最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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再開は簡単に

 

 

 

 

 

 

 

部屋

「ふぅ~…いい湯だった」

風呂上がりの龍我、首に赤のタオルを巻いてでてくる

「花川さん、一番風呂ありがとうございます」

「………」

一番風呂を龍我を譲った花川、龍我が出たと知りタオルを持ち風呂場へ移動する

「あ、少し熱いですよ」

「………」

「さて、ジュースジュース~」

冷蔵庫に冷やしておいたカンジュースを手に取る

プシュッ

ゴクゴクッ

「ぷはっ…ジュースはGストロングに限るな」

ベランダに出て夜景をみながら龍我お気に入りのジュースを飲む

「平和だね~」

「そうだね~…」

「……って、ルナ!?」

隣に夕方に座っているルナが手をあげよっ!と手頃な返事をする

「なーんでここに?」

「飛んできた」

「…はぁ、お前もう少し人間っぽく生きろよ」

「今更過ぎて嫌よ!」

「…はぁ、まぁお前らしいからいいけどよ」

「でしょ、と、その前にジュース私にも頂戴」

「はあぁ!?やらねぇよ、俺のだし」

「ケチケチするなって」

「ふっざけんな、はやく自分の部屋戻れ」

「え~」

「え~ じゃねぇ、はやくしねぇと冥やら恵華ちゃんやら町田やら来るだろ?」

「その心配は無いわ、真面目だから」

「いや、ありえねぇ…」

「まぁいいじゃない、というか私を見て何か気づかない?」

「ん?お前をみて…」

よーく目を凝らしまず見る、えーっといつも通りだ

「特に変わって」

瞬間ゴッという鈍い音が聞こえ、間髪いれず激しい痛みが俺の頭に駆け巡る

「やーねー、照れちゃって」

「お、ぉ…痛ぇ」

「ほら、よーく見て」

「よーく見てって…」

よーく見ると、あのルナが長ランではなく私服を着ている!?

「おー、私服じゃねぇか」

「でしょー、気づいてたのなら早く言ってよね」

「わ、わるいわるい」

最初本当にわからなかった龍我、恥ずかしい

「でもお前が普通の服装するとお前には見えないわ」

「でしょ~、私の意外な一面が見れるのよ」

半袖の生地を胸が押し上げこれでもかと強調している、半ズボンはルナの美脚をより細く美しく見せる

「ん~…帰れ」

「はあぁ、もっとあるでしょ、可愛いね~とかさ」

「あー、可愛いね、はい」

ドゴッ

「もう、帰るわよ」

「お…おぉ」

ベランダで1人倒れる龍我

「………」

そんなことを気にせず1人ソファーにもたれかかり晩酌をする花川

「いてて…くそ、ジュース飲んで気分転換しよ…ってあれ?」

置いてあったジュースのカンが無くなっている

「……まさか!?」

 

 

 

 

