有り得た可能性の世界の衛宮一家です。
いつもは極力小説の体裁で書いていますが今回はSSと台本のあいのこみたいな形式で書いてみました。
短いですがどうぞ。
食卓を囲んでいる切嗣、士郎、イリヤ、アイリ、セイバー。
食後らしい。お茶を飲んでる。
士郎は家計簿つけてる。
士郎「こりゃ今月も赤字だな」
切嗣「どうしたんだい?士郎」
士郎「家計簿だよ。今月も赤字だ」
切嗣「見せてくれるかい」
士郎、切嗣にノートを渡す。
切嗣見て一気に渋い顔になる。
切嗣「……これはとんでもないエンゲル係数だな」
士郎「ああ。その……こうなるような気はしてたけどまさかここまでとは……」
切嗣「そうだね。ウチには暇さえあれば食っちゃ寝してる困った人がいるからね。
誰とは言わないけど」
セイバー、ピクっとなる
切嗣(あからさまに大きな声で)「……ウチには暇さえあれば食っちゃ寝してる困った人がいるからね。誰とは言わないけど」
セイバー、机をバンと叩く
セイバー「キリツグ……言いたいことがあるならはっきり言ったらどうですか?」
セイバー、切嗣を睨む
セイバー「あなたが戦場でどのような地獄を見てきたのか、私にはただ想像するしかあり
ません。あなたが英霊を否定するのであれば、私と正面から向き合ってくださ
い!私は騎士として受けて立ちます!」
士郎、イリヤ、オロオロしてる。
アイリ、ニコニコしてる。
セイバー、切嗣、睨みあう。
切嗣「そうだね。僕も態度を保留してきて悪かった。
だからハッキリ言おう」
セイバー、ゴクリと唾を飲み込む
切嗣「――この穀潰し」
セイバー呆然。
士郎「親父、その言い方はないだろ!」
イリヤ「キリツグ、ちょっと言いすぎよ!!」
切嗣「いいや。君たちとセイバーの仲を考えて今までは控えてきたが、家計にまで影響が出ているんだ。いい加減にハッキリ言ってやるべきだ。
大体、働きもせず食っちゃ寝してる奴のことを他になんて言うんだい?」
セイバー、呆然としてパクパク口を開いている。
士郎、イリヤ、オロオロしてる
切嗣「だから敢えてもう一度言おう。自分の食い扶持ぐらい稼いできたらどうなんだ?
――この穀潰し」
セイバー、真っ白になって口をパクパク開閉させている。
セイバー「穀潰し……穀潰し……穀潰し……」
士郎、イリヤ、慌てて
士郎「親父、お願いだからもう止めてくれ!セイバー!しっかり!」
イリヤ「お願い!止めてあげて、キリツグ!もうセイバーのライフはゼロよ!」
士郎「セイバー!しっかりしてくれ!ちょっとは働いて欲しいとか、おかわりは控えめに
して欲しいとか思っていなくはないけど、セイバーはここに居ていいんだ!」
イリヤ「止めてシロウ!追い打ちをかけてるだけよ!」
アイリ、ニコニコしている。
アイリ「うふふ。みんな仲良しね」
どうあっても不仲な切嗣とセイバーなのでした。