最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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異世界へ

 

 

「はあぁぁっ!!」

「うるあぁっ!!」

バギッ

拳を互いに顔面で受け止める兄弟

「グギィ、だりゃあ!」

「はぁ!」

「…なんで喧嘩してるのよ」

「何かあるとすぐ喧嘩するのよね、あの兄弟」

「仲良しなんですよ」

虎我と龍我、その2人兄弟の事を知っている戦国は呆れながら恵華は微笑みながら言う

「前回は水が差して引き分けになったけど今度はどっちが勝つかな」

「私は虎我くんかな?」

「なにー、私は龍我だ」

「賭け事をしている場合か、ここで暴れてもらえば困る…すぐに止める」

賭け事をしている大河と夜空を使い一緒に喧嘩を止める龍那

そして説得の末に虎我はあっさりとやめるが龍我は興奮状態に陥っていたので止める為に龍那が抱きしめるなどをすると顔を真っ赤にして静かになる

「やっと収まったか」

「これから戦うと言うのに元気だな」

「2人の兄弟喧嘩は周りに被害を及ぼしますからね、異世界の侵略よりも被害が大きくなるかもしれませんし」

「あんまりだ、兄弟喧嘩ぐらい好きにさせてくれよ!」

「はいはい、向こうの世界に行ったらやろうね」

「伊達ニイはこの場所に今どうしてるんだ?」

虎我が大河に聞く

「伊達なら防衛部隊の2番隊隊長にいるよ、まぁ私達もその部隊なんだけど」

「なんでここに居るんですか?」

「暇だから」

「………」

「まぁ攻めてくれなきゃ仕事はないしね、ゆとりを持っていこう」

「もう少し緊張感を持ってくださいよ」

「わかってるって、お前が勤めている自衛隊の武能にいる部隊は私達と同じ班なんだよね」

「本来なら俺も大河さんと戦ったという事ですか」

「まあね、龍那がお前を推薦したからここに居るからな」

「どちらにせよ闘う運命ですから」

「言うなー、コノヤロー!ちゃっちゃと元凶を摘んで私達に仕事させるなよ」

「任せください」

「はー、良太先輩、俺なんか疲れました」

「ははは、お疲れ様…凄いねさっきの戦い」

「普通ですよ、あんなのじゃ下の下の下の更に下ですよ」

「ははは、またまた」

「あれじゃ龍那さんには通じすらしなかったですよ」

「世界最強は本物なんだね」

「そうっすよ、またいつか戦って今度こそ殺してやる!!」

「…あれ、結婚とか言ってなかったっけ?」

「関係無し、俺に敗北はない勝つまで挑み続ける」

「無理よ、フェニックに負けてるぐらいじゃ勝てないわ」

ルナが口を挟む

「フェニック…あぁ、あの炎か…今思うとなんで負けたかは理由が…わからなくはないな」

「どっちよ」

「まぁなんだ、もう二度とこんな姿になるとは思わなかったのさ」

「…つまり、あの力を隠し続けていこうとしたのか」

「さすが良太先輩、わかってますね」

「でもなんで、こんなに強いのに勿体ない」

「結構ですね力のコントロールが難しいんですよ、また出てきたら厄介ですから」

「へー、よくわからないけど結構大変なんだな」

「そーいうことですよ」

「ふん、力のコントロールが出来ないとか未熟者ね」

ルナが言ってくる、確かに制御出来ないのは未熟の証だ

「うっさい、常に力が溢れ出すんだ抑えらんねーんだよ」

「なによそれ、気のせいよ」

「なんだこら、本当の俺とやるか?」

「上等よ、相手になってやるわ」

「お前なんか余裕勝ちだ」

「私に負けているのに随分と上から発言ね」

「まーな、でも実際もう二度と使うとは思わなかったけどな」

「…どういうことよ」

「俺は戦いから離れ普通に生きようとした身だ、喧嘩はするかもしれないが本格的な事はする気はなかったが俺にある戦うという宿命には抗えなかった…だから今一度この力を振るうと決めんだ」