「どうでしたか?」

「イマイチね」

「龍我くん鈍感ですから」

「そうよね~」

手に持っているジュースを飲み言う

「あんた、それどこから手にいれたの?」

「ん?龍我の飲みかけを奪ってやったのさ」

「…私にも頂戴」

「…………」

冥らしからぬ発言を聞いたルナは、一気に飲み干す

「ああぁぁぁああ!?」

「残念終わっちゃった」

「貴様~」

「あら、やる気?」

「ちょっと喧嘩しちゃダメですよ2人共」

「恵華、女には絶対に退けないやらなければならないことがあるのよ」

「そういうことよ」

「それでも喧嘩はダメです~」

「うるさいわよあんた達、他の生徒に迷惑でしょ」

風呂上がりの町田割り言ってくる

「ちっ、わかったわ」

「それもそうね、なんせ私常識人ですから」

そう言い喧嘩をやめる2人はソファーにもたれかかる

コンコンコン

何者かがドアを叩いている音が聞こえる

「町田、出なさい」

「言われなくても出るわよ」

そう言いドアから外の景色が見えるアレに覗く

氷堂がいる

「どうぞ」

「失礼する!」

氷堂がやってくる

「なーんで氷堂が来るのよ」

「他校が来る所じゃないわ」

氷堂の出入りに反対する2人

「氷堂さん、いらっしゃいです~」

だが恵華と町田が受け入れる

「何か用ですか?」

「先程の無礼を謝りに来たのです」

「先程の無礼…というのは?」

「白石の事です」

「白石?」

「ほら、私にナンパして来た人です」

「あぁ、あの男のクズね」

「だらしない奴よね」

2人共悪い印象を持っているようだ

「で、その白石の無礼を謝るの?」

「謝りをまぜて、会話でも」

「…あんた、友達居ないの?」

「そ、そんな事ないわ、ただ少し少ないだけで…」

「人望あるのに友達少ないとか、笑っていいか?」

「わ、笑わないてくれ」

「それで、暇潰しに来たの?」

冥が聞いてくる

「暇潰しというか、私のペアが体調不良で先生とつきっきりなんだ」

「へー」

「実はそのペア、龍我と馴染みが深い奴なんだ」

「へー、え?」

「だから明日龍我の班に混ぜてやってくれないか?」

「…でも明日って、両高混ざって班になるんじゃ」

「へー、そこまで混ざってくるのか~…うーざっ!」

「他行は他行なのにね~」

笑いながら拒否する2人

「安心して、恐らくあなた達に危害は加えないわ」

「危害?」

「その子喋らないの、更に無表情、だから静かよ」

「いや、逆に気まずいよ」

「そーそー」

「冥さんは私達が混ざるから大丈夫です」

「何が大丈夫よ、大丈ばないの!」

「そう言うな」

「そうよ、相手は他校の長よだから抑えて」

「ちっ、クソが…」

「汚い言葉使いやめなさい」

「…わかったわ」

「でも、周る所は同じだからいつでも合流できるし、明日だけで、明後日は両高バラバラで自由行動だから」

「あっそ…」

「まぁいいんじゃない?危害無いし」

「そうですか?龍我くん取られちゃうですよ」

「ん?なんて言った?」

「なんでもないです」

恵華が笑いながら言う

「??」

「じゃあ、そういうことで明日よろしく」

そう言い一礼し出ていく

「はー、ここは変わってる修学旅行だな」

「そうね」

「明日が楽しみですね~」

そう言い夜遅く…までは無いがトランプをし会話をしてから眠りにつくのであった

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~…朝か…」

ジリジリうるさい時計を止め、時間を見る

「…なんだ、まだ7時」

「まだじゃなくてもうだろ!」

起きると目の前に先生が立っている

「飯の時間だから起きろ」

「飯…あれ、学校は?というかなんで先生?」

「なに寝ぼけてるんだバカ者、いいからとっとと起きて飯を食べろ、花川は先に行ってるぞ」

そう言い部屋から出る

「はーい」

修学旅行していることを忘れていた龍我はハッと思いだし急いで着替える昨日夕飯を食べた場所へ向かう

既にテーブルに座っている昨日のメンバー

「龍我おはよー」

「おー」

「おはようございます龍我くん」

「恵華ちゃんおはよう」

挨拶してくるので適当に返し花川の隣に座る

「花川さんおはようございます」

「………」

「で、俺の分の飯は?」

「バイキング制よ、はやく取らないと無くなるわよ」

そう言い食べる余裕のあるルナ

「なに!?食べないと」

そう言い早速食べ物が置かれている場所へ向かう

「さぁ食べよう食べよう!」

そして元の席へ戻る、大量の食べ物を持って

「いただきます!」

両手を合わせ長い合掌をし食べ始める

「…凄い量食べるね」

その朝っぱらから大量のご飯を食べる食べっぷりに引く町田

「そんな多いかしら?」

「普通以下よ」

大量に食べているルナと冥が言う

「あんたら超人と一緒にされたら可哀想よ」

その細身でその量で食べることに驚く、普通の常人なら無理であろう(推定予測)

「でも凄い量ですよね、いつ見ても」

恵華は知っていた、龍我が沢山食べることを、出されたものをきっちり残さず美味しく食べることを!!

「さすが農業科の人間ね、野菜とか沢山食べるだけはあるわね」

氷堂は知っている、高校生活どれだけハードな生活をしていたことを!

「でも、そんなに食べるなんて意外だったわ」

いつも少量しか食べてない事を知っているルナは若干驚く?

