コードギアスR2 ~去りゆく影~    作:三戦立ち

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遅れて申し訳ありません。

ではどうぞ。


第35話

―数十年前―

 

-皆、嘘をついている。この交渉も皆が本音を押し殺し上辺だけの話をしている。破竹の勢いブリタニアと極東の日本ではどこまでこの瀬戸際外交が続くのか。もう何年も不毛な政が行われている。日本を守るだと官僚や皇族だと述べるが本音は自身の保身しか考えていない。

この国を憂えている者がここにいるのだろうか……いや、私もその1人だろう-

 

 

会談に使われた施設のベランダにて井ノ本は澄んだ青い空をぼんやりと眺める。

 

「よき天気ですね」

 

そこにいたのは自分とそんな年齢が変わりない。彼は……

 

「シャルル・ジ・ブリタニア……」

 

ブリタニアの人間だとわかると井ノ本はその場から離れようとしたがシャルルは微笑む。

 

「少し、風に当たりたいと思い来ただけ。このような場所に政を持ち込むつもりはない」

 

「………貴殿は以前の交渉にも同席していたはず」

 

「そうでしたね……しかし、私は早く本国へ帰りたい…」

 

「っ??」

 

「実は今日、母の命日でして……」

 

この男は自分に対し何を話してるのか井ノ本は内心困惑していた。

 

「この交渉のように嘘に嘘が重なりどちらが真の家族が誰なのかわからなくなり母は巻き込まれ死んでしまい残されたのは兄1人……」

 

「…………」

 

「嘘がなくすべてが裏表のない世界……あると思いか?」

 

「…………?」

 

井ノ本は困惑をしていたがシャルルの話に惹きこまれていた自分がいた。

 

「なければつくればいい嘘のない世界を」

 

 

 

 

 

 

 

 

―神根島―

 

「陛下、トウキョウ租界のシュナイゼル殿下より通信が」

 

 

「任せると言ったはず、さてはシュナイゼル、気づきおったか

 

「それと陛下、シュナイゼル殿下は流崎アキラを確保したとの情報が」

 

それを聞きシャルルの表情が強張る。

 

「だが、もう遅い。戦争という名のゲームはお仕舞いよ。たとえ異端者であろうと止めることはできない」

 

まもなく長年の計画が実施され慌しく動く中井ノ本の側近が彼に耳打ちをする。

 

(シャルル………。サイコロを振るうのは神ではない……異端者だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルーシュはブリタニアの動向を確認していた。

 

(エリア11に来ていながらも皇帝はトウキョウ租界に現れなかった。つまり、アイツの目的は別にある。方角的には式根島。いや、神根島の遺跡か。なら俺の行くべき場所は…)

 

だがルルーシュの脳裏にカレンから伝えられたシャーリーが生きているとの情報が頭を過ったがルルーシュは苦笑いをする。

 

(例えシャーリーが生きてたとしてももう俺は会えない。いや生きていただけでも喜ぶべきだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―エリア15―

 

シュナイゼルが黒の騎士団と停戦条約を結んだとの情報はアレクセイ達にも知られ皆困惑の色を隠せずにいた。

今現在アレクセイ達は追撃の手を逃れアジトにて身を隠していた。

 

 

「星刻、ゼロが死んだのは本当なのか?」

 

『アレク、私は今からトウキョウの扇副指令と合流して事実を確認する。詳しいことはその後伝える。それとだが流崎アキラも死んだようだ』

 

「アキラがっ!?そんなバカな!?」

 

あのアキラが……。アレクはそれが信じられなかった。

 

『アレク、ゼロの件も含め何かおかしい。この条約にサドナ王国との停戦は含まれていない。慎重に動いてくれ。』

 

星刻との連絡を終えアレクセイは腕を組んで考え込む。その様子を傍で見ていたイゴールは声を荒げる。

 

「アキラが死んだなんて信じられねぇよ!!黒の騎士団は突然停戦する、一体どうなってるんだ??」

 

「………各地の仲間にブリタニアの各基地の動向を探らせよう。黒の騎士団もきな臭い。アキラは何かに巻き込まれたのかもしれない」

 

