コードギアスR2 ~去りゆく影~    作:三戦立ち

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4/12 すみません、途中付け加えた箇所があるのでご注意ください。


第15話

-バベルタワー倒壊現場-

 

軍の主導によって生存者、そして遺体の捜索で現場は人で溢れ返っていた。その中バーネット兄妹は基地から応援の隊員達と共に2人でエリスの捜索をしていた。

 

「反応はこの辺りなんだけど……。」

 

2人はパソコンを駆使し捜索をしている中隊員の1人が近くで瓦礫が動いているのに気づいた。気になり近づいて見ると瓦礫の隙間から腕が出て驚いた。

 

「ひ、ひぃ!?」

 

瓦礫を掻き分け這い出るようにエリスは姿を現した。

 

「ぴっ…PSです!PS発見!」

 

それを聞き急ぎ向かった2人が見たのは頭から流血し左腕を押さえながら立っているエリスであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

-中華連邦総領事館-

 

ニュースで総領事館の外の様子を見ていたカレンの前に演説を終えたゼロが戻ってきた。

 

「すごい騒ぎね、ルルーシュ。」

 

「当然だろ?」

 

「えっ!?」

 

ゼロの仮面を脱ぎルルーシュではなくC.C.であった。

 

「自分達の領土の中で突然国ができたんだ。しかも、その国が宣戦布告してきたとあってはな。………何だその顔は?」

 

「いつの間に入れ替わってたの?」

 

「演説の前。」

 

「え?だって……。」

 

「声は録音。現れた時点で既に別人。マジックショーと同じだな。」

 

「気に入らないわね。私達には黙ってそれでアキラを使って……。」

 

「ふっ、なるほどそれで機嫌が悪いのか。残念だったな。文句はルルーシュに言ってくれ。」

 

「……ふん。」

 

カレンはC.C.にそっぽを向くようにまたニュース映像に目を向けた。

 

(アキラ……。)

 

 

 

 

 

-数時間前-

まだブリタニア軍が総領事館に来る直前、領事館の裏門から1人黙って出て行くアキラをカレンが追いかけてきた。

 

「アキラ!どこ行こうっていうの!」

 

「外で動ける奴が1人いないといけない。だから……。」

 

「それでまたあなた1人でっ!!いつもそう!1年前の時も私を置いて1人で戦って……!」

 

「ならどうする?ト部が死んだ今、黒の騎士団の主力はお前1人だ。わかるだろ。」

 

「でも!」

 

アキラはカレンの両手を力強く握り

 

「俺も……。」

 

目が泳ぎ少しぎこちないが言葉を選びながらアキラはカレンに自分の気持ちを伝えようとした。

 

「俺も…お前といたい……。」

 

「アキラ……。」

 

「お互い生きてるんだ。……落ち着いたらゆっくり話そう。…お前と話したい事がある。」

 

カレンは手を一度離しお互いの指が絡むように握り返した。

 

「それは……私も同じよ。」

 

カレンも笑顔で応えたがアキラはカレンと視線を合わせようとせず目線は別の方向を見ていた。

 

「どうしたの?」

 

「……はやく領事館に戻れ。……そんな格好でいつまでいるんだ。」

 

この時カレンは今自分の格好がルルーシュと接触するために着ていたバニーガールの格好のままだと思い出し慌ててアキラに背中を向けた。

ルルーシュの制服の上着を羽織っているとはいえアキラにこの姿を見られたことにカレンは激しく動揺した。

 

「もっもうすぐ軍が来るんだから早く行って!!」

 

止めに来たと思えば今はすぐに行けと言ってる事が真逆だなと思いながらもアキラもカレンに背を向けた。

 

カレンはチラッとアキラの背中を見て一言呟いた。

 

「………できるだけ、早く戻ってね。」

 

「………あぁ。」

 

カレンからは見えなかったがこの時のアキラの顔は綻んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロの演説が各地で流されている中アキラはリヴァルのサイドーカーでルルーシュを乗せアッシュフォード学園の近くまで来ていた。

 

「ここからは俺が運転する。お前と一緒のところを見られたら記憶が戻ったと疑われるからな。」

 

