コードギアスR2 ~去りゆく影~    作:三戦立ち

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少し遅くなりました。

唐突ですが第二部完結です。


第20話

パァン!

 

戻ってきたアキラにカレンが間髪容れずに彼の頬を叩き格納庫で乾いた音が響く。

 

「何で叩かれたかわかるでしょ……!」

 

「………。」

 

静かに黙ったままのアキラにカレンは静かに口を開く。

 

「………零番隊隊長として命令するわ。流崎アキラ、次の作戦があるまで営倉へ入りなさい!」

 

「…………。」

 

アキラは黙ったまま営倉がある潜水艦の奥へといった。

 

「おいカレン、ちょっとやりすぎじゃないのか。彼は俺達を……。」

 

「扇さん、私あいつを私の部隊に入れる時言いましたよね。もしアキラに不審な行動が見られた時は隊長である私が処罰すると。」

 

「だが……。」

 

「どんな事だろうとまたあいつは勝手な行動しました。私は……。」

 

「厳しいなぁ、まさに赤鬼か?」

 

場を和らげようとした玉城であったがキッとカレンに睨まれ逆に油を注ぐ結果となり慌てて玉城は話を変えようとした。

 

「けっけど今更だがよ。あいつもすげぇよな。この前はグロースター、そんでポートマンだぜ。よくまぁ器用よく何でも乗れるなぁ。さすが陽炎だったことあるなぁ。」

 

「っ違う!!」

 

玉城から陽炎の言葉が出てカレンは格納庫に響き渡るような大きな声を叫んだ。

 

「あいつは……そんなんじゃない……!」

 

皆が唖然とする中、まるで自分に言い聞かせるようにカレンは格納庫をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐??‐

 

まるで王宮の間を思い起こさせるようなば場所にV.V.は1人ある1冊の書物を手にしていた。

 

「流崎アキラ……。」

 

V.V.は書物のあるページをめくる。そこにはある塔の前に4、5人の人間が立って

いる壁画の写真が載せられていた。

 

V.V.は自分の首の横を軽く触れる。首には傷跡のようなものはないがV.V.は不快な表情を浮かべている。

 

「シャルル、僕らに時間はないよ。」

 

 

‐断崖絶壁の崖の上に十数人の人間が集まりその中心にV.V.がいる。彼はバスケットを両手に持ってるがバスケットの中には小さな赤ん坊が1人眠っておりと何故か鉛の重りを入れている。

 

V.V.は神妙は面持ちで崖下近づこうとするが突然突風が噴きと先端が鋭利になった石がV.V.の首筋を切り裂き彼の首から鮮血がほとばしり膝をついた。

うしろで見守っていた人達が駆け寄ろうとするがV.V.は立ち上がり首筋の傷口はゆっくりと塞がっていく。崖下へと辿り着き、両腕をかざしゆっくりと手を離した。落ちていくバスケットの中にいる赤ん坊を見ると赤ん坊は目を見開きV.V.を睨みつづけ、V.V.は全身がぞくぞくとするような悪寒を覚え赤ん坊が見えなくなるまで崖下を見つめていた。‐

 

 

「彼の力が目覚める前に計画を実行しないと僕らは殺される。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐アッシュフォード学園‐

 

ルルーシュはミレイ達生徒会の皆と活動を行っていたが途中、シャーリーがカレンを助けることができないかとスザクに相談した。

 

「ほら司法取引ってあるじゃん。そういうのでさ。」

 

リヴァルもカレンの事が気がかりであったがスザクは困った表情をしている。

 

「世界平和ってのもわかるけど、家族や友達だって大事だろ?総督とかに相談できないかな?この前の電話みたいに俺が…。」

 

「ええ!??ルル、話したことあるの?」

 

「いや。歓迎会の夜にさ、何か別人に間違われちゃって…。」

 

その時、放送部の部員2人がやってきた。

 

「あの~すみません。この機材が壊れちゃって……。」

 

「あぁ~、これ結構古い物だったからもう新品買わないといけないか。スザク君ならこれ直せない?」

 

