小池メンマのラーメン日誌   作:◯岳◯

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※注 原作が進んでいない所で書いたものなので、
   色々とオリ設定がたくさんあります。無理な方はブラウザバックしてください。





27話 : 転機(3)

 

 

「食べたいものー食べたモン勝ちー、らーあーめんならー」

 

「おひさーまーみたいにーわらうー、麺ーはどこだいー」

 

「「wow、wow」」

 

マダオと二人、一行の先頭で歩きながら歌う。姿は、中忍試験の時のものだ。キューちゃんはそのまま。マダオはグラサンかけた、黒髪の少年の姿。俺は赤毛の少年。「春原ネギ」の姿。

 

「あの、キューちゃん?あの二人でかい声で歌ってるんだけど、止めなくていいの?」

 

「無駄じゃ。馬鹿は止まらんしの、馬鹿は」

 

「何か、キューちゃんも苦労してるんだね」

 

「分かってくれるか」

 

キリハの手をしっかと握るキューちゃん。すまんね。でも君は良い突っ込み役だよ。後で稲荷買ってあげるから。

 

「………ワシは目立ちたくないと言ったんじゃが」

 

頭を抑えるエロ仙人。知るか。俺の平穏を崩しやがって。このドが付くエロ野郎。あんた今、俺の中での最低番付の大関だよ。

 

まあとにかく。背後から色々と聞こえてくるけど無視して歌い続ける。周囲の気配なんか感じねーし。隠れに隠れて8年以上、通常時ならば気配を読み間違えるような愚は犯さん。

 

それに、旅に歌はつきものだ。

 

「ははは………でもまた会えて嬉しいよ、キューちゃん」

 

「まあ、の。しかし、お主はワシらの事を警戒せんが、何故じゃ?」

 

「え、だって自来也のおじちゃんが連れてきた人だし、それに前にも何回か助けてもらったし。それに、私には悪い人には見えないんだ」

 

「………その根拠は?」

 

「うーん、勘かな」

 

「キリハの勘はよく当たるからのう」

 

「それだけじゃあすまされん気がするのじゃが」

 

「まあまあ」

 

結構アバウトだよねー、木の葉隠れの里って。素性不明のカブトとか受けいれるし、スパイもたくさん居るし。

 

 

 

 

 

 

「で、やってきました短冊街」

 

「おお、祭りか!」

 

「ラーメン食いにいこうぜ、ラーメン」

 

「それより宿探しの方が先でしょ………先生、お金持ってますよね」

 

「当たり前じゃろ」

 

取りあえず、部屋に入る。部屋割りは男女別々だ。取りあえず部屋を確認した後、祭りを見に行こうと二人をさそう。

 

「あれ、残りの二人は?」

 

「ああ、マダオと自来也さん?何か、話しがあるとかで、部屋の中にいるよ。少し話しをした後に来るから、ちょっと待ってて、らしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、どういう事じゃ? 昨日は聞けんがったが、何故お主が生きて此処に居る」

 

「いや、あの日に起きた事は先生も知っているでしょう? それで、ですね………」

 

カクカクシカジカと、ミナトは一連の事件について、自来也に説明した。

ひと通りを聞いた自来也が、ううむと唸った。

 

「話は分かったが………そんな事が本当に起こり得るのか?」

 

「事実は小説より奇なり、っていうじゃないですか。それに、馬鹿げた量のチャクラが暴走した結果ですからね。口寄せでさえ距離を超越して呼び寄せる事ができるんです。まあ、事実起こったんですから、起こり得るんでしょうね」

 

「それで、あの九尾はどうなんじゃ?」

 

「良い娘ですよ。屍鬼封尽で陰のチャクラを切り離しましたからね。それに、どうもあの暴走時に、妖魔としての核も飛んでいったみたいなんですよ」

 

「妖魔としての核、じゃと?」

 

「いや、古来より尾獣ってその数を保っていたでしょう?その理由がおぼろげながら分かった気がします。尾獣って、長生きした獣に妖魔としての核が入り込んだ結果、生まれる存在らしいんですよね」

 