「何話てるんだ、お前らもっと食えよ」

スパゲティをすすっている龍我がいう

「朝からスパゲティ…」

「なめんなよ、俺は朝から唐揚げとラーメン、チャーハンを食べれる男だぜ、スパゲティで胃もたれはありえん!」

もってきた食べ物を食べオレンジジュースを飲み、再び食べ物を取りに行く

「まだ食べる気ね」

「凄いです」

「………」

一方巨体を誇る花川は龍我みたいに大量に食べてずに少量をゆっくりと食べている…というより味わって食べている

「まっ、変わってないから大丈夫そうだな」

龍我の一貫性を見た氷堂は安心している

「昔の友達…だっけ?」

「男?女?」

「女よ」

「へー、あいつに女の友達ね」

「龍我言わく信頼出来る友達だって」

「へー、会ってみたいわ」

「もう少ししたら来るんじゃないかな?」

「おろ、君らもう食べないの?」

食べ物を取りに行った龍我が戻ってくる

「私が本気出せば全部食べちゃうわよ」

「ごめん、遠慮してくれ」

周りの迷惑を避ける為ルナを止める龍我

「したかないわね」

「ありがとう」

そう言い食べ始める龍我

「意外ね、あの龍我が簡単に謝るなんて」

「はっ?何言ってんだ氷堂、ルナの機嫌を損ねるとな、恐ろしい事起きるから謝るんだ、あと俺が悪いと思ったら謝る」

「あははは、ルナさんの尻にしかれてるのね」

「な、何よ、俺は節操な女性が好きだから永遠にあり得な」

スコーン

「黙って食べようね~」

龍我の手元にフォークを投げ机に刺さる

「は、はは…なんでもありません」

「よろしい」

笑顔で微笑むルナ、周りから見ると可愛らしいと思うが龍我にとっては恐怖の対象である

「相変わらず短気でバカね」

冥が言うと

「あら、節操も礼儀のなんもない殺気まみれのあなたが言うと腹がたつ」

「…常識外れのあなたが節操って言葉知ってるの?」

「知ってるわよ」

「本当かしら?」

口喧嘩をしているルナと冥に対し龍我は

「あーゆーうっとーしいの大嫌い、女性は静かでおしとやかな人に限る」

腕を組みながら言う

「なっ」

「はっ」

「恵華ちゃんみたいな人だぞ氷堂、決してお前みたいなうるさい人じゃないからな」

「うるさい?まさか、私は注意しているだけよ」

「俺ばっかり厳しいんだよ、思い出しただけでムカつくぜクソヤローが」

「君が間違った事をしているからであって」

「俺は自分が正しいと思った事だけをするのみ、悪いと思ったら謝る!そこらの不良と俺を一緒にするなよ、俺には俺の」

「君も充分うっとおしいぞ」

「っせー、俺がこーやってうっとおしくなるのは珍しいんだぞ!レアだレア!」

そう言い箸を置き

「ごちそうさまでした」

そう言うと立ち上がる

「どこへ行くのかしら?」

「部屋、眠いから寝るのさ」

「まぁあともう少しだけ待て」

「ああ?俺は眠いんだよ」

「その眠さも吹き飛ぶさ」

「あ?」

「きっと驚くよ」

「どーでもいいから、俺寝る」

「ほら、ちょうど来たわ」

そう言い指さす

「あ?」

その指をさす方を見る

先生と一緒にやってくる床につくほど長い金髪の女性

「…………」

その女性を見た龍我は目をこすり、再び見る、変わってない

「…………」

今度は頬を思っきり叩き再度見る、同じ光景だ

「…………」

今度はフォークを持って自分の手を刺そうとするが止められ出来なくなる

「どうしたの急に狂った行動とって」

真っ先に町田が聞いてくる

「いや~、今夢見てるのかな~って思ってさ、痛みで起きようとしたのさ、俺の夢の中に出てくる町田よ!」

まだ夢の中だと勘違いしているバカに

「そんな訳ないでしょ、さっき自分で叩いて痛いって言ったでしょ」

「…そう言えばそうだな」

冷静に考えればそうだなと納得するバカ、いや大バカ

「…………」

そんな会話をしている中その女性は龍我の手を叩き、振り向く所で手を動かし何かを伝えようとている

「………」

龍我もそれを見るなり先程女性がやったような手の動きをする

「…………」

「…………」

その会話を見ている一同

その中で急に龍我の手が止まり考えだす

「…どうしたのですか?」

そこに恵華が龍我に聞く

「いや、ちょっとこの手話わかんなくってさ」

「あ、さっきのでしたら、「なんで学校やめちゃったの」ですよ」

「ん~…返答に迷うな~」

龍我が悩んでいると、再び肩を叩き紙を見せてくる、なになに私を助ける為は無しよ

「ん~…お手上げ」

両手を上げ降参の態度を取ると

