第100層。アインクラッドの頂上に建つ真紅の城内部。青白く輝く体に禍々しい赤の文様を浮かべた『ザ・アンガ・ファンタズマ』は体の周囲に浮いたビットをくるくると動かし悲鳴とも思える甲高い声で鳴いた。
「―――ッ!」
耳を塞ぎたくなるくらい響く音。ビリビリと外壁が揺れる中、ザ・アンガ・ファンタズマへ駆けたのはキリトだ。
「おおおお!!!」
大きく広がったアンガのスカート部へキリトの二刀流が炸裂する。
「ちぃ…硬い! アスナ!」
「任せて!」
一瞬で後方からザ・アンガ・ファンタズマへと近寄ったアスナはキリトが後退した直後に、強烈な突きを放った。
「やぁぁぁ!!!」
ユニークスキル『神速』の素早い行動からの勢いで放たれる細剣の突きはオキの『神槍』に勝らずともそれに近いパワーを持つ。神槍と違うところはアスナ自身のスピードがあまりにも速い事。
「紫電雷鳴。」
アスナの攻撃の隙間を縫って放たれた遠距離からの雷のような5連発。放ったシノンは次の攻撃に備え弓を引く。
「…ふー。」
ユニークスキル『射撃』を持つシノンの援護射撃。近距離のみのはずだったSAOにあった唯一の遠距離攻撃。
その矢はシノンが前線に加わってから多くの人を手助けしてきた。
「ふっ!」
集中した後、再び矢を放つ。その側面からアンガのビットが飛来してきた。避けるには間に合わない。矢を撃つにもすでに近づきすぎている。
「やぁぁ!」
ガキン!
ビットを切り飛ばしたのは緑色の妖精、リーファだ。
「ありがと。」
「どういたしまして。さぁじゃんじゃん撃っちゃってください! 私が守ります!」
シノンはコクリと頷き、再び矢を構えた。
「あらよっとぉ!」
白銀の槍『神槍グングニル』を振り回し、空中を飛び回るビットをたたき落としたオキ。
「いまだ!」
「攻撃しろ!」
近くにいたプレイヤー達がオキのたたき落としたビットへ攻撃を叩き込んだ。
バキン!
「よっしゃ一個目!」
結晶体となって砕け散ったビット。残る空を飛び回るアンガのビットは後3個だ。
「キリト君達が本体を抑えている間にビットを落とせ。落とせばアイツのコアが出てくるはずだ。」
同じく空中へとジャンプし、ビットへと切りかかるアインスは攻撃しながら周囲のメンバー達へと指示を出している。
ミケやシンキはすでに空中を飛び、壁を走り、空飛ぶビットをプレイヤーたちの方へと追い込んでいた。
「今や!」
号令で4つ目のビットが破壊された。
『―――――!?』
空中に浮くアンガの身体の各パーツがぼろぼろと地面におち、巨大なスカート部に隠されていた大きく真っ赤な球体、コア部が露出した。
「全力攻撃!」
ディアベルが大声で指示を出した。一番火力を出せるユニークスキル持ちである9人のメンバーが優先的に攻撃をかける。
最初の一番槍はキリトだった。
「スターバースト・・・。」
「ロスト…。」
それに続くはアスナ。
『ストリーム!』『ノヴァ!』
二人の同時によるSSが炸裂し、それを合図としてユニークスキル持ちがここぞとばかりに技を放った。
『――――ッ!!!』
一度はねたアンガはコアだけを地面すれすれに浮かせて再び倒れた。
「これは…やったのか?」
「いや、ゲージが残っている。形態変化だ。いつ何がきてもいいように、リンド構えろ。」
「おう。任せろ」
ディアベルはリンドの部隊を前線にだし、いきなり攻撃が来ないように盾を構えさせた。
以前オキ達が戦ったことのある『アンガ・ファンタージ』。姿かたちが全く一緒であり、相手の動作も全く一緒だ。
だから次の攻撃も読めていた。
『あいつは第2形態に入るこのタイミング。倒れている時は全く攻撃がはいらない。それは今回も一緒だ。起き上がった直後から攻撃が通りやすくなるのが、コイツだ。だが、なんだろう。この違和感。』
リンド達が盾を周囲に張れば攻撃がしにくくなる。チャンスを逃すことになる。だが、オキはアインス達と目で合図し、リンド達に任せることにした。念には念をいれるのも悪くない選択だ。
「動くぞ!」
様子を見ていたリンドの身体に力が入った。周囲を囲んでいるドラゴンナイツブリゲイドのメンバーも盾をしっかり構えた。
アンガのコアがゆっくりと回転し、浮き上がった直後だった。
「!?」
「っぐ!?」
「うおぉぉ!?」
回転しながらコアを光らせ5本のレーザ-を薙ぎ払ってきたのだ。さらに第1形態で破壊したはずのビットも復活している。
もし攻撃するために武器を構え、攻撃を開始していたならば、あのレーザーは攻撃した者を切り裂いていただろう。
「動きが落ち着いたぞ! 第2形態だ。様子見てから攻撃に移る!」
ディアベルが総合的な指揮を執り、まずはリンド達の盾部隊に攻撃を誘発させた。
ガン! ガン!
