例によって興味のない方は読み飛ばしてください。
私の悪い癖です。
申し訳ない。
設定―英国の風物について2
・切り裂きジャック(Jack the Ripper)
1888年にロンドンで連続発生した猟奇殺人事件の犯人の通称。
少なくとも5人の娼婦を惨殺したと言われていますが、いまだに犯人の正体は不明。
恐らく世界で最も有名な連続殺人鬼でしょう。
2014の9月に、デイリー・メール紙が「DNAから切り裂きジャックの正体が判明した」と報道をしましたが、その後、誤報であったことが発覚。
現在も犯人が何者だったか分かっていません。
・イヴニング・スタンダード
ロンドンの地方紙でタブロイド紙。
レストランや演劇などのエンターテイメント情報が中心で、ロンドン市民の貴重な情報源となっています。
しかし、政治的スタンス皆無と言うわけではなく、ロンドンの地方紙らしくロンドン市政の問題に積極的に踏み込むため、ロンドン市長には目の敵にされているとか。
もちろん大事件であれば、真面目なニュースも1面になります。
ちなみに、新聞大国のイギリスはタブロイド紙も多種多彩で、代表的なのに他に下記のようなものがあります。
ザ・サン……老舗低俗紙。よくヌード写真が載ってる。実は日刊紙としては国内最大の発行部数を誇る。
私が2010年に渡英したとき1部買いましたが1面は「チーズ転がし祭りが中止に」でした。
デイリー・メール……中産階級の奥様向けタブロイド紙。1896年創刊。
サタデー・スポート……世の中で何が起きようとセレブのオッパイやオシリの方が大事という頭の下がるスタンスを維持し続ける低俗紙の中でも格段に低俗なタブロイド紙。
「行方不明の飛行機が月で発見!」「タイタニックの生き残りが氷山で発見!」などのわが国の東京スポーツを思わせるような創意に満ちたガセネタもよく取り上げられています。
ごくまれに「アルカイダの工作員、英国に極秘侵入」という申し訳程度の陽動記事が載っていることがあります。
・ヨークシャープディング
イングランドのヨークシャーで生まれた英国の家庭料理のひとつ。
小麦粉と卵に少量の塩を加え、牛乳と水で溶いて生地としそれを型に流し込んで焼いて作る。
ローストビーフなど肉料理の付け合わせとして供されることが多く、機内食でも出てきます。
ちなみに不味い。
・スターゲイジーパイ
イングランドのコーンウォールで生まれた伝統料理。
直訳すると「星を眺めるパイ」
パイ生地から魚がニョキニョキと飛び出し、まるで星を眺めているようだという事でこの名が付きました。
ちなみにコーンウォールのパイだと、コーニッシュパスティーというミートパイも有名ですが
こちらは意外なことに中々美味でした。
・バーミンガム
マンチェスターと並ぶ英国第2の都市。
しかし、その都市景観は美しいとは言えず、街路樹や庭のある英国風の風情のある家ではなくコンクリート造りの建物が立ち並んでいます。
その光景は母親がバーミンガム生まれの英国人音楽評論家、イアン・サウスワース曰く「世界最大規模の便所」
もっとも個人的にバーミンガムに恨みがあるわけではありません。
ただ、調査の結果これが英国人のバーミンガムに対する一般的なイメージだという話です。
・アラン・ホイル
このエピソードのために作ったオリキャラ。
地上でもっとも下品な生き物。
結果的にextraの霊子ハッカーみたいな設定になりました。
名前の由来はアラン・チューリング(イギリスの数学者。コンピュータの基礎を作った人物)
とフレッド・ホイル(イギリスの天文学者)
・リーマン予想
1859年にベルンハルト・レーマンによって発表された近代数学史上における超絶難問です。
ゼータ関数の零点分布に関する予想で、私が理解できた範囲でかいつまんで言うと、
これが証明されると、今まで出鱈目と思えた素数の分布に規則性があることが証明されるというものです。
現代のコンピュータセキュリティーは十分に大きな値の素数を掛け合わせて複素数を作ると事実上、素因数分解は不可能という現時点での数学の常識に従っており、リーマン予想が正しいと証明されると世界中のコンピュータセキュリティが脅かされると考えられています。
なお、数学の証明と言うのは精緻に組み上げられた論理の構成物なので、計算能力が上がっただけではおそらく解けません。
決まり文句的に言うなら、この物語はフィクションです。
・クラッキング
悪意を持った侵入行為の通称。
ハッキングは本来、悪い意味で使われる言葉ではないので、ここではクラッキングと表記しました。
・MI6
007シリーズでお馴染みの英国の情報機関。
MI6は実は正式名称ではなく、正式にはSIS(Secret Intelligence Service)
・SAS
イギリスの陸軍特殊部隊、Special Air Serviceの通称。
・シティ
グレーター・ロンドンの中心に位置する約1マイル四方のエリア。
(1マイル=およそ1.6km)
イギリス経済の中心地で、ニューヨークのウォール街と並ぶ世界最大級の金融センターがあります。
ロイズの高層ビルはじめ、巨大な近代的建築物が立ち並んでいますが、古い建物も多く、それらが調和する光景はロンドンならでは、と訪問時は感じました。
ちなみにロンドンっ子はみんな歩くのが速いですが、特にここを歩いてる人たちは歩くスピードが格段に速いような気がします。
次回、予告通り同人的展開に戻ります。
まさかのデート回です。