SAO ~ソードアークス・オンライン~   作:沖田侑士

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コピーPoHの成れの果て、『アポス・ドリオス』を討伐し、フィリアをアインクラッドへとつれてきたオキは皆にフィリアの紹介を行った。



第51話 「悲しき造龍の舞う異界」

「というわけで、ホロウエリアに閉じ込められてたフィリアだ。今日からうちのギルドメンバーとして皆よろしく頼む。」

「「「はーい(なのだー)!!!」」」

大会議室にてギルドメンバー全員を集め、フィリアの紹介を行った。現状と状況を説明した後に彼女からの挨拶もしてもらった。

「これからは私がオキさんたちに恩返しが出来るように頑張るわ。トレジャーハントスキルを振ってるからアイテム収集は任せて頂戴。」

「アイテム関連となると…。」

その場にいた全員がコマチを見た。

「何で俺を見るの。」

「そらアンタ…。ねぇ。」

「ですねぇ。」

オキやシリカは苦笑しつつ、皆を紹介して回った。

「暫くはサクラやレン達と一緒に行動してくれ。」

「わかったわ。」

「よろしくお願いします。」

「よろしく。」

サクラとレンは快く彼女を仲間として受け入れてくれた。

「他の皆は今まで通りのPTで攻略を進めてくれ。何かあったら俺やイレギュラーズに連絡すること。以上。」

 

 

 

「さって…。ホロウエリア、最後まで行きますかね。」

「オキさん。私も付き合います。」

シリカも付いてくるようだ。断る理由もないし、脅威はなくなったから後はゆったりアイテム回収しながら回れば良いだろう。レベルも決して低くない。むしろ高い方だ。問題はないだろう。

ギルド拠点を出ると、アインスが待っていた。

「オキ君。来たよ。」

アインスにも今回は同行をお願いした。隊長がいれば百人力だ。

「隊長がいれば心強いよ。」

「ははは。そういってくれると嬉しいね。さぁ行こうか。」

 

 

ホロウエリア大空洞エリアの最終転送門。

「ここから先はエリアボスだ。先日はここまで攻略できている。」

「なるほど。相手は…『アレ』かい?」

アインスと一緒に中央管理室のモニター画面を確認してきた。ここにいるボスはアインスと初めて出会ったときに共に戦った強大な生命力を持った相手だ。

あの時は苦戦したが、今回は対処方も分かっている。

「行こう。シリカ、話したとおりに動くんだよ?」

「はい。任せてください。ピナ、行くよ!」

「キュル!」

ピナも任せてと言っているように気合を入れていた。

 

ゴゴゴ…

 

巨大な音を立てて開いた門をくぐると中央管理区の真下と思われる空洞へと出た。

「ここが大空洞。なるほど。」

「名前の通りだな。オキ君。上を見たまえ。管理区が見える。」

上を見ると空中に浮いた管理区の底が見えた。アインスは上を見た後に下をじっと見つめていた。

「隊長? どうかした?」

「いや実はね、この下にね。用事があるんだ。」

「下?」

オキも下を見ようと目を下げたときだ。

 

ドン!

 

『コォォォォ!』

巨大な体を持ち、その巨体を支える4足の太い足。体以上に大きな翼を生やし、どんなものでも貫かんとする2本の牙を持ったエネミーが降りてきた。

「来たな…。」

「ああ。久しぶりにこの姿をみたよ。」

『ホロウミッション開始 ガル・グリフォン討伐』

ガル・グリフォン。アインスと共に惑星ナベリウスの奥地にて異次元エネミー『ニャウ』の空間転送能力で送られてきてしまった『ラグオル』で『作られた』生命兵器。

その力は惑星全体の天候を軽く変化させ、嵐を巻き起こし、雷鳴を轟かせる力を持つ。

『コォォォ!』

再び鳴いたガル・グリフォンは空中へと羽ばたき、こちらへと滑空してきた。

「避けろ!」

アインスの掛け声により、オキ、シリカは飛んできた方向と垂直に避ける。滑空したガル・グリフォンはそのまま空中に停滞し、風の固まりとなった弾をアインスへと向けて飛ばしてきた。