「くっそ! おめぇ!」
「なに…これくらい…! あの竹の子に比べれば軽いだろう! ふんばれ!」
巨大な爪のついた腕部を振り回されながらもしっかりと盾で守り抜き、隙を作るリンド。
「へへへ。…そうです…ね!」
彼のギルドメンバーもリンドの言葉に勇気づけられ、攻撃を受ければ破られるかもしれない初見攻撃をリーダーと共に受け止めていた。
「ディアベル! そろそろ行動がよめたか!?」
「ああ。盾部隊は後退! いつでも前線に出れるように周囲に待機! 攻撃部隊! 開始ィ!」
ある程度アンガの動作を観察したのちにキリト達攻撃部隊を投入した。動きの見えた相手には、最早負ける要素がなくなる。
HPバーをチラチラと確認しつつ、攻撃部隊を引かせて、盾部隊で防御し、形態変化をしないか少しでも慎重に且つ大胆に指揮をとるディアベルとリンド。
コアを回転させ、コマのように動き回っていたアンガが急に目の前から消えた。
「消えた!?」
アンガは後方、最も離れていたメンバーにヘイトを向けた。一瞬で後方援護のメンバー達の後ろに現れたのだ。
「おねぇちゃん!?」
「えっ!?」
狙われたのはハナだ。後方で回復役をしていた彼女の後ろに現れたアンガはビットを自らの周囲に集合させ、光を集めだした。
一番近いヒナでもすでに攻撃態勢に入ったアンガに間に合わない。
バシッ!
強力な光が辺りを照らし、ハナのいた場所に向かって何本ものレーザーが放たれた。
しかし放たれた場所にはハナの姿がない。
「ぼーっとしてるのは危ないのだなー。」
「…え? あれ?」
少し離れた場所にミケがハナの身体を担いで移動していたのだ。
「動き回れ! まだ奴は動いているぞ!」
レーザーを打ち終わったアンガは再び姿をくらまし、次のターゲットの後ろへとあらわれた。しかし動き回っていればその攻撃も当らないことが分かったディアベルはすぐさま後衛部隊も走り回らせた。
「よし…これでなんとか。」
『―――!!!』
攻撃をすべて避けられたアンガは再び鳴き、上下反転、逆さ向きになった。それを見たオキがアンガへと走った。
「やべ…!」
次の瞬間もともと巨大だった爪がさらに肥大化し、振り回してきた。
プレイヤー達は先の攻撃で動き回った関係で連携が取れる状態にはなっていなかった。そのため、すぐに立ちなおしができない状態だった。
振り回した爪の先にいたフィリア、ハシーシュは回避行動に移った。しかし先ほどよりも爪の長さが2倍近くまで伸びている。そのため回避が間に合うかすれすれの状態だった。
「くっそ!」
ガキン!! ギシギシ…!