「……型が古いですから直せるかどうか……。」

 

「スザク君ならできると思ったけどなぁ。」

 

「そっそうですね。」

 

スザクはどこか歯切れが悪く答えミレイは溜息を吐いた。

 

「わかった。じゃあ機材のほうは用意するから心配しないで。」

 

放送部の2人が帰りミレイは頭を抱えた。

 

「仕方ないけど予想外の出費ね。」

 

「機械に強い人がいてくれたらよかったですけど……。」

 

「俺もバイクなら任せてくれって言えるけど…。」

 

ミレイ達の会話を聞きルルーシュは前にアキラが機材の修理をしてくれたことを思い出した。

 

(アキラ……お前は無様になってでも戦わないといけないと俺に言ったな。ならお前は何故戦う? カレンのためか? お前の存在を消されたここへ戻るためか? 戦わなければ勝ち取れないっか…………。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはルルーシュが機密情報局を掌握した数日後アキラは深夜、アッシュフォード学園にてヴィレッタと対面していた。

 

機情の司令部にてルルーシュ、ロロが見守る中アキラはヴィレッタを睨み彼女は目を逸らし冷汗をが額から流れる。

 

「流崎アキラ、前に僕が言ったろ。僕は命令を受けただけでお前を狙う理由は聞かされてない。それは彼女達もそうだ。学園の皆の記憶にお前の存在を消した事はお前が学園に接触した場合を考えてのことだ。」

 

「お前に聞いてない。それにお前は言う事は信用できない。」

 

ロロはそう言われキッとアキラを睨んだがアキラは構うことなくヴィレッタから目を離さない。

 

 

「………ルルーシュはお前にギアスを使ったと聞く。だから俺のやり方で聞かせてもらう。」

 

ヴィレッタは服の裾を強く握った。

 

「拷問か、ふんっ!お前達らしいやり方だな。レッド・ショルダー。」

 

強がりなのか不敵な笑みを浮かべるヴィレッタにアキラは僅かに眉をピクッと動いた。

 

「こうやって尋問と評してどれだけ我々の仲間を殺した!」

 

「…………。」

 

「敵だけでなく味方の死肉を喰らう悪魔共が!」

 

次の瞬間アキラはヴィレッタの腹部に強烈な拳を叩き込んだ。

ヴィレッタは腹部を抑え倒れた。更に追い討ちをかけるように倒れたヴィレッタに蹴りを入れたアキラはホルスターからショットガンを取り出しこん棒のように持ち彼女へ殴ろうとした時背後からルルーシュによって羽交い絞めされた。

 

「おっおい!よせアキラ!今殺せばスザクから感づかれてしまう。」

 

抑えているものの力がないルルーシュはいとも簡単に払われたがアキラは一呼吸をしそのまま司令部から出て行った。その時の表情は見えなかったが簡単に声をかけることはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(普段のあいつならあんな暴力的なことは行わない。何だ……? 陽炎の話は今にはじまったことじゃない。あいつに何か変化が……?)

 

 

僅かであるが触れてはいけないアキラの別の一面を見てしまったとルルーシュは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トウキョウ租界の政庁中心部にある、防音構造の壁に囲まれた一室でスザク、ジノ、アーニャラウンズ3名、ロイド特派、ナナリーの補佐役のローマイヤ達が集まっている。これからゼロとの極秘会談が行われようとしている。

 

「さぁて、穏便に終わるのかそれとも……。」

 

スザクの隣でジノは今か今かと待っている。

 

「そういえばスザク、お前あの黒の騎士団の赤いKMF紅蓮だっけ?あのKMFパイロットと知り合いだったな?」

 

「……あぁ、そうだよ。」

 

「操縦者は紅月カレン……何か興味わいてきたなぁ。」

 

そう言うとスザクの肩に腕を回した。

 

「それと元レッド・ショルダーの人間も…流崎アキラと言ったな?」

 

「奴は鹵獲したグロースターに乗っていた。」

 

「あぁあれが……確かに他の連中とは戦いやら何まで違っていた。 1年前シンジュクの事件で治安警察を1人で壊滅させたレッド・ショルダー、もう一度手合わせしたいものだな。」

