コードギアスR2 ~去りゆく影~    作:三戦立ち

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だいぶ遅れましたが今年もよろしくお願いします。

今年一発目から急展開です。では


第27話

‐??‐

 

 

謎の施設にいるバトレー、そして行方不明であったコーネリアが地下の神殿のような場所を歩いていた。

 

皇帝シャルルの命令でここへ来たバトレー達であったが突如現れたコーネリアに助けを請うた。

 

 

「彼らは神を殺す。一体どういう事だバトレー。」

 

何の戯言かとコーネリアは頭を傾げる。

 

「何かの比喩表現かとも思いましたが、少なくとも彼らはそう信じています。」

 

「バカな。神など存在するわけがない。」

 

 

「そうだね。」

 

振り向くとV.V.が立っていた。

 

「この世界に神なんているわけない。いたとしても……っ!。」

 

その瞬間コーネリアが投げたナイフがV.V.の額を貫いた。

 

「……コーネリア様。」

 

「どんなギアスを使うかわからぬ。相手が子供といえど、油断はできない」

 

「うぅ…そうだね。さすが音に聞こえたコーネリア皇女殿下。」

 

殺したはずのV.V.がナイフが刺さったままゆったりと立ち上がる。

 

「ボクも叔父として誇りに思うよ。」

 

「……バカな。」

 

「ボクらは誓ったんだ。神を名乗る者なんて殺してしまおうって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

‐エリア11 アッシュフォード学園‐

 

「兄さんと流崎アキラはイケブクロか……。」

 

今、アキラとルルーシュの2人はゲフィオンディスターバーを取り込んだ列車の仕込みでイケブクロの駅ビルにいるのだ。

 

列車の整備にアキラが選ばれたのだがロロはどこか不満の色を浮かべている。

 

(僕のギアスだけじゃなくもしかして兄さんのギアスにも何か影響を及ぼすんじゃないのか?だったらあんな奴を傍に置くよりも…)

 

その時監視カメラに学園の者ではない2人組が潜入していることに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ルルーシュは…。」

 

潜入したジェレミア達であったが高山のほうはまるで興味を示さず別の誰かを捜し求めている。

 

「ふふっ……ルルーシュは眼中に無いか。」

 

目の前に咲世子が現れ立ちふさがる。

 

「何者です!」

 

「どきたまえ。なるべくなら女性は殺したくない。」

 

「私もなるべくなら無駄な殺生は避けたかったのですが。」

 

クナイを構えて咲世子は接近しジェレミアに攻撃するが体に刺さるはずのクナイが弾かれてしまい更に高山が右腕を握り締め咲世子に襲いかかる。

咲世子はジャンプして避けるが振り上げられた高山の拳が地面を破壊した。

 

「機械!?」

 

「ゼロのおかげでな。」

 

高山は左手に着けている手袋を外すと右腕だけであった義手が左腕にも装着され手首が折れ左腕が銃口となり咲世子に向ける。

 

「咲世子!!」

 

反対側からロロが駆けつけ自身のギアスを発動させる。

 

「咲世子、僕がこいつを止めている間に。」

 

「わかりました」

 

動きの止まった2人に近づこうとした時ジェレミアの左目が作動し高山の左腕が動いた。止まったとばかり思っていた咲世子は銃口が自分の目の前に向けられ慌てて体を横へと傾け銃弾に襲われることはなかったがその隙にジェレミアが彼女の背後をとりナイフで咲世子の背中を斬りつける。

 

「そんな僕のギアスが?絶対停止の結界を…。」

 

倒れている咲世子を見て自分のギアスが解除された。こんなのはアキラの時以来だとロロは狼狽える。

 

「お前達に用はない。流崎はどこだ!!」

 

「えっ!?」

 

「流崎…流崎アキラはどこにいる!!」

 

ロロなど眼中にないように高山は叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐イケブクロ‐

 

アキラとルルーシュはゲフィオントレインの仕込みのチェックが終わろうとしていた。

 