「隊長!」

「分かっているさ。」

隊長はそれを避けつつ空中に停滞するガル・グリフォンへと近づき、カタナを振りぬいた。

それに続けてオキ、シリカが攻撃を開始する。

「そりゃそりゃ!」

「でやー!」

アインスが狙った右前足を二人で集中的に攻撃する。

『コォォ!』

一旦上空へと上がったガル・グリフォンは勢いよく地面へと降りてきた。

「押しつぶしだ。避けるぞ。」

「あいあい。」

「とと…。」

押しつぶしをしてきたガル・グリフォンは自分の周囲に雷を落とした。3人ともそれをうまく回避する。

「続けるぞ。」

「アイサー。」

「了解です!」

ガル・グリフォンは走り向かってくる三人の方角を向き、巨大な牙を振り回してきた。

「よっと。」

「うわわ!」

「ふん。」

2度3度と振り回してきた牙を避けつつ、何度も同じ足を攻撃する。

すると、足に鎧のように纏っていた硬い毛が壊れた。

「次は左だ。」

アインス指揮の下、2人はそれに続く。

 

 

『コォォ!?』

4本目の足を破壊した直後、ガル・グリフォンは足で支えきれずにその場に伏してしまう。

「右翼。オキ君、ヘイトを頼む。」

「アイサー! おらおら!」

朱槍を顔面に突き刺し、ダメージを与え続けた。立ち直ったガル・グリフォンはオキのほうを向いた。

『コォォ!』

「怒ってるねぇ。ほらほらこっちだ。」

再び真正面に陣取っていたオキへと何度も牙を振り回す。その側面で力を貯めていたアインスがその力を解放した。

 

斬!

 

巨大な刃となったカタナが勢いよく右翼へと振り下ろされ、一撃で破壊した。

『コォォォ!?』

再び地面へと伏したガル・グリフォン。続いて左の翼を狙っていたシリカがダガーにて攻撃を繰り出した。

「はぁー!」

蒼い閃光が何度も左翼を切り刻む。その間に素早く移動したアインスも再びカタナに力を貯めだす。

オキはそのまま顔面へと張り付き、邪魔な牙へと槍を突き刺した。

「俺の槍と、お前の『槍』どちらが固いか勝負しよー…っぜ!」

 

ガキン!

 

鋭く硬い槍と牙同士がぶつかり合い火花を散らした。

「かってぇぇ…。」

再び起き上がろうとしたガル・グリフォンだが、アインスがそれをさせなかった。

「シリカ君」

「どうぞ!」

シリカのSS硬直が解け、場所を開けた瞬間にアインスは左翼へと強力な攻撃を放つ。

『コォォォ!?』

その場から動けないガル・グリフォン。一度伏してしまえばこちらのものだ。

「ついでに麻痺りやがれ。」

SSをガル・グリフォンの顔面に放ったオキ。バチバチと体を痙攣させ、動けなくなたったガル・グリフォンは3人の攻撃をまともに受けた。

「ははは。楽勝楽勝。」

「オキ君。そろそろアレ、くるぞ。」

「あいよぉ。うっし。一旦退散!」

「はい!」

オキ達はガル・グリフォンが立ち上がる前に距離をとった。ガル・グリフォンが麻痺から立ち直ると巨大な竜巻を立て、周囲に雷をばら撒き空へと飛び上がっていった。

「本来ならあの真下は強力な吸引力が発生し、逃げることは難しい。」

「だけど、最初からこうして範囲外に逃げておけば問題なしって事さ。シリカ、降りてきたところを狙うぞ。」

「はい。」

アインスが再びカタナに力を貯める。今度のは長い時間を貯め続けている。今までの何倍もの攻撃力となるだろう。

その巨体が現れ、地面を揺るがし周囲に強力な電を発生させたガル・グリフォンだが、その攻撃は対策していたオキ達には全く当たらなかった。

「いまだ!」

「はいです!」

オキとシリカが降りてきたガル・グリフォンの牙を同時に攻撃。二本とも破壊した。

『コォォォォ!』

再び怯むガル・グリフォン。それと同時に左右に分かれたオキとシリカの横を巨大な刃が振り下ろされる。

 

斬!