「お前をあそこに置いているということは……。」

 

「まだ推測だがおそらく皆、皇帝のギアスをかけられているだろうな。ナナリーではなくあのロロという奴が俺の弟としている。」

 

「前よりも厄介になったな。」

 

「すぐにカタをつけるさ。そのためにこれがある。」

 

アキラはルルーシュの左目を見た。

 

「まだ暴走したままだったな。」

 

「C.C.が用意してくれたコンタクトで遮断はしてるがな。」

 

ルルーシュはアキラは携帯を渡した。

 

「何かあるときは俺から連絡する。お前のことだからヘマをすることはないだろうが注意してくれ。」

 

「わかった。…だが大丈夫なのか?中華連邦の総領事をギアスで利用してあんなところを合衆国日本だとかぬかしたががいつまでもあそこで睨み合いをするわけにはいかないだろ。」

 

「わかってるそのためにお前には外に出てもらったんだ。流崎、改めて聞くがまた俺と戦ってくれるか?」

 

「………陽炎と決着をつける。そのためにゼロには働いてもらわないとな。お前は俺達を駒として使うんだ。お前だけ楽はさせない。」

 

「利用する者される者お互い様か……。ふっふふ。」

 

2人は不敵な笑みをこぼした。

 

「よろしくな流崎、いやアキラ。」

 

ルルーシュが差し伸べた右手をアキラは握手で返したが

 

「ルルーシュ、最後に言っておく。」

 

アキラは握った手を強く握りルルーシュの手に痛みが激しく伝わった。

 

「今回は2度目が巡ってきたが3度目はないと思え。」

 

「!!」

 

「……じゃあな。」

 

 

(そんなのわかってるアキラ!!ナナリーを救って…今度こそ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-中華連邦総領事館 正門前-

 

正門前では中華連邦の武官の黎 星刻とブリタニアの先程までアキラ達とバベルタワーで戦闘を行っていたKMFが対峙していた。

 

「ブリタニア軍なら既にお帰り頂いた。それともゼロの身内の者か?」

 

「さぁ、どちらなんでしょう。」

 

KMFから降りてきたのはロロであった。

「謎かけは好みではない。」

 

「えぇ、僕もそうですよ。知りたいんです真実を。だから殺しにきました、ゼロを。」

 

ロロの右目が怪しく光る寸前ロロから電子音がし警備兵が警戒したがどうやら携帯の着信音であった。ロロは懐から携帯を取り出し携帯に耳を傾けた。

 

『ロロ、大丈夫か?』

 

「っ!?兄さん?」

 

『よかった。連絡が取れないから心配したんだぞ。無事なんだな?安全なところにいるのか?』

 

(どういうことだ?今演説しているゼロは…別人?)

 

電話の相手がヴィレッタに代わり話を聞いたロロは電話を切りKMFに乗り込んだ。

 

「電話は終わりか、少年。」

 

「…終わったみたいです、いろいろと。」

 

 

 

 

-陽炎 ヨコタ基地-

 

頭に包帯を巻かれベッドに横になっている眠っているエリスの横でドリーとジョディはエリスの経過報告書に目を通していた。

 

「キャンセラーを使ったって事はバベルタワーの中でギアスを使う人間がいたってことね。」

 

「エリスの場合1度使ったら脳に直接負担がかかるから。まぁ脳以外は大きな怪我もないから2、3日安静にしてたら元通りになるさ。けど…誰がギアスを?」

 

「やっぱり……ゼロ?」

 

「一番怪しいのはゼロだろうね。もしくは別の誰か。」

 

「どちらにしろこの子のためにもギアス対策に本腰をいれる時が来たってことね。」

 

 

 

 

 

 

 

-アッシュフォード学園-

 

学園に戻ったルルーシュは自分達の生還記念ということで何故かパーティーの準備をさせられていた。

 

「いや~、けどルルーシュがいて助かったぁ。この手のキャラって生活力ないのが普通なのに。」

 

「会長、これ俺とロロの生還記念パーティーですよね?」

 

「仕方ないでしょ、リヴァルは味音痴だし、もう一人は…。」

 