「内紛でも起こったのか?」

 

「……わからん」

 

 

 

 

 

 

 

 

――斑鳩――

 

 

 

捕らえられたアキラは斑鳩の独房にいた。あれから一旦黒の騎士団に身を預かれ翌日引き渡されることになった。

 

黙って佇んでいたが扉が開く音が聞こえ誰かが来たのかと硬いベッドから体を起こすと独房の前にカレンが立っていた。

 

「5分間だけだ」

 

カレンを連れてきた団員は出て行き2人だけとなった。

 

「アキラ!」

 

カレンは鉄格子越しから手をだしアキラの手を握る。

 

「アキラ、やっぱり逃げて。もうここには誰も味方はいない」

 

「………」

 

「C.C.がいなくなってしまったし……」

 

「あいつが?」

 

「えぇ、でもそれよりも今は外にいる団員を倒して直ぐに…」

 

だがアキラは視線を逸らし目を合わせようとしない。

 

「アキラ!!」

 

応じないアキラにカレンは声を荒げるが外には団員が控えているのに気づき口を押さえる。

 

 

「…………」

 

「このままあなたがブリタニアに引き渡されたらいいように利用されて殺される」

 

 

「…………俺を逃がせばお前が唯ではすまない」

 

「私のことは気にしないで」

 

 

「シュナイゼルは俺に皇帝の暗殺をしてくれっと言った。おそらく、井ノ本がいるとすればまたエリスと戦うはずだ」

 

 

「エリス…」

 

カレンの表情が暗くなる。

 

「アキラ、あなたは彼女が現れたら戦うつもりでしょ」

 

「………」

 

「できれば私はこの戦いを止めたい。私はあなたとエリスが戦うのは見たくない!」

 

「あいつが俺達の前に現れるなら遠慮する余裕はない。あいつがお前を殺そうとするなら俺はあいつを……」

 

「やめてっ!!そんなこと言わないで!!」

 

カレンはアキラの服を強く握る。

 

「アキラ、エリスを……彼女をちゃんと見てあげて!!」

 

「……カレン?」

 

「エリスはあなたのこと好きなのよ!」

 

「………!」

 

「彼女はあなたのことを好きになって苦しんでるの!エリスはそれを別の感情で歪んでしまってる」

 

「……エリスはお前を憎んで殺そうとしている」

 

「えぇ、そうよ。彼女は私を憎んでる!でもそれでもいい!エリスに教えたいの!!愛するってことは何かを!!」

 

「お前……」

 

自分のことよりもエリスを心配する。アキラはカレンの言葉に自分はエリスに対しどう応えればいいのか戸惑っていた。

 

「………俺はエリスよりお前のほうが大切だ」

 

「アキラ………」

 

 

「あの時ルルーシュと一緒に逃げたところで変わりない。このまま逃げるよりも俺は闘う」

 

「………」

 

「すまないカレン……これが俺のやり方だ」

 

 

アキラとエリス、互いに戦場でしか生きられない者同士。中途半端に終わらない。両者の内1人の命が散るまで戦うだろう。

似た者同士……だからこそ2人を守りたい。カレンは悲痛な思いでアキラを見つめるのであった。

 

 

 

 

 

―敢えて地獄へと進む俺を止めようとするカレン。再会を果たしたはずの俺達はすれ違うのであった―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―陽炎 ヨコハマ基地―

 

エリスとヘルハウンドを回収し急ピッチで修復を急ぐバーネット兄妹は帰還後井ノ本が突如失踪したと聞かされた。

 

「閣下のことだ。おそらくあの遺跡がある神根島だと思うけど…」

 

「兄さん、ヘルハウンドはあと数時間ぐらいかかるみたい」

 

「エリスの調整が終わった今あとは機体待ちか…」

 

傍で調整を終え眠っているエリスを見てドリーはつぶやく。

 

「ねぇ、兄さん。シュナイゼル殿下が黒の騎士団と停戦条約を結んだみたいだけど」

 

「あぁ、その事か。どうやらその話裏があって、黒の騎士団がゼロを売り渡したみたいだ」

 

「自分達のリーダーを?」

 