「よし、このまま予定通りに。」

 

「なら、帰らせてもらう。とっつあんが仕事でここへ戻って来る。俺は手伝いで港に行くことになった。」

 

「そうか、俺は学園に戻る。」

 

「なんだ、シャーリーの相手か?」

 

茶化すような口調にルルーシュはムッとするが

 

「今はそんな時じゃない。だが全て終われば……。」

 

「全て……か…。」

 

アキラはビルから見える街の風景を見て一言呟く。

 

「あいつには今の方が幸せかもしれないな……。」

 

「アキラ?」

 

アキラから発せられた言葉にルルーシュは聞き返そうとするが

 

「ただの独り言だ忘れてくれ。」

 

「待て、アキラ。」

 

去ろうとするアキラをルルーシュは呼び止める。

 

「お前、いつか言ったな。ゼロの正体を知ったシャーリーにギアスをかけるより殺したほうが最善だったと。」

 

「……。」

 

「もし、シャーリーの記憶が戻ったらお前は彼女を殺すのか?」

 

その問いにアキラは暫く沈黙するがゆっくりと振り返る。

 

「俺達の障害になるのなら。」

 

「っ!!?」

 

この冷酷な一言ににルルーシュに緊張が走る。

 

「お前……」

 

「話はそれだけか。じゃあな。」

 

 

 

あれからいつものアキラに戻ったように見えたルルーシュであったが先程の言葉でアキラは悪名高い陽炎の人間であったと再認識させられた。

もし本当にアキラがシャーリーに銃を向けるのなら自分はアキラにギアスをかけ彼女を守る。それがカレンを悲しませることになろうと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイクを走らせながらアキラは先程自身が口にした言葉を思い出していた。

 

(そんな事すればお前(カレン)は俺を許さないだろうな)

 

すると道を歩くシャーリーとすれ違った。

こんな時に何故彼女と苦い顔をするがシャーリーが行く方向はルルーシュがいる駅のほうであった。何か用事でもあるのかと思ったがアキラは気に留めることはなく港へと行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-陽炎 ヨコハマ基地-

 

(気づけば奴とは既に十数年から……。いや、それ以上に。)

 

井ノ本はカレンとの会話でアキラと、いや異能生存体に出会って既に長い年月が経っていたことに気づかされた。

 

(今でも忘れられない。奴の目を。)

 

 

 

 

昔、崖から投げられ落ちていく赤子の姿を若い井ノ本が崖下から隠れて見ていた。

落ちていく赤子と一瞬目が合った。

命の危機に瀕しているのにも関らず赤子の目は強く井ノ本を睨んでいた。

井ノ本はあの赤子がこのまま死ぬとは思えなかった。落ちていった赤子を井ノ本は見えなくなるまで崖下を見つめていた。

 

 

-彼ら(・・)は僕らの敵。神を名乗り世界を滅ぼす存在-

 

 

シャルル、V.V.から聞いた彼ら(・・)、もしあの赤子がそうなら……

井ノ本の口角が無意識につり上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-イケブクロ 駅ビル-

 

シャーリーは1人イケブクロで不安な表情でいた。

 

(ルルはゼロだった。ヴィレッタ先生は軍人。カレンは黒の騎士団。じゃあニーナは?会長は?リヴァルは?おかしいのは学校だけ?どうしてナナちゃんは総督なの? ライくんっ!?そうだライくんも黒の騎士団で本当の名前は流崎アキラ…。何が嘘で何が本当なの?)