ガシッ

突然その女性が龍我に抱きついてくる

「おいおいどーした?」

「…………」

龍我に紙をまた差し出す

ずっと側に居て、もうどこにも行かないで

そうかかれている

「…お前、自分の気持ちなら口で言えよ、喋れるんだろ?」

そう言うと紙にすらすらっと伝えたいことを書き龍我に見せる

私は喋っちゃいけないの

「…はぁ、お前いい声してるのに持ったいないな」

そういい龍我はやれやれと椅子に座る

「…で、誰なの?しっかり紹介して」

自己紹介も無しに話が進んでしまったので名前が分からない町田は聞いてくる、するとその女性は紙を町田に渡す

桜議黎明 よろしくお願いします

それは女性らしい誰にでも読める綺麗な丁寧な字である、しかもふりがなつきだ

「桜義 黎明(さくらぎ れいめい)?」

「耳は聞こえるが喋れない訳ありの女だ」

改めて説明する龍我

礼儀正しくお辞儀する規則正しい女性である黎明

「…だが、心が弱いとうかなんというか、傷つける言葉は絶対に言うなよ、ちょっと面倒だが気よつけろよ!」

と小声で説明する龍我の肩を叩く黎明は紙を見せる

私、迷惑?

「いやー迷惑だなんて、黎明先輩考え過ぎですよ~アハハハハ」

笑いながら必死で弁護する龍我を見て、地獄耳という事を知り、影口とかそういうのはやめようと思った瞬間であった

「…黎明…先輩?」

「そー、俺の先輩、福祉科で知り合った」

「おかしいわね、先輩ってこと3年生よね?みんな2年生って聞いたけど」

町田の言葉を聞いた龍我は

「…ハッ ま、まさか留年」

「違うわよ、同じ2年生」

すぐに訂正する氷堂

「…うそだろ?」

「知らなかったの?」

「え、だって先生が先輩って…」

「それは福祉科内だとね」

「…こんなに優しくておしとやかで大人な女性なのに?」

「そうよ」

「………」

「あら、本当に知らなかったの?」

「そうだったっけ?」

そういえばそうだったな、あまりにも大人のイメージが強いから忘れていた

「あら、知らないであんな事したの?」

「うるせぇ」

「恵華でも知ってたわよ」

「恵華ちゃん」

「はい、知ってました」

「…じゃあ、黎明…先輩…」

「先輩はいらないんじゃないの?」

町田が聞いてる

「うるせぇ、黎明先輩は俺の中では永遠の憧れの存在なんじゃ、先輩でいいだろーが!」

開きなおると同時に色々と発言する龍我

「わかったな、特にルナと冥、お前ら2人が一番危ないからな!」

ルナと冥には人1倍に念を押す龍我

「しないわよ」

「するわけないじゃん」

いつにもまして素直に聞く…というよりなんか控えめな発言をする2人に不信を抱く龍我「…龍我」

「なんだ?」

「あんたも言葉には気よつけた方がいいわよ」

ルナから忠告を受けた龍我は

「んなの知ってるわ」

ここだけの話、昔俺がキレた時に止めに入ってくれたのだ、記憶には残ってないが凄まじい衝撃とそれに伴った痛みが俺を襲い気絶したのは覚えている、話を聞くにはラリアット一発で倒したんだって、あははは…今だに信じたくない俺って悲しい奴だよな

と心の中で勝手にへこんでいる龍我

「お久しぶりですね、黎明さん」

「…………」

口で話す恵華と手で話す黎明、それが途切れることなく通じているのを見ると流石は恵華だといいたい

「黎明がイキイキと話すなんて久しぶりだわ」

基本無表情の黎明、だが今回は分かりやすい表情は見せてないがいきいきと会話をしている姿を見てほっとする氷堂

「そちらもいろいろと大変そうね」

「そんなことはない、楽しいもんだぞ」

「私も近々経験しそうだわ」

「すぐ慣れるわ」

「慣れたくないわ」

こちらもこちらで会話が捗っている2人

「準備してから8:30分にバス前に集合!」

先生が言うので部屋へと戻る生徒達

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バス

バスの中は昨日とかわらず楽しく会話している生徒達…になるハズだったが、他校も混ざっている為なかなか話が捗らない、こいつを抜かせば

「…………」

腕を組みいつものように座っている龍我…や、いつも通りではない

「…………」

隣に黎明が寄り添っている

「なんでこうなるんだよ、花川さん隣言いですか?」

龍我が座っている反対側の席で大人しく座っている花川に言うが無反応、どいてくれはしない

「くそ~…」

などと悩んでいると、黎明が紙を見せてくる

私 嫌い?