シャーリーは料理に悪戦苦闘していた。リヴァルはもう1人いないことに気づいた。

 

「あれ、肝心のロロは?」

 

その答えはミレイが代わりに答えた。

 

「声はかけたんだけど…。ほら、兄と違ってナイーブで」

 

「そんなんだから、友達いないんじゃないの?」

 

「おとなしいって言ってあげなよリヴァル。」

 

皆の様子を見てルルーシュは激しい怒りを覚えた。

 

(みんなナナリーのことを覚えていない。いや、妹のナナリーが偽りの弟にすり替わっている。俺の記憶を変えただけではなく、生徒会のみんなまで玩具に…。なんてことをっ!!)

 

だが同時にある疑問も生まれた。

 

「けど料理って言ったらやっぱりカレンの手作り弁当は……。」

 

「ちょっと、リヴァル!」

 

リヴァルは慌てて口を閉じた。

 

「す、すみません…。」

 

「いいのよリヴァル。1年前のブラックリベリオンの時だってあの子私達を傷つけなかったじゃない。優しい子だって私達わかってるから。」

 

「そうですね。でもリヴァルの言うとおりカレンがつくってきたお弁当美味しそうだったな。………あれ?誰かカレンのお弁当食べたことある?」

 

「いや…だって。ん?あれおかしいなぁ?」

 

シャーリーの一言でリヴァル達は頭を傾げた。

 

「カレンって誰かに弁当つくってたよな?」

 

「リヴァルじゃない?じゃあ…ルルーシュ?」

 

「俺じゃないですよ。」

 

「あれ?じゃあ誰だったのかな?」

 

(おかしい、ナナリーと一緒に流崎アキラも。いやあいつの場合、ロロのような替わりがいない。存在そのものが消えている。黒の騎士団絡みならカレンも一緒ならまだわかる。アキラは一兵士に過ぎない。……あの男はアキラのこと知っているとすればあいつは一体何者なんだ?)

 

 

 

その頃ロロは学園の図書室にある隠しエレベーターで降りた先にある地下室へ入ってきた。

ここはルルーシュを監視、C.C.の捕獲を目的としている機密情報局の司令部である。

 

ヴィレッタを含む局員達が先の事件に関する報告を行っていた。

 

「バベルタワーの事件以降、ルルーシュ・ランペルージに特段の変化は見られません。」

 

「……バベルタワーへ潜入したカルタゴ隊の全滅とルルーシュを結びつける情報は今のところ存在しません。」

 

「監視は完璧。ギアスを使う隙間もない。ヤツがゼロなら学校に戻って来るのも妙だし…。だが奴の流崎アキラ。奴がルルーシュと接触しカルタゴ隊と戦闘を行ったことは事実だ。」

 

ヴィレッタからでたアキラの名。機密情報局はルルーシュ、C.C.の2件の他アキラの抹殺も含まれていた。

アキラの名を聞きロロは眉をひそめた。

 

「流崎アキラも事件以降の消息は不明。ルルーシュとの接触もなし。」

 

「ロロ、お前は流崎アキラと会ったみたいだがその時、ルルーシュに何か変化はあったか?」

 

ヴィレッタからの問いにロロは不快な顔を浮かべた。

 

「にい……ルルーシュは特に何も変わってなかったですよ。それより結局C.C.はどこにいるんですか?」

 

「ルルーシュと接触していないとしたら、総領事館にいる可能性は低い。」

 

「つまり、事件前と一緒。…どこにいるかわからない。」

 

「我等、機密情報局はC.C.捕獲と流崎アキラの抹殺の作戦を平行して行う。各員、これまで通り餌の監視を続けよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから3日経ち大きな動きはなくアキラはシンジュクを拠点に裏ルートで武器の調達。情報収集として繁華街へ出歩いたりしている。今日も繁華街に出て大型ビジョンでニュースを見ていると中華連邦総領事館の映像が出て何か変化が起こったのかとアキラは思った。

 

『聞こえるか、ゼロよ。私はコーネリア・リ・ブリタニア皇女が騎士、ギゴルバート・G・P・ギルフォードである。明日15時より国家反逆罪を犯した特1級犯罪者、256名の処刑を行う。」