 

「最低の騎士、嫌い………。」

 

ジノ、ニーナがそれぞれ陽炎に対してどう思っているのか述べてる中

 

「………まだ始まっていないようですね会談。」

 

エリス、バーネット兄妹、陽炎ヨコハマ基地の司令官 レビン・オーウェンが入ってきた。

 

「おおっと、噂をすれば…。」

 

ジノは陽炎の面々と顔を合わせ苦笑いするがエリスを見て顔色が変わった。

 

「へぇ、キミみたいのがいたなんてな。」

 

ジノからの視線を無視しエリスは口を開くことなくそんな彼女の様子を見てジノは拍子抜けしたような顔をした。

 

「エリス……君も。」

 

スザクとエリス2人は一瞬目を合わせるだけであった。

 

「おっ…始まるみたいだ。」

 

モニターにゼロの姿が映り会談が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒の騎士団の潜水艦にある営倉にアキラは硬いベッドの上で横になっていた。扉のカギをあける音がしアキラは静かに瞳を開いた。

扉の前にいたのはカレンであった。

 

「アキラ、ゼロがあなたを呼んでるわ。」

 

「……ってことは。」

 

「えぇアキラ、処罰を解くわ。」

 

アキラは黙って営倉から出ていく時すれ違いざまカレンが口を開いた。

 

「アキラ……もう無茶しないで。あなた1人で戦っていないのよ。」

 

カレンはアキラの片方の手を強く握った。アキラも言葉には出さなかったが代わりに握られた手を強く握り返しその場から離れていく。カレンはその後姿を黙って見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

部屋に入るとゼロとC.C.が待っていた。

 

「カレンからお灸を据われたようだな。」

 

「あぁ、おかげでいい骨休みになった。」

 

「ふふっ、骨休みか、カレンにとってはムダ骨になったようだな。」

 

C.C.はカレンのムダ働きになったことに愉快に笑った。

 

「それで俺を呼んだってことは何か仕掛けるんだろ?」

 

「あぁ。」

 

ゼロはマスクを外し素顔を露にした。

 

「それでどうする?例の如く行政特区日本を潰す策でも思いついたのか?」

 

「あぁ昨日、ブリタニアと極秘会談を行った。」

 

会談を行ったという意外な流れにアキラは興味を示した。

 

「それでどんな話をした?ナナリー、お前の言うとおり黒の騎士団も行政特区日本に入るから俺だけを見逃して欲しいとでも言ったか?」

 

「……ふふっ、アキラ、お前会談を盗み聞きしてたのか?」

 

「なっ!?」

 

冗談で言ったつもりのはずがルルーシュはホントにそういう会談を行ったらしくアキラは困惑の色を隠せなかった。

 

「本気か!?」

 

「ふっふふふ…。」

 

普段見ないアキラの表情にルルーシュは愉快に笑った。笑われたアキラはからかわれたことに表情を歪める。

 

「前置きはいい。さっさとからくりを教えろ。」

 

「ふっふふ、わかった。」

 

ルルーシュは次に行う戦略をアキラに告げる。アキラはルルーシュの戦略に驚きを浮かべるがいつもの調子に戻ったルルーシュに内心安堵する。

 

部屋を出ようとするアキラにルルーシュは呼び止める。

 

「アキラ、お前は俺に言ったな。無様になってでも戦わないといけないものがあるんじゃないのかと……お前にもあるのか地獄を突き進んで戦わなければいけないものが。」

 

その問いにアキラは振り向くことなくルルーシュと顔を合わせず口を開く。

 

「………その地獄から抜け出そうともがいている奴がいる。俺はあいつを助けたい……。」

 

「………カレンか。」

 

「あいつが戦ってまで自分の居場所を取り戻したいなら俺は共に戦う。あいつが紅月カレンとしていられるために……!」

 

アキラは振り返りルルーシュと視線を合わせる。

 

「ルルーシュ、結局俺とお前同じだな。」

 

