ーアッシュフォード学園ー
学園の生徒会室にはミレイとリヴァルが佇んでいた。
「ねぇ、リヴァル」
「何すか、会長」
「もう会長じゃないよ。……凄いよねぇ、うちの生徒会メンバーが世界を相手に戦っているなんて」
「それ嫌味ですか?俺がニーナを守れなかったからって」
「考えすぎよ。あなた頑張ったじゃない。人間1人できることに限界があるよ。だから誰かといたいんじゃない?」
「そういうもんですか?」
するとミレイの携帯が鳴りだした。
「はい……。ウチの局が……そうですか………。えっ!?私が??」
ミレイの戸惑いの声にリヴァルは怪訝そうに眺める。
「リヴァル…仕事入った」
「そう……ですか。……それで?」
「それがね………」
アキラが乗るティルヴィングはペンドラゴンへ向かって行った。そのアキラを追いルルーシュ率いるブリタニア帝国の先行隊がアキラを発見した。
背後からの銃撃を掻い潜りヴァリスで応戦し撃破していき去って行く。
「マウナロア山の準備はどうなってる?」
「手筈通りに進みまもなく完了するようです」
「よし…。アキラがペンドラゴンへ到着する時間は?」
「約40分後…」
「奴がハワイから出て約1時間。KMFのエナジーフィラーはそれまでに尽きるはず…。それまでにアキラを確保すれば…」
そう予測するルルーシュであったがロイドが口挟む。
「いや〜それがね皇帝陛下あのKMF、予備のエナジーフィラーをもう一つ内蔵されてて稼働時間は2時間以上は持つと思うんだけど」
これにはルルーシュは額に手をやる。ここにきてロイド達特派の技術が裏目に出るとは…。
そしてルルーシュの傍らにはジェノムと玉城が立っていた。
「ジェノムといったな。アキラはお前達を見捨てて行ったが…」
「なら……俺を殺すか?」
それには玉城は怯えてルルーシュに助けを求める。
「待ってくれよルルーシュ!俺たち仲間だよな!!」
「………ジェノム、お前はアキラの味方か?」
そんな玉城を無視しジェノムに問いかける。
「…………。俺は…自分の一族を守るために戦い、皆の生活を楽にさせるためにサドナ王国にも行った。あんたやアキラが俺たちに危害を及ぼすならそれは俺達の敵だ。………だが」
「…………」
「この戦い、あんたに得があるのか?そんな気がする」
「……どういう意味だ?」
「……。アキラの行動もただワイズマンの後継者になるために向かったとは思えない」
「何故そう言い切れる?」
「アキラはそういう男だ。相手の掌で躍らされる奴じゃない。俺は……お前達を見届ける。そして俺の為すべきことを見極める」
「好きにしろ」
両者の話をオドオドと聞く玉城を無視しルルーシュはスザクの容態を確認しようと医務室へと入る。部屋へ入るとそこにはベッドから起き上がり部屋を出ようとするスザクがいた。
「スザク、無理をするな!急所外しているがその体でランスロットの操縦は……」
「そんな悠長してる時じゃない!ここで決着をつけなければ後はない!!ルルーシュ…そうだろ」
「スザク……」
「シュナイゼルはフレイヤを使うはず、ニーナが作ってくれているあれが必要になるはずだ」
そう言うとスザクは医務室を後にし部屋はルルーシュ、C.C.の2人が残された。
「行くんだな……」
「いくつルートを探っても答えは同じだったからな。あの時の結論に間違いはないと」
「よく仮面を被り続けたなナナリー、あの2人の前で。だがなルルーシュ……」
C.C.はルルーシュの背中に優しく手を添える。
「ルルーシュ、もう十分じゃないのか?お前はよくやった」
「俺が悪を成さねばならない理由はわかっているだろう?それにアキラ、異端者と俺達一族の血塗られた因縁に終止符を俺が打たなければ」
「しかし、ダモクレスにはナナリー、カレン達もいる。お前は今まで……」
「もう、特別扱いはできない。消えていった数多の命のためにも、俺達は止まるわけにはいかないんだ。アキラも恐らく……」
「…………あぁ、そうだなルルーシュ、ワイズマンは私の責任もある。お前だけに罪は背負わせないさ」
「ふっ…。だが……」
「??」