 

映し出されたのは藤堂、扇をはじめ捕らえられた黒の騎士団達であった。

 

『ゼロよ!貴様が部下の命を惜しむなら、この私と正々堂々と勝負をせよ!』

 

 

このニュースが流れたと同時にアキラの携帯が鳴った。

 

「俺だ。カレン見たか?」

 

『えぇ、でもまだルルーシュから何も……。』

 

「なら、待つんだ。」

 

『えっ!?ちょっと!』

 

「それともお前1人で助けにいくか?」

 

『それは…。』

 

「焦っても仕方がない。明日の15時までにあいつから何か連絡があるだろう。それまで変な気をおこすなよ。」

 

そう言うとアキラは携帯を切り場所を移そうとした時また携帯がなり発信者の名前を見てやはりとアキラは口元をつり上げ電話を出た。

 

 

 

 

数時間後、ルルーシュとシャーリーの2人はヴィレッタの誕生日プレゼントを買いにショッピングセンターまで出掛けた。

 

2人の後を機密情報局の局員、そしてミレイ、リヴァル、ロロがつけていた。

 

(まさか会長達までついてくるなんてな。それにロロも。)

 

シャーリーと携帯ショップへ入店しルルーシュは行動に移した。

店員に書類について聞きたいことがあると言いルルーシュは左目のコンタクトを外した。

 

「お願いしたいことがあるのですが…。」

 

「…はい、なんでしょうか?」

 

ルルーシュは書類にある番号を書いた。

 

「この番号に電話して欲しいのです。あと……。」

 

 

 

 

 

アッシュフォード学園の近くで待機しているアキラの携帯が鳴り相手は聞いたこのない男の声であったがアキラは動じることなく淡々と聞き、会話が終わりアキラはボイスチェンジャーを使いある場所へと電話した。

 

 

 

「ハコダテ租界よりお越しのマクシミリアン様、ハコダテ租界よりお越しのマクシミリアン様、お電話が入っております。」

 

ショッピングセンターに流されたこのアナウンスを衣料店の試着室から聞いたルルーシュは不敵な笑みを浮かべた。

 

(手筈通りにアキラの電話であとは……。)

 

 

 

 

 

先程の電話から約10分後、学園の正門から黒のワンボックスカーが出て行きどこかへ行った。その直後ルルーシュから連絡が来た。

 

『尾行者の1人をギアスで支配した。そいつの嘘の情報でヴィレッタ達が出て行ったはずだ。奴等は図書室の……。』

 

生徒達に見つからないようアキラは身を隠しながら校舎へと入り図書室へと行き本棚に隠してあるボタンを押すと本棚がスライドしエレベーターの扉が現れた。

 

 

 

 

 

ルルーシュの居所がわからなくなりロロは急ぎ学園に戻り地下の機密情報局へと向かった。

 

「兄さんの位置は!?……?」

 

司令部へ入ったロロであったが

 

 

「……誰もいない?………!?」

 

後に誰かいると振り返った瞬間、腕を取られ壁へ打ち付けられた。

 

「お、お前は!?」

 

ロロを組み伏せたのはアキラであった。

 

「ま、まさか…!」

 

「C.C.を探しに行ったんだよ。」

 

銃を構えたルルーシュが姿を現した。

 

「やっぱり、目覚めていたの?」

 

「尾行者を俺の奴隷に、絶対支配下におかせてもらった。やはりお前達はC.C.の捕獲が最優先らしい。たとえ間違った情報でも………ふっふふ。」

 

「ここは指紋認証だったがロックの解除はルルーシュが教えてくれた。」

 

「この鳥篭みたいな学園も、今から俺の自由の城になる。そして、お前はナナリーを探すための駒になってもらう。」

 

ルルーシュがコンタクトを取ろうと手を左目にあてた時アキラに抑えられていたロロが突然姿を消した。

 

「なっ何!?」

 

「っ!?」

 

ルルーシュと抑えていたはずのアキラも困惑した。ルルーシュが持っていた銃は消え、ロロが急にいなくなりバランスを崩したアキラはルルーシュの背後を見て叫んだ。

 

「ルルーシュ!」

 

