Fate/in UK   作:ニコ・トスカーニ

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いつものごとくオマケです。
いつものごとく興味のない方は読み飛ばしてください。



設定―英国の風物について9

・英国の家

 

 英国は地震と無縁の土地で建物が保存されやすく、国民性としても家を大事するというものがあります。

 故に新しい建物が毎日のように建設されているロンドンも例外ではなく古い家は結構見かけます。

 観光名所の一つとなっているサミュエル・ジョンソン博士の家もその一つ。

 サミュエル・ジョンソンは18世紀に活躍した文献学者、詩人、批評家で『英語辞典』の編纂で知られた人物。

 その人物の住んでいた家ですので18世紀から存在している建物です。

 所在地は地下鉄のチャンサリーレーン駅の近くでエリア的にはホルボーン、高層建築が立ち並ぶシティの近所のエリアです。

 そんな場所に当然のように古い家が建っている、実にロンドンらしい光景を見ることができます。

 

 また、英国人は格式、歴史のある家に名前を付ける風習があります。

 作中で名前を出した「ウナギ沼の館」は小説『黒い服の女』に出てきた邸宅の名前、

「湿っち屋敷」は『思い出のマーニー』から借用しました。(原作はイギリスの小説)

 

 こういう通称の通ってるお屋敷は住所表記の際、通りや番地に続いてお屋敷の名前が表記されるそうです。

 

 

・『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の登場人物たち

 

 ウェイバー、グレイ、アッド。

 全部公式に登場したキャラクターです。

 このエピソードを書くために一巻だけ読みましたがオリジナルFateシリーズとはだいぶ趣が違い驚きました。

 ちなみにウェイバーの住んでいるアパートの所在地、グレイの出自などすべて原作通りです。

 

・ワンズワース

 

 ロンドン南西部にあるエリア。

 行ったことないので何割かは想像です。

 

 映画『ラブアクチュアリー』に出てきた首相官邸の職員がここに住んでいる設定で劇中で「dodgy end(ヤバいところ)」と評していたのが印象に残っており舞台としました。

 

・ハイ・ストリート

 

 学校で習うアメリカ英語での「ダウンタウン」に相当するイギリス英語の表現。

 目抜き通りとか繁華街と考えていただければよろしいかと。

 

・イディッシュ語

 

 作中で表記した通りアシュケナージ・ユダヤ文化特有の言語。

 学術的にはドイツ語の一方言扱い。

 ヘブライ文字を使用する表記が伝統的でアルファベット表記は比較的新しい書記法らしいです。

 ここではアルファベット表記としておきました。

 

・ヨリック

 

 シェイクスピアの『ハムレット』に出てくるキャラクター。

 より正確に言うと墓場の場面でヨリックというキャラクターの髑髏のみが出てきます。

 

 

・ポリッジ

 

 お粥のこと。

 より正確にはオートミールとバターとミルクで作られるお粥状のドロっとしたナニカ。

 ただし今日においてはアジア料理のお粥も便宜上「ポリッジ」と訳されているので今日においては事実上お粥全般のことを指すようです。

 

・ロンドンプライド

 

 ロンドンのフラーズ醸造所で作られているロンドンの地ビール。

 100年以上の歴史がある。

 私これ、好きです。

 

 

 

 




 今回はいつも以上に探偵ものテイストを意識しました。
 自分的にはウェイバーがホームズでグレイとアンドリューがワトソンとレストレードの役割を分け合うようなイメージです。
 本当は他のオリキャラ(具体的にいうとクロウリーとホイル)も出したかったのですが
そうするとホームズ役が3人になってしまうので今回は自粛しました。

 裏設定としてホイルとクロウリーもウェイバーと旧知の仲の設定です。
 機会があったら書きたいです。
 
 次回は『Fate/in UK』を離れてまた『幕間の物語』をやります。
 では、また

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