「………初耳じゃの。だが、つまり、今のあの娘は九尾ではないと言うのか」

 

「ええ。九尾の妖魔とは、天狐以上の格をもった狐が、その妖魔としての核を飲み込んで生まれる………らしい、です」

 

「らしい、と言うことは推測か」

 

「ほぼ当たっていると思いますけどね。核みたいなものが、あの暴走時に飛んでいくのをこの眼で見えましたから。本来なら、あの膨大なチャクラで覆われていて、見えなかったんでしょうけど」

 

確かに見ました、とミナトは腕を組む。

 

「だから、今のあの娘は力を持った妖狐、というか天狐でしかないでしょうね。陰のチャクラと妖魔核が消えたあの娘は、1人の妖弧でしかないです。まあ、元が天狐ですから、かなりの力を持っているのは間違いないですが」

 

「………ガマ仙人に似た存在か。年経た獣は力を持つとよく言うが」

 

「ええ。ガマ親分などに似た存在でしょう」

 

そこでミナトはいったん話しを切った。そして、ため息をついた後、頭を抱えながら真剣な表情で話す。

 

「問題は、その次です」

 

「………その妖魔核は何処に行ったのか、ということか」

 

二人は険しい表情を浮かべる。

 

「ええ。間違いなく、何処かに飛んでいったんでしょうね。あのまま消えて無くなったとは考えにくいですし」

 

「それが、世界の何処かにいる、他の天狐に宿った可能性が高い………そう言いたいのか?」

 

天狐の総数は少ないと思えるが、キューちゃんだけども思えない。

ミナトが首を縦に振りながら、悩む表情を見せた。

 

「何処にあるのか分かりませんが………まず、間違いないと言えます。尾獣の総数が減ることは、存在的に有り得ないでしょうから。まったく、厄介な話しです」

 

「そうじゃの………」

 

「あと、それと………もしかしたら」

 

「なんじゃ?」

 

「…………いえ、忘れてください。まだ、推論を越えていない、妄想の範疇の話ですから。いずれ時がくれば、話します」

 

辛そうな顔して、ミナトは首を振った。

 

「そうか」

 

腕を組み、悩む二人。また、九尾襲来が起きる可能性もある、ということだからだ。

 

「そういえば、あの時に九尾が里を襲った理由はなんじゃ?お主なら何かを知っていると思っておったのじゃが」

 

「あの場所には、うちはマダラがいました」

 

「………やはりか」

 

九尾を口寄せできる存在など、1人しかいない。自来也としても、ある程度は予想していた。

 

「マダラが生きていて、『九尾の尾獣』が何処かに存在している以上、最悪のケースも予想しておいた方がよさそうですね」

 

「あやつらは知っておるのか?」

 

「確信には至っていないけど、うすうす気づいてはいるようです。と、これで伝えるべきことは全てですが、安心できましたか?」

 

「気づいておったか」

 

「ええ。この状況で同行を頼む、ということがどういうことなのかね。あの後、すぐにでも逃げると思っていたんでしょう?それに、100%信用している訳でもないでしょうから」

 

だからの同行依頼。綱手探索という、最優先任務もあるので、といった所だろう。

 

「全員気づいてましたよ」

 

「まあ、どうしても、なんじゃ、今のナルト………いや」

 

自来也が沈んだ表情になる。

 

「人格的には、メンマじゃったか。起こした事象から、色々と考えてみたのだがの………あやつの思考回路が理解できんのじゃ。力を隠して隠れきる事ができるのに、あの木の葉崩しの守鶴を相手にしたり。色々と腑に落ちん事もあった」

 

「うーん、基本的にラーメン命。あと、人情も大事という性格でしょうか。いまいち、僕も分かり切っていないんですけど」

 

「そうなのか?」

 

「いや、そりゃあ本人じゃないですから。10割分かる、なんて言えませんけどね。まあでも基本的に忍びじゃないですから、合理的な考えもできますけど………理屈だけで全部を割り切れる程、器用な性格でもないですしね。横道にそれたり、まあ色々。一貫性はあるようで無いですね。一言でいうなら、人間なんでしょう」

 