目をうるうるさせて問う黎明、いつも無表情なのに俺になるとこんな表情しやがって…反則だ!

「そんなことないさー、お前を嫌う理由なんて無いさ~」

とりあえず慰めようと弁明する龍我に

私の事好き?

とんでもないことを聞いてくる黎明、くそんなの答えられっかよ!とにかく話題をかえないと

「あー、黎明先輩海綺麗ですね~」

海 青い

当然の返答をしてくる黎明

「そーっすね~、暑いから泳げば気持ちいいでしょね~」

龍我  泳ぐの?

「まさか~…釣りでもしてます」

ダメ 一緒に 泳ぐ

「…黎明先輩泳げるんですか?」

がんばる

そう小さくかかれた文字を見て、まだ泳げてないということを知る

「…また教えますから大丈夫ですよ」

がんばる

先ほどよりも若干大きな文字でかかれている、がんばるようだ

「…そう言えば恵華ちゃん、今どこへ向かっているんだ?」

話題を代える為恵華に今向かっている場合を聞く

「えーっとですね、世界遺産の」

世界遺産、俺歴史は好きじゃないし話題としはあまり盛り上がらないしすぐに終わりそうな気がするからパス

「あー、その次は何?」

「その次は水族館です」

お、いい話だ、とりあえずそれを話題にして

「水族館か~、黎明先輩は好きですか?」

魚、食べない

「…いや、食べる食べないの問題じゃなくて、見るのがって事ですよ」

魚 見る

ん~…優秀な黎明先輩だがどこかぬけているので話が噛み合ってない

「………」

ちょっと2人だけの会話はきついので周りを巻き込む、ここは一番親切で優しい恵華ちゃんから輪の中に入れよう、きっと乗ってくれる

「恵華ちゃんは水族館好きだよね」

「はい、綺麗ですし見てて癒やされます」

案の定乗ってくれた、次は~

「町田、お前は~…植物女だから関係ないか」

「ちょっと待て、なんで私には関係ないんだ?あとなぜ植物女なんだ」

「能力薔薇じゃん、痛々しい能力だこと…植物は海水を受け付けないしな」

「…完全にバカにしているわね」

「さあ、どっちでしょう」

「…バカにしてる」

「大アタリ!」

「自分の学校の学年の長をいじめるのはよくないんじゃないのか?」

氷堂が止めにはいる

「お前、学年の長だってのに同じ学年をいじめていた奴がいう言葉かよ」

「いじめではない、指導だ」

「いじめではない、ただの会話」

「ただの会話って、相手は嫌がってるでしょ」

「ほんとうに嫌がったら薔薇の針で刺してくるからさ」

シュピィン

「こ、こんな感じにさ」

首元ギリギリに薔薇の棘がとまる

「なるほど…」

「お前も黎明先輩を見習え」

「嫌よ」

「黎明さん物静かですよね」

「恵華、あんたさりげなく私に酷い事を言ってるわよ」

「???

「氷堂は水族館出入り禁止なんだろ?」

「それはどういう意味かしら?」

「だって、液体全てを凍らして南極にするんだろ?」

「なっ!?」

「それはさすがにペンギンでも嫌がるぜ」

「…試しにあんたが凍る?」

「あははは、また泣かせてやろーか?」

笑いながら挑発する龍我の肩を叩き紙を見せる黎明

悪い事は言っちゃダメ

当然の事なので反論が出来ない

「…氷堂、さっきの言葉訂正するわ、ごめん」

「別に私は本気にしてた訳じゃないから」

そりゃそうだ、笑いながら言ってるのだから本気にされちゃこまる

「んにしても、やっぱりいい異なって言うよな黎明先輩」

悪い事は嘘でも言ってはいけない、言葉の重さと大切さを改めて知ることになる

「まもなく目的地につきます」

バスガイドさんが目的地につくと教えてくれるので降りる準備をする

その世界遺産の建物はテキトーに見る、というより歩かされる奴隷のごとくダラダラと歩く龍我に氷堂が様々な知識を話し少しでも興味を持たせようとして終わる

 

 

 

 

再びバス乗り込む

「いかがだったでしょうか、続いて向かうのは」

バスガイドが話ている中俺はあることに気づく、いや今まで気づいてたがあえて触れていないことだ

それはあの2人が静かなことである…とても不自然極まりない状況だ、あのルナと冥が静かである、しかも隣同士だってのに口喧嘩もしない、いつもならバリバリのギラギラだというのに

「なー、今日お前ら静かじゃねぇか?」

とりあえず話かける龍我

「いつも静かにしろって言ってるから静かにしてるのよ」

「…それはいつもの生活でだ、せっかく高いお金払って来ている修学旅行なんだ、楽しめ」

「…だってよ、冥」

「私は充分楽しんでいる」

「そうには見えないわ」

互いに張り合いのない声で会話をしている、今日はどうしたんだ?