 

突如、蘇った記憶にシャーリーは混乱に喫していた。背後から声をかけられビクッと体が震えた。

 

「僕だよ。どうしたの?急に呼び出して。」

 

そう、シャーリーはスザクを呼び出し真実を聞こうとしたのだった。

 

「スザクくん、あのね……「シャーリー!?」 えっ!?」

 

声があったほうを見ると驚いた表情のルルーシュがいた。

 

思いがけない出会いに3人は困惑の色を隠せなかった。

 

 

 

 

 

 

-オダイバ-

 

 

「帰ってきたー!! ニッポン、私の故郷!! 」

 

港に着いてから同行してきた千鶴はかなり興奮しており喜びを抑えきれずにいた。

 

「ったく、ガキじゃあるまい。はしゃぎやがって。」

 

「これで全部か?」

 

「おうアキラ、すまねぇな。」

 

坂口は武器、弾薬をエリア11へ密輸する以来を黒の騎士団から受けゼロが掌握してあるチバの港へと入ってきたのだった。

 

「まぁ、無理もねぇか。踏めねぇって思ってた故郷の土を踏めたんだ。あいつのあの顔を見れて悪い気分じゃねぇな。」

 

「なんだ、まるで親父の面ようだな。」

 

アキラからそう言われ坂口は恥ずかしさを誤魔化すように頬に手を当てる仕草をする。

 

「その……なんだ。千鶴の事なんだがよ……。」

 

「??」

 

「仕事が落ち着いたらあいつを養子にしようと思うんだ。」

 

「あいつを?」

 

「あいつ、仕事を覚えるのも早くて取引相手からも評判よくてな。俺も一緒に暮らしてよあいつに色々世話になってよ。酒は飲みすぎるなっとか洗濯はしたのかスーツにしわがついてるとか。」

 

そう文句を言うが坂口の頬が緩み嬉しそうに見える。

 

「その、一緒にいて……情がわいたっと言うか。死んだあいつの親の代わりになんてカッコは俺には向いてないけどよ。」

 

「その事あいつに言ったのか?」

 

「いやぁ、何度も言おうって思うんだがあいつと面を向かうんだがようまく言えなんだよな。」

 

「あいつは何だかんだ言ってお前のことを慕ってる。」

 

「そっそうかぁ。かあぁ~、他の女ならともかくあいつだとどうも調子狂うなぁ。」

 

頭を搔く坂口にアキラは笑みを溢す。その時アキラの携帯が鳴りアキラは携帯をとった。

 

『流崎アキラ!』

 

「ロロか…どうした?」

 

『さっき兄さんから聞いたけどお前、今、港にいるのか?』

 

「……そうだ。」

 

『直ぐにイケブクロに戻るんだ!!兄さんが危ない!!』

 

「どういうことだ?」

 

『ジェレミアが生きていた!奴は嚮団の刺客なんだ。僕のギアスが効かずに咲世子がやられて重傷を負った。それともう1人お前を狙っている男も一緒にいる。』

 

「俺を?一体誰だ?」

 

『わからない。とにかく直ぐに戻って兄さんを助けて。僕もこれから向かう!』

 

嚮団からの刺客?ルルーシュだけではなく自分も?事態が理解できずにいるがルルーシュを見殺しにはできない。

 

「とっつあん、悪いが急用ができた。俺は抜ける。」

 

「おっおい、アキラ!?」

 

急ぎアキラは自分のバイクに跨りイケブクロまで戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

-イケブクロ-

 

「ジェレミアが!?刺客とはどういうことだ?」

 

『わからない。流崎アキラにも連絡を入れた。とにかく僕らが行くまで無茶はしないで。』

 

 

ルルーシュはロロからの連絡を切りシャーリーとスザクを見た。

この場でまさか2人と会う事になりシャーリーが取り乱し屋上から落ちようとたところをスザクと協力して彼女を助けた。

 

(まずい、今ここにスザクがいれば…。それにシャーリーが……)

 

「友達からの電話ってわけじゃなさそうだけど……」

 

「ダメだよ、スザク君。私の用事が先でしょ?」

 

シャーリーがスザクの腕を無理矢理引っ張る。

 

「そういえば、2人で待ち合わせしていたんだよな。」

 

「やきもち焼いてくれた?」

 

そう言われルルーシュは苦笑いをする。

 

「さ、行きましょ、スザク君。」

 

「ああ、ちょ、ちょっと。」

 

(ここは戦場になる。シャーリーの安全を考えればスザクと一緒にいるのが一番良いはず…)