「へー」

「なんだその棒読みは!」

「いや、別に…なんでも」

「腹立つなーこんなろ」

「まあいいわ、時期相手してあげるから…覚悟しなさいよ」

「わかってる、そんときゃ覚悟するんだな」

「なんでこれから戦うのに戦う約束をするのかしら」

町田が聞いてくるが、なんでだろうなとしか言いようがない

「やっぱり意外でしたね、龍我くんがあんなにも強いだなんて」

「…堂道館を倒している」

話を戻して良太と星嶺が聞いてくる

「まー、1年前までは本気で強くなろうと頑張っていましたからね」

「堂道館から推薦とかこなかったの?」

「推薦はきてましたけど、先生方や先輩方が俺の事が気にくわなかったのでこっちから辞退しました」

「虎我さんも推薦きてたの?」

「そーですね、まぁ入ってないんですけも」

「どんな理由なんだ?」

「さぁ?気に入らなかったらしいですよ」

「あの虎我さんが?」

そんな滅多な事では怒らない虎我が気に入らないの理由で自ら辞めるとは、意外。

「…ちなみに龍我くんは何ではいらなかったの?」

「ん?あそこじゃ強くなれないからさ」

「え?」

「いや考えてみ?最近でいい戦績残したか?1年前なんか素人集団にやられてんだぜ?所詮は伝統と肩書きと過去の栄光だけだぜ?」

「今言いますか、それ」

「いつ何時でも言いますよ」

このときやはり龍我は龍我なんだと思った良太であった

「兄貴、久々に大富豪でもやらね?」

虎我にトランプを見せ誘う

「お、いいぞやるか」

「よおし、先輩方もやりますよね」

「当然」

「やる…」

「花川さんも恵華ちゃんもやりましょうよ」

「会長も町田さんもやりましょうよ」

「そんないたら大富豪できないでしょ」

姫華がいう、確かに4人か精々5人でやるものである、ならば

「じゃあウノだな、これなら10人くらいでもやれるわ」

「手持ちのカード少ないけどな」

「うっさい」

「あら、私も混ぜてくれないのかしら?」

「戦国さん、どうぞどうぞやりましょう」

「ありがとう」

「よっしゃ、いくぜ!」

友達の家に遊びに行ってるかのように楽しむ一同、それには

「これから死ぬのに気楽なやつだな」

「バカだからここに来たんじゃねぇの?」

「素人だな」

これから先ツライ事ばかりなのでそんな楽しんでいる余裕がない堂道館は冷たい目で見る

「ぐぬぬぬ、パアスウ!」

「はい、あがり」

「はやくないですか」

「くそ」

そうとも知らずかなり楽しんでいる、しかしそれはこの戦いで命を落とす覚悟、死を恐れていないことを表しているのである

「楽しんでいる所すまないが、出発の時間だ」

龍那が言う、すると窓からバケツのような覆面を被ったムキムキの体男が入ってくる

「うわ、不審者!?」

「て、敵だぁ!?」

「あ、失礼します、私、シャアの使者として来たボリック・ガトリンガーです」

礼儀正しくお辞儀をしながら丁寧に挨拶をするボリックだが

「信じられるか」

「こ、こえぇよ、さすが異世界だぜ」

「ぶっ殺してやる!!」

「やめろお前ら」

驚き畏怖し身構えたりする生徒共を黙らせてボリックの前に立つ

「すまないなボリック」

「いいてすよ、それより生徒さん達安心してくれて良かった」

「ふっ、そうだな」

「それよりも転送の話なんですが」

「なんだ、何かあったのか?」

「実はですね、さっきこっちで言う異世界から攻められた時私と一緒に転送する者がいたんですけど、途中でその」

「…死んだのか?」

「いえ、足止めをして私を先に行かせたんです」

「そうか、無事だといいな」

「そうですね」

「で、それで転送出来る人数が限られたと?」

「よくお分かりで、さすがです」

「何人までできる」