その場の感情で行動指針がぶれる、ただの人間。割り切る事も知っているが、全てを割り切れる筈もない、人間。困っている人がいれば、手を差し伸べる。

 

敵がいれば、倒す。必要であれば、手を汚す。時に甘くて、時に弱くて、時に厳しい。いつも迷って、悩んでいる人間。

 

「人間、か」

 

「あとは、ラーメン、ですか」

 

「ラーメンか………ん、どういう意味じゃ?」

 

突っ込みを無視して、ミナトは話し続ける。

 

「まあ、隠れきれなかった理由は………寂しかった、という部分もあるんでしょうね。1人じゃないとはいっても、隠れ続けるっていうのは、やっぱりストレス溜まりますし」

 

無意識でも、とミナトは肩をすくめる。

 

「それに、これだけ長期間一つ所に留まることが無かったですから。精神的なガードも下がっている部分もあります。あと、縁に飢えてる部分もありますね」

 

よく店に来るキリハとか、その他の一部忍びとか、テウチ師匠とか。あと、材料を買いに行くさいに話す、八百屋のおっちゃんとか、酒屋のおっちゃんとか。

 

………彼女とか。

 

「あと、状況と勢いとノリに流されやすい性格してますし。彼、勢いとラーメンだけで生きてますから」

 

「そこまで好きか」

 

「『それが全部だ、他に何がいる?』って言ってました」

 

思い出し笑いをするミナト。そして、表情を真剣なものに一転させる。

 

「………もちろん、木の葉に留まった理由としては、それだけじゃないですよ」

 

「暁、か」

 

「ええ」

 

「そうじゃの。それもそうか。暁という組織を相手に、1人では勝ち目がないしのお」

 

「それに他国の里で暁の連中に見つかった場合の事を考えると、どうも駄目ですね。派手な戦いになるでしょうし、戦った後にその国の忍びにみつかった場合とか………ほら、分かるでしょう?」

 

自身にとっても、愛着が湧いてしまった木の葉にとっても、良くない事態になるだろう同盟が結ばれているとはいえ、他国を無闇に刺激するのはうまくない。

 

「今のところは、木の葉に留まるのが最善の選択、というわけか」

 

「今じゃあ、家もありますしね………旅もいいですけど、帰る家があるのも良いって言ってました。だから、あの家に手を出したり、仲間に手を出すようなら、本気で抗いますよ、きっと」

 

「そこまで聞いておいて、そのような事はせんよ。お主を敵に回す事もせん」

 

「それなら良かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いぞ、マダオ」

 

「いや、めんごめんご」

 

と手を顔の前に出して謝るマダオ。

 

「………古いのお」

 

「何か、マダオさんってオッサン臭いねー」

 

「ぐはあっ!?」

 

少女二人の辛辣発言に吐血するマダオ。もんどりうって倒れる。

 

「えー、君達結構言うことがシビアだね。キューちゃんはともかく、波風さんも」

 

「え?そうかな」

 

素の発言か。いや、そうなんだけど、歯に衣着せないなあ。そういえば、ネジに向かっても色々言ってたな。

 

(やっぱり天然分多いなあ、この娘)

 

外見に似合わず。

 

「それより、祭りを見に行かんのか?」

 

「ああ、そうだそうだ」

 

「行こう行こう!」

 

としゃっきり立つマダオ。復活早いなお前。やがて短冊外の中心につくと、そこはかなり賑わっていた。活気が見て取れるぐらいに。

 

「ん、露店が色々と並んでるねー」

 

「でも、ラーメン屋台がないな」

 

「そりゃ無いでしょ」

 

自来也を除く4人で、店を見て回ります。

 

「仕方ないな………って、あ、そうだ。キューちゃん、波風さん、わたあめ食べる?」

 

「あ、はい」

 

「わたあめ?」

 

「ほら、あれ」

 

と指をさす。

 

「どういった味じゃ?」

 

「甘くてふわふわした感じ。おっちゃん、わたあめ二つ」

 

「あいよ。お、綺麗な嬢ちゃん連れてんな、坊主………ほら、出来たぞ。ちょっとおまけしておいたから」

 