「どーした?」

「…なんでもないわ」

「あー、そう」

気が抜けるというかなんというか、いつもと違うので戸惑う龍我

ここは臨機応変だ!と意味もわからずとりあえず強く念じておこう

「お城真っ赤でしたね~」

恵華が話かけてくる

「あーそういやそうだったな、集合写真撮ったしな」

各クラスごと写真を撮ったことを思いだす、もちろを両校別れてだよ

「君はすぐに忘れるんだ、もう少し興味を持って楽しんだらどうなんだ?」

氷堂が言ってくる

「俺をお前と一緒にするなよな…」

「あなたの場合は少しは見習った方がいいわよ」

「町田まで…」

少しばかりかショックを受けている龍我

「………」

黎明が肩を叩き紙を見せてくる

席 かわって

席をかわる…でもなんで、窓側かどうかの問題なのに

考える龍我に再び紙を見せる

ルナと冥と話したい

なるほど、ならどいてやるか

龍我は立ち上がり通路に出て、黎明を後ろにルナと冥がいる花川の席に座らせる

「花川さん、失礼します」

「…………」

花川は無言のままであるが、これは了解したという合図、長い付き合いなのでこのくらい理解できる

「…そういやルナと冥の事なんで知ってるんだろ?」

「聞き取ったんじゃないの?」

「なるほど」

「そのくらい気づいてよ」

「でも、なぜ話たいんだ?あの2人と」

言っては悪いがもの凄く変わっているやつらだ、相手にするだけで疲れる

「他校との交流するためじゃないの」

「なるほど」

さずかは黎明先輩!と思った龍我、納得したので引き続き話す

「…………」

「…………」

「…………。」

場所を移動したのはいいが何も喋らない3人、いや4人か

「…………」

黎明が紙に何書き始めている

「………」

「………」

しばらくするとその紙とペンを渡してくる

「…………」

「…………」

その内容を見た2人は悩みながらも渡されたペンでスラスラと書き始め

「………」

無言で渡す

「…………」

渡された紙の内容を見る黎明はなにやら納得したような仕草をとり、また書き始めそして渡す

「……」

「……」

受け取った2人は互いにペンを持ち書き始める

このやり取りを続けていると

「みなさま、もうすぐ水族館へつきます」

バスガイドが目的地につくことを知らせる、生徒達は降りる準備をする

「………」

「おーいルナ」

降りるとすぐにルナに話かける、勿論話していた内容を聞く為に

「…なによ」

凄い冷たい視線と声で対応するルナ、これは何かあったなと察する龍我

「何話てたか気になってな、あんなに会話してさ!」

紙で書くやり取りを見ていたので気になった、ちゃんと理由をつけ聞き出す、完璧ね

「…たわいもない会話よ」

「それを聞きたいんだよ」

「…多分聞かない方が身の為…いや身の安全の為よ」

「何言ってるんだ?」

「なんでもよ」

「そういうことだ、あんまりつっかかってくると私達まで巻き添えくらうからやめろ」

その会話に冥も参加してくる

「冥、お前も何言ってるんだ?」

「なんでもよ」

「お前ら2人して、今日なんかあったのか?」

「なんでもない!」

2人が同時に言い見事にハモる

「というか、しばらく私と一緒に行動しなさい」

「は?」

あのルナが珍しい事を言ってくるので一瞬空耳か幻聴かと思った

「どうしたんだよ」

「どうしてもよ、あんたがいないと暇なのよ」

「うぅ、そんなこと言うと変にプレッシャーが」

「何勝手に圧を感じてるのよ」

「うるせぇ」

「龍我は龍我のままでいいのよ」

「お、なんか嬉しい事言ってくれるねぇ~」

ルナと龍我、なぜか共に笑う

「バカなのか、お前ら」

冥の知っているルナと龍我とはとてもかけ離れ…てはいない、今も昔も変わらない性格をしている…ってことは似たもの同士!?

