「この屈辱は…忘れないぞ…。」
一人の男が海の見えるビルの屋上で頭を抱え悶えていた。
ついこの先日。空から降りてきた一人の男、その仲間。自分のビジネスを完全に邪魔された。
おかげで僕は他の幹部の笑いものだ。だが、笑っていられるのも今の内だ。このエメラルドタブレットの全開放。今までにやったことのない具現化。
にやりと口をゆがませ、自らが崇拝する一つの形をそのままにイメージした。
「さぁ! エーテルを吸い取れ! エメラルドタブレット!」
緑色に光り輝くソノタブレットは空中へとあがり、周辺のエーテルを吸い付くし、一つの形となりあがった。
それはハギトが思い描く一つの形。それが動き出せば、どうなるかは予想もつかない。
だが、それでいい。あいつらを…僕をバカにしたあの者どもの悲痛なる顔が見れるのであれば。それでいい。
「さぁ、暴れまわれ! 僕のエメラルドタブレット!」
ハギトそっくりの形をした軍服姿のエメラルドタブレットだったソレはさらに空へと舞いあがり、海へと飛んで行った。
「ふふふ…ははははは! さぁ目にモノ見せろ!」
オキ達に連絡が入ったのはその数日後だった。
惑星地球、その極東の島国日本の太平洋沖に巨大な戦艦が出現した。
沖合500km地点に出没したその巨大戦艦はゆっくりと日本の首都、東京へと直進していた。
「強力なエーテル反応を持った巨大戦艦は、いまだ約5ノットの速度で進行中。このまま進めば2日後には東京へ到達。」
姿をくらましたハギト。彼が最後に言った言葉。オキはそれをもう一度思い返す。
『あれはもう止められない! 私でもな! あれは全てを破壊しつくすまで止まりはしない! 私からの最高のプレゼントを楽しみにしているがいい…。ハハハハハ!!!』
オキへと向けられたと思われるその映像は隠してあるはずのアークスシップで受信した。やはりばれているという事か。いや、そもそも未だに向こうからのログインがされている時点でばれてるもへったくりもないか。
オキはその直後に彼の行方を追ったが、結局見つかる事はなかった。もし彼の言うとおりであるならば、最悪の場合東京だけでなく日本が壊滅してしまう。
「まぁ、はっきりいって星のゴタゴタに関してはどーでもいいんだけど、さすがに俺達の喧嘩に一般人巻き込みたくねーし。なにより、喧嘩吹っかけられてハイソウデスカと放置するのは気に入らん。ってわけで、専門家に聞きに来たわけだ。」
「なるほど。」
小さくボソリとつぶやき、鋭い眼光でオキが映し出した映像を見つめる白き軍服姿の中年男性。名を古田冬獅、惑星スレア、ニホン海軍少将。
「大和について聞くなら、オールドのとっつぁんかなって。」
彼はSAO事件の際、オールドの名を使ってプレイしていた。彼曰くSAO、つまり初のVR世界の情報を調べる為に任務として参加し巻き込まれたそうだ。SAO事件後、彼が軍人であり海軍の艦隊の指揮官だというのを知った。彼を通して軍の関係者とも交流を深めている。
今回はそのアドバイザーとして話を聞きに来たのだ。
地球に現れた巨大戦艦。その姿はスレアで知った『大和』の姿そっくりだからだ。
「間違いありません。大和お姉さまそのものです。」
「っち。大和にそのようなことを…許せん。」
彼と共に映像を見ていた二人の少女と女性。銀髪がとても長く、色白の小さな体の少女。長いまつげが印象的だ。もう一人は褐色肌で眼鏡をかけたナイスバディのお姉さん。二人して『武蔵』らしい。
そしてもう二人。片や白きドレス姿の黒髪美人と同じく黒髪ポニーテールの凛とした顔つきの美しい女性。
だが今は二人とも悲しそうな顔をしている。
「守るべき国を守れず…自ら壊してしまう。なんと悲しい…。」
「何とか止めてやりたいものではあります…。」
『大和』。この国を象徴する海軍の最大戦力。それが彼女らだ。艦娘。『メンタルモデル』とよぶ彼女らはコアとなる核を用いてその姿でかつて活躍した軍艦の名を継ぐ。
女性であり、適性が無ければそれは不可能だが、適性のある女性は国を守り誇りを守るべく、その姿となり、特殊な力を発揮する。