「ありがとっす。ほら、これ」

 

「おお、美味そうじゃの………どれ」

 

とわたあめを舐め始めるキューちゃん。

 

「やっぱり食べたこと無いんだ。ほら、こうやってかぶりつくんだよ」

 

とキリハがキューちゃんに食べ方を教える。いや、舐めるのも可愛かったけどね。

 

「こうか…………うん、甘くて美味いの」

 

そしてがつがつと勢いよく食べ始めるキューちゃん。

 

「ん、美味かった。ごちそうさまじゃ」

 

「早いね!ってああキューちゃん、口の周りがベタベタじゃない」

 

布を取り出して、口の周りを吹いてやる。

 

「ん、ちょっと、くすぐったいの」

 

「………」

 

そんな俺たちのやりとりを、キリハがじっと見ている。

 

「波風さん、どうしたの?」

 

「いえ………何か、兄妹みたいだなあ、って」

 

はあ、とため息をつく。

 

(あー、藪蛇だったか。何て言ったらいいのか)

 

「え、お兄さんとかに憧れていたりするの?」

 

とマダオが聞く。

 

「えーっと、その」

 

と指先をちょんちょんと胸の前で合わせる。そして、小さい声だが勢いよく、何事かを呟きだす。

 

「えっと助けられた事お礼を言いたいとか、やっぱり家族いないと寂しいとか、お兄ちゃんってどんなもんだろうなあとか

 

やっぱり格好良いんだろうなあとか」

 

「………え、何?聞こえないけど」

 

「っていえ、何でもないです!!」

 

「うお!?」

 

いきなりの大声に驚いたのか、メンマは後ろに一歩あとずさる。

そして、通行人とぶつかった。

 

「ってえなあ、坊主ぅ。てめえ何処に目えつけてんだ………………!?」

 

ぶつかったヤクザ風の男。ガラの悪い口調で文句を言ってきた直後、目を見開き硬直した。

 

「て、て、てめえは…………!?」

 

(あれ、誰だっけこの人)

 

とんと思い出せない。何かすごい怯えているけど。

 

「ひ、ひい勘弁して下さい!すいません、もうしませんから、もうしませんからアレだけは………!」

 

とケツを抑えて後ずさるヤクザさん。

 

「え、ちょ、何?」

 

訳がわからない俺に、マダオが小さい声で教えてくれた。

 

(ほら、あの時の。麻雀の時の、あのヤクザじゃない?)

 

ああ、いかさまヤクザの1人か(※外伝の壱参照)

人聞き悪いなあ。理由も無しにあんなことしないっての。

 

「え、春原さんって大蛇丸と同じで、そっち系の人だったんですか!?」

 

「ぐはあっ!?」

 

キリハの言葉に吐血する。いやアレと一緒にせんといて、後生だから!

 

「いや、こやつは男色ではないぞ。むしろ、ワシ一筋じゃ」

 

と胸を張って言うキューちゃん。

………あれ、キャラ変わってね?

 

「………え、春原さんってそっち系の人だったんですか?」

 

と今度は頬を染めて、静かに驚くキリハ。キューちゃんと俺を交互に見て、小さい声できゃーと言いながら、一歩退く。

 

「いや、違う、違うから! ペドじゃないから! 逃げないで、頼むから!」

 

「え、ワシとの事は遊びじゃったのか?」

 

と、悲しそうに顔を伏せるキューちゃん。

 

「キューちゃんも!分かって言ってるでしょ!」

 

俯きながらも、肩震えてるし!

