最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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番外編 43

「………」

腕を組み目を閉じ椅子に座っている龍我

「とうとうこの日が来たな」

「そうね、大事な大事な人に日がね」

「勝てるのかしらね?」

「大丈夫だろ?今までだって勝ってきたんだからよ」

適当に言う鬼豪、確かに今まで最強と言われてきた者共を倒してきている

「だが相手は世界最強と言われている世界誰もが知っている人だぜ」

「たかが国内に止まっている相手とは格が違い過ぎるだろ」

「だったら龍我が倒して世界最強になりゃいい話だ」

「まぁそうだけどさ」

「俺は龍那さんに勝つと賭けるな」

「あいかわらず最低ね、勇は」

「当然、俺は王道を行くんでな」

「じゃあ俺は覇道を行くから龍我だな」

「お前らな、その前に賭け事するなよな」

勝敗を賭けている勇と鬼豪、それを止めるタイチ

「一口千円だぞ、やるか?」

「やらねぇよ!」

「なんだ、つまんねーの」

「俺ら2人じゃしょうがねぇな…ちっ、純粋に楽しむか」

「そうするか」

完全に汚れきっている2人が純粋に楽しむとは思えないがまぁ信じてやろうと思ったタイチ

「今日の放課後でしょ?学校側は何か言っているの?」

「何も言ってねぇ、ってか許可すら取ってねぇから」

優香の質問に答える勇

「え、じゃあ」

「喧嘩の1つや2つするのになんでいちいち承諾してもらわなきゃいけねぇんだよ」

「器物破損とか色々あるじゃん」

「異次元マップでやるから大丈夫だろ」

「まぁそうなるわよね」

「とりあえず放課後まで暇だな~」

「な~」

「貴様らFクラスに宣戦布告しに来たぁ!」

ドアを蹴り飛ばし入ってくる生徒2人、どっかで見覚えがあるな

「空気読めよカス!」

「こっちは忙しいんだ、後にしろ」

「あぁ!?知るかよそんなこと!」

「やるかやらねぇのかを聞いてんだよ!」

「やらねぇよ、お前らと違って忙しいんだよ!」

「んだとこら!」

「先輩にた口聞いてんじゃねぇぞゴラ!」

「先輩?はて、知らないな…お前ら誰だよ」

「長屋と村上だ!」

「忘れるなこら!」

「あぁ、村長ブラザーズか」

「いたなーそんな奴」

「誰だんなカスみてぇな名前の奴ら」

確か2年生だったのはなんとなく覚えているがどんな奴だったかは全然覚えていない3人

「て、てめぇ…」

「ぶっ殺す!」

「殺すことはできねぇし勝てもしねぇ、その前に忙しいから明日にしろよ」

「ほぉ、逃げるのか?」

「放課後は用事があるんだ、でてけ」

「知ってるさ、その内容も」

「だから来たんじゃねぇか」

知ってて挑みに来たこの2人、クズ中のクズだ

「まっ、やらねぇなら俺達の不戦勝ってことでいいぜ」

「てめぇ…」

「勇、受けてやれよ」

龍我が立ち上がり言う

「いいのかよ」

「俺は一向に構わん…ただ」

「ただなんだ?」

「放課後以外の時間にしろか?それはダメだぜ」

「それはかまわん、今の俺は完全に戦闘体勢に入っているんだやり過ぎるかもしれんぞ」

「へっ、そうかよ」

「放課後楽しみに待ってるんだな、へっへっへっ」

そういい教室から出ていく

「最低な先輩だなありゃ」

「悪い見本だな」

「いいのか龍我」

「あんな奴らじゃ肩慣らしにもならん、だが挑むなら潰すまでだ」

そう言い椅子に座り目を閉じる

「本当に戦闘態勢だな」

「いつもと完全に違うもんな」

「ありゃ本気だな」

「俺も本気の戦いは見たことねぇからわからん」

「じゃあ楽しみだな」

「あぁ、そうだ」

 

