しさみしいかなぁ」

 

めぐり「でも今こうやって君と話していることは幸せだよ」

 

んー、私今顔赤くなってないかなー?

これって遠回しに告白になっちゃってるよね。

 

八幡「なんですかそれ」

 

めぐり「そのままの意味だよ、比企谷君。君と話すのは楽しいからね」

 

少し否定するように私はそう言う。

そう言わないと私は本当に告白しそうだから。

 

八幡「そんな事言われたの始めてですよ」

 

めぐり「そっかー。でもそう思ってる子は結構いると思うよ?」

 

八幡「はは、ありがとうございます」

 

そう言って彼は少し笑う。

 

もっと彼と話してたいなぁ。

でもそろそろ行かないと私の気持ちに気づかれちゃいそうだな。

 

めぐり「それじゃあそろそろ私は行くね。引き止めてごめんねー」

 

八幡「いえ、気にしないで下さい。」

 

めぐり「そっか、それじゃあね比企谷君。これからも頑張ってね」

 

八幡「はい、ありがとうございます。先輩も大学頑張ってください」

 

めぐり「うん、ありがとね。」

 

そう言って私は彼に手を振ってそこから少し離れる。

その時は彼も少しぎこちなさそうに手を振ってくれた。

 

彼と別れた後私は一人げにつぶやく。

 

めぐり「好きだよ、比企谷君。これからも頑張ってね」

 

そう、誰にも聞こえないようにひっそりと。



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