 

『オオオ…。』

ガル・グリフォンは一声鳴き、結晶となって砕け散った。

「どんなもんだい。」

「ふん。我々を敵に回したのが運のつきだな。」

「あ、あはは…。」

ドヤ顔する二人にシリカは苦笑気味だが、それでも嬉しそうだった。

「さて、次のエリアだ。」

真正面に広がる巨大な石碑2本。その間を塞ぐ様に展開するバリアを手にある紋章で触れ、解除した。

次のエリアは『異界エリア』。大空洞エリアと変わり、巨大な木々や毒々しい色をした草花がエリア中に広がっていた。

「これは…。」

フィールド上のオブジェクト自体は問題ない。今までと違いここオリジナルのフィールドだろう。問題はそこを跋扈するエネミーたちだ。

「手前に『ダガン』、『ディカーダ』、奥に『ダガッチャ』と来たか。」

鳥系ダーカー以外の水棲型ダーカー、虫系ダーカーがフィールド上を動き回っていた。

「ここはダーカーの巣か。」

「だね。ふむ、ダーカー因子確認できず。ただのエネミーだね。」

それなら『アレ』は出さないで良いかな。そう思って進もうとしたときだ。

 

ドォン!

 

「なに!?」

「コイツがいるのかよ!」

オキとアインスは目を見開き、木々の間をすり抜けて上から降ってきた。

巨大なドラゴン。だが、腹部は青く光り大きく膨れ上がっている。手足だけでなく顔面もやせ細っている歪な容姿。肌の色は黒く、背中には翼のような突起、腕にも似たようなモノが付いている。

「ヘイズ・ドラール…! おいおい。ここのエリアボスが『?』ってなってたけど、よりにもよってコイツかよ。」

オラクル船団の上層部と呼ばれる『虚空機関(ボイド)』。ルーサーが長を務めていた研究機関だ。一般的にはオラクル船団の存続を守る為に数々の開発研究を行っている場所といわれていたが、実際は非人道的な人体実験や数々の暴挙に走っていた欲物の塊。

このドラゴンはその研究機関で作られた人造の龍族だ。通称『暴走竜』。クローム・ドラゴンと名付けられた暴走竜はダーカーを食べる。その中でも大量に摂取し、異常に発達したモノがこの黒いドラゴン『ヘイズ・ドラール』だ。

「まて、オキ君。コイツは…。」

『シャァァァ!』

アインスが指を指した場所を注視した。頭部を指差している。

「黄色の・・・札?」

シリカもそれを確認した。それをみてオキは目を見開く。

「まさか…。」

エネミーの名前も確認した。そこには『ハドレッド・ザ・ドラール』と書かれていた。

 

 

 

 

「ハドレッド!」

アークスシップの病室に大きな声が響いた。オキの体が眠る部屋。そこに偶然いた一人の少女、クーナ。かつてハドレッドと共に『虚空機関』にて人体実験を受け、ハドレッドとは姉弟のような関係だった。

ハドレッドはクーナの保護を条件に虚空機関の研究者達とクーナに内緒で実験の被検体となった。その実験中、ハドレッドは暴走。多数の研究者を殺し、逃走した。

クーナは事情を知らずに上層部から『裏切り者のハドレッドの抹殺』を指示され、アークスの裏、殺し屋としてハドレッドを追っていた。

後にハドレッドが裏切り者ではなく、自分を助ける為に行ったモノだと知り、悲しき暴走竜はオキ、アインスと共にクーナの歌に合わせて舞い踊るように戦い、そして眠っていた。