 

 

 

 

放課後

「なんで戦うんだよ」

「めんどくせ~」

「だり~」

と完全にやる気を無くしているF男子共、利益が無い無駄なことはしたくない奴らである

「安心しろ、俺1人ですぐに終わらす」

そう言い教室から出る

「…1人で終わらすだってよ」

「マジかよ、この後龍那さんと戦い控えてるのによ」

「頭大丈夫かよ」

と笑いながら言うF男子は一歩教室から出うとしない

それでは開始してください

そうアナウンスが告げられた瞬間

ドゴオオオォォッ

「なっ、なんだ!?」

「じ、地震か!?」

爆発音と激しい地震が置き慌てるがすぐに終わり、そして終了のアナウンスが流れる

「な、何が起こったんだよ」

「しるかよ」

「ま、まさか龍我がやったんじゃ」

「いやいや、それはないって、なぁ」

「…………」

「…………」

しばらくして龍我が教室へ戻り自分の席に座る

「な、なにやったんだよ」

「学校ごと破壊してやった、それだけだ」

「は?」

「人間やればなんでもできるってことだ…」

そう言うとカバンを持ち教室を出る、戦いの地であるグランドに向かうのだろう

「ま、まてよおい」

「なんだ、お前ら見るのか?」

ついてくる奴らに言う龍我

「当然だろ」

「見せものじゃねぇんだぞおい」

「あそこまで協力させておいてそれはないだろ」

「そうだぞ、見届けてやるよ」

「はー、好きにしろや」

そう言うと振り向くことなくグランドへ向かう、顔から笑顔が消えいつにもなく真剣な顔をしている龍我、いつもと覚悟が明らかに違うことがわかる

「…なんだこりゃ?」

グランドに行くと見覚えのある他校共が集まっている

「宝陵、豪江戸、河内、黒焚、堂道館の高校と大学、他にもいるな」

知っている学校や知らない学校、他にも生徒とかじゃない私服姿の者もいる

「どんだけ話が広まってるんだよ」

「集まり過ぎだ」

「それだけ期待してるんだろ?」

「ちっ、くだらん」

そういい珍しく準備運動をする龍我

「準備運動なんて珍しいな」

「相手が相手だからな、最初っから飛ばせるように体温めておかねぇとな」

「なるほどな」

「………」

そこへ白のスーツを着た身長2メートルを超える巨体の顔が傷だらけの男が煙草を吸いながらやってくる

「お、お前は?」

「は、花川、恵」

「なんであのヤクザがここに」

「まさか見に来たのかよ」

集まった者共が急に騒ぎ出す、それほど名が知れた人物なのである

「花川さん、こんにはわっす!」

花川を見た龍我は準備運動を止め頭を下げる

「今日はどうしたんスか?」

「なにやら面白い事らやるから見に来た」

「いやそんな、面白い事だなんて」

「お前の今後がかかってるんだろ…勝てよ」

そういい手を差し出す

「はい!」

差し出した手を強く握る龍我

「おい、花川と知り合いなのか?」