ルルーシュの体が小刻みに震える。
「シャーリーと会うとことができた……。こんな嬉しいことはない」
「勝てば直接会うこともできるぞ」
「俺にそれは許されない。この目で生きてることが確認できただけで十分だ……」
「そうか……」
C.C.はルルーシュの頭を優しく撫でる。終わらせなければいけない。これがルルーシュ達を巻き込んだ自分の役目だと……。
ーダモクレスー
独房の扉が突如開きそこにはジノが立っておりカレンは警戒する。
「ジノ…あんた……?」
「紅月カレン、ここ出たいと思わないか?」
この意外な申し出にカレンが目を丸くする。
「どう言う意味?」
「我々はこのダモクレスを奪取する。お前達を脱出させその騒ぎの隙に行動を起こす」
「クーデターを起こすっていうの?」
「そうだ」
物陰からコーネリア、ギルフォードが現れる。
「我々はワイズマン、シュナイゼルには賛同できない。ダモクレスを制圧しルルーシュを叩く」
「それはアキラも含まれてるの?」
「……そうだ」
「そう………なら断る!私はアキラを助けに行くの!彼を倒そうというなら私の敵だ!」
「……。一つ教えてやろう。ルルーシュ達の艦隊から1機のKMFが出撃されこちらへ向かっている。どうやらルルーシュから追撃を受けてるらしい」
「まさかアキラ!?」
「恐らくそうだろう。私は流崎アキラがワイズマンの後継者になるのなら止めなければいけない」
「アキラはそんなこと望んでない!」
「何故そんなこと言える?」
「彼を信じてるから!」
揺るぎない眼差しをコーネリアに向ける。
「……そうか。なら勝手にしろ」
「っ!?」
「どちらにしろお前達が動いてもらわなければ困る」
そう言うともう1人ある人物を呼び寄せる。
「咲世子さん!?」
現れたのはトウキョウ戦から行方不明だった咲世子であった。
「この女に格納庫まで案内させる。それからはお前達で何とかするんだな。もし戦場で会えば私とお前は敵だ」
カレンはシャーリー、坂口を連れ独房から出る。
「……礼は言わないよ」
「ふっ、そんなの期待していない」
「早く、皆様!」
咲世子に促されカレン達はその場を後にする。
「よろしいのですか?」
「いいさ、ジノ。もしもの時は貴公にあの女の相手をしてもらうさ」
「また難しい要求を」
ジノは苦笑いしそれにつられコーネリアも笑う。
「愛する者のために戦うか…。私も一個人として誰かのために生きてみたかったな」
「姫様……」
「すまん、ギルフォード。今のは忘れてくれ」
「姫様、まもなく流崎アキラがこちらに…。おそらくルルーシュ達もまもなく」
「あぁ………。兄上には執着すべき欲がなかった。皇帝の座も己の生死すら…。ワイズマンが現れたことで生まれて初めて信じるものを見つけそのために生きようとする…。もしかすると兄上は今幸せかもしれないな」
そして自分はブリタニアを己の手で滅せようと動いてる。結局、ユーフェミアを除けば本当に愛していた家族は誰もいなかったのではないか。そんな空虚な気持ちになった。
「……では行こうか!」
「「イエス・ユア・ハイネス」」
カレン達は咲世子の誘導で身を隠しながら格納庫へ向かっていった。
「咲世子さん、どうしてここに?」
「私はあれからシュナイゼルによって捕らえられ逃げるチャンスを伺っていました。それがコーネリアからあの計画の話を聞かされ共に行動することにしました」
格納庫入口にたどり着くと兵士が慌ただしく動いていた。近くにカレンの紅蓮が並べられているのが見えた。咲世子は近くにいた兵士の背後に近づき沈黙させると一つの小さな小型艇へと行き扉を開き皆、乗り込んだ。
「もうすぐ戦闘になります。巻き込まれないようすぐに区域から脱出してください」
「おい、あんたは一緒に逃げるんじゃないのか?」
「私は残ってナナリー様を救います」
「あんた日本人だろ……どうして?」
「……日本人やブリタニア人とか関係なくあの方を救いたい。それだけです」
「あんたも誰かのためにかっ………」
「ふふっ。そうですね」