彼女らを本体とし、スレアにのみ存在する物質ナノマテリアルを使い、実際の軍艦の姿を形どる。それが彼女ら『
SAO、ALOにてミケと仲のいいヒナとハナも駆逐艦雷、電の艦娘としての適性があり、事件後古田によってスカウトされている。
「指揮官、手助けはできないでしょうか。大和お姉様の名を汚す事。私は許しません。」
「ああ。なんとか止めてやりたいものだ。」
武蔵の名を継ぐ彼女らはやる気満々のようだ。
「ふむ。」
オールド、古田少将は眉間にしわを寄せる。
「私達からもお願いできませんか提督。」
「本来、私たちが向かいたいところではありますが…。」
大和たちはより悲しそうな顔をする。
「大和たちは先日の戦闘でついてしまった傷をいやすために動かすわけにはいかない。」
「はいるぞ。」
二回のノックのあと、古田の執務室へ一人の肥えた身体の初老の男性が部屋へと入ってくる。その瞬間、全員が立ち上がりその者へと敬礼をした。オキもゆっくりと立ち上がり敬礼をする。
「お邪魔しております。将軍。」
その男性はこの海軍だけでなく、ニホンの軍をすべて任されている将軍の一人だ。もちろん今回の件はアドバイザーとして彼や他の将軍たちにも話がいっている。
「よい。君には古田君を助けてもらった命の恩人だ。ゆるりと…と言いたいところだが、そうも言ってられんだろう。」
白いひげの将軍はニコリと笑うも未だその目には険しい眼光がみえる。
「私含む全員満場一致の命令だ。できることはすべてせよ。オキ君、君達には感謝してもしきれない恩があるからな。」
「恐縮です。ありがとうございます。」
まさかの展開にオキも驚きの顔を隠せない。元々は戦艦大和の情報を得る為にやってきたのだから。アレがそのままである確証は間違いない。武装などは違えど、装甲、駆動部、弱点もそのままだと予測している。
なぜなら、相手がハギトだからだ。あそこまで崇拝しているモノだ。そのままで来るだろうと思っている。武装以外は。
「武蔵、できる限りのナノマテリアルを用いて地球の海にてその咆哮を放て。大和の名を汚す愚か者を…叩き潰せ。」
「了解ですわ。」
「了解だ!」
敬礼後、武蔵達はその部屋を早々に立ち去り、準備へと入った。将軍は近くのソファに座り、大和から受け取ったお茶をすすりだした。
「しかし本当によろしいのですか将軍。向こうの情報はできる限りお渡しいたしましたが、相手は未知数。こちらの予想をはるかに上回ってもおかしくありません。そんなところに大事なあの子たちを…。」
オキの心配の声に、将軍は待ったの手を出した。
「古田君がもしかしたら死ぬかもしれないとひやひやした。彼はとても良い軍人だ。それは私がよーく知っている。だからこそ、あのVR計画にも参加させたのだ。事件が発覚した直後、私は何度も眠る彼に謝ったものだ。」
「将軍…。」
「だが、君たち『あーくす』が助けてくれた。彼の命はこの国の命だ。その恩、いまかえすときぞ。それに…。」
先ほどまで険しい目だったその顔が優しい初老の男性の顔へと変わる。温まる、その顔は誰もが付き従うにふさわしいと思える顔だった。
「困ったときはお互い様、だろ?」
「本当に助かります。お借りした武蔵、無傷にてお返しいたしますことをお約束いたします。彼女たちは、艦娘であろうとも一人一人の女性。大事な彼女たちの身体を傷つける事は致しません。」
敬礼で答えたオキの肩を叩く将軍はその答えに頷いてくれた。
オキ達アークス。そしてまさかの助力、超戦艦武蔵により作戦がたてられた。
緊急事態により、一般アークスも多数参加してくれることが決まり、それは今まさに実行されようとしていた。
『いいか! 相手は国の象徴たる大戦艦ヤマト! 偽物だからって甘く見るなよ! その力は強力なエーテルにより未知数! スレアからの助力と助言により、装甲自体は情報通りの状態だ。だが、相手は強力なバリアによって守られている。そこで、武蔵によるタイマンで正面で叩きバリアを破壊、通せんぼしたのちに上空から海を凍らせる。そこから一般アークス達が氷の上を通って大和へ乗り込み、表面の武装を破壊するという作戦だ。いいか! お前らが乗っているその船は大事な借りモノだ! 防衛部隊はしっかり守り抜けよ!』