「俺が尊敬する人物でもあり友達でもある」

「なるほどな、お前がいう最強の高校生は花川か」

「よくわかったな勇、いやー花川さんには勝てねぇわな」

「花川に勝てないのに龍那さんに勝つつもりかよ」

「そういう勝てねぇもあるけどちげぇよ」

「じゃあなんだよ」

「鍛えることを拒み生まれながら持つ肉体のみとして戦う俺とは逆の考えを持つからな」

自分では考えられない真似できない、だからこそ尊敬する

「確かに花川なら鍛えなくても強いな」

「普通に戦って互角かその上を行くってのによ、それが鍛えしたら勝てねぇよな」

笑いながら言う龍我、今日初めて笑った瞬間である

「龍我くん、見に来ましたよ~」

恵華、柚子、ユリアが声をかけてくる

「おー、わざわざ見に来てくれたのか~」

「そうよ、青宮も来てるわよ」

「マジかよ、来過ぎだよ」

「龍我くん無理しないでくだいね」

「わかってるさ」

「お姉ちゃん強いですから頑張ってください」

「頑張る頑張る!」

「まぁ見てくれ、タイチ椅子とか持ってきてやれよ」

「どこにあるんだよ」

「教室からかっぱらえ、立ち見は疲れる!」

「はいはい」

タイチに椅子を取りに行かせる

準備運動に戻る龍我の肩を叩き紙を見せてくる黎明

「先輩まで、どうしたんですか?」

龍那お姉ちゃんは冥よりもずっと強いよ

「冥…あの死神女の事っすか?」

多分そう

「なら勝たないとな、あいつは俺が倒すからな」

頑張ってね

「はい!」

と会話をしているとグランドに龍那さんがやってくる、それを見て更にざわめく人々

「さて、いよいよだな…」

「頑張れよ!」

「あぁ」

「……」

「…なぁお前ら、今日はいい日だと思わねぇか?」

「さて、いよいよだな…」

「頑張れよ!」

「あぁ」

「……」

「…なぁお前ら、今日はいい日だと思わねぇか?」

突然言ってくる龍我

「あ?そりゃお前にとってはいい日なのかもな」

「勝てばそうなるな」

勇と鬼豪が言う

「そうだよな…いい日だよな」

空を眺めながら龍那さんの元へゆっくりと歩く

「…死ぬには…いい日だな…」

「え?」

「なんか言ったか?」

歩く途中で氷堂が近づき話しかけてくる、ったく毎度毎度なんだこいつは

「本当に戦う気なのか?」

「当然だ」

「死なないでね」

「わかってる死ぬ訳ないだろ…氷堂、これ持っててくれねぇか?」

懐から白い封筒を取り出し渡す

「これはなんだ?」

「今は言えねぇやつだ、俺が勝ったら破り捨てろ、負けたらしばらくして開けろ」

「どういいことだ?」

「そういうことだ、お前と俺との仲だ頼む」

「別に構わばないが」

「さすがだ、信じてるぜ」

そういい再び歩き出す

あぁ今日は実にいい日だ、実に…いい日だこの日をどれほど待ちわびたか、どれだけ待ったか、どれだけ努力したか、それが今ここで全てが出される!!

 

 

 