 

離れていく2人を見てルルーシュは安堵の色を浮かべる。

 

 

「ジェレミアと一緒にいるもう1人は気になる。アキラは急いでも20分近くはかかるだろう。だが…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、アキラは時間を短縮するためにゲットーの中を通りイケブクロへと入っていった。

ルルーシュと共にいた駅ビルから煙幕が敲き込むのが見え既に事が起こっていると見越してアキラはアクセルに力を入れる。

 

 

 

 

 

 

ビルの中へと入ったジェレミアと高山の前にルルーシュのギアスにかけられた警備員達が立ち塞がったがジェレミアのギアスキャンセラーによりギアスを解かれ1人を当身で気絶させたが高山は右腕でもう1人の首を握り持ち上げ力をこめ窒息死させた。

 

その様子をルルーシュは上階から見ていた。

 

(やはりジェレミア、ギアスを解除させる能力、もう1人もおそらく同じ。日本人のようだが……)

 

ジェレミア達と目が合いルルーシュは準備にかかろうとした時アキラからの連絡がきた。

 

『俺だ。今ビルの前だ。』

 

「間に合ったな、敵は2人。アキラ、敵を殺したくない。例のところへおびき寄せる、手伝ってくれ。」

 

 

『わかった。』

 

アキラは懐にハンドガンを1丁の他今用意できる武器、そしてショットガンを構え周囲を注意しながらアキラはビルの中へと入り上階へと駆け上がるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スザクから避難を促され駅の外にいたシャーリーであったが少し離れた所にアキラがいるのを見つけた。

 

「ライくん!?」

 

駅の中へ入るのを見てルルーシュに会いに行くのではと思った。

 

(ルルと一緒に戦うために?)

 

「シャーリーさんですね。ナイトオブセブンからの要請であなたの護衛を…。」

 

シャーリーは兵士の制止を振り切り駅の中へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルーシュを追うジェレミアと高山。2人は走るルルーシュが途中もう1人誰かと合流しているのを改造を施された体の機能の1つ眼球で確認できた。

 

「もう1人?まさか!」

 

「流崎アキラ!!」

 

高山は懐から2つに割れたライフルを組み合わせ銃身の長い大型ライフルへと変え持って走りだした。

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

ルルーシュと共に走るアキラは悪寒を感じた。

 

「伏せろ!!」

 

ルルーシュの背中を押し2人で伏せると壁が破壊され複数の銃弾が撃ち込まれ瓦礫の破片が2人に落ちる。

 

「オレンジかっ!?」

 

アキラは立ち上がり開いた穴から覗くのだがいくつの壁を突き抜けここへたどり着いているのを見て敵は特殊な対物ライフルであろうと推測した。

 

穴から見える人影からまた自分たちを狙っているのを見てアキラは走り出した。

 

「また撃たれる。走れ!!」

 

アキラに続きルルーシュも走りだし2人がいた場所は銃弾による風穴が開いた。

 

 

 

 

 

「2人は生きてる。このまま駅のホームに向かうつもりだ。」

 

「では行くとするか。」

 

かなりの重量であるはずの大型ライフルを肩に背負い高山はアキラを狙い歩みジェレミアもそれに続く。

 

 

 

 

 

「ルルーシュ、このままだと奴等を罠に嵌める前にやられる。俺が1人を相手にする。お前はジェレミアを頼む。」

 

「何?」

 

ルルーシュの意見を聞かずアキラはホルスターから愛用のショットガンを取り出し先程行った道を戻っていくのであった。

 

「あいつ…。」

 

だが体力に自信がない自分がいずれ追いつかれてしまうのは目に見えている。ルルーシュはそのままホームに向かって走っていく。

 

 

 

 

 

人影もいない駅ビルの中銃声だけが鳴り響きシャーリーはビクッと体を震わせる。

 

「今、ルルは戦ってるんだ。ライくんも……。」

 