「あぁ、それとシュナイゼル殿下は流崎アキラの引渡しを奴らに要求したらしい」

 

その言葉を聞きエリス目を見開いた。

 

「あの男を?どうして?」

 

「さぁ、もしかしたら流崎の事で何か知ってそんな事を……ん?」

 

何か物音がすると振り返るとエリスが起き上がっていた。

 

「エリス何を!?」

 

「……出撃する」

 

「待て、ヘルハウンドはまだ戦える状態では…!」

 

次の瞬間、エリスはドリーの首を握り絞める。

 

「がっ……!? エ…リス……??」

 

壁へと叩きつけ絞める力を強める。

 

「兄さん!?エリス!!あなたは何をしてるのかわかってるの!!」

 

「ヘルハウンドを出せるようにしろ」

 

「なっ!?」

 

「早くしろ、ヘタな真似するとこの男を殺す」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、アキラの引渡しが決まり独房から出たアキラは扇達と対面する。

 

「もう会うことはないだろうな」

 

「あぁ、もうこれ以上大事な仲間を失いたくはない」

 

扇のその言葉にアキラは鼻で笑う。

 

「仲間を守るために2人の仲間をスケープゴートにするか」

 

「その仲間を使い捨てたのはゼロのほうだ。彼は皆を騙していたんだ。ギアスなんて卑劣な力で」

 

「そうしないと勝てなかった。だから今の黒の騎士団がある」

 

「お前は肯定するつもりか!?」

 

「ギアスだろうが何だろうが勝てばいい。よく言うだろ勝てば正義負ければ悪。勝って不正義だろうと俺は構わない」

 

「人は、皆はゲームの駒じゃないんだ。生きているんだ」

 

「そうだな……お前の言うことは間違ってない。お前はゼロに勝って黒の騎士団を自分のものにしたんだ。」

 

 

そう言いながらもアキラの目に殺気が帯びており扇の額から一筋の汗が滴り落ちる。

 

 

「もういい。お前に言うことはない。異能生存体をこれ以上野放しにできない」

 

アキラの話をこれ以上聞きたくないと扇は視線を逸らしアキラは後ろに控えていたカレンと目が合いブリタニアの兵士に連れて行かれる。

視線の先には微笑みアキラを待ち構えるシュナイゼルがいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルハウンドをとともに輸送機で基地から脱走したエリスはバーネット兄妹から聞き出した情報でアキラがシュナイゼルによって拘束されておりシャルルが神根島にいる。

 

エリスはシュナイゼルの動向を探りながら行動を開始しようとした。

 

(カレン、お前も必ずアキラの傍にいる。必ずお前を……!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュナイゼルのアヴァロンに乗り込んだアキラを待ち構えていたのはスザク、特派達であった。

 

「アキラ……殿下、流崎アキラはどのような目的で?昨日殿下が申した事と関係が?」

 

「そんなところかな。異能生存体であれば皇帝の暗殺は確実に実現できる」

 

「待ってください。自分に皇帝陛下暗殺をご命じ下さい!」

 

「変わったな……。少し前ならそんなこと言わなかったのだが」

 

「アキラ、今までの僕が甘かった。自分が大事にしていたのは理想や美学だったのではないかと。あぁその通りだ。人を殺めるというのが自分の業ならば認めよう。必要なものは結果だ」

 

 

「スザク君、きみは言ったねナイトオブワンになりたいと。流崎アキラ、彼がいればそれは確実になれる。僕はそう確信できるけど」

 

「………では」

 

「あぁ、私が皇帝になるよ。それなら問題はないだろう?」

 

一同がざわつく中1人冷静にアキラは受け止めていた。

 

「それで俺は何をすればいい?」

 

「君にはスザク君と共に神根島に行ってもらおう。皇帝はそこにいるはずだ。おそらく井ノ本寛司も一緒にだ」

 

「井ノ本……」

 

その時、カノンがシュナイゼルに耳打ちし何かを伝えるとシュナイゼルは微笑み、アキラのほうを見る。

 

「軍の脱走者が現れたみたいだ。陽炎の基地からパーフェクトソルジャーがKMFと輸送機を奪い脱走して現在消息不明のようだ」

 