 

「え、僕との事は遊びだったの?」

 

「きめえ!」

 

「げふぁ!?」

 

頬を染めるマダオに飛び後ろ回し蹴りを喰らわす。天誅じゃ!これ以上、場を混乱させんな! ああ、周囲の視線が痛い。

 

「えー、あんなに可愛い娘いるのに男同士で………でもそれもありかも」

 

「ほら、やっぱりねえ、そうじゃないかと………」

 

「きっと毎晩がフィーバーなんでしょうね………」

 

「ハアハア、着物童女、ハアハア………」

 

 

どうしてこうなった………。とがっくり肩を落とす。

あと最後の1人ですが、教育的指導を叩き込んでおきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、酷い目にあった。親父さん、とんこつラーメン一つ」

 

近くにあったラーメン屋に入り、取りあえず注文します。

 

「じゃあ、私も同じので」

 

「ワシは塩ラーメンじゃ」

 

「じゃあ、僕はしょうゆラーメンで」

 

「で、これから先どうすんの?」

 

「取りあえず、そこらへんの賭場回って、聞き込みするしかないだろう」

 

「伝説のカモだもんね」

 

ラーメン食べながら、会議します。

 

「うーん、やっぱり九頭竜のラーメンの方が美味しいなあ」

 

その一言に、メンマの耳がダンボのようになる。

 

「絶妙だったもんなあ。特に、あの角煮の味付けとスープのバランスとか」

 

「そ、そう?」

 

と頬を赤らめるメンマ。

 

「え、どうしたの?」

 

「いや、なんでも。いやー、しっかし熱いねえ」

 

とぱたぱたと団扇で自分を仰ぐメンマ。照れているようだ。

 

「ふむ、この塩ラーメン変わっておるのう。スープ自体を冷やしておる。熱いこの季節には最適じゃ」

 

「あ、そうなんだ。冷麺みたいなもんかな」

 

「食べるか?」

 

と箸を差し出すキューちゃん。恥ずかしいって。

 

「いや、俺も頼むよ。すいませーん」

 

「え、もう一つ頼むんですか?春原さん」

 

「ラーメンは別腹だから。むしろ、ラーメンが本腹で、他のものが別腹かも」

 

本腹ってなに、というマダオを無視し、注文をする。

 

「ふーん、冷やしたらこんな味になるんだ」

 

魚、というよりは貝か。独特な貝風の旨味系スープをベースとした、塩ラーメン。夏の野菜に彩られて、ただ冷たいだけでもない。バランスも良く、結構な味に仕上がっている多々あるメニューの中で、季節の一品にするのもいいねえ。あ、そういえば砂隠れの里に塩取りに行くの忘れてた。ということで、木の葉に残っている影分身を一体、砂隠れに向かわせます。

 

「と、いうことでみそラーメン追加」

 

「どういうこと!?まだ食べるの!?」

 

いや、最近各地のラーメン屋食べ歩きツアーしてなかったもんで。

 

「す、すごいですね………」

 

「育ち盛りだからねー」

 

店員さんも驚いていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふー食った食った、そろそろ戻るか」

 

「そうですね………ってあれ、自来也のおじちゃんじゃないですか?」

 

「あ、ほんとだ」

 

こっちに気づいたのか、エロ仙人は手を振ってます。

 

「帰ったか。綱手の居場所が分かったぞ」

 

「ほんとですか?」

 

「うむ。ということで、急いで向かうことにする。カカシの治療の事もあるしの」

 

ああ、そういえば月読のせいで寝込んでいたっけ。

 

「嫌な予感がする。明朝、一刻も早く、出発するぞ」

 

「了解」

 

大蛇丸とカブト、やっぱり動いてるんかね。

 

(取りあえず、辺りに音忍を含む忍びのの気配は無いけど)

 

ここからは、ちょっと気を引き締めていくか。マダオと自来也と二人、目配せをして、確認を取る。

 

「ところで、手に持っているものはなんじゃ?」

 

やまもり、といった感じの紙袋を見て、エロ仙人が訪ねてくる。

 

「え、稲荷寿司ですけど何か?」

 

「いや、いい」

 

横でお日様みたいに笑うキューちゃんを見たあと、自来也がため息をつく。

 

「まだ食べるの………?」

 

「いや、これはキューちゃんの分」

 

食べておかないと、外部での行動に支障を来すかもしれないし。まあ、それは建前で、この笑顔のために買った。ちくしょう、やっぱりかわええ。

 

 

 

「………じゃあ、今日はひとまず宿で休むか」

 

「「「異議なし」」」

 

 

 

マダオと二人で、大蛇丸対策用の作戦でも立てておきましょうかね。

 

 

 

 


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