コードギアスR2 ~去りゆく影~    作:三戦立ち

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お待たせしました!

第1部は自分の解釈で話を作るので原作に対して大きな矛盾や生じてしまうかもしれません。

そのため原作とは違う設定になってしまいますが読んでくれたら幸いです。


第一部 サドナ王国
第1話


広大の大地を雪が辺り一面に積もり銀世界が広がっていた。

 

その中を長い列を組んだ列車が雪が積もる鉄道の上を蒸気機関車が煙突から蒸気を出し走っていた。

 

ここはユーラシア大陸の北部を東西に横断するシベリア鉄道。

 

 

機関車の車両には外の風景を堪能できる所では10数人の客がのんびりと旅を楽しんでいた。

 

だが一番最後の車両の中は明かりもなく薄暗く、ところどころに穴が開いておりこの狭い中を20人くらいの人間が椅子もなく地べたに座っていた。

 

暖房器具もなく凍えるような寒さの中白い息を吐き皆この寒さを耐えていた。

 

 

「くそっ! いくら金がないからってこんなところに…。」

 

「でも、タダで乗れるのはこの路線しかないんだ。」

 

「おい、外を見てみろよ。」

 

外では寒い中満足な耐寒服を着用せず外で重労働をしている人間の姿が見える。

 

「ありゃ、俺達と同じ日本人だ。 あそこで微量だがサクラダイトが採掘されたらしいぜ。こっちではヴィーシュナって呼ばれるらしいがな。 あんなもん見たらここはまだマシだぜ。 俺達難民をあぁやってこき使うんだ。」

 

「はぁ…。 日本を出ようが出まいが結局地獄か………。」

 

 

 

-果てなく続く銀世界、凍てつく寒さ。確かにここは地獄だ。 だがブリタニアの追跡から日本を離れて2ヶ月、ここサドナ王国は天国に感じた。-

 

汚れた白い防寒服のフードで顔を隠し流崎 アキラは口から白い息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サドナ王国の首都、ヤールンの駅で降りたアキラはバスに乗り目的地へと向かった。

 

バスに揺られて都市部を離れしばらくして降りた先には軍事基地があった。

 

 

自分以外にも義兵団に入ろうととしてやってきた者達が大勢きていた。

 

「31番、名前は。」

 

「流崎 アキラ。」

 

「では身体検査があるから服を脱いで。」

 

アキラは着ていた防寒服を脱いだ。 

 

「おい、あの格好…」

 

「あの制服、黒の騎士団だろ。」

 

「生き残りがいたのか……。」

 

アキラが着ていた黒の騎士団の制服を見て周りにいた人間がヒソヒソと話しているのを尻目にアキラは身体検査、登録済ませた。

 

義兵団としてこれからの生活、活動等の説明を受けたアキラ達は広場へと集められた。

 

ステージ上から2人の軍人がきた。

 

「今回、お前達の面倒を見る事になるトニー大尉だ。これからサドナ義兵団指揮官トラウトマン将軍から話があるよく聞くように。」

 

顎鬚を伸ばしひょろ長い顔をしたトニー大尉の横には黒いギャリソンキャップをかぶった中年の男性、トラウトマンが前にでた。

 

「君達が志願し来てくれたことに大変嬉しく思う。 サドナ王国がここまで戦えるのは諸君らの勇気をもって志願し戦ってくれているおかげだ。

国を守る為に君達の力が必要だ!」

 

トラウトマンは周りの中にアキラを見つけるとわずかだがニヤリとほくそ笑んだ。アキラもトラウトマンから視線を感じ眉をひそめた。

 

 

その後各自、指定された自分の宿舎の部屋へと入っていった。 

アキラも部屋で休もうと思ったが部屋の中は寒く体が冷えていた。何か暖かいものを飲みたいと思い部屋を出た。

 

長い通路を歩いていると後ろから声をかけられた。

 

 

「おい、あんた。」

 

まわりには自分1人しかおらずアキラは自分に声をかけてきたと思い振り向いた。

 

「おぉ、やっぱりアキラお前だったか!」

 

そこにはサングラスをかけたスーツ姿の中年の日本人男性が立っていた。

 

「坂口!? とっつあんか!」

 

「はっははは!! アキラ、こんなところで会えるなんてな。」

 

サングラスを外し坂口 耕司はアキラの両肩に手を置いた。

 

「黒の騎士団が負けたって聞いたもんだから心配してたんだが無事でよかったぜ。 ここの義兵団に入ったのはどこかで募集したのを見たからだろ。」

 

「まぁな。あんたもなんでここにいるんだ?その様子を見ると羽振りが良さそうだな。」

 

坂口は豪快に笑いアキラの左肩を強く叩いた。

 