「「「おおおおお!!!!」」」
スピーカーからはオキの声が響き、超戦艦武蔵の前方及び後部甲板から多数の声が上がる。
「士気の高まる声。やはりいいモノね。」
「ああ。我らも負けてはいられないな!」
艦橋の上部に立つ武蔵達は巨大な紫色のリングを空中に多数出した。
「あれが…艦娘の力か…。すげぇ演算能力だ。」
彼女らの形作られた軍艦はすべて彼女らの思い通りに自動で動く。そして本来スレアの海であるならば、ナノマテリアルを利用し高度な技術で作られた兵器を持って戦う。
『こちらクロノス。敵艦は変わらず進行中。このまままっすぐX地点に約5分で到達。マスター指示を。』
クロからの通信が入った。オキは作戦決行の合図を出した。
「いくぞ! お前ら気合入れすぎて床なめるんじゃないぞ! 武蔵! 君たちの方が海の上の戦いはお手の物だろう。作戦通りにヤマトを足止めしろ。何やっても構わん。だが、無理だけはするな。君たちを無傷で返すと約束したのだからな。」
「なに、私たちをなんだと思っている。」
「大和型弐番艦の超戦艦武蔵よ。いくらナノマテリアルが少なくて砲撃しかできないとはいえ…甘く見てもらっては困るわ。行くわよ私。」
「ああ。出撃だ!」
オキの飛ぶ空の下では武蔵が轟音を立てて向かってくるヤマトへと船足を進めだした。一度アークスシップへ持ち込まれたナノマテリアルを地球へと転送。海上にてその姿を作り上げた超戦艦武蔵。その火力、防御力は大和と同格だと本人たちは言う。負けるつもりはないと。
『オキ君。私達はその後からの攻撃に備えればいいのだったな。』
アインスからの通信が入った。
「ああ。隊長たちにはA.I.Sに乗り、表面武装を粗方壊したヤマトへ突撃。バラッバラに解体しろ。ちりも残すな。」
『任せておけ。守るべく力を破壊の力につかった事。後悔させてやらねばならん。私は…怒りでもえている。許せない気持ちでな。』
隊長の声が震えていた。それは恐れや武者震いとかではない。本当に怒りでいっぱいなのだろう。彼は守るべく力やその意思を特に尊重し尊敬する。だからこそ、許せないのだろう。
『ところでリーダー。俺のA.I.S.見当たらないんだけど。』
「あ? あるじゃねぇか。その赤くておっきなブースターつけた奴だよ。ああ、言い忘れてた。俺が魔改造しといた。ハヤマン、早さが足りないって言ってたからな。早くしといたぜ。」
『何やってんだあんたはあああ!』
かかかと笑うオキは他の機体改造してある事を伝えた。オキは研究機関開発部の面々とあれやこれやとスレアやその他星々で得たデザインを取り入れ、より強力な力が必要とされる深遠なる闇との最終決戦に向け数々の開発を行っていた。今回のA.I.S.もその一つだ。
ハヤマの機体はスレアのロボットアクションゲームをベースにイメージして作られ、原型をとどめていない。朱く塗られた機体に最新のフォトンライフルを搭載。ブレードも射出可能で背中には巨大なブースターを二基取り付けた。ちなみに高軌道型に変形可能でもある。コード名を⑨。
アインスの機体はそこまで弄ってはいないが、武器に大きく変化を入れている。
『ほう。これはこれは。大きな剣だな。』
今回の作戦のために斬艦刀と名付けられたそれは、巨大なる深遠なる闇に対し叩き切るイメージで試作された一つの超巨大な剣だ。
「試作段階のものを持て来たけど、その中でも最高品だ。それ、まだ伸びるぜ。」
『それは、楽しみだ。』
声だけでも分かる。隊長が笑っていると。そしてクロ。彼は今大和の上空で偵察をしてもらっている。機体自体はほぼ変わりない。だがその中に搭載したシステムが違う。
「くろー。大丈夫かー?」
『むり…くぼ…。』
意味の分からない事をつぶやくクロだが、まさか乗り物に弱いとは知らなかった。GGOじゃ大丈夫だったろお前。
「むりならゴーストシステム起動しとけ。そのまま撃墜されても拾わんからな。」