火花を散らし、爪を止めたのはオキだった。
「はやまん! こまっちー!」
名前を叫ばれた二人はオキが走り出したのと同時に走り始めていた。だが、彼らは守るために走ったのではなく、守り、動きを止めた相手に攻撃をする為に行動をしていた。
「だぁぁぁぁ!」
「無双…正拳突き!」
ハヤマの素早い4連発の剣劇とコマチの強力な一発の正拳突きがアンガのスカート部へと炸裂した。
バキン
ガラスが割れるような音を立てて、スカート部が壊れ、中にある球状の赤く光るコア部が露出した。
『――――ッ!!!』
部位破壊をされたアンガは後退しようと動き出す。だが、後ろ側から衝撃が走った。
「させねぇ!」
「動きを止めろ! 一気に決めるぞ!」
キリトとディアベルの二人に加え、更に続くようにアスナやキバオウら等がアンガへと攻撃し怯ませた。
『――――ッ!?』
「泣いても無駄よ…? エクスキューショナー・ソード!」
「叩き切る…。百花繚乱!」
かたや片手に握り巨大に光らせた曲剣を、かたや両手に握る光り輝く刀を、アンガへとクロスに振り下ろした。
ザン!!
『――――ッ』
先ほどよりも小さくなった鳴き声を一度だけ響かせ、コアごと体を地面へと落としたアンガ。その場にいたプレイヤー達は肩で息をしている。
ディアベルが0になったHPバーを何度も確認しながら、アンガの身体を交互に見た。
「…。」
そしてオキ達のほうを見た。
「ああ…お前たちが言え。あんたらが言うべきだ。」
ディアベルはゆっくりと拳を空へと伸ばしその言葉を口にした。
「皆…勝っt!」
ガン! ドガ!
「ガハッ!?」
いきなり体を吹き飛ばされたオキは柱に激突した。
「…な…に!?」
吹き飛ばされたオキはかろうじて無事だった。HPバーも黄色に入っただけでまだ赤くない。
だが、問題は深刻だった。
『――――ッ!!!!!』
倒したはずのザ・アンガ・ファンタズマが起き上がり、更に体の形態を変化させたのだ。
「獣…。」
誰かがつぶやいた言葉。まさにその通りの姿だった。コアを体の中心に、空を飛んでいたスカート部等の鎧を小さく凝縮、4本足となり大きく口を開けた場所からは次第に巨大な咆哮が放たれた。
『…ォォォオオオオオオオオ!!!』
「見たことねーぞ! こんなの!」
「オリジナルか? それとも…。」
シリカと一緒に立ち上がらせてくれたハヤマと一緒にその変化を垣間見たオキ。
『…ッ!!!』
「避けろ!」
ディアベルが声を放ったが、間に合わず、超高速で移動したアンガ(獣)は固まっていたプレイヤー達を突進力と合わせた前足で薙ぎ払った。
「ぐぁ!」
「きゃああ!」
「っぐ…!?」
追い打ちが来る。そう思ったプレイヤー達は仲間を守るためにアンガへと攻撃を仕掛けた。
キィン!! ガン!!!
「っが!?」
「なに!?」
攻撃しようとしたプレイヤーは体を回転させたアンガに吹き飛ばされた。後続から同じく攻撃しようとしたプレイヤー達がそれを見てたじろいだ。
『グルルルル…。』
唸り声をあげたアンガ(獣)が立ち止ったプレイヤー達へと突進した。
「危ない!」
ガン!!!