「来たか、龍我」

「こんなチャンス、来ない方がおかしいですよ」

「そうだな」

「約束…忘れないでくださいよ」

「わかっている、お前もな」

「わかってますよ、不快な発言をしないですよね」

「…その件なんだか内容変えてもいいか?」

「ダメですよ、今更変えるなんて」

「…そうか、残念だ」

「龍那さん、異次元マップのの準備出来ました」

大学生が知らせにくる

「んなもんいるか!」

「え、でもそしたら死んでしまうかもしれませんよ」

「死が怖くて戦えっか、今すぐ解除しろ!」

「は、はい」

龍我の気迫に押され解除しに向かう

「さぁて…と、じゃあやりましょうか…俺の気持ちを受け取ってください!」

「わかった、しっかりと受け止めよう!!」

「………」

「………」

互いに構え隙を伺う、周りも静かになり緊迫の雰囲気になる

「はあぁ!!」

その緊張した雰囲気を打ち破ったのは龍我の一言、大きく踏み込み殴りにかかる

ドゴオォッ

大きく吹き飛び校舎に激突したのは龍那ではなく龍我である

見えないスピードでカウンターの一撃を腹部に叩き込んだのである

「だあぁぁぁ!!」

瓦礫を吹き飛ばし立ち上がる龍我は一気に距離を縮め殴りにかかる

「ほぉ、倍究拳か…」

「でやあぁ!」

「それも10倍まで上げるか」

10倍まで引き上げた動きに普通に対応しさらに分析するほどの余裕を見せる

「はぁ!」

龍我の腹部に蹴りを入れかがんだ所を顔面を蹴り上げる

「おあああぁぁぁ!!」

後ろに倒れることなく踏みとどまり前へ一歩出て拳を振るうが捕まれ投げられる

体を捻り着地し掴まれている手を振り投げる

「うるあああ!!」

ドドドドッ

投げ飛ばした龍那に連続で蹴りをはなつがかわされる

「はぁ!」

ドスッ

首元を蹴られ意識が遠のく、それでも踏ん張り拳を握り締め戦い挑む

「はあぁぁ!」

ドゴォッ

回転を加えた蹴りで吹き飛ばし再び校舎を破壊する

「ぐっ…はぁ、はぁ」

「おい、龍我の奴初めて息切らしてないか」

「そうだな」

「今までの相手とは格が違うってことね」

「どんだけ強いんだよ龍那さん」

息を切らし立ち上がる龍我をみて驚く、今まで戦ってきた中で息を切らしたことがないあれだけ無敵を誇った龍我が子供扱いされているのに驚かない方が不思議である

「俺はどんな手を使ってでも勝つ…どんな手を使ってでもだあぁ!!」

そう言うと地面に手を置き叫ぶ

「天叢雲剣!」

引き抜くように地面から出てくる神々しい光を放つ剣

「あれは失われたと言われる三霊剣の最高の武器!?」

「なんであいつが持っている」

「存在しないって噂もある代物がなぜあんな凡人に!?」

驚く飛鳥と堂道館の高大の生徒達

「ほぉ、私に剣で挑むのか…面白い」

そう言うと龍那は不思議とどこからか剣を取り出す

「大殺斬!」

剣を握り力を溜め強く振るう、繰り出される斬波は剣が伸びて斬ったかのように校舎全体を横に斬る

「大殺斬…おかしいな、この技を使えるのはこの時代にはいないはずだが」

「はあぁ!」

剣を振り上げる龍我だが下ろす前にはじかれ斬られる

「ぐっ」

「私相手に剣術、ましてや苦手な一刀流で挑むのは愚策だな、自ら不利に追い込むのか?」

「この5年間で学んだんですよ、剣を受けてから言ってください」

「なら、見せてみろ!」

「一刀鬼爆」

「!?」

剣を振るうと辺り一面には凄まじい爆発が起こる

「みえた」

腰を低く落とし爆発の中から上へ飛び上がる龍那に向かって剣を振るう

「無限一刀」

繰り出される一刀は龍那の横を斬り空間までも斬る

「一刀鬼爆だけじゃなく無限神刀流までも使うとは」

鞘を利用して放つ技を剣で使う行動な技をやってのける龍我を驚き喜ぶ

「面白い」

「武無天獄(ぶぶてんごく)ッ!」

龍那より高く飛び上がると同時に剣を振り上げる

「カァッ!!」

龍我の斬撃を受け流し地面に深い穴を空ける

「面白い!」

剣を受けとめる龍我だが力負けし落とされる

「ぐっ、うお!?」