「……っ!」

 

 

「出すつもりはなかったけど予定変更だね。君にKMFを用意しよう。来てくれ。」

 

シュナイゼル達を追いアキラはついて行く。

格納庫へ着くと先日のフレイヤにより半壊したKMFが転がっておりまともなKMFはないようにも見えるが隅にあるシーツに隠れたKMF1機あった。

 

シーツをおろしその姿を露にし全員が目を丸くした。

KMFのようなスマートな体型ではなくずんぐりとした姿で手足と大きく露にしているコックピット、そして禍々しいまでに漆黒のカラーリングがこの機体の不気味さを出していた。

 

「これ……KMFなの?ガニメデに見えなくないけど……」

 

特派のロイドも見たことのないKMFに好奇心より得体の知られないものに対する気味悪さを感じていた。

 

「うん……KMFかもしれないがそうじゃないかもしれない」

 

「……どういうことだ?」

 

「これは遺跡から発掘されたもの。要するにこれは遺物だ。」

 

「遺物!?これが!?」

 

 

スザクは信じられずにいるがシュナイゼルは更に続ける。

 

「このKMFは発掘された地質を調べると年代にすると約300年前だとされる。遺跡を調査した結果このKMFはレグジオネータと言われていたみたいだ」

 

「300年前!?そんな昔からKMF!?バカな!!」

 

「だがねスザク君、このKMFは動かせるんだよ」

 

「へぇ~、この遺物がねぇ~。どういった動力で?」

 

この機体は動くと聞きロイドは興味を示すが

 

「それがわからないだ」

 

「………はい?」

 

シュナイゼルの返答にロイドは呆気にとられる。

 

「エナジーフィラーで稼動する以外は何もわからない」

 

「そんなわけないでしょ。殿下、この機体のテストをしているでしょ?」

 

そう言うロイドにカノンはあるファイルを渡す。

 

「今までのレグジオネータのテストの詳細が記されている」

 

「模擬戦の事故によりテストパイロット2人死亡……!? それにより機体の解析できず…!?そんなっ」

 

このテストの結果にセシルは言葉を失う。アキラは黙ってレグジオネータをジッと見つめる。

 

「………俺は3人目のテストパイロットってところか」

 

「皇帝の傍にはナイトオブワン、ビスマルクがいる。彼が皇帝を守っているはず」

 

 

アキラはレグジオネータのコックピットを開き周りを見るがコックピットの内部は従来のKMFを大差はなかった。

 

「しばらくコイツをあたらせてもらう。コイツに武器は?」

 

「ここにあるもの好きなだけ使うといい、僕が許可をする。もっとも監視付だがね」

 

 

 

スザクはまた何かが起こるのではないかと恐怖した。

 

(エリスは必ずアキラを追い神根島へと来るはずだ。以前あそこで謎の現象に遭遇した。またあそこで何かが起こるのか?今、現在も異能生存体によって引き起こされた事だと言うのか!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輸送機を隠し軍、黒の騎士団の無線を傍受しながらエリスは近況を調べていた。

 

「皇帝陛下が神根島へ?シュナイゼル殿下も同じ場所へ……アキラは殿下と共にいる……」

 

エリスはすぐに発進しようと準備するがふと何故軍を抜けてまでこんなことをしているのか自分でも理解できずにいた。

 

アキラがいるからか……アキラの存在が私を乱す。だがそんな彼に自分が惹かれている。

 

軍を抜けた今、もう後戻りはできない。エリスはレバーを引き輸送機を発進させる。

 

 

 

 

 

 

 

神根島付近まで到着しアキラとスザクは小型機にて神根島へと上陸をしようとした。

その中で2人は無言のままでいた。トウキョウにて死闘を繰り広げていた相手が隣にいる。この奇妙な空間に操縦してあるスザクの傍には長身の剣、腕を組んで隣に座るアキラの腰のホルスターにはショットガンには弾が既に装填してある。

互いに何か不審な事を起こせば……この一触即発の中海岸へと小型機を着地させた後スザクが口を開く。

 

 