「本来2人で集めてもらった人を転送するはずだったんですけど、魔力の弱い私だけだと精々50人が限界かと」

「50人か、6人は余るな」

「どうします」

「そうだな…私を含む6人は歩いて行こう」

「え」

「それがいいな、よし…これよりシャアに移動する、ついたら姫華を中心に動け」

しきを取るのを姫華に任せる龍那

「私ですか」

「お前はシャア内部に詳しい、それに異世界がどんなものかも知っているしな」

「ですが」

「そんな心配するな、そばに新鋭を付けるお前達ならなんとかなるだろう」

「頑張りましょう、姫華さん」

新鋭は姫華のそばに行き手を差し出し握手を求める

「…よろしくお願いします」

静かに手を握り頭を下げる

「頼んだぞ」

「お任せください、龍那さん」

「残りの6人は過酷だが私と一緒に異世界へ乗り込む」

「ど、どうやって行くんですか」

「私の力ならシャア本部には行けないが異世界には行ける、つまりついた瞬間に戦場だ、すぐに戦い死ぬ可能もある」

「…………」

「村も資源もあるかわからない場所へ転送だ、過酷な旅になるすまないが動向する者は私が選ばせてもらう」

「ルナ、冥、虎我、龍我、花川、その5人は私と一緒に来てもらう」

「私達はともかく、この3人は大丈夫なの?」

「足でまといになるだけじゃないのか?」

選ばれた面子に文句を言うルナと冥

「安心しろ、この3人は弱くない…そうだろボリック」

「そうですね、怪物ゴウメイを倒した花川さんと魔将トライディンを倒した虎我さん、堕天デケリリを倒した龍我くんなら問題ないですね」

「…誰だそいつ」

「覚えてないのか1年前」

「全然」

「あんな激戦だったのにか?」

「一切記憶に無し、眼中にないってことだな」

「はぁ、まぁお前らしいか」

凄まじい戦いだったのに忘れている龍我、それにはさすがの虎我も呆れる

「その3人って、確かお父さんから聞かされてた奴よね」

その3人の名前を聞いたルナは驚く

「あぁ、あの時の主だった奴らだ」

「それじゃ実力はホンモノ…」

「そうだ…ついでに言うなら大魔王ゼルファも3人で倒している」

「…マジか」

その名前に冥も驚く

「なのになんでこんなに弱いんだ」

「ゼルファに弱体化の呪いをかけられたのだ、異世界に行ったら解く予定だ」

「そうだっけ?」

「お前本当に覚えてないな」

「興味ないんだから仕方ないだろ」

「あのな~…」

「………」

「虎我くん、死なないでね」

出発する間近、虎我に近づき言う戦国

「俺は皆の為に死にに行くんだ、はいなんて言えない」

「…バカ、こんな可愛い女の子に言ってもらえるんだからもっと言う事あるでしょ?」

「俺は皆の為に命を捧げるんだ、これ以上ない言葉だ」

「バカね、でもどんな状況でも自分を貫くあなたは好きよ…信じて待ってるから」

「そうだ、信じて待っていろ」

別れを告げると戻る戦国

「お前達は先にボリックと一緒に行っててくれ、明日までにはそちらに向かう」

「わかりました、どうかお気をつけてください」

そう言うとボリックはきチョークで床に巨大な円を描きその中に向かう者を集める

「それでは出発します、安全ですので怖がらないでください」

生徒達の体が輝き光となりシュワッと消える

「行ったようだな…私達も向かうとしようか」

「いよいよだな」

「そうね」

「……あぁ」

「よっしゃ、行くか!」

「転送!!」

手を床につけ言う龍那、ボリック達と同じように体が光となり消える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 


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