SAO ~ソードアークス・オンライン~   作:沖田侑士

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第70話 「白熱する闘技場の戦い」

ミケの理不尽な行動から少したったコロシアム。

今はキリトとリーファの兄妹による戦いが繰り広げられていた。

『かたやリーダー仕込の戦闘スタイル。かたやそのリーダーですら一目置く戦闘スタイルを仕込まれとるっちゅうわけや。アインスはん、どうみるん?』

オキに変わり、試合を待っているアインスが解説席に座っていた。オキはシリカ達とせっかくの祭りを楽しみたいと思っていたところを、アインスが引き受けてくれたのだ。

『そうだな。キリト君はオキ君を初めとする我々のスタイルのいいところを伸ばしてきた。だからこそ隙が無く、攻め込みにくい。だが、リーファ君を教えたのは我々の癖を知っているシンキ君だ。戦いの前にもそのアドバイス的なモノもあっただろう。なかなかに面白い戦いだと思うよ。』

『とはいえ、キリトはんはリーファはんとは二刀流が使えないところはどうみるん?』

『彼には、オキ君がどの状態でも戦えるようにと常日頃から教え込んでいた。元々片手剣を使っていた彼だ。そんなに問題にはならないだろう。』

なるほどーと解説席の周辺から観客の声が上がる。

キリトとリーファは広いコロシアム内を走り回りながら打ち合っていた。

「流石キリト君だね。・・・ふぅっ!」

キィン!

リーファの片手剣がキリトの片手剣を弾く。弾いた直後に一旦引き、突きを放った。

その突きをキリトは体をかすらせるように避け、リーファへと近づいた。

「ちぃ!」

リーファは体をひねり、キリトの上へとジャンプ。キリトの肩に脚を乗せて回転しながらキリトの頭に横一閃を放った。

ギィン!

その攻撃を読んでいたキリトは剣を弾き、リーファから離れる。

「・・・強くなったな。リーファ。」

「ううん。キリト君にはかなわない。でも、今の全力を見て欲しいから・・・!」

リーファはその場から地面を蹴って、キリトへと急接近した。

上段からの切り下ろし。直後に脚払い。それをジャンプで避けたキリトは頭上からの切り下ろし。

上段下ろしを切りはじき、側面へと移動。リーファは横腹への切込みを入れようとするが、キリトは上半身をそらし、そのままバク転。距離をとった。

『流石最強の剣士! 動きがまるで違う!』

『ふむ。今の上半身をそらしてからのバク転は綺麗に決まったな。』

息を整えるリーファ。荒くなった呼吸を深呼吸で落ち着かせる。

キリトは静かに息を吸い込んだ。

「そろそろ・・・決めるね!」

リーファは左右へステップしつつ、キリトへと近づいていく。

ソレを静かにキリトは見切った。

「ふぅぅ!」

左、と見せかけて右からの強襲。した斜めから切り上げるリーファの剣をキリトは逆から弾いた。

「!?」

「はぁぁ!」

横回転からの一閃。そして上からの上段下ろし。

その時点でリーファのHPが0となった。

『きまったー! キリトWINや!』

『最後のはなかなかだったな。左右のフェイクを見切り、適切に武器を弾いてからクロスで締め。そうだな。十文字切り、といったところか。』

切られてひざを突いているリーファに近寄るキリト。

「すまん! 大丈夫か!?」

「えへへ・・・。やっぱりおにいちゃんにはかなわないや。大丈夫だよ。ありがとう。」

「スグ・・・。ああ。たのしかったぜ。」

キリトの手を握り、立ち上がるリーファはコロシアム内の歓声にこたえるように皆に手を振った。

「オキさん。キリトさんの試合、見なくてよかったんですか?」

シリカ、ハシーシュ、フィリアに囲まれて、露店で売っていたたこ焼きを食べていたオキ。

「ん? ああ。アイツが負けることはまずないだろう。俺が見たいのはあいつが戦っている姿じゃない。アイツが俺に迫ってくる姿だ。あいつの動きを見てると、今の癖がすぐ分かっちゃうからね。俺と当たったときに面白くなくなっちゃう。だから、今は我慢。」

「オキらしい。」

ボソリとハシーシュが呟いた。フィリアは苦笑している。

「それに、お前たちとも、最後のお祭り楽しみたかったしな。多分、これが最後のタイミングだ。」

3人はシンミリとした顔のオキを見た。

「今まで、ありがとう。最後までよろしくな。」

微笑む3人はオキに頷いた。

『続いての試合は・・・この強豪どもに混じって参戦! お調子者のの熱血バカ! オラクル騎士団の最古参! タケヤァ!』

鼻高々にコロシアムの中心へと歩いていくタケヤ。その背中を心配そうにレン、ツバキ、サクラが見送る。

「大丈夫かしら。アイツ。」

「うーん。相手があいてだからねぇ。」

「でも、本当に良く勝ち残りましたね。」

サクラがレンとツバキをみた。

「まぁね。タケヤは周りの人たちに埋もれてるけど、ああ見えて僕達の中でも一番腕があるから。」

タケヤはイレギュラーズの活躍、キリトやアスナたちに埋もれがちだが、同等クラスの腕はある。それを一番知っているのは親友であるレンだ。

『対するは・・・。アインクラッドに舞い降りた姿はまさに女神! その性格はまさに悪魔! 母性あふれるその心身に魅力あふれるその者の名は・・・! シンキィィィ!』

慣れてきたのかキバオウの実況がそれっぽくなっていく。

ゆっくり、中央へと進むシンキ。

「こうして戦えるなんて夢見たいッス! シンキさん!」

「こちらこそよろしくね。ふふふ。少しは・・・楽しませてね。失望させないでよ?」

シンキの持つ曲剣が光る。

中央にたち、振り返ってから向かい合う二人。

『さぁ! いま、ゴングだぁ!』

二人の申請を受け、カウントダウンが0となる。

「さっそくやらせてもらうぜぇぇぇ!」

タケヤがシンキに真正面から突っ込む。彼の武器メイスを振り上げ、バックラーを片手に防御しながらのカウンターも防御できる守り型だ。

「おらぁぁぁ!」

バックラーの突進を横に避けたシンキにそのままメイスの横振りが襲いかかる。

「へぇ・・・。」

したから振り上げた曲刀がそれを弾く。

「まだまだ!」

タケヤのメイスは動きを止めず、横に振り回した勢いで上からの振り下ろしに変わる。

 

ギィン!

 

横への一閃。綺麗な弧を描き、メイスを弾き返す。

「力任せだけじゃ…ってそういうわけじゃなさそうね!」

 

ブン!

 

バックラーが目の前に広がった。弾かれつつも体制を素早く立て直し、バックラーで殴りかかってきたのだ。

シンキは片足でステップしながら距離を取る。

「やるじゃない。」

「これからっス!」




みなさまごきげんよう。
ヤバイ。ペルソナ5がおもしろすぎる。
小説が進まない!(忙しいのに更に自分を追い込むスタイル)

…すみません。だって面白いんです!

さて、時間なくてシンキ戦も途中で止め。
とはいえ、次回は初のアークス対アークスもあり、ちょうどいいかとここで止めました。
短いながらも次回をお楽しみに。

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