「チィィィ…。」
止めたのは銀色の甲冑、同じく銀色に青のラインが入った盾で仲間を守ったリンドだ。
「ディアベル! 我々が足止めする! いそいで…なに!?」
『ゴァァァァアアア!!!』
リンドの防御力でも、アンガ(獣)のサマーソルトを防げなかった。吹き飛ばされたリンドは後衛部隊によってすぐさまポーションを使用され、なんとか助かった。
だが、前線はほぼ壊滅状態におちいり、最硬を誇るリンドでさえ止めることが出来なかった高い火力。そして大半が対応できぬ素早さ。この分では防御力も上がっている可能性がある。ディアベルはどうするか悩ませた。多くの戦力方法。立て直しからの戦線維持。そして考え付いたのは苦難の叫びだった。
「オキ! アインス!」
その声と同時にディアベルの肩をたたきながら走って行った影が二つ。アインスとオキだ。
「任せろ。」
「俺達だって関係者だ。遠慮すんな。」
ディアベルは今回の戦いであまりオキ達の名前を呼んでいない。彼の中で少なからずスレアの事件はスレアの人でと思うところがあったためだろう。そのことを察したオキやアインス達は何も言わずに頑張る仲間たちが攻撃を受けないように、できる限り彼らに華を持たせようとした。
「オキ! アインス!!」
さらに声が響いた。ストレアがなにやら悲しそうな顔をしている。震えているのかキリトとアスナが両脇についていた。
「ソレ、制御できてない…。なにか変な力が働いてる! もともとのプログラムじゃない! なにかすごく気持ち悪い…。コアを狙って! 胸の部分のコアのもっと中にある!」
そういわれたオキは走るのを止め、武器を変えた。完全に暴走している。まちがいなくオキが予測している『アレ』が暴走しているのだ。中にいるヒースクリフでさえ制御できていない。しかし幸いにもダーカー因子は感じられない。ならば『SAO』のやり方で倒す。そう考えたオキはコマチから最後に渡された槍を使用することにした。
「シリカ!」
「はい!」
素早く走ってきたシリカがオキの隣にたった。
「あれ、やるぞ。昨晩教えたとおりに。」
「わかりました。」
白銀に光る槍。『神槍グングニル』と違った少し太めの槍を二人で握りしめた。
握った直後に何かを感じたのかアンガ(獣)はオキとシリカを睨み付けすぐさま走り出そうとした。
ガン!!!
『―――ッ!?』
「だあほ。リーダーの邪魔すんじゃねーよ。」
『グアアアァァァ!!!』
「そおりゃああああ!」
コマチがアンガ(獣)の顔面を力任せに殴りつけ、アンガ(獣)を吹き飛ばし、すぐさま離れた。立ち上がったアンガ(獣)はコマチに振り向き、ソレを追った。
「ほいほい。こっちだぜっと。たのむぜ、はやまん。」
すでに構えていたハヤマの真正面へとアンガ(獣)を誘導したコマチはすれ違いざまにハヤマへと託した。
「我奥義…受けてみるか! 八艘飛び!」
ハヤマの渾身の一発。『抜刀術』の最後の大技を放った。
一瞬で放たれる八回連続の斬撃。周囲から素早く放たれる斬撃はアンガを一瞬でもひるませた。
「隊長ぉぉぉぉ!!!!」
SS後の硬直で固まりながらもハヤマは同じく構えていたアインスに託した。
「…俺の剣が真っ赤に燃える…。」
アンガ(獣)の側面部にいたアインス。両手に握り大きく振りかぶっていた刀に力強く燃える炎が纏った。巨大な炎をまとった剣は彼が力を加える時間が長ければ長いほど伸びていく。
「おお、すげぇな。…いそげ! オキ君たちがひきつけている間にこちらもできる限り回復するんだ!」
大きな炎を見たディアベルは少しでも壊滅しかけたプレイヤー達の回復を急がせた。幸いポーションや結晶は大量に持ち込んできている。
「グルルル・・・!?」
先ほどのハヤマの攻撃により怯んだアンガ(獣)はようやくアインスの構えに気づいた。きづいたアンガ(獣)はアインスの方へと駆け出した。アインスの技はまだ準備が整っていない。スピード、距離から見て間に合わないのは誰もが思った。
「どこに向かっているのかしら? 駄犬。」
いつの間にかアンガ(獣)の真正面に立っていたのがひとり。シンキだ。
「っふぅ!」
猛スピードで突き進んでくるアンガ(獣)に対しゆっくりと上に伸ばした脚を振り下ろした。
ガン!!!
『―――ッ!?』
何が起きたのか受けた獣はわからない。気が付けば地面へと這いつくばっていたのだ。
起き上がろうとするアンガ(獣)にさらにシンキの重みある一撃が顔部に襲いかかる。
「誰の許可を得て起き上がろうとしてるの?」
ガン!!!
再度振り上げられたシンキの脚によって更にアンガ(獣)は更に地面へと伏せることとなった。
「駄犬は駄犬らしく、地面に伏してなさい。」
ガン!!!