自虐気味にそう言うと微笑みアキラは出て行った。

 

「同じか………ふっ。」

 

ルルーシュは苦笑いを浮かべC.C.は黙ってその様子を見つめていた。

 

(愛する者のために自らの手を血で染めるか……アキラ、確かにお前はルルーシュと似た者同士だな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐行政特区日本 野外会場‐

 

式典当日、 進行は、とても静かに執り行われた。集まった百万人の日本人の中にアキラをはじめ黒の騎士団達が紛れ込んでいた。

その中にアキラとカレンが並んで立っていた。

 

「やっぱりっと言うか私達見事に囲まれたみたいね。」

 

いざという時のためか軍が会場を囲むように陣を固めている。

 

「不安か?」

 

「ゼロの作戦には賛成だけど……。」

 

「1年前のようなことは起きない。」

 

「それはわかってる!」

 

カレンはC.C.から1年前の行政特区日本式典で起こった事件の経緯を聞かされていた。

 

だがアキラはその軍の中に陽炎のKMFヒートヘイズの姿があることに懸念していた。

 

(ここに陽炎がいるということはあいつもいるってことか…。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽炎も式典の警護に参加しエリスは百万人いる日本人を凝視している。

 

PSは常人よりも聴力が発達しているためエリスはどこかに黒の騎士団がどこにいるのか探していた。黒の騎士団がいるということはアキラも必ずどこかにいる。エリスはアキラに一目でも会いたい。会ってどうするのかそれは自分でも分からない。だがアキラに会いたい、この衝動を抑えきれない自分もいる。

そんな自分を不気味に感じながらもエリスはアキラの姿を追っている。

 

だがふとエリスはある場所を凝視した。なんて事ない大きな白い山であるがエリスはあの方角に山があったのかと疑問に思ったが新総督ナナリーの挨拶が始まりエリスは視線をステージへと向けた。

 

 

「日本人のみなさん、行政特区日本へようこそ。たくさん集まってくださって、私は今とても嬉しいです。」

 

ナナリーの挨拶から始まった式典であるが誰も歓声もあげることもない閑散としてナナリーの傍にいるスザクには不気味に見える光景であった。それは1年前起こった事件の影響かまだナナリーのことを信用していないようにも見える。ゼロはこの百万人を引き換えに自分を見逃せと極秘会談で要望した。ゼロの国外追放処分を式典当日発表されることになりこれを聞いた日本人達は暴動を起こす恐れがありスザクはそれが一番恐れていることだ。もしそうなれば1年前の再来となってしまう。

 

ゼロがこのまま大人しくしているハズがない。必ずどこかで仕掛けるはずだとスザクは警戒を怠らなかった。

 

 

 

 

 

やがて、ナナリーに代わり、その傍に立っていた補佐役のローマイヤが前に出た。

 

「では、特区日本に参加する者たちに対して、われわれからの処置を発表します。」

 

ローマイヤの実務的な話は続きやがてゼロの処置へと話は移る。

 

「………しかしながら、カラレス前総督の殺害など、指導者の責任は許しがたい。よってエリア特法12条第8項に従い、ゼロだけは国外追放処分とする。」

 

ゼロの処置について読み上げたあと会場は静寂に包まれ誰一人抗議の声をあげようとしなかった。

スザクにはかえって不気味に見えたが

 

「ありがとう。ブリタニアの諸君!」

 

突如、ゼロの声が聞こえスザク達は呆気にとられた。会場に設置してあったモニターには全てゼロが映し出されていた。

 

 

「寛大なるご処置。いたみいる。」

 

スザクははナナリーを庇うように立ち。モニターに映るゼロに言葉をぶつけた。

 

「姿を現せゼロ!」

 

「枢木スザク、君に聞きたいことがある。日本人とは、民族とは何だ?』

 

ゼロとスザクが討論が繰り広げられている間アキラ達はお互いの目を合わせあるスイッチを準備する。

 

事態を見守っていたエリスは民衆の中に不審な行動をしているを見つけ民衆の中に入り駆け寄ろうとした時辺りが白い煙で包まれた。

 