坂口と咲世子は互いの顔を見て微笑する。この女といいカレンといい自分の周りにいる女は顔に似合わず勇ましい女傑ばかりだと坂口は感じた。
「さぁ、のんびりしてられねぇな。カレン、紅蓮でひと暴れしてくれ。俺らはその間に脱出する」
「うん!」
小型艇を出ようとするカレンであったがそれを見てシャーリーは徐に彼女の手をとった。
「シャーリー!?」
「カレン、死なないでね。生きてルル達と一緒にアッシュフォード学園に帰ろう」
「シャーリー……」
カレンは先程あった独房であった彼女との会話を思い出した。
「シャーリー……、あの時の話…あれはあくまで憶測なんだよ。ルルーシュが本気でアキラを殺して世界を手に入れるのなら私はあいつを討たないといけない」
「やめて…」
「この戦場は生半可な気持ちで戦えない。私も死ぬ気で戦わないと……」
「やめて………!」
小さな声であるがシャーリーの握る手が強まりカレンの腕に痛みを感じる。
「そんな事言わないで、カレン……!」
涙を瞳に溜めシャーリーはカレンに想いをぶつける。
「もう…これ以上私の大事な人達が傷つくのを見たくないの。皆生きて帰る。そう願うことがいけないことなの……!?」
「シャーリー……」
「約束してカレン、必ず生きて帰るって。じゃないと私……許さないよ」
カレンは泣顔のシャーリーを安心させようと微笑み、握られた彼女の手を優しく握る。
「わかった約束する。だからそんな顔しないで」
「カレン…」
「じゃあ…行ってくる!」
「待ちなカレン、紅蓮のコックピットに俺が用意してたもんがある。なんかあった時使え」
カレンは頷くと咲世子と共に小型艇を出て紅蓮のもとへと向かい、コックピットのハッチを開き紅蓮に乗り込んだ。
操縦席の隅にあるものを見つけるとそれを手に取る。
「これはアキラの……!」
そこにあったのはアキラが愛用していたショットガンの同型であった。
アキラと再会した時のことを考えて用意していたのだろう。カレンはショットガンを置き直すと先程のシャーリーとの会話を思い出していた。
「……約束破ったら許さないかっ………。まるでギアスみたいじゃない。生きて帰れって」
カレンは失笑するが涙を溜めて訴えたシャーリーであったがカレンからは怒りにも訴えでもあった。
カレンにはその言葉が重くのしかかった。
アキラの追撃をはじめてから遂にシュナイゼルのダモクレスが目視でも確認できる距離まで近付いた。
「シュナイゼル…! ニーナの方は?」
「完成したようですが、うまく稼働できるか」
「この短期間で完成しただけでも十分だ………」
ーハワイ上空ー
少し遅れて黒の騎士団の艦隊がマウナロア山を通り過ぎようとした時不気味な振動の音が聞こえ艦内は騒然とする。
その時マウナロア山が突如噴火し火山弾や火砕流が旗艦の斑鳩を襲った。
そしてその知らせはルルーシュにも知られた。
(あの山にはエリア11のフジ程ではないがサクラダイトが眠っている。これで後方の憂いはなくなった)
そしてシュナイゼルはアキラが駆るティルヴィングがこちらへ近づくのがわかる。
「ルルーシュ達を迎撃しつつ前方のKMFを保護回収する」
「殿下、少し…」
カノンが耳打ちをする。
「コーネリアが……」
「それとイレブンの捕虜達が脱走しました」
「おそらく彼女の仕業だね。それよりも今は…」
「各機発進させルルーシュ達を止めるんだ。流崎アキラがワイズマンに接触するまでどんな犠牲を払っても戦うんだ」
「殿下……」
「カノン、僕は冷静だよ」
支離滅裂な命令にカノンは表情には出さなかったがシュナイゼルの変貌に戸惑いを感じていた。しかし……。
(殿下……これがあなたが命を捨ててまで成し遂げたいことなのですね…)
カノンから見るとシュナイゼルは今生々として充実しているように見えた。
『アキラがもうすぐシュナイゼルと接触する。行くぞスザク!』
「あぁ…、あとは進むだけだ!!」
スザクは撃たれた腹部の痛みに耐えながらランスロットアルビオンを発進させる。
そのランスロットと併走するようにモルドレッドが横にくっつく。
「アーニャ?」
『いつか言ったけど、あなたもそうだけどルルーシュもマゾ……』