クーナは病室を駆け出そうと部屋の扉へと走った。開いた扉の先にシャオが立っていた。

「どこへ行こうというんだい?」

「そこをどいて下さい! ハドレッドは私が…!」

クーナはアイドルとしてではなく、六帽均衡の零としての姿となり、シャオをにらみつけた。

「君が今から行ったって何も出来ないのは分かっているだろう?」

「だけど…。」

モニターを再び見る。そこに映し出されているのは3人が黒くなったハドレッドと戦っている姿だ。

「あれはハドレッドじゃない。もし仮にそうだとしても、彼らに任せよう。」

クーナはシャオにやさしく言われ、普段のアイドルクーナへと戻った。

そして再びモニターへと目をやる。ハドレッドは空中へと飛び上がり、3人の目の前から逃げたところだった。

「一つ…お願いがあるの。」

クーナはシャオへとあることを依頼した。シャオは少しだけ確認して、すぐにOKを出した。

 

 

 

 

「逃げたか。」

「追いかける必要があるな。ホロウミッションはアイツを追いかけて倒せだってさ。」

「あちらに逃げましたね。行きます?」

シリカの言葉に二人とも力強く頷いた。

道中、多数のダーカーエネミーがフィールドを動き回っている。オキとアインスはそれをみて

「オキ君。」

「あ、隊長も?」

「うむ。」

シリカが不思議そうにオキを見た。二人の体はプルプルと震えている。

「「我慢できん。」」

二人はそう一言漏らすと、大量のエネミーへと走っていった。

「え? あ、あう…。わ、私も!」

シリカもその勢いにのってオキ達に混ざってダーカーを殲滅した。

 

 

 

『シャァァァ!』

数度、広い場所で戦い、逃げられては戦いと繰り返し、最後のエリアへと追い詰めた。地図上ではここが異界エリアの最後となる。

「懐かしいね。こうしてアイツを追いかけて追い詰めて…。」

「そうだな。そうして眠らせたんだったな。」

「今回は私も…お手伝いします。悲しいお話。眠らせてあげましょう。起こしては…ダメです。」

過去の話を聞いたシリカは彼を、ハドレッドを再び目覚めさせないようにと意気込んでいた。同じドラゴンであるピナをパートナーに持つ為、よりわかるのだろう。

『シャァァァァ!』

ハドレッドが吼え、こちらに向かって突進しようと構えたときだった。

 

『ちょっと、ちょっと! 私抜きで何やってるの! ハドレッド!』

 

広場におおきな少女の声が拡声器を通したような幹事で響き渡った。

「この声は…。」

「クーナか!」

オラクル船団にいるはずのクーナがなぜSAOにと思ったが、少し考えれば分かることだった。

「シャオか…。」

クーナの声によるものか、ハドレッドも周囲を見渡し、その声の主を探そうとしている。動きが止まったのだ。

『そうよ。こんなタイミング二度とないものね。…ハドレッド、お久しぶりです。元気でしたか? …なんて、アイツじゃないものね。でも同じ名を持つあなた。同じ名を持つあなたならもしかしたら…。もしよければアイツに会ったとき、伝えてほしい。今の私の気持ちを。今どんな気持ちですごしているかを。…二人とも、準備はいい? あの時と同じように、お願いね! シリカ…ちゃんでいいのかな? あなたも、お願い! いくわよー! 終わりなき物語!』

広場に音楽が流れ出す。アイドルクーナの新曲だろう。オキ達も聞いたことのない曲。だが、その曲は勇気を持ち、仲間と共に立ち向かう。そんな意を込めた曲だった。

たった3人と2匹に向かった小さな小さなライブ。アイドルクーナは共に育った龍のために、弟のために新たな新曲を歌う。

ハドレッドはそれに答えるように、先ほどまでの強さとは思えない強力な攻撃をオキ達へと行った。

オキ達も負けまいとハドレッドと共に、歌に合わせて舞い踊るように戦った。

 

 

 

『シャァァァ…。』

弱弱しい声を出し、それでいて満足したように見える顔。ハドレッドはオキ達の攻撃により、倒れた。

「ゆっくり…眠れ。お休み。ハドレッド。」

オキの言葉でまるで眠るように目を閉じたハドレッドは結晶化し砕け散った。

クーナの曲も聞こえない。安心したのだろうか、もう何も言ってこなかった。

 

【全エリアクリア確認。管理地区エリア完全開放を許可します】

 

広場にアナウンスが流れた。それを聞いたアインスが一言、オキへとお願いをした。

「オキ君。シンキ君を連れてきてくれないか。」

 