などと色々と連想させ、勝手に辻褄を合わせていき自分なりに解釈する冥であった

「とっとと水族館へ行くぞ」

「そうね」

 

 

 

 

 

水族館内

「おー、魚の群だ」

「そうね」

目の前の巨大な水槽に大量の魚が群を作り泳いでいる

「…塩焼きにしたら旨いよな」

ドゴッ

「ここではそういう発言をしないの」

「は、はい…」

「おっ、サメだ~」

サメを見つけ指をさす

「サメハンター」

龍我はルナを指さす

「……」

「あ、サメキラー?それともサメイズイート?あっ、サメじゃなくてシャークがいい?」

「Shark」

「は?」

「Haifisch」

「Tiburón」

「Squalo」

「Tubarao」

次々とよくわからん単語を出してくるルナ、うぅ意味がわからんあ、頭が…

「…すみません、シャークで我慢してください」

「…requin」

それでもやめないルナ、恐ろしい奴だ

その後龍我の必死の謝りのお陰でなんとか機嫌を直す(というよりからかいを止めた)ルナ

「お、ジンベエザメだ、デ~ケェ~な」

優雅に泳ぐジンベエザメを見て感動する龍我

「…Whaleshark」

「さようなら」

ルナから逃げた龍我は人混みに隠れ一人で回ることにする

「おー、マンボウだ~」

龍我の目の前で泳ぐマンボウ

「デカいし平べったいし顔なんかブサイクやな~」

などと思ったことを言っている龍我に

「なんて失礼な発言なんだ、まったく可哀想じゃない?」

その感想に突っ込む氷堂

「いや、つい本音がな」

「少なくとも君よりマシではないか」

「な、なによ」

「クックックッ…良い言われよだなー、龍我」

「ほんとよね」

笑っている冥と納得する町田、くそムカつく

「なんだと薔薇女!誤って海水飲んで枯れるんじゃねぇぞ」

「能力を名前にしないで

「私の友達に何を言ってるのかしら?」

「うるせぇマンボウ女!、お前は氷堂を見習え!」

「…どういう意味かしら?」

「さっき俺が言った通りだよ…」

「私には理解解釈できないんだが?」

「こーゆーことだ!」

氷堂の肩を掴み、体の向きを180度回転させ冥に突きつける

「…どうやら死にたいようね」

拳を強く握り龍我を睨む

「おっといけない、ついうっかり本音が出ちまったわ~あははは、さいなら」

ピューンと逃げる龍我、館内は走らないように

「すみません、龍我くんが失礼な事を」

「あんたが謝ってどうするのよ…それより」

「なんですか?」

「あんた、いつも何食べているの?」

「…はい?」

言ってることの意味がわからない氷堂であった

その頃逃げた龍我はペンギンを見ている

「………」

目の前のペンギンを睨む龍我、そしてペンギンも睨見返してくる、やるなこのペンギン…よく見ればキリッとした目つきをしているなかなかシブいペンギンだ、ただ者ではない

「………」

その睨み合いは数分続いた時だ

「あ、龍我くん」

友達と見ていた恵華が話かけてくる

「……」

しかしそれどころじゃない、俺は今奴と戦っているのだから

「あー、ペンギンさんです、可愛いですね」

恵華が微笑むとペンギンは俺から視線を外し、恵華を見る

俺は勝ったが俺の力ではない…まだまだ甘いな、俺

と思いながらペンギンを見ると、先程のキリッとしたペンギン以外にも数匹集まっている

「沢山集まっていますね~」

恐らく恵華の善良な心その笑顔に惹きつけられ集まってきたのだ、つまり俺なんか眼中にないってことか!クソ

腹がたった龍我は横にいる恵華の肩を掴みそして自分方引きつける

「…どうしたのですか龍我くん?」

「ごめん恵華ちゃん、俺今すげぇイライラしてっからこうさせて」

「?」

その姿にペンギン達は怒りを表にしているのか、なんかバタバタしている

恵華の肩を話し一言礼を言うと勝ち誇った表情でその場を去る龍我、ペンギン相手に容赦しない情けない男である

何もわからずペンギン達に別れを告げ友達の元向かう恵華と悲しいペンギン達、そして2人の気持ち悪いほど仲の良さに引く友達であった

今度はシロクマのいる場所へ来た龍我、そこではシロクマと花川が睨み合っている

水族館でシロクマが立ち上がを威嚇している姿を見ることは稀なのか周りの人々がケータイやらカメラで写真を取っている

「…………」