軍は攻撃と見なしライフルを構えようとするがスザクが慌てて止めようとする。

エリスは口元を抑えながら視界が戻るのを待ちしばらくして視界が開けて辺りを見回すと周りにいる人間全員がゼロと同じマスク、服装をしているのだ。

 

 

「全員がゼロの格好を!?」

 

「全てのゼロよ!」

 

本物であると思われるゼロが、会場のゼロに呼びかけた。

 

「ナナリー新総督のご命令だ! 速やかに、国外追放処分を受け入れよ! どこであろうと、 心さえあれば、我らは日本人だ! さぁ、新天地を目指せ!」

 

エリスが先ほど発見した白い山は、一つの島ほどもある巨大な海氷船だった。それは中華連邦の用意したものではあるが、真っすぐに、この行政特区日本の会場に向かっている。民衆はこの海氷船に乗り込もうと向かっていった。

 

「行くぞ。」

 

「えぇ。」

 

ゼロの格好をしてアキラとカレン達は歩みだした。

 

‐行くぞ‐

 

わずかの一言アキラの声がエリスの耳に聞こえエリスは近くにアキラがいるのだと感じ辺りを探した。

 

 

2人はエリスの姿が目の前に現れ緊張が走る。

 

(アキラ…。)

 

(黙って歩け。)

 

3人が横切る瞬間カレンは手首を強く掴まれた。

 

「っ!?」

 

エリスがカレンの手首を離さないよう握り睨んだ。

 

「………。」

 

「………。」

 

周りが歩みを続ける中2人は黙ったまま止まり静寂が包まれる。

 

「……紅月カレン。」

 

「……っ!!」

 

自分の名前を言われカレンはマスクで隠された顔から冷や汗が滴り落ちる。

 

アキラは2人の間に割って入りカレンの手首を掴んでる手を力づくで離した。

 

「………アキラ。」

 

その問いにアキラは黙ったままカレンの肩をやさしく掴み2人はエリスに背を向け歩みだした。

 

「全軍。ゼロを見逃せ……。」

 

この百万人を捕らえるか見逃すかこの式典の責任者でもあるスザクは皆を見逃せと指示をだした。

エリスは黙って2人の背中を見つめていた。

 

 

 

 

 

誰もいなくなった行政特区日本の会場にはカバンや帽子がいたるところに置き忘れられ、エリスはその会場の真ん中1人ぽつんと立っていた。さっきのアキラとカレン、まるで自分など眼中にないように離れていくように見えエリスはある願望が芽生える。アキラ、私を見て欲しい、カレンではなくこの自分を。

 

(何だ…?紅月カレン、お前は私の何なんだ。)

 

カレンに対するドス黒い感情がエリスの心を支配していった。

 

 

 

 

 

 

 

海氷船の甲板に立ちアキラは1人静かに離れていく日本を見つめていた。背後からアキラに近づく1人の人物に気づきアキラは振り向いた。

 

「お久しぶりです。ライ・バートラー様。」

 

「……篠崎咲世子。」

 

そこには学園でルルーシュ、ナナリーの世話をしていた篠崎咲世子がいた。

 

「あんたのことは聞いている。黒の騎士団にいたとはな。」

 

「これからはゼロ、ルルーシュ様のサポートさせていただきます。」

 

「初めて会った時からただの世話役だとは思わなかったが。」

 

咲世子はクスッと微笑んだ。

 

「それは私もあなたに対して同じことを思ってましたよ。流崎アキラ様。」

 

この意外な再会にお互い笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

‐再び日本を離れる。ルルーシュは心さえあれば、我らは日本人だと言った。既に日本人の誇り、心がない俺だがその心を胸に秘め日本人として取り戻したいものがあると願う奴がいる…カレン、お前がその願いを叶えたいというなら俺は………‐

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございました。

唐突に第二部完結といいましたが区切りをうつとしたらこの話がいいかなと思った次第です。

内容は原作通りなのに遅れてしまった申し訳ないです。



第3部からは中華連邦での話がメインとなりますがアキラが相手するのは………

ではまた

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