「アキラ、君は手を出すな。皇帝は僕が直接討つ」

 

「……出世のためか」

 

「何とでも言ってくれても構わない」

 

「……なに望もうがお前の自由だ。だから俺のほうも好き勝手やらせてもらう」

 

「その時は君を殺す。例え異能生存体であろうが」

 

「………お前もあの男の妄想に取り憑かれたか」

 

「妄想!?だが結果ナナリーは死んだ!!」

 

スザクは傍にあった剣を抜きアキラの首筋に刀身を突きつける。しかし、同時にアキラはスザクの胸元にショットガンを突きつける。

 

「俺のせいだと?」

 

「君が起こした現象に僕は抗うことができなかった……」

 

だがアキラは平然とした態度でショットガンを降ろし座席から立ち上がる。

 

「俺は生きる。そのために戦う………それだけだ。だから今ここにいる」

 

アキラは小型機から出るのを見て苦々しい表情をしてスザクは剣を鞘に収める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルルと井ノ本は遺跡の前に並んで立っている。

 

「寛司よ……もうすぐ貴殿と会ってどれくらい経つか……」

 

「長いように感じるがついこの間のようにも思える」

 

「だがもうすぐ終わる。今日から始まる。新しい世界が…」

 

「………嘘のない、そして異端者のいない世界へと…。我々の計画のために大勢の人間を生贄のように捨ててきた。そしてお前はたった1人の兄を…」

 

「兄さんは私に嘘をついた。兄さんも彼らと同じだった」

 

「……そうだな」

 

その時背後から銃声が聞こえ振り返ると剣を構えたスザクと新たに弾を装填するアキラの2人が立っていた。

 

「枢木スザク、流崎アキラ……そうか、シュナイゼルの差し金か?」

 

「自分の意志です。陛下、自分を取り立てて頂いたことには感謝しています。しかし、貴方には2つの罪がある」

 

「ほう?」

 

「一つは王たる責務を放棄したこと。そして、もうひとつはギアスに手を染めたこと」

 

「それが罪だと?」

 

「ギアスは人の悪なるものを引き出します。そう、全てを知る貴方ならユフィのことだって救えたはず。なのに見捨てた」

 

「それがどうした?」

 

「なっ!?」

 

アキラは井ノ本に銃口を向ける。

 

「あんたがシャルルとつるんでるなら死んでもらう」

 

「やはり…お前とは最後までこうなる運命か……」

 

「スザクのようにグダグダ喋るつもりはない。2人共死んでもらう」

 

「できるか?」

 

茂みの中から2機のヒートヘイズが現れた。

 

「くっ! ルルーシュとナナリーの絶望も込めさせて頂きます。覚悟!!」

 

構えた剣を振り下ろしたがスザクの剣を受け止めたのは…

 

「!?ヴァルトシュタイン卿、どうしてここに?」

 

「ナイトオブワンかっ!?」

 

ナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタインがスザクの剣を受け止め立ち塞がる。

 

 

「ギアスのことを知っているのは自分だけだと思っていたか?残念だったな。お前のような裏切り続けの男を誰が信じるというのか」

 

「ビスマルク、俗事は任せる」

 

シャルルと井ノ本は2人に背を向け立ち去ろうとする。

 

「っく、待て!!」

 

アキラとスザクが追おうとするがビスマルク、ヒートヘイズ2機が囲み、2人はジリジリと後退していく。

 

(いけない。僕にかかっている生きろというギアスがここは逃げろと叫んでいる。それほどまでに危険な相手か、ナイトオブワン)

 

「だが弱さは捨てた!!」

 

そしてアキラがビスマルクにショットガンを構える。

 

「そこをどけ」

 

「異能生存体…この世界を狂わす存在。私の手で!!」

 

 

だがその時爆発音がし3人の動きが止まった。見るとブリタニア同士のいざこざが発生しているようだ。

 

「何だ!?」

 

遠方から見える人影を見てアキラとスザクは気づいた。

 

「ルルーシュ!!」

 

やはり来たかとアキラは予想はしていたがスザクは……

 

(ルルーシュ、それは僕の十字架だ)

 