刃を向け急降下してくる龍那、回転し回避し距離を取る

「八尺瓊勾玉!」

無数の黄金の弾を放つが全て斬り距離を詰める

「うるあっ!」

狙いを定めた龍我は力を貯め剣を振るい大殺斬を放つ

ブワアァァッ

飛びかわし龍我の剣の上に乗っ龍那は残像を残る程の凄まじいスピードで連続で斬る

「うおおぉぉぉっ!!」

龍我も剣を振るい激しい斬り合いになるがさの速さについて行けず押され全身を斬られる

「残像をも残す素早い攻撃!」

「これが世界一の実力だ!」

「いいぞ龍那さん!」

堂道館から歓喜の声が聞こえる、まぁ無理もない高校大学共にやられ堂道館の誇りを傷をつけた相手を圧倒する姿は気分が良いものである

「こんな傷…ぬああぁぁっ!!」

全身に力を込め無数の傷口を塞ぎ自力で止血をする

「これならどうだ!」

剣を天を突き刺すように持ちかえる

「竜王火炎!!」

振り下ろすと竜の形をした炎が放たれる

「八咫鏡!」

龍我の目の前に巨大な鏡が現れ炎の竜を飲み込み跳ね返す

「反射だと」

炎の竜を斬り消すと目の前に龍我がいる

「ぜぇあっ!!」

縦斬りをかわし手首を蹴り剣を手放させ連続で蹴りを放つがさばき懐に潜り込む殴るがかわされる

「茶番は終わりだ、そろそろ見せてくれ…貴様の本気を」

「なら見せよう…あなたを倒す為に極めたこの姿を!!」

力を込め爆風を放ちながら瞳を赤くし白髪へとかわる龍我、新鋭を倒す時に見せたあの姿へと変わる

「待たせた…これが俺の本気だ!!」

これは死ぬ修行をし続け限界を何度も突破して辿り着いた境地、信じられないくらい力が発揮できるが体にかかる負荷は重くこの形態は長くは持たない、精々もって5分その間に一気にカタをつける!!

「はあぁぁっ!!」

走り一気に距離を縮め拳を振り下ろすが体をそらしかわされる、下へ振り下ろした反動を利用し続けて上へ拳を上げるもかわされる

「はっ」

「風暴!」

手を大きく振るい巻き起こし攻撃を仕掛けてくる龍那を吹き飛ばす、その風圧に木々や建物が一掃される

「炎王」

炎を纏う拳で地面を殴る、すると地面が燃え上がり龍那を囲む

龍我は驚異的脚力で空高く飛び上がり両手から黄金の稲妻を作りだす

「雷帝ッ!!」

雷の如く落ち地面に穴を空け燃え上がり更に炎の火力を上げる

「氷皇!!」

両手から凍てつく波動のようなものをを放ち残っていた木々草花瓦礫地面を凍りつき炎を消す

「剛覇!!」

ドゴオォン

地面を殴り振動で凍りついたものが砕けるどころか地面までも割る

「ダァダダダダッダッダッダッ!!」

気で作り上げた弾を連続で放つ、更にゴナゴナに崩れ地面を破壊する

「ダアラアッ!」

ボゴオォォン

「そこだぁ!」

体に傷一つどころか服にすら原型を留めている龍那が斬りかかるのをかわし蹴りを入れるがしゃがみかわされる

「しまいじゃあ!」

拳に風と炎を纏い引き締め構え放つ

「なかなかの威力だ…だが」

龍那から放たれる青い波動は一瞬にして今ある瞬間を凍らせる

吹き荒れる風を凍らせ燃え上がる炎を凍らせるなどその空間ごと時間が止まったかのように全てを凍らせる、圧倒的威力に誰もが息を飲む

「なんて威力だ」

「氷堂なんて比にもならねぇぞおい」

「すごい…」

同じ凍らせる力を持つ氷堂を圧倒するほどでもある

「おおおおぉぉぉぉっ!!」

氷を溶かし砕き出てくる龍我、それには勝ちを確信した堂道館の生徒は驚く

「体温を上げ寒さを乗り越えたか」

「そんだけで俺の熱い魂を凍らすなんて甘いぜ、はあぁぁ!!」

爆発する拳から続けて雷を纏った蹴りの連続攻撃もかわされ腹部を殴られ蹴りを入れられるが踏みとどまり構える

「はあぁ!!」

目にも止まらない激しい打ち合い、その中で押され始めてきた龍我

(まずい、ただでさえ互角以下の戦いになっているというのに時間切れになる)

徐々に減って行く力に焦り始める、目の前の相手の事以外を考えた一瞬の隙により顔面を蹴られ吹き飛ぶ、その上に巨大な氷の玉というより氷山と言った方がいい巨大な氷を一瞬で作り上げ押しつぶす

