最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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修学旅行 帰還

 

 

 

 

 

「ふぁ~…朝か…」

眩しい朝日に照らされ起きると、まだ寝ている鬼豪と、ベランダで一服している花川

「……」

時計を見ると6時30分、確か7時から朝食だったな

「おい、起きろ鬼豪」

「ん…?」

「飯の時間になんぞ」

「んだよ、まだ俺は眠いんだよ」

「っせぇ、とっとと起きろ」

「はいはい」

俺に起こされた鬼豪は眠い飯をこすりながら起き上がり

「シャワー浴びてくるからまってろ」

「はやくしろよ」

「はいはい」

そのまま風呂場向かう

「朝風呂はハゲるって言うのに、あいつもよく風呂入るな…」

俺も服を着替えなくてはと、例の鬼とかかれた短ランと龍が描かれたドカンを身につける

「さて…荷物でもまとめてと」

お土産が入った鞄に服を無理やり入れてチャックをしめる

「は~…さっぱりした」

ここで上半身裸の鬼豪が頭をふきながらやってくる

「お前、髪型セットするはらはやくしろよ」

「うるせぇわかっている」

鬼豪は茶髪のオールバック、セットには時間が多少かかっているのを俺は知っている

「高校生のクソガキが一丁前に髪なんぞ染めてセットなんかしやがって」

「お前もんな時代遅れの学ランきてんじゃねぇよ」

「これは先輩から貰ったありがたい奴なんだ、ってかお前も似たようなもんだろ!」

ブレザーに茶色のランチコート…今はオシャレだが中学生の時は金髪のリーゼントでサングラスをかけている、まぁ時代遅れの生きた化石のような奴だった

「うるせぇ、今の不良はオシャレに行くんだよ!」

「わーったからさっさとセットしろボケ」

鬼豪は洗面台へ向かい髪をセットする

「ったく…」

その時間はテレビでも見て時間を潰す、全国配信の朝の情報番組が流れている、まっ、俺は知らないけどね!

「終わったぞ」

「おー、じゃあ行くか」

龍我は外にいる花川に挨拶をし、朝食を取る為に食事会場へ向かい、適当に朝食を済ませる

 

 