その時、流れ弾がアキラ達を巻き込みアキラは伏せて逃れたがスザクがいた場所が爆発で陥没していた。スザクの姿を探すが見当たらない。

 

敵KMFは自分を狙いシャルルの暗殺が容易ではなくなったと感じたアキラは小型艇へと戻るのであった。

 

「我が名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。マリアンヌ后妃が長子にして、帝国により捨てられし皇子」

 

 

自らのギアスで敵を同士討ちさせルルーシュはシャルルがいる遺跡へと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小型機へと戻ったアキラはレグジオネータを起動させる。アキラが今まで乗ったKMFとは違う不気味な音を鳴らせレグジオネータは立ち上がる。

 

両手にライフルと大型キャノンを手にしアキラはさっきいた遺跡の前までに移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

シュナイゼルのアヴァロンが神根島まで来た時は既に戦闘が始まっていた。

 

「始まったか……さぁアキラ、君はこの戦局をどう転がすかな?」

 

斑鳩もそれに続きカレンは心配そうに神根島を見ていた。

 

「アキラ………」

 

 

 

 

「しかし、殿下も人が悪い」

 

「ん?どういうことかなカノン」

 

「あのKMFレグジオネータ。はじめから流崎アキラに渡すおつもりだったのでしょ?」

 

「ふっふふふ」

 

カノンは1冊のファイルを開く。

 

「殿下は井ノ本寛二が調査している遺跡がまだどこかにあるのではないかとEUや世界各地を調査しある遺跡から発掘されたのがあのKMF。それもブリタニア本国で。これをエリア11のことわざで確か…灯台下暗しっと言うのですか?」

 

「これは父皇帝陛下や井ノ本がまだ発見していない。僕が最初に見つけたものだ」

 

「そしてレグジオネータは異能生存体の手に…」

 

 

「レグジオネータ、あれは持ち主の場所へと帰ってきたといっても過言ではない。あれは…………王を殺す兵器。そう言われている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

混乱している神根島に1機のKMFが現れる。

 

アーニャのモルドレッドが単機で神根島へと侵入した。

 

「この混乱もしかしてルルーシュ?」

 

だが操縦しているアーニャの様子が違う。今は死んだはずのルルーシュの母マリアンヌが意識を支配していた。

 

(ルルーシュ……お前)

 

そして傍にはC.C.がいた。記憶を失くしたはずの彼女であったがマリアンヌと接触したことで記憶が戻ったのだった。

 

「今のうちにシャルルのところへ……ん?」

 

急ぎシャルルのもとへ向おうと味方同士の同士討ちが発生しておりそれに紛れて行こうとするが双方を次々と撃破していく1機の機体を発見する。

 

「あれは…?」

 

KMFとは似ても似つかないレグジオネータが地上にいるサザーランド、上空のブリタニア軍の新世代量産型KMFヴィンセント・ウォードを撃ち落としていく。

 

そしてその銃口はモルドレッドへと向けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全機、敵を遺跡に近づかせるな!例の現象で我々がどこかへ転移されてしまう!!」

 

自身の機体ギャラハットに乗り込みビスマルクは指揮をとるが上空からモルドレッドが姿を現したがその機体の状態は背後に黒煙を出し出力は衰えどうにかフロートシステムで浮いてるように見える。

 

「モルドレッド!?」

 

「ビスマルク!!陣を固めて遺跡を守るのだ!!」

 

普段の彼女と様子が違いビスマルクは怪訝に思った。

 

「何が起こった?」

 

近くにいた味方機が撃ち落され前方を見るとレグジオネータが姿を現しゆっくりとこちらへと近づいてくる。

 

爆炎を背に写るその得体の知らない不気味な姿に見えた………。




ここに来てベルゼルガ物語の主人公と死闘を繰り広げたレグジオネータをだしました。

このレグジオネータが同じ性能なのかどうか次回お楽しみに


それと皆さん扇のこと色々言ってますがまぁ自分の個人的意見ですが遅かれ早かれこういう展開になるだろうなっと思ってたので。実際見たときやっぱりなっと感じました。

では一言いうなら扇はタイミングが悪すぎるww それですねw

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