2人に会って話がしたいその想いを胸に秘めシャーリーは恐怖と戦いながら上階へと上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルーシュを追うジェレミア達に銃弾が襲い掛かってきた。

ジェレミア、高山の肩に命中したが致命傷になった様子はない。

 

「ルルーシュか?」

 

「いや…違うな。」

 

高山は改造された眼球で銃弾が飛んできた場所を見て1人銃を構えている人間がいる。

 

「流崎だ……。」

 

更に1発高山の胸に被弾するが臆する様子はない。

高山はライフルを構えゆっくりと進んでいく。

 

 

「待て、高山。」

 

ジェレミアは呼び止めようとしたが走るルルーシュを見つけた。

 

「ちっ、仕方が無い。」

 

高山にアキラを任せジェレミアは1人ルルーシュを追うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「直撃はしたはず、何故!?」

 

アキラは影でハッキリと相手の顔は見えなかったが銃弾が届く範囲で撃ったはずが敵は何事の無いようにこちらへ近づいてくる。身を隠し周囲を警戒しルルーシュから更に離れようと身を出した時シャーリーが階段からこちらの階へ上がる姿が見て困惑の色を浮かべる。

 

何故彼女が?っとアキラはシャーリーを巻き込まないよう別方向へと行こうと走り近くに敵がいないか壁を背に向け様子を伺ったとき自分の顔の真横の壁が破壊されアキラは驚き壁から離れようとした時風穴から金属の腕が現れた。壁を破壊し姿が露にする。

アキラはショットガンを構え警戒するが姿を現した敵にアキラは呆然とした。

 

 

「たか……やま…?」

 

全身を小汚いマントで身を隠し左目を鳥の羽をモチーフにした装飾で隠してある。

 

「1年ぶりだな。流崎。」

 

「お前は死んだ……。」

 

「そうだ。」

 

高山はマントを脱ぎ捨ててその体を露にしアキラは息を飲んだ。

高山の体が殆ど金属で覆われ右腕だけであった義手も左腕にも装着されある。

 

「私はお前に殺された。こんな体になってまで生きるのを選んだのは流崎、お前を殺すためだ!」

 

「お前を改造したのは誰だ?嚮団の連中、V.V.か!?」

 

 

「お前には関係ない。」

 

 

アキラはショットガンを撃ちその威力に高山の体が仰け反るが銃弾は貫通せず弾は途中で止まり体にめり込んだ。

 

「っ!?」

 

「さすがにこの距離からだと危ういな。だがっ!!」

 

高山は肩に背負った大型ライフルを構えアキラに銃口を向ける。

アキラは急ぎ距離をとり階段のある通路へと行く。銃弾が襲いながらもアキラは足早に階段を降りてゆく。

アキラを追い高山も階段を降りていく。

 

 

 

 

 

ルルーシュを追ってジェレミアは駅のホームで対峙した。

 

「逃がしはしない。」

 

「機械の身体。ギアスキャンセラー。…執念は一流だな、オレンジ君。」

 

「執念ではない。これは忠義。」

 

ジェレミアは体に装着してある剣を翳しルルーシュへ近づこうとする。

 

「気に入らないな。あの皇帝のどこに忠節を尽くす価値がある。」

 

ルルーシュは持っていたスイッチを押し隣接してある電車が展開され電磁波のようなものが発生しジェレミアの動きが止まった。

 

「な、に…?ゲフィオンディスターバー!?」

 

「よく勉強しているじゃないか。ならばわかるだろう?サクラダイトに干渉するこのシステムが完成すれば、環状線の都市機能全て麻痺させられる。つまり、トウキョウが静止する。ありがとう。君は良いテストケースとなった。」

 

「さぁ、話してもらおう。嚮団の位置を。V.V.の居場所を。」

 

「話すのはそちらのほうだ」

 

「何?」ルルーシュ

 

「私には理由がある。忠義を貫く覚悟が、確かめなければならぬ真実が!」

 

「バカな!!動けるはずがない。」

 