クロの機体に搭載されたゴーストシステム。超超高速機動が可能なシステムで機体内部に搭載中ならば機体自体が、外部へと射出させれば3機の小型機が猛スピードで支援する。スレアのキバオウから
『こういう作品あるで! こういうのってつくれへんの?』
とすすめられた映像作品内にて描かれていた機体をモデルに作られた。オキの乗る戦闘機もその一つだ。
X-02ワイバーンと名付けられたその戦闘機はアークスシップ空軍が次期主力戦闘機を作成するのに使用したシステムをそのまま搭載し、オキが得たスレアの戦闘機のデザインをまねて作った試作機。
オキはX地点にて武蔵とヤマトが砲撃でなぐり合っている最中にヤマトの真下に強力な氷結弾頭を射出する役目と、その後A.I.Sメンバーが現在乗っている母艦からヤマトへ殴り込みにいけるよう制空権を取る役目がある。
『そういやミケは?』
そういやハヤマん達は転送から直接母艦に乗ったから気づいてないんだな。
「あんたらが乗っている母艦の頭の上だ。」
ミケの乗る母艦、ドラゴン・フォートレスと名付けられたそれは強襲用揚陸艇の改良型母艦だ。ミケの好きそうなデザインから作られたA.I.S.搭載の空中攻撃要塞でもある。
「にゃははは! きもちいい風なのだー。」
ドラゴンの頭部に乗るミケ。風になびく耳が気持ちよさそうでる。
その横を通り過ぎたオキは武蔵の護衛のために上空を旋回する。雲が切れ、目視でヤマトが確認できた。
「足止めをするとなると…。さてどうする私。」
「そうね。あれをやろうかしら。」
「そうだな。驚かせてやろう。」
まっすぐと向かってくるヤマトは主砲を武蔵へと向けている。すでにヤマトの射程距離だ。
武蔵は主砲を艦の真横へと向ける。それを上空から見たオキは何をやろうとしているのかを見ている最中。
ヤマトの周囲が明るく光り輝き、大量の飛行機が飛び上がった。
「スキャン…開始…。うぷ…。零型艦上…戦闘機と、同型機体…。多数…。」
死にかけの声でクロがスキャンのデータをオキへと転送。そのままゴーストシステムを起動させた。
3機の小型機がクロの周囲を超高速で飛び回りだし、飛んできたゼロ戦を迎撃し始めた。
オキも武蔵へと攻撃が飛ばないようにドッグファイトを始める。
「FOX2!」
オキやクロのゴーストがゼロ戦をややき落としている最中、武蔵前方部甲板。突撃部隊。その頭上ではオキの操る戦闘機がゼロ戦をバッタバッタと倒していた。
武蔵は大和の左舷へ切ったところだ。
「震えているぞ。大丈夫か?」
一人のキャストが震えるヒューマンのアークスに声をかけた。
「あ、えっと…たしか第2班の隊長さん…。」
「ガラグだ。」
どうやら新人アークスらしい。震えるその肩をガラグは軽く肩を叩いた。
「怖いか?」
コクリと頷く新人アークスにもう一人のキャストの男性が近付く。
「安心しろ。あの男がついている。それに我々もだ。」
突撃部隊第1班隊長ディアリーン。今回の地上部隊をまとめる人物でもある。
上空でゼロ戦とドッグファイトをしている戦闘機を見る二人は皆に口々に言った。武蔵は左舷の錨をおろしたところだ。
それを見た地上部隊のアークス達は驚いた。
「いいか。私たちは死ぬ。」
「そう。俺も死ぬし、みんな死ぬ。」
語る言葉に地上部隊突撃班の面々は二人の隊長の言葉を聞いた。
「いつか死ぬ。」
「みな残らずだ。」
ヤマトからの砲撃と武蔵の掛け声、そして二人の隊長の言葉。そして思いもよらない武蔵の動きは、ほぼ同時だった。
「つかまれアークス!」
「「だが今じゃない。」」
巨大な歪音を鳴らしながら前方に傾いた武蔵。
武蔵は下した錨に引っ張られ、海上を横滑りしながらヤマトからの超巨大な咆哮を避けた。
大和の砲撃、前方2基6門の46㎝三連装砲は武蔵の艦橋を大きくそれた。
「これぞ我が海軍が誇る秋津洲流航海術!」
「ようこそ。私達の最大のキルゾーンへ…。」
横滑りしながら艦の右舷へと狙いを定めていた武蔵の46cm三連装砲3基9門すべてが、ヤマトへと向いたのだった。
「痛いのをぶっくらわせてやれ。」
「撃てぇ!!」
地上部隊隊長の二人のアークスの掛け声と共にその咆哮は空気を震えさせた。
ドオオォォォォン!!