「??」
『人身御供のつもりだろうけどこんな役目誰もやりたい人なんていない。全てを捨てて逃げてもよかったのに』
その問いにスザクはフッと笑みを溢す。
「なら君はどうして僕らに付き合うんだ?」
アーニャーは暫く沈黙するが…。
『私もマゾだから…』
意外な回答にスザクは呆気に取られたが堪えきれずに声に出して笑った。
「はっははは!そうか……」
『………』
「ありがとう、アーニャ」
ほんの一瞬であったが腹部の痛みが忘れることができた。
『……行こう』
「あぁ……」
ルルーシュの追撃隊からの攻撃を掻い潜りながら進んでいくアキラのティルヴィングを発見。スザクはヴァリスを撃つがスザク達の存在に気づいたアキラは回避しヴァリスで応戦する。
「アキラ、君を止める!」
エナジーウイングを展開させエネルギー弾を連射する。アキラもエナジーウイングを展開させ高速で回避する。スザクも追跡し両機とも超音速の動きでの戦闘を開始した。
近くにいた傍機は巻き込まれ撃破されていった。
これにはジェレミア達も近づけずにいた。
「っく…!」
だがまだ傷が完治していないスザクはスピードが増す戦いに顔色が悪くなっていく。
回し蹴りを見舞うがそれが空を切りその隙にティルヴィングは体当たりする。その衝撃にスザクの身体が揺れスーツの脇腹から血が滲み出てきた。
危険と見たアーニャがモルドレッドの主砲をティルヴィングに向け撃つ。
アキラも応戦するが背後から砲撃でジェレミア達が被弾していく。どこからかと見ると巨大要塞ダモクレスを中心としたシュナイゼルの艦隊であった。
「っく…。シュナイゼル!」
「ふっふふ…。ルルーシュ、君に彼は討たせないよ」
「奴にはフレイヤがある。体勢を維持しシュナイゼル達との戦闘を開始せよ!作戦は変更はないこのまま続行する!!」
「騒がしくなった!今なら」
格納庫のKMFが出撃するのを見てカレンは紅蓮を起動させる。
「何だ!?誰が??」
気づいた兵士達を尻目に紅蓮は格納庫にあるKMFに向けて左腕の三式統合兵装左腕部を展開させガトリング砲を撃ち数機を沈黙させる。
機体の爆発により格納庫は混乱しその隙に紅蓮はカタパルトデッキから脱出する。それに続けて坂口、シャーリーが乗る小型艇も脱出する。
『カレン、もう帝国軍とシュナイゼルの連中がドンパチやりだしたぞ。気を付けろ!』
坂口からここからペンドラゴンまでの方角距離が送られた。
「坂口さんは逃げて、私はアキラを探す!」
カレン達を追いシュナイゼル艦隊から出撃された無人KMFウォリアー1
集団で襲いかかる敵に対しカレンは距離を取るとガトリング砲を展開させ迎撃をする。近づく敵に対しMVSのブレードを使う右腕の鍵爪を開くと爪が赤く染まり引っ掻くようにウォリアー1へと振り下ろされた。機体に大きな爪の痕がコックピットまで達し中を見るとそこにいるはずの人間がいなかったのだ。
「このKMF無人!?」
その間にもウォリアー1は押し寄せてくる。
「キリがない!」
するとカレンは紅蓮の右腕の鉤爪を折り曲げ輻射波動と左腕の三式統合兵装と連結させると三式統合兵装左腕部から砲口が出現する。
「これで!!」
砲口から輻射波動機構が射出され10機近くのウォリアー1を撃墜させることが出来た。両腕を連結させることで聖天八極式と同じ威力の輻射波動砲弾を発射できるようになった。しかしまた多くのウォリアー1が押し寄せてくる。
カレンはこれ以上の戦闘の消費は危険だと判断した。この輻射波動砲弾は連射ができないことが欠点であった。ここから離脱しようとした時コーネリア派の部隊がウォリアー1の部隊に攻撃を開始した。
「不味い、巻き込まれるまえに」
シュナイゼルと一進一退の攻防を繰り広げるルルーシュ達はダモクレス周辺の騒ぎに気づきだした。
「内乱が起こったのか?」
『確認します……。交戦しているのはシュナイゼル艦隊の無人KMFとサザーランドを中心とした部隊です』
せシルからの報告を受けルルーシュは思案する。
(これは罠なのかそれとも……)