目からも出血しながらもジェレミアはゆっくりとルルーシュに近づこうとする。

 

「ルルーシュよ。お前は何故ゼロを演じ、祖国ブリタニアを、実の父親を敵にまわす?」

 

「……俺がルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだからだ!!俺の父、ブリタニア皇帝は母さんを見殺しにした。そのためにナナリーは目と足を奪われ、俺達の未来まで…」

 

その言葉を聞きジェレミアは穏やかな表情になった。

 

「ルルーシュ様。貴方がゼロとなったのはやはりマリアンヌ様のためであったのですね」

 

「っ!?」

 

「初任務でした。敬愛するマリアンヌ后妃の護衛」

 

「あそこにいたのか……」

 

「しかし、私は守れなかった。忠義を果たせなかったのです」

 

「…お前は俺を殺しに来たのではなく」

 

「私の主君はV.V.ではなくマリアンヌ様……。あなたのその言葉を聞けただけで私は満足です。」

 

「待てジェレミア卿」

 

ルルーシュは装置を止めジェレミアに駆け寄った。

 

「ジェレミア・ゴットバルトよ。貴公の忠節はまだ終わっていないはず。そうだな?」

 

「イエス、ユアマジェスティ」

 

「そうか…ならもう俺たちが争うこと無い。」

 

 

「そうです……今から…っ!? 高山!!そうだ、奴がまだ!!」

 

安堵の表情を浮かべていたジェレミアは険しい表情へと変わり傷ついた体を起こす。

 

「お前と一緒にいた男か?」

 

「高山昌克、陽炎にいた人間で1年前、流崎アキラとの戦いで重症を負っていたところをV.V.が回収し私のように体を。」

 

「だとすると高山の狙いは俺ではなく。」

 

「流崎アキラです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、シャーリーはルルーシュとアキラを捜し求めビルの中を彷徨っていた。

 

「どこなの?ルル……ライくん」

 

彼女前に物陰から遅れて来たロロと鉢合わせた。

 

「シャーリーさん!?」

 

いるはずのない彼女にロロは驚きを隠せない。

 

「答えてロロ、あなたはルルが好き?…私はルルが好き。あなたは?」

 

「……好きだよ。たった一人の兄さんだもの」

 

「あなたは味方なのね、ルルの」

 

「え?」

 

「お願い!私も仲間に入れて。私もルルを守りたいの。ライくんもカレンのために戦ってる。」

 

「……っ!?」

 

この時ロロは気づいた。シャーリーにかけたギアスが解けたことに。

 

「取り戻してあげたいの、ルルの幸せを。妹のナナちゃんだって一緒にっ」

 

ナナリーの名前が出てロロに殺意が芽生え左目に紋章が浮かび上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒ぎで無人となった地下鉄のホームでは銃声が大きく鳴り響いている。

アキラは高山の追撃から逃れながら改札口に身を隠し高山の出方を伺う。

 

何故高山があんな姿に?思いがけない形で高山との再会にアキラは困惑の色を隠せなかった。

今ある武器はショットガンの他ハンドガン、スタングレネード1つだけで心許無い。

 

カッカッカっと高山の足音が近づくのを聞こえアキラは姿が見えるのを待ち構えたが高山が先にライフルでアキラを狙い撃ってきた。

 

アキラは自分の位置が高山に知らされていると感じ体を転がし改札口から離れた。

 

「隠れても無駄だ。」

 

身を晒した高山にアキラはショットガンを撃つ。ライフルを持っていた左腕を狙い命中し左手の一部が破壊されライフルが弾き飛ばされた。

 

「……っち。」

 

高山は左手首を外し手首から鉤爪のような金属が現れた。高山はアキラに接近しようと走り出した。

 

アキラは背後へ身を投げ回避するが両者を隔ててあった鉄柵が高山の鉤爪によって引き裂かれるように破壊された。

 

ホームへと逃げたアキラは何か手立てがないか周りを模索するが背後から殺気を感じ振り返ると高山の鉤爪が襲い掛かり背中が斬られてしまった。

 