花川が鋭く睨むとシロクマは後ろへ徐々に退き、そして去り身を小さくし隠れるのであった、さすが花川さん

ペンギンと戦いバカにされる俺とは格が違うと知る

「…何してんすか花川さん」

「………」

花川は何も言わず近くにあった喫煙所へ向かう

あんな風格してもきちんとマナーを守るのは流石といいたい

それにしてもシロクマでかかったな~…二足で立つと花川さんが小さく見えるもん

改めて熊の強さ脅威を知った龍我はふれあいコーナーに来ていた

ポンポン

何者かが肩を叩いてくるので振り向くと黎明いる

一緒にまわろとかかれた紙を持って

ということでふれあいコーナーでふれあうことに

人々が囲っている場所には貝類やウニ、小さな魚、イカやタコ、小さなサメもいる(イカ、タコ、サメは区切られている)

「おー、タコとイカや」

タコとイカがひっついている手を黎明に見せる

蛸と鳥賊に好かれる体質?

うーむ、なんとも難しい漢字を使うんだ、そう言えば漢字検定2級だったっけ?

黎明の書いた言葉につっこみを入れないことは勘弁してくれ

「触るか?」

黎明に近づけると

ジャポン

タコとイカが同時に逃げだす

「…おかしいな、タコとイカには吸盤があってくっつくのにな~」

吸盤でくっつくどころかその長い手やら足らや触手やら呼ばれ名が多い名称にしっかり絡みつかれてるのにもかかわらず一瞬で逃げるとは…海水が恋しくなったのかな?

「お、黎明先輩サメですよ」

サメを触ろうと手を入れる黎明だがサメは遠くでUターンをする

「あー、どっか行ってしまいましたね」

といい黎明の手の周りを見ると何もいない、おかしい、確か貝やウニ、ヒトデもいたのに何もいない

「あははは、みんな逃げちゃいましたね」

黎明はそっと手を取り出しふれあいコーナーから出て行く

「おーい黎明先輩、どーしたんスか?」

外へ出て海を眺める黎明に声をあける、だって心配だもん

「………」

私嫌われ者なの

そうかかれた紙を見せてくる

龍我は紙を奪い、ペンを取り書き見せる

俺は嫌いません

そう大きく力強くそして汚い文字でかかれていた

黎明は紙とペンを返して貰い、書きみせる

ありがとう

「なーに言ってるんですか?」

まもなくイルカショーが始まります

そうアナウンスされる

「見に行きますか?」

 

 

イルカショーなだけあって人は多いが目の前といういい席で座っている龍我達、まぁ町田と氷堂、冥とルナが場所取りしてたからである

バシャーン

「イルカを操る人間凄いな」

「バカね、人間が凄いんじゃなくてイルカが凄いのよ」

隣でルナが言ってくる

「そっか、すげぇなイルカ」

「イルカは賢いからね、私のように」

「へーそうなのか海豚(うみぶた)」

「誰が海豚ですって!?」

「海に豚と書いてイルカって読むのよ」

「魚部に甫と書いてイルカよ!」

ガプッ

龍我の指を噛むルナ

「いででで、噛むな噛むな!」

このどこが賢いんだか、イルカじゃなくてサメだサメ

と思っていると

指だったはずが指の根まで噛んでいる

「いってぇから離せ!」

「ぺっ、マズい」

手を放し口から唾を吐く

「サメじゃなくてシャチだな、魚部に虎と書いて…」

指先から第一関節、第二関節にくっきりとした痛々しい歯型がついている、あんなのシャチなんかじゃまだ優しい、もし新しい漢字を作るとしたら魚部に鬼と書いてルナの読むのを作ってやる

「女性にやられるなんて君らしくないな」

「何言ってる氷堂、ヤツは恐ろしい生物でな、目には歯を歯には牙をという考えを持つ暴力おん」

ゴッ

「誰が暴力女ですって」

お前だよお前、今俺の頭を殴ったろーが!

「気にしないでね氷堂」

「…わかった」

気にしてくれえぇ!!

これでイルカショーは終わります

などとしているとイルカショーがおわっててしまった、あー見たかった

「さて、もう出発の時間だからバスに戻るわよ」

町田がそう言うのでバスに戻ることに、とんだ水族館になった

「んで、次どこ行くんだ?」

「えっと次は島へ向かうから船の上でお昼ご飯」

「船か~」

島へ向かうべく船に向かうバス

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 


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