横へと蹴ったシンキ。体術を極限まで振った彼女のステータスはユニークスキル『エアハイカー』のスキルも加算され異常なまでの脚力を叩き出す。そして更に彼女の正確に弱点を打ち抜く技量は別の部分でも発揮される。
「特別に、私の脚に乗ることを許可するわ。」
上から降ってきたミケを脚に乗せ勢いをそのままにミケを前方、アンガ(獣)の方向へと蹴り飛ばした。
「エー。許可するなら断るのだー。」
不満そうな顔をするミケ。だがそれでもしっかり飛ばされるミケのことを知る彼女は微笑みながら手を振ってミケを送り出した。
『ググ…オオ…。』
強力な蹴りで浮き上がることができないアンガ(獣)の下へと潜り込んだミケはユニークスキル『フリーダム』の最後のスキル『自由なる闘争』を放った。
「キサマには高さが足りないのだー!」
ミケが思い切り持ち上げ、何倍もの大きさの巨体を軽々と上へと放り投げた。
ドガ!!!!
ダァァァン!!!
巨大な音を立てて、上へと放り投げられたアンガ(獣)はそのまま飛ぶことはできず、地面へと真っ逆さまにおちた。
地面へと叩きつけられたアンガ(獣)は身動きがとれなくなっていた。
「…全てを斬れと轟き叫ぶ!」
最大まで力を貯めたアインスは全てを叩き切る炎の剣をアンガ(獣)へと放った。
「『終炎(ヒートエンド)!!!』」
ザン!!! ゴオオオォォォオ!!!
切られた後に切り口から強烈な爆炎が放たれ、コアの外装が剥がれた。
「仕上げだ。オキ君。シリカ君。頼んだ。」
満足そうに炎をまとった剣を振り、消したアインス。
皆が誘い出し、足止め、完璧な場所へと吹き飛ばしていた際にオキとシリカはその槍の準備をしていた。
「行くぞ。シリカ。」
「はい。いつでもいけます。」
『『聖槍、抜錨』』
ふたりの気持ちがひとつとなるとき、その聖槍は力を発揮する。
輝く白き光を放つその槍からは異様なまでの力を感じられた。
コマチが最後の日に手に入れた最上級クラスのレア品の『神槍』スキル持ち専用武器である『聖槍』シリーズの最上位武器『聖槍ロンゴミニアド』。
その攻撃力はただ装備するだけでは魔槍ゲイボルクよりも劣る。だが、ある条件下である技を一発だけ放つことが出来るのがこの聖槍の唯一の強み。
『『最果てより光を放て。其は空を引き裂き地を繋ぐ、嵐の錨!』』
オキとシリカの一寸たりともずれていない言葉。微塵にも違わない気持ちが聖槍へと伝わっていく。
「再生している…? 急げオキくん! 再生しているぞ!」
アインスが見たのはぶった斬り、吹き飛ばしたはずのアンガ(獣)のコア外装が徐々に再生して塞がっている姿だった。まだ動いてはいないが、あれだけの攻撃を受けたにも関わらず回復している状態だった。
しかしオキとシリカの準備もようやく整った。
『『最果てに輝ける槍(ロンゴミニアド)!!!!』』
その槍は二人の一寸たりとも違わない言葉と気持ちで放つ技『最果てに輝ける槍』が最大の武器だ。無限に等しい射程で一点集中の超々火力の一突きを放つという限られた条件下ではあるがSAO内最大クラスの攻撃力を放つ。だが、その条件がかなり厳しく、しかもたった一発しか放てず、放てば武器は壊れ失われる仕様だ。
まさに最後の一振りである。
ズン!!!
強力な光を持ったレーザーに等しい一突きを受けたコアはすこしずつヒビが入っていき、壊れ、光の粒子となって『ザ・アンガ・ファンタズマ』の外装が剥がれていった。
その場に残ったのはたった一人の男が倒れているだけだった。
祝ラスボス討伐!!!
みなさま、ごきげんよう。とうとう100層ボス攻略完了となります。
残るは最後にちょっとだけ、おまけをいれてSAO編完了となります。
もう少しだけお付き合いください。
さて、最近PSO2にて追加されたバトルアリーナ。
仕様上かなり不評となってますね。ただ遊ぶ分には問題ないですが、心無い者たちの溜まり場となってしまったのが悲しいところです。(チートとかラグ使用で相手を振りにする等)
おかげでせっかく楽しみにしていたのがちょっと残念でした。できればソロ対ソロがやりたかったなぁ。
ではではまた次回にお会い致しましょう。