「ここで話すのもなんだ。 時間あるだろ、少し付き合えよ。 しかし、よく捕まらずにここまで来れたもんだ。 けっこう激しいみたいだな軍の残党狩りは。」

 

「そうだな。」

 

「だがここサドナ王国はとりあえず日本人を保護する姿勢だからしばらく安心できるぜ。それよりカレンちゃんに会えたか?」

 

坂口の問いにアキラは黙ったままだった。

 

「……そうか、まっあの子のことだ。きっと無事だ。」

 

 

 

2人は敷地の少し外れにある宿舎へと入った。部屋は個室のようだがTV、ソファーなど自分達が使う宿舎に比べるとかなり快適な様子であった。

 

 

「ここは俺がよく使うところでな。 どうだ再会を祝して一杯どうだ?」

 

「…コーヒーでいい。」

 

「はっははは、相変わらずだなお前は、逆に安心するぜ。」

 

しばらくして坂口は熱いコーヒーと酒、グラスを用意しソファーに腰をかけた。

 

「ウォッカ? とっつあんは日本酒じゃなかったのか?」

 

「はははっ! ここじゃあこいつだよ。 こんなところの日本酒なんざ小便な味して不味いんだよ。」

 

ウォッカをグラスに注ぎ坂口はグッと一口飲んだ。

 

「かあぁぁ、やっぱ暖まるな。」

 

「それで……」

 

「おおっと、そうだったな。」

 

坂口はグラスをテーブルに置いた。

 

「ここの国がブリタニアと対立のは知ってるな。奴らが日本を侵攻してユーラシア大陸の北部、東側のEUの一部分を支配しているのは知っていると思うが

このサドナ王国は微量のヴィーシュナが見つかってからブリタニアから目をつけられてしまった。」

 

「それでブリタニアは従属を迫っている訳か。」

 

「そういうこった。 それから一進一退って感じで数年戦ってきたが徹底抗戦を唱えていた国王のマクシム=マトロフが突然、ブリタニアに寝返ったせいで劣勢に立たされたんだ。 」

 

「軍はどうしてるんだ?」

 

「頼りにならねぇよ。 支持が高いマクシムに従った奴らもいるから今はお前のような難民の日本人やこっちに来たEUやブリタニア人を集めて頼りにしてんだ。 今はここの義兵団が主力みたいなもんさ。 だがな……。」

 

坂口は小声でしゃべった。

 

 

「ここの義兵団、 くわしくはわかんねぇが指揮官のトラウトマン、どうも怪しいんだよ。 経歴も一切不明、噂じゃあ元ブリタニアの軍人じゃねぇかって噂だ。 トラウトマンだけじゃねぇ、他の奴等も訳ありな連中ばかりだ。」

 

「それであんたはここでどんな悪事を働いてるんだ?」

 

坂口は大きな笑い声をあげた。

 

「人聞きの悪いこと言うなよ。 裏ルートで手に入れたKMFを軍に売って商売してんだよ。」

 

「あんたも相変わらずだな。」

 

「ははっ、こっちは生きるために必死なんだ。 死の商人って呼ばれようが構わねぇさ。 それと…」

 

 

 

「最近、ブリタニアの中に右肩を赤く染めたKMF部隊が暴れているって噂だ。」

 

「!?」

 

右肩を赤く染めたKMF部隊、アキラは目の色を変えた。

 

 

「お前も元々陽炎だったからな。 ここ数ヶ月陽炎が現れてから形勢が更に良くなってるらしい。」

 

 

「奴らもここに……」

 

 

「まっお前の事だからヘマをするようなことはないだろうけどよ。命を無駄にするなよ。」

 

 

その時、外からサイレンの音が聞こえた。

 

『緊急招集、隊員達は全員、第8倉庫へと集合せよ! 繰り返す……』

 

 

「おっ、どうやら何かあったらしいな。」

 

「そうらしい。」

 

アキラはゆっくりと立ち上がった。

 

「とっつあん、戻ったらまた話そう。」

 

「はっははは、今までそんなこと言うことなかったのによ。 生きて帰ってこいよ。」

 

坂口の宿舎から出たアキラは走り去っていった。

 

-鳴り響くサイレン、どうやら俺は戦いからは離れられないようだ。 ここサドナ王国、で何かが始まる。 そんな予感がした。-




読んでいただきありがとうございました。

読んでおわかりだとおもいますが第1部はボトムズ クメン編をモデルにしてます。

クメンが東南アジア熱帯地方をモデルにしているので自分はあえて真逆の極寒地獄を舞台にしてみようと思いました。

EUを舞台にしようとも考えましたが原作でも描かれていない?ステージでやってみようと思い描いてみました。

まだR2本編まではしばらく入らないと思いますがよろしくお願いします。

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