 

 

「隊長ちゃんからご指名なんて、なにか面白いものでも?」

アインスが親指で背中側へと指を指す。その先にはコンソール画面、そしてシンキがその中央にあるシルエットを見て微笑む。

「あらあら。これはまた懐かしい…。アイツがいるなんてね。」

シンキのレベルは皆の協力のおかげもあり、かなり高いレベルへとなっていた。武器防具も問題はない。ないはずだった…。

「シンキ、その防具なんだよ。」

「これー? ふふふ。いいでしょ。」

シンキの防具は肌の露出がかなり高い。まるで布一枚をうまく巻いているような服だった。

「踊り子の服。ギルドの倉庫にあったのよ。」

シンキがそういうとシリカがビクリと肩を揺らす。

「ん? シリカ、どうした?」

「あ、いえ…なんでもないです…。」

実はこの防具。シリカがホロウエリアで見つけた防具だった。あまりの露出の高さにシリカはギルド倉庫へとこっそり入れていたのだ。ステータス自体はかなり高く、ここホロウエリアでも充分通用する。特殊能力も付いており、NPC(特に男性)からの情報を無条件で引き出せるという能力を持っている。

問題点とするならば、羞恥心を感じた瞬間に防具が自動で脱げる。つまりインナーだけになってしまう(らしい)。

「武器は曲剣にしたのか。」

「ええ。隙がなく、それでいてある程度の火力もでる。一応言っておくけどカタナを目指しているわけじゃないからね。」

「オキ君、シンキ君。それくらいで良いだろうか。」

アインスがそわそわしている。隊長にしては珍しい。

「そうね。我慢できないでしょうね。アレを目の前にして。…それじゃ行きましょうか。」

管理区地下へは中央管理室の中央にある石版から移動が出来た。

進んだ3人が見たものは大量のダーカーと各惑星の原生種たちがごっちゃとなっている迷宮。迷宮は蒼い壁に宙に浮いたような透き通った床。シリカ曰く電子データの世界を具現化したような感じだという。

地下へ地下へと進むオキはアインスから、今回の敵について語ってくれた。

「初めてこのホロウエリアへと来た時にすぐに目に入った奴のシルエット。確かにその通りだ。なぜ今まで気づかなかったのか。」

地下10階まで進んだ。何も無い通路にその先から漂う異様な気配。長い長い一本道の通路。

「ヒースクリフ。同じ名前を持つものがいるとはその時思った。懐かしい響きだと。だが気にしなかったのは偶然だと思ったからだ。」

一番奥、更なる地下へと向かう巨大エレベータが顔を見せた。これで降りろというわけだろう。

「だが、まさかここに来てその姿を拝めるとはな。思いもし無かったよ。」

「そうね。まさかここに来て、アレを見るなんて。このエレベーターなんて。ふふふ。あそこと瓜二つ。」

円形状の形をした、人が何十人も乗れそうな広いエレベーターはたった4人を乗せ地下へと進みだす。

「ホロウエリア、これもしゃれたつもりなのだろう。鼻で笑ってしまうよ。」

上から強力なエネミーの反応がオキ、シリカ、アインス、シンキを襲う。

本当に押しつぶされそうになる程の威圧感、その歪な姿。アインスが、嘗て命を賭け、死闘にて倒した最も因縁のある【ダーク・ファルス】。

それが巨大エレベータを追ってきた。

「あぁ、久しぶりだな…。」

「久しぶり。」

「「ヒースクリフ・フロウウェン。いや…【オルガ・フロウ】!」」




皆様、ごきげんよう。
異界エリアの話を書き終え、見直した後に『こんなにぶっ飛ばしで書いてよかったのだろうか」と思いました。
とはいえ、次回の話を考えるとここでスパッと書いておけば丁度いいかなと思い、
なので今回はスパッと書きたいとこだけ描いてみました。(戦闘シーンが苦手だからとかそんなんじゃない。そんなんじゃない)

さて、ホロウエリアもそろそろ終わり。最後を締めくくるにはいい相手かと思います。
次回『オルガ・フロウ』。お楽しみに。

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