「っく。」

 

幸い背中は僅かに斬られただけで致命傷にはならなかった。アキラは騒ぎで無人となった電車に乗り込み高山も後に続きゆっくりとアキラに近づく。

 

「私はこの時を待っていた。私だけではない、閣下を狂わせたお前をこの手でっ!!」

 

高山は左腕の鉤爪を振り下ろす。アキラは右往左往と避けるが電車の運転席前まで追い詰められた。これまでかと思ったがアキラは運転席を見てあることを思いついた。

 

「死ねっ!!」

 

高山が襲いかかろうとした時アキラは懐から閃光弾を投げ辺りが眩い光に覆われた。

 

「うおぉ!?」

 

高山は一瞬、視界と聴力を奪われしまい視界が戻った時はアキラの姿は見えなかった。

 

「奴は……っ!?」

 

突如、電車の中の灯かりがつき動かないはずの電車の扉が閉め出された。

そしてゆっくりと前へと進みだした。

 

高山は運転席を見るが誰もいない。それどころか操縦系統が破壊され制御できなくなっている。もしやっと高山はホームのほうを見るとこちらを睨むアキラがいた。

 

高山の視界を奪った隙にアキラは電車を作動させたのだった。

 

今の状態で戦い続けるのは得策ではないと感じアキラは高山との決着はまたの機会とし今はルルーシュを助けに戻らなければと高山に背を向けた瞬間右肩に激痛が走った。

 

鉤爪を扉の割れ目から無理矢理突き扉越しからアキラの右肩へと突き刺したのだった。

 

「くうっ!!」

 

電車はスピードが上がりだし残り十数mでホームは途切れ刺さったままのアキラが壁に激突してしまう。

 

アキラは引き抜こうとするが体に食い込み外れない。電車に引き吊られての状態では思うように体に力が入らない。

残り数m、アキラは持っていたショットガンを鉤爪に撃ち鉤爪は破壊されその衝撃で転倒する。

 

 

アキラは起き上がり電車の行った先を見た。

制御不能となった電車は線路から脱線しどこかへ激突するはず。とにかくここで長居するのは危険だ。

アキラは肩に突き刺さった鉤爪の破片を外し抑えながら地上へと向かうのであった。

 

地上へと戻りルルーシュと合流しようとホームへと向かう途中アキラはロロの後姿を見かけた。

 

「ルルーシュと会ったか?」

 

ロロはビクッと体を揺らし体をこちらへ向ける。ロロを見ると彼の右手にはナイフを持っている。

そしてロロの傍に横たわっていたのは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルーシュはアキラと合流しようと別れた場所へと向かっていた。通信も通じず探し回るが偶然ロロを発見する。

 

「あっ兄さん無事だったんだ。」

 

「ロロ、何があったんだ?それに……」

 

ロロの傍には大量の血痕があり誰かのものだと思われる。

 

「うんそれが……シャーリーがここに来て。」

 

「何だって!?」

 

「それが彼女、記憶が戻ってたんだ。」

 

「シャーリーが……!?」

 

遡れば今日のシャーリーの様子は少し違っていた。ロロの言うとおりもし記憶が戻っていたとすれば…。

 

「待て!!じゃあこの血痕は……。」

 

「うん、兄さんを守るために。」

 

それを聞きルルーシュは絶望感に襲われた。

 

(死んだ……?シャーリーが……?)

 

ルルーシュはロロに悟られないよう平静を装った。

 

「よくやってくれた。お前がいなかったら俺の秘密がみんなにバレるところだった。それでシャーリーの遺体は?」

 

「うん、それが彼女に止めを刺したのは僕じゃないんだ。」

 

「えっ!?」

 

「シャーリーを殺したのは……………」

 

 

 

 

流崎アキラだよ

 

 

 

 

 

 




まさかのシャーリーを殺したのはアキラ?

この展開がどうなるか?今年からはかなりオリジナル展開をしていくつもりです。


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