バスの中

「さて、今日はどこへ行くんだ?」

「えっとですね、海ですね」

「また海かよ!!」

「冗談ですよ」

「なんだ、冗談か…よかった」

「海へ行くんですよ」

「冗談じゃない?」

「最後は海で遊ぶんですよ」

「いやもう海は飽きたって…」

「最後はみんなでレクリエーションをするんですよ」

「何やるの?」

「バレーボール大会をするんですよ」

「…ダル」

「ビーチフラッグ」

「やったわそれ」

「自由参加ですから、別に出なくても良いんですよ」

「ん~…まっ、気分でいいかな」

「優勝者には景品があるそうですよ」

「なんだそれ」

「修学旅行の思い出に残る景品ですよ」

「あっそ、景品見て考えるわ」

「お前そんな奴だったっけ?」

「うっせぇ、ってか俺はバレーが苦手なの」

「レシーブがだろ?」

「…まぁ、そうだな」

「恵華は出るのか?」

「トーナメントは男子限定です、女子はトス繋ぎですよ」

まぁそうだろう

「どれも自由参加ですから」

「これが沖縄最後の行事か…締まらないな」

「最後は沖縄らしいことしようよな」

まぁ、確かになぜゆえここでビーチバレーをするのかが謎であるが、まぁいいや

そんやこんやで海へつく

「海だあぁ!」

「イヤッホーー!」

ここまで来て未だに海に飽きが来ていないのは修学旅行パワーのお陰なのか、高校生というノリの力のお陰なのかはどーでも良い

「この水着着るの何回めよ…」

「毎日着ていますから洗うのが大変ですね」

既に着替え終えた女子達が待機している

「龍我くん、どんな水着なんでしょうね」

「またあのダイバースーツじゃないの?」

「クックックッ…だろうね」

「そうですか?」

「おー、待たせたな」

ここで鬼豪がやってくる

「鬼豪…あれ、龍我は?」

「ん、まだ着替えているぞ」

「お参り置いてきたのかよ」

「あいつが着替えるのが遅いからだ、それに先に行くって伝えてある」

「なんだよそれ」

「まっ、スーツじゃ着替えるのに時間かかるだろうな」

「スーツ?あぁあの黒のアレか…今回は違うみたいだけど」

「え?」

「待たせて悪いな」

龍が描かれたトランクスタイプの水着を着た龍我がやってくる

「りゅ、龍我!?」

「およ、どーした、その変な目線は?」

龍我の体つきを見て顔を赤く染める町田と恵華

「やっぱり凄いです~」

「ん、あぁこの体か、凄いだろ?」

腕を曲げ力を入れ筋肉を見せつける

「まっ、細いけどな」

ボディビル60kg級ならいい成績を残せるくらいの筋肉質、恐ろしい

「案外鍛えているのね」

「とーぜん、元はテメェを倒す為に造った体だからな」

「でも負けたでしょ?」

「うっ、痛い所を…」

「なかなかいい筋肉しているわね」

ルナが近づき腕を触る

「柔らかくていい筋肉しているわ、格闘家の筋肉ね」

格闘技に詳しい?ルナが誉められた、少しだけ感動

「まっ、お父さんにはかなわないけどね」

「当たり前だ!アレ異常すぎる…マジで…」

「…見たこと、あるの?」

「鬼の顔だろ?」

「まぁそうね」

「相変わらず良い体格してるよな」

「お前ヒョロヒョロだな、体鍛えろよ」

鬼豪もそれなりに?腹筋が割れ良い筋肉をしているが、龍我と比べれば子供扱いである

「こんな体してもルナや冥には勝てないんだろ…強過ぎるだろあの2人」

「あれは別格だ、鬼神と死神じゃ分が悪い」

「そうか…じゃあ、ビーチバレーでもするか」

「はあぁ!?俺はやらねぇよ」