「っ!!」

 

ルルーシュの背後にまわりルルーシュが持っていた銃を構えたロロがいた。

何故か胸を押さえながらロロはアキラに警告した。

 

「動かないで、動けば撃つ。」

 

銃を向けられながらもルルーシュで冷静であった。

 

「お前のギアスは時を止める能力か?」

 

「答える理由はありません。ボクに与えられた指令は、ルルーシュ・ランペルージに記憶が戻ったなら、ゼロが復活したなら抹殺する。」

 

「…16、17、18。」

 

「何ですか、その数字は?」

 

「お前が現れた時から俺は心の中で時を数えていた。だが、今はその数値がずれている。何故だと思う?」

 

司令部に置かれている監視カメラで先程の様子の一部始終が映し出されていた。

 

「ロロ、お前が止めたのは時間ではない。俺の体感時間だけだ。」

 

「それがわかったところでボクには勝てません。」

 

 

「そうか……なら。」

 

アキラはデジタル式の腕時計のボタンを押し時計のカウントが数えだしロロに見せた。

 

「そのタイマーは?」

 

「ここの司令部に時限爆弾を仕掛けた。お前達を抑えるつもりで仕掛けたがこうなったら仕方がない。」

 

「何だと!?」

 

「ルルーシュを道連れに!?」

 

ルルーシュは驚いた様子でロロもアキラの行動に困惑した。

 

「今の俺達にお前のギアスには勝てない。だったら道連れにして死ぬしかない。これならお前のギアスは効かないからな。」

 

「ハッタリだ!」

 

「……なら俺を殺すなり好きにしろ。それとギアスで起爆スイッチを奪おうとしても無駄だ。この時計には仕掛けがあってな簡単にはタイマーが止まらないようにしてある。」

 

 

(どうすれば? 場所を漏らすようなことは決して……。だからと言って…)

 

「アキラ、待ってくれ!」

 

焦るロロにルルーシュは声を荒げて叫んだ。

 

「アキラ!俺はロロに聞いてもらいたい事があるんだ!ロロ、お前ならわかるはずだ。今俺が死ねば2つとも手に入らないと。」

 

「2つ?」

 

「1つはこの俺を餌に探していたC.C.。俺を見逃してくれたらC.C.を引きずりだしてやろう。」

 

ルルーシュの言葉にロロは目を丸くした。

 

「…売るのか、C.C.を?」

 

「自分の命とは比べられないからな。」

 

「流崎アキラの抹殺も任務に含まれている。」

 

「アキラが生きているのはここにいるお前だけが知っている。他の奴らが知る術はない。」

 

「………もう一つは?」

 

「お前の命。」

 

「……命なんて」

 

「ロロ、未来とは何だ?」

 

「!?」

 

「未来とは希望だ。お前の任務の先に希望はあるのか?C.C.を捕まえることでお前にはどんな未来が開ける?今のままだ、何も変わらない」

 

「これは任務だ。」

 

「俺を殺したら任務は果たせない。アキラ、タイマーを止めてくれ。俺は死ぬわけにはいかない。頼む!」

 

ルルーシュの懇願にアキラは黙って時計のボタンを複数回押しタイマーを止めた。

 

「………俺は何も聞いてないからな。」

 

「心配するな。これが終わればお前の身の安全も保障する。ロロ、C.C.を捕まえたいんだろう?明日、俺がC.C.を引きずり出してやる。それでお前は新しい未来を掴める。大丈夫、嘘は付かないよ、お前にだけは。」

 

「……。」

 

 

図書室に戻ったルルーシュはアキラに問いただした。

 

「アキラ、さっきの……。」

 

「ルルーシュ明日、俺にKMFを用意してくれ。何かあったらまた連絡をくれ。」

 

「あっ……。」

 

アキラはルルーシュを置いて早々に校舎から出て行った。

 

 

 

 

 

-この時のルルーシュとロロは知らなかった。自分達が俺の演出によってステージに立っている役者だと……-




少し中途半端ですが、一先ずここで〆ます。

※アキラ、ルルーシュ、ロロ3人の対峙のシーンに付け加えました。すみません忘れてました。

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