鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
天使と和解してから数日後、俺はあることに気付いた。
どこからか視線を感じる。まるで監視されているみたいだ。
「俺はこの感じを知っているッ! いや! この
……ボケてみたけど、それどころじゃない。
これはあれだ。いつしかのストラトスちゃんのあれと同じやつだ。……まさかあのヤロー、やめるとかほざいといて実は続けてたんじゃあないだろうな!?
「確認、してみるか……」
端末を取りだし、ストラトスちゃんをコールすると数秒もしないで出た。
『チヒロさん……?』
「よう、ストラトスちゃん。いきなりで悪いけど、今どこにいる?」
『え? 今ですか? 今はリオさんと飲食店でお食事を……』
ストラトスちゃんの後ろの方から『アインハルトさん! お食事じゃなくて、スイーツですよ!』と聞こえてくる。メシだろうがスイーツだろうがどうでもいいけどな。
とりあえず、アリバイはあるのか。
「ちょっと確認したいことがあってな。ちょっとだけでいいから会って話す時間よこせ」
『それは構いませんが……』
「じゃあ、今からお前がいるとこいくから。どこにいるんだ?」
『えっと……』
ストラトスちゃんから場所を聞き、通話を終了する。
よし、すぐに向かおう…………ところで、『リオ』って誰?
ストラトスちゃんから聞いた飲食店(一般的なファミレスだった)に到着し、中に入る。
「──チヒロさん、こちらです!」
いた。入り口からすぐのボックス席に座っている。ストラトスちゃんの向かい側には……誰だ、あのガキンチョ?
ていうか、呑気に手なんか振りやがってぇ……!
「お前、死刑な」
「え!? い、いきなり何を……?」
死刑宣告をしながら、ストラトスちゃんの向かい側──知らないガキンチョの隣に座る。
緊急事態だ。許せ、ガキンチョ。
「あ、先ぱ──」
「ストラトスちゃん……お前には今、ある疑いがかけられている。よく言うだろ、『疑わしきは処す』って」
「『疑わしきは罰せず』では……? それでは独裁者ですよ」
生ぬるい。そんなこと言ってるから犯罪はなくならないんだ!
「なのはさんも言ってたぞ! 『調子乗ったら即砲撃』って!」
「趣旨かわってませんか……?」
まぁ、いい。説明しとこうか。
とりあえず、たまたま通ったウェイトレスにコーヒーを注文する。
「本題に入ろう。最近、視線を感じるんだ」
「視線……ですか?」
「あぁ、どこに行ってもそれがついてくる」
常にある、ってわけではない。
家とか、学校とかまではさすがにないけど……。
「先輩、それってス──」
「それは……ストーカー、ということですか?」
「あぁ。……お前だろ」
「えっ!? ち、違います!」
前科があるんだ……信用できねぇ。
それに他に誰がいるんだよ。俺をストーカーしそうなヤツなんて……あぁ、ゴキ〇リがいたわ。
「うーん、本当にお前じゃないのか?」
「違いますよ!」
「……わかった。とりあえず、信じる」
「信じるもなにも、疑わないでほしいのですが……」
「前科あるやつが何をほざく」
「──あの頃も、今も、嘘だけはつきませんよ。私は」
……無駄にカッコいいな、おい。
まぁ、確かにコイツは嘘をついたことだけはなかったな。
「よし、なら手伝ってくれ」
「手伝う、とは?」
「ストーカーを捕まえる。お前は腕っぷしも強いし、元ストーカーだ。適任だろ?」
ストーカーのことはストーカーに聞け、だ。
「……わかりました。チヒロさんには借りがたくさんありますから……微力ながらお手伝いさせて頂きます」
借りってか、迷惑料になるな。
「微力ってか、主力だけどな。頑張れよ、肉盾!」
「いくらなんでも、それはあんまりですよ……!」
頬を膨らませるストラトスちゃん。
これがかつて四六時中俺を追い回していたとは思えないな。……だが、今はこれほど頼もしい盾……じゃなくて、仲間はいない。
「よし、いくぞストラトスちゃん! ストーカーを捕まえるぞ!」
「はいっ!」
「先輩たち、最後までわたしの存在ガン無視だったなぁ。……先輩のばか。アインハルトさんのあほ。……あれ、ちょっと待って、アインハルトさんのケーキと先輩のコーヒーの支払いは? えっ、うそ!? せ、先輩たちのばかぁぁぁあああっ!」
さて、では新作?リメイク?(今後はVivid Strike版と仮称します)についての決定情報を。
最新の活動報告にて書いたものと同じ内容です。
Vivid Strikeは『魔法少女リリカルなのはvivid』から約1年後の物語(だったはず)ですが、僕は『魔法少女リリカルなのはVivid LIFE』から一年後の物語(の二次創作)として書こうかと思います。
だってリンネたんの過去がブラック過ぎるんだもの……!
Vivid LIFEを読んだことがない方のために簡単に説明しますと、Vividの日常を描いたほのぼの四コマ漫画です。
そっちの世界観で描いていこうかと予定しています。
ポンコツ感あふれる、ほのぼのとしたゆる~い日常(ゲス顔)をお楽しみいただければ幸いです。
また、いくつかのキャラクターが『鮮烈なのは~』の設定を引き継いで登場することが決定しました。
①ヴィクター、ジークとの関係性
リンネとの関係もあるため、チヒロとは旧知の間柄であるほうが楽なためキャラクター設定を引き継ぎ決定。コンセプト的には、『鮮烈なのは~』での邪神過去編にてそのままチヒロと交遊を続けた二人(『鮮烈なのは~』の邪神過去編では、チヒロは事故にて二人の記憶を忘れて疎遠になった。その後、初対面として再会)。完全な引き継ぎではないため、二人は少しだけ当作品とは違いがあります。
②GOD編について
GODには参加しなかった世界観となります。本編にてこの事を描写できるかわからないため、今言っておきます。
③リオ・ウェズリーについて
出ます。ついに。満を持して。
こんな感じとなりますので、連載し始めたら応援して頂けるとありがたいです。
その際にはよろしくお願いいたします!