「いいじゃない、やりなさいよ」

「うるせぇ、俺は運動音痴なんだよ」

「…ロンダートから宙返りひねり、やってみろよ」

「はいよぉ!」

軽く助走をつけ、ロンダートからの体をひめり宙返りをし綺麗に着地する

「運動神経バッチリじゃん」

「なわけあるかボケ!」

「運動出来る俺は出来ないんだぞ」

「んなもん、テメェが力ないからだ、自分の体重くらい余裕で支えれるようにならないとな」

龍我は倒立をし、腕立て伏せをする、さらにそこから飛ぶ腕立て伏せをし、挙げ句の果てに片手で体を押し上げ、華麗に着地をする

「やっぱな、異常だ」

「あそこの2人なら余裕で出来る、俺の予想なら小指でも出来るぞ」

「いやいや、そんな訳」

「ルナ、小指で倒立」

言われるがまま小指で倒立をする、しかも片手

「…………」

「なっ、異常なのはお前だよ」

「…お前、こんなは奴と戦ったのか?」

「???」

「そろそろ受付終了になりますよ、急いでください」

「おっとそうだな、行くぞ」

「はぁ、結局やるのかよ……わかったよいくぞ」

エントリーをしに向かい、なんとかか間に合い参加することに…間に合わなければ良かったのに……

「はぁダル、最低1回、最高で5試合かよ…」

「文句言うな、やるぞ」

設置されたネットで2対2のビーチバレーの戦いを行われることに

「龍我くん、頑張ってください」

恵華ちゃんも見ているし、やるか…

それにしても、なんかザワザワしてるし俺の方を見てくる

「なぁ、あの筋肉ヤバくね?」

「異常だ異常、本当に高校生かよ」

「凄いわあの筋肉」

「そこらの男子より凄いわ」

「触ってみた~い」

「…鬼豪」

「なんだ?」

「服…着ていい?」

「……後でな」

そのままゲームはスタートされた

「そりゃ!」

相手チームからのサーブ、ここは鬼豪がとり、俺はパス、そして鬼豪がスパイク

パシン

見事相手から点を奪うことに成功する

「っしゃあぁ!」

ちなみに試合は7点マッチ

「くそ、あの不良はなかなか上手いから龍我狙いで行くぞ」

「おう」

「そらよ!」

鬼豪のサーブを受け取り、トス、そしてスパイクと三段攻撃で返す

「龍我、取れ!」

「いよっしょーい!」

受け取るがボールは変な所へ飛ぶ

「あっ、バカ」

「言ったろー、俺は運動音痴だって」

「あんぐらい取れよ」

「うるせぇ、よっしゃこいや!」

「次お前がレシーブの番だぞ」

「任せろ」

「不安だ…」

「それ!」

「あらよっ!」

なんとか上へ上げることが出来た龍我

「高く上げろ!」

鬼豪は言われた通り高く上げる

ボールはネットよりも高く上がる

しかし龍我はいい感じに高く飛び上がり

「よいしょぉ!」

バチイィン

ボールを叩く

バシン

「痛ぇ…」

ボールはどこかへ飛び受けた相手はうずくまる

「っしゃあ、一点だ!」

「選手を倒す作戦ね…最低だわ」

「龍我くん凄いです」

「な、なんだよあのスパイク、異常な痛みだ」

「っしゃあ、行くぞぉ」

サーブが龍我になる

「そ~…れっ!」

バチィン

「ぐわっ」

受け止められるが腕に激痛が走る

「おい、しっかりしろ」

トスをあげ

「くそ、くたばれ!」

怒りを込めたスパイクをするが

「ふぅん!」

飛び上がり阻止する

「な、なんだよこいつ」

「本当に人かよ…」

ネットから肘まで出ていたぞ、なんという脚力だ

「いくぞ、そ~…れっ!と」バシン

「いてっ」

「はいよぉ!」

ビシン

「ぐわっ」

試合終了!

