SAO ~ソードアークス・オンライン~   作:沖田侑士

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第120話 「嵐の前の静けさ」

ALOの闘技大会の予選が2日にわたって開催された。

ALOのプレイヤー全員に参加権が有り、優勝賞金であるゲーム内マネーもかなりの額だ。

参加者もかなり多かった。予選を勝ち抜き、本戦に進めるのはたった14人。

その14の枠を狙わんと多くのプレイヤーが腕を振るおうとした。

しかし・・・。

 

アーク's仮拠点、キリトの家の近くにある湖のほとりで本戦進出おめでとう会を開くことになったオキたちは、今日までの予選を思い返しながらBBQをしていた。

「いやーしょっぱな面白かったなぁ。」

「シンキ君には感謝だな。言われた通りに動いたら一瞬だった。」

「さすがの隊長も呆然としてたもんねー。」

オキ、アインス、ハヤマは無事に本戦へと勝ち進んだ。

「そのあとのみんなの動き、みてて笑っちゃったよ。」

もちろんユウキも本戦へと進出した。

オキ達がみた光景は、一番最初の予選ブロックの戦い。真四角のリング場で25人のプレイヤーがバトルロイヤルを行うもの。最後の一人が次の予選へと進出する仕組みだった。

Aブロックだったアインスは事前にシンキの助言を聞いており、開始と同時にリングの端へと移動していた。その直後だ。魔法という魔法の嵐がリング場に降り注ぎ、何もしていないアインスだけがその場に立っていたという状況になっていた。

そう。参加プレイヤー全員がそれぞれ別々のプレイヤーを狙っており、開始と同時に発動。しかし発動したものがまた別の者に、その者はまた別とリング上のほぼすべてが攻撃魔法で埋まってしまい、ほぼ同時にアインス以外が脱落するという状況となってしまった。

その後の予選ではそれを見たプレイヤーがしどろもどろとなってしまい、様子を見るプレイヤーが多数続出。開始後に動きやすくなった魔法メイン職以外のプレイヤーがザックザックと魔法職を切っていくこととなった。

「ALOで魔法一強と言われていた時代はおわった。」

サラマンダーの副将軍ユージーンは一言そう言った。

「原因は君たちでもあるのだがね。」

笑顔でさらにそう付け加えた彼もまた本戦へと進出した一人だ。彼は前回の闘技大会覇者でもあり、本来なら本戦は確定していたのだが、彼はそれを辞退。

予選から始めることで対等となることを選んだ。が、それも意味を成さなかったようだが。そのため、彼と勝ち残った9人のうち1人が抽選でシードを得ることとなっていたが、それも辞退。結局全員で抽選することになり、ハヤマがそれに当たった。

もう一つはアインスが手にした。

「しっかし、オキさんも大変だねぇ。ほぼアークス相手じゃん。」

ハヤマがトーナメント表を見ながら呟いた。

本戦に出場したのは以下のメンバーだ

 

1,アインス

2,ヨウコウ

2,タカハタ

3,ユウキ

3,エリック

4,クロ

4,ユージーン

5,キリト

5,ハセオ

6,スノハラ

6,シンキ

7,セツナ

7,オキ

8,ハヤマ

 

数字が最初の戦いのペアになる。

「知らない名前もあるな。」

オキ達は有名なプレイヤーであっても興味がないのでしらない方が多い。

そのため、今回の参加者も顔見知り以外は初めて見るのが数名いた。

「魔法職の強いメンバーが予選落ちしたからネー。そこで有名なのハ…。」

もぐもぐと串についた野菜を食べながら歩いてきたアルゴが説明した。

上からヨウコウ。彼女は前闘技大会の準優勝で、普段のコロシアムの有名人らしい。

コロシアムというものがあることを知ってはいたものの、オキ達が求める強さの者はいなかったので興味がなかった。

「強いのか?」

「んー。強いけド、その相手がネー。」

オキの質問に苦笑気味のアルゴ。

タカハタ。彼はデスメガネと呼ばれるグラップラーらしい。

自らに強化バフを込めて戦うスタイルらしいが、その戦い方が不思議な戦い方をするとか。名前からして恐ろしいように見えるが普段の彼は温厚らしい。

エリック。上級装備を身につけた上級者らしい。だがそこまで有名でもないとか。

「俺の相手はハセオというやつか。」

キリトもオキたちの話に加わってきた。ハセオはオキも見た。

真っ黒な鎧を来た鋭い目つきの男だ。先に説明のあったヨウコウと仲がいいらしいとアルゴはいう。キリトとの対決が決まった瞬間、キリトの前に現れ

「必ず倒す。」

と言い残して去っていった。

「なんか、似た雰囲気のあるヤツだった。」

キリトと似ているか?とオキは思ったが、本人はなにかしら惹かれるところがあるようだ。

ハセオ。『死の恐怖』の名を持つPKK(PKキラー)だ。PK、つまりプレイヤーを倒せるALOではPKを主に行うプレイヤーも少なくない。そんな相手を見つけてはかたっぱしから倒していくプレイヤーが彼らしく、PKプレイヤーたちから恐れられているらしい。

「噂だと、ヨウコウを倒すためだとかなんとか。」

なにかしらの因縁があるのだろうか。

スノハラ。これにはアルゴもよくわからないらしい。

どうも運良く出場できたのではないかと思われるプレイヤーだとか。強運もちなのか。

最後にセツナ。彼女は刀を使う剣士らしく、かなり強いらしい。

それを聞いてオキは自分の握りこぶしをみてニヤリと笑った。

強い奴、今回も楽しめそうだ。

だが、目的を忘れてはいけない。オキの目的はユウキとの再戦。今回は止めるものがない。止まることのできない戦いだ。さいごまで戦うことが出来ることを思うと高ぶる気持ちを抑えきれない。

それはその場にいた参加者全員がそう思っていた。

 

 

当日。大盛況の中コロシアムは開始された。

大勢の歓声の中、参加者が集う。お互いににらみ合い、両者が激突する瞬間が今まさに訪れようとした。

「必ず勝つよー。」

「っは! かえりうちじゃ!」

オキとユウキはお互いに勝ち残ることを約束した。




みなさまごきげんよう。
FGOにアズールレーン、最近崩壊3dも始めたのでゲームが忙しい!
そんな嬉しい悲鳴の中、FGOの最新章セイレムが開始され、やりながらこれを書いてます。
さて、今回からコロシアム編。話数的に5話くらいを目処。
これが終わればEP4へと進む予定です。年越しそう…。
今回は少ないですが、これにて。
ではまた次回お会い致しましょう。

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