「それと…紅蓮弐式らしき機体が1機シュナイゼルの艦隊と交戦しています」
「紅蓮!?」
モニターに映し出された機体は細部に違いはあるが紅蓮に間違いはなかった。
『カレン!?ダモクレスから脱出したのか?』
「殿下!」
「コーネリアだね。急ぎ見つけて捕えるんだ。無理なら射殺しても構わない。それで騒ぎは沈静する。外の敵は彼女に任せよう」
彼女、そうダモクレスにいるナナリーがあるスイッチを握りしめていた。
『ナナリー準備はできたよ』
「………はい」
シュナイゼルに促されナナリーはスイッチを押した。
ダモクレスからフレイヤが発射され眩い光がルルーシュの艦隊を包み消え去っていく。それはコーネリア派の艦隊を巻き込んでいく。
「作戦は続行!このアヴァロンはこのまま後退。ダモクレスとの距離を保て。各部隊は波状攻撃を持ってダモクレスにフレイヤを撃たせ続けよ」
(だがアキラがワイズマンと接触する前にここを突破しなければ…)
「こんなに、あっさりと……私が」
戦況を聞きスイッチを握っているナナリーが震える。
『ナナリー、さぁ次を』
「は、はい」
自らの手で投下されるフレイヤ。これにより多くの命が奪われている。
(あんたは私達みたいになってほしくなかった)
(お前の考えが間違ってる。世界はそんな優しくはない)
カレン、アキラから自分に投げかけられた言葉が脳裏を過り気がつくと瞳から涙が落ちていた。
「泣かないと決めたのに……」
ただの傍観者でいるのを辞め自分で責任を負うと決めたはず…。
「これが…お兄様、お父様が背負ってきた罪……」
その時銃声の音が扉越しから聞こえハッとナナリーは音があったほうへ顔を向いた。
ダモクレス内ではコーネリア達はシュナイゼル派と銃撃戦を繰り広げている。
「姫様!ダモクレスの制圧20%まで成功してます」
「雑魚を相手にするな!シュナイゼルの首だけを狙うんだ!!ジノ、KMF部隊の状況は?」
「初動の攻撃で我々のほうが優勢でしたが敵の無人KMFの数に圧されて今は…」
「っく…。例の人形か……、時間がない直ぐにダモクレスの制圧に……」
その時、突如辺りが揺れだし何が起こるか警戒してると無人機KMFウォリアー1が外壁を破壊し現れた。
「なっ!?」
ウォリアー1がコーネリア達に銃口を向ける。
「姫様!!」
ギルフォードがコーネリアを庇い彼女の前に立つと辺りに銃声の音が響き渡った。
「しまった!アキラを見失った」
先程からのフレイヤの投下によりアキラから離れたスザクであったがアキラの姿が無く何処かへ消えていった。
『スザク、無事か??』
「あぁ、だがアキラを見失った」
「今はいい。先にダモクレスを叩く。行けるか?」
「そう言いたいところだがダモクレスの周辺が混乱している。無人機と戦闘しているKMFも僕らに攻撃してくる。簡単には行かせてくれない」
「やはり敵か……。っ!?」
突如、アヴァロンが被弾し艦に衝撃が襲う。
「背後からの攻撃です!敵は……黒の騎士団!」
「何っ!?」
ルルーシュの作戦により斑鳩及び各艦隊も被弾している箇所が見受けらえるが健在のようであった。
(くっ……。全滅とまではいかなかったか。まずいこのままでは)
「彼等が来たか。面白いことになった。ふっふふ」
この戦場が混沌していく様を見てシュナイゼルはほくそ笑む。
カレンもフレイヤの衝撃で今自分がどこにいるのかわからなくなった。
「さっきのはトウキョウの時の……。っは!!、坂口さん!シャーリー!!無事なの!?返事して!!」
戦闘しながらも坂口達が乗る小型機を確認していたがフレイヤによって見失ってしまった。 急ぎ探そうとするカレンであったが視界に入ったのはかつて苦楽をともにした仲間がいる斑鳩であった。
「黒の…騎士団」
この事態もアキラ、異能生存体故に起こった状況なのか。これもワイズマンによって仕組まれたことなのか。そんな訳のわからないものに振り回されてたまるか!そう怒りの表情を浮かべるカレンであった。
中々執筆が進まない今日この頃ですがうまく風呂敷を畳めるか不安になりながらも最後までいきたいと思ってます