超巨大な咆哮。それは先ほどの大和の砲撃音よりも大きかった。後部にある1基3門も同時にその炎を吐き出す。
ヤマトへと直撃した巨大な徹甲弾はヤマトの発していたバリアで甲板、装甲等に当たる前に止められる。
もしそれが『ただの』徹甲弾だったなら、もし彼女たちの武装が『ただの』金属の塊であったなら。
ヤマトの勝ちだっただろう。その止められた弾を見ながらオキは笑っていた。
「そのためにわざわざ来てもらったんだだからな。」
その弾は赤い光を放ち、巨大な球体の爆発へと変わる。そしてヤマトを囲っていたバリアを浸食、割ったのだ。
「タナトニウム浸食弾頭、効果あり。」
「次段装填…。発射。」
タナトニウム。彼女達だけが使えるスレアの物質。炸裂すると周囲の空間を重力波によって侵蝕、物質の構成因子の活動を停止させ崩壊させるとんでも兵器。かつての大戦で大量に使われ今ではほぼ残っていないモノを今回の為に短期間の中でかき集めてもらい、ヤマトを止める為に持ってきてもらった、突破口を作る切り札。
二人の武蔵は効果があると確認すると次の弾を即座に自動装填、発射体勢にはいる。もちろんヤマトも黙っていない。
ヤマトの主砲は再び武蔵へと巨大な轟音を吐き出した。
「しめた。立ち止ったな。」
武蔵との砲撃戦に入ったヤマトは完全に足止めを食らう。そこへオキが急降下していった。
武蔵へと放たれたヤマトの砲撃は甲板に当たらず、すべて武蔵の周りを囲っているクラインフィールドによって阻まれていた。
「地上部隊の皆々様、ご準備を。」
「オキが急降下に入った。すぐに海は凍りつくぞ。」
武蔵達からの言葉をうけ、地上部隊突撃班の面々は顔を見合わせいつでも飛び出せる体勢をとった。
「よーそろー!!」
急降下でまっすぐにヤマトへと飛んでいくオキは大量の弾幕の中を潜り抜けていく。そして下部に付いた一本の弾頭をヤマト前方へと着水させた。
直後に巨大な水柱、そして凍りつく海が広がる。氷によって足を止められたヤマトはその場から動けない。
『地上部隊!』
オキの声がスピーカーにこだまする。
「仕事だな。」
「ああ。いくとしよう。」
アークス達は武蔵から飛び降り、大和へとその海を渡りだした。シエラの索敵により幻想種の出現も予測できている。
すべてが順調に進んでいた。地上部隊たちが大和へと乗り込み、表面の武装を壊し始めたところまでは。
みなさまごきげんよう。
今回はヤマト戦でやりたかった一つ「バトルシップ」ネタです。
武蔵や大和のメンタルモデルは艦これとアルペジオからひっぱってきました。
いろいろツッコミどころある惑星になってきましたね。混沌としてます。
さて、今回は以前お話していた別のアークスの方にも友情出演していただきました。
ガラグさんのーんさんご参加どうもでした(ディアリーンさんに関しましては別名にてのーんさんの作品から)のーんさんの作品、ぜひそちらもみなさまどうぞ。わたしのお気に入りから見ることができます。
お二方には今回のメインとなるセリフをいっていただきました。やっぱかっこいい。
では次回にまたお会い致しましょう。