審判が終わりの合図をする

7-1で相手を叩きのめした龍我と鬼豪チーム

「さて、残り4試合、終わらそうぜ」

「はぁ、まだやるのかよ」

その後2試合3試合4試合と勝ち終わらせる

「はー疲れた」

「そうか?」

「俺とお前を一緒にするな」

「そうか?」

「ったく、次の相手は誰だよ」

「あ?知るかよ」

知らない相手のまま試合場へ向かう

「おっ、問題児コンビとバレー部が戦うのかよ」

「良い試合になるかな?」

「さぁ?」

どうやら相手はバレー部らしい、知らなかった~

「よっ!」

パシィン

「うわっと」

鬼豪がレシーブをする程の行動なサーブ

「んだよ、反則だろーが」

「任せろ、俺に秘策ありだ」

「…当てにはしないぞ」

「それでいい」

「ほっ!」

再びあのサーブがくる

「ぐっ」

当てるが横へ高く飛ぶ

「うおらぁ!!」

飛ぶボールめがけ走り飛び

「せいや!」

鬼豪の元へボールを飛ばす

「ナイスだぜ龍我」

そのままスパイクに行くが、あっさり受け止められ、再び強烈なスパイクがくる

「うわ!?」

受け止めるが今度は後ろへと飛ぶ

「ぬうぅん!」

龍我はそれをカバーしなんとか繋げるが、結局は点をとられる

このような動作をしていたらいつの間にか0-6になっていた

「マズいぞ、せめて1点は取らないと」

「何言ってんだ、こっから逆転優勝だろ!」

「…そうだな」

「いくぞ」

「おう」

「なんだあいつら」

「龍我って奴、あれだけ動いてるのに息切れしてねぇぞ」

「しるか、これで終わりにしてやるよ!」

「鬼豪、後ろへいけぇ!」

龍我はボールを後ろへはじく

「うらぁ!」

そのボールを前へ大きく出し

「ぬうぅっ」

大きくジャンプをし

「いけ、龍我ぁ!」

「オラアァ!」

バチイィッ

「くっ」

なんとかそのスパイクを受け止め、上へあげる

「いけ、これで終わらせろ」

「終わりだぁ!」

「させるかぁ!」

龍我は大きく飛び上がりボールを弾き返す

「くっ」

ここで下へ落ちるボールに反応して、滑りこみ上へあげる

「はぁ!」

壁となる龍我の手じゃない方へスパイクを打つ

「おら!」

ここで鬼豪も滑り込み上へあげる

「しまいじゃ!」

大きく飛び上がる龍我

「くるぞ」

身構えるバレー部2人

チョン

「え?」

気合いの入った言葉とは裏腹軽く触るスパイクを放った龍我、あっけにとられ見事入る

「よし一点」

「っしゃあ、ここから行くぞぉ!」

この後悪戦苦闘の末みごと2-7で負けるのであった

「くそ、負けた」

「格好良かったですよ」

「慰めの言葉はいいよ恵華ちゃん、惨めになるから」

「ふん、負けちゃって…弱いのね」

「その態度も腹立つなぁ冥!」

「優勝商品はシーサーの置物とアクセサリーだったし、まぁいいか」

「2位は小さいシーサーの置物と写真立て、あるだけマシだな」

ちなみに3位はガラス玉である

「まっ、楽しかったからええか…」

「っしゃあ、最後に泳ぐか!」

「だな」

気分を入れかえ、泳ぐことにする

「元気ね~」

「なんだかんだで一番はしゃいでるよね」

「子供だからな」

海を満喫した俺達はバスに乗り空港へと向かっていた

「…これで修学旅行も終わりか~」

「だな」

「色々あったな」

「あぁ」

バスの中で思い返してみる

最初は飛行機内からだったな、氷堂と出会い、そっから始まったな、元いた聖蘭高校と交流?をし、昔の友達と出会い、遊び、戦い

「実に楽しい修学旅行だったな…」

「…そうだな」

鬼豪も名残惜しい顔をしている

「明日から普通の日常か~…」

「そうだな」

また明日から勉強勉強よりもバイトバイトの日になるのか~…と思うと、やっぱダルくなるよね

そういう絶望的な考えをしながら空港に行きチケットを貰い、飛行機に乗り込む

「よかったな、お前の分のチケットあって」

「あぁ、この会社が有能だったからな」

「まっ、そうだな」

今思えば色々と融通の効く凄い会社である「あ、そういや恵華お前にコレを渡して欲しいって言ってたぜ」

鬼豪はカバンから封筒を取り出し渡す

「恵華ちゃんが俺に?なんだろうな」

封筒から出てきたのは写真である

「うわ、写真…ってか今渡すのか」

「いつの間にやったんだろうな」

ケータイのない龍我にとっては嬉しい事である

「まっ、俺らにもちゃんと写真を送ってきてるからな、すげぇ気使いだよ」

「さすがだよな、おっ、いい写真じゃん」

龍我がスパイクを打ついい瞬間が写っている写真、みんなで集まって撮った写真、俺と黎明先輩が…

「なーんこれまであるんだよ!」

「アレだろ?氷堂が送ったんだろ?」

「あンなろ~…」

「俺の所にはないなその写真」

「よかった…」

「いらん気づかいを…」

「今見てもしゃあないからな、思い出す時見よ」

写真を封筒に戻し

「さぁて、帰るか!」

飛行機が出発し帰るのであった

 

 

 

 

 

次の日

「ふぁ~…ここは…家か」

朝起きると見飽きたアパート、ここは沖縄じゃないという現実を突きつけられる

「飯…作るか…」

眠い目をこすりながら小さい台所へ向かう

「あら、おはよう龍我」

そこには朝ご飯を作っているルナの姿が

「…あれ、なんでお前がいるんだ?」

「なんでって、ここ私も住んでいるのよ」

「…そうだっけ?」

「寝ぼけているのね…まぁいいわ、ちょうどご飯出来立てから食べて」

「…あぁ」

あの時みたいに豪華な朝食ではないが

「…んまいな」

味はここの方美味しい、これからほぼ毎日食べられると思うと嬉しくなれる

小さな幸せがここにはあるなと思った龍我であった

「今日は学校休みだからゆっくりしなさい」

「そうだな、でも、今日からバイトだ」

「頑張ってね」

「任せろ!…っとその前にお土産を我が家へ輸送せねば」

ダンボールに買ってきたお土産をつめる

「…お父さんとお母さんの分買ってきかけど…あの世に送れるかしら?」

「無理ね!」

「…やっぱり…仕方ない、冥に頼もう」

「ん?冥なら送れるのか?」

「送るだけはね…さすがに行けはしないけど」

「へー、さすが死神」

ダンボールの中にお土産を詰め

「…お前も何か入れる?」

「そうね…この写真でも入れようかしら?」

昨日ビーチバレーをやり終えた時に俺とルナ、2人で写った写真を見せる

「あのな~…」

「ちゃんと行ってきたっていう証拠よ証拠!」

「へーへー、じゃあ出しに行って、バイトしに行くから…悪さするなよ」

「わかってるって」

「じゃあ行ってくる」

お土産を輸送しに向かい、バイトしに向かう、旅行で疲れを取る休みなのに働く龍我

その頃ルナは部屋の掃除、洗濯など家事をしていた

学生とは思えない2人であった

このような幸せな日が続けばいいだがしかし、ここから再び戦いの毎日が続くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 


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