「憤破!!」

全身に力を溜め上半身をそらし両手を同時に放ち一気にぶん殴る

ガシャアァァン

氷山に亀裂が入り大きく割り砕く、破片を飛び移りながら一気に上昇する

「これで終わらす…はあぁぁ!!」

両手から太陽を連想されるような真っ赤に燃え上がる圧縮されたエネルギー弾を作り上げる

「終わりだあぁ!!」

「ほぉ、エネルギー弾まで作り上げるか…成長したな…龍我ァッ!!」

青いエネルギー弾を作り出し投げつける

龍我が作り出したエネルギー弾を砕き吸収する

「なに!?」

迫り来るエネルギー弾、空じゃ思うように動けないので逃げる事は不可能

「はああぁぁぁ!!」

雄叫びを上げ両手で受け止めるも吹き飛ばされ上空で爆発する

体に傷をおい右手がなくなった無残な姿の龍我が落ちてくる

「ぐっ…ぬぁ…ぁぁ…!」

静かに立ち上がりゆっくり歩き近づき殴る

威力はハエも潰せないであろう程弱々しい、しかし振るう拳を止めない

「………」

ドゴッ蹴り飛ばされるもおぼつかない足で立ち上がり挑む

「なんで…なんで戦うんだ」

「もうボロボロなのになんで立ち向かうんだ」

「勝てる訳ないだろ、いい加減諦めろよ!」

もはや勝ち目の無い状況それなのに龍我は立ち上がり挑み続ける、その姿に理解出来ず不気味を感じ恐れ畏怖する堂道館

「もうやめろよ、見苦しいだけだ!」

「なんで立つんだ、楽になれよ」

「龍那さんもなんで攻撃するんだ、戦うんだ、もう戦える相手じゃないのによ」

「理解できねぇ」

「理解出来ないか…ならまだお前らはまだまだだな」

襟足が長いリーゼントと融合したツーブロックの髪型の時代送れを感じさせる黒の長ラン姿の筋肉質な男がポケットに手を入れながらやってくる

「お前は」

「伊達先輩」

「どういうことだ伊達」

「なあに簡単だ、戦士として死ぬまで戦う、それだけだ」

「死ぬまで戦うだと?」

「龍我はまだ生きてるから立ち上がる、龍那は目の前に敵がいるから倒す、それだけのことをしているだけだ」

「それだけって、それだけの為にそれだけの事をするのか!?」

あれほどまでにボロボロにやられそれでも立ち上がり挑む姿が

「惨めすぎるだろ、戦士なら潔く負けを認めるもんだろ」

「見てて情けないですよ!」

「惨めだと?情けなそうないだと?あいつらの理解出来ないテメェら全員戦いなんてやる資格は無ぇっ!!」

「な、なんだと」

伊達の気迫におされおののく生徒達

「本当の戦いってのは勝ち負けじゃない生きてこそなんだ、相手の気持ちを受け答えしながら戦っても死んだらそれこそ意味がねぇ…だがあの2人は違う命を捨て互いに思いを伝えあっている、どんなに惨めで情けなくてもあいつらは互いにそれを受け答えようとしてるんだ!!」

どんなに手を伸ばしても届かない相手に思いを伝えたい龍我の気持ち、最愛の人を殴り蹴り殺す龍那の気持ち、この2人の違うツラさを理解出来る者はそうそうにいない

「互いに傷付き合って分かりあえるもんもあるってことだ、怪我や死のリスクを無く戦える異次元マップで戦い続けたお前らにわかるわけがねえがな」

「……」

「オラァ、立て龍我ぁ!男なら愛した女の1人その手で掴みとれ!」

廃人のようにやられ意識は微かにあるかないかそんな状況で倒れて立ち上がることも出来ない、そんな龍我に声を荒上げる伊達

「苦しい事ツラい事から目を背けるな逃げるな、何度やられても立ち上がるそれがテメェだろうが!!」

その熱い声が龍我を呼び起こす

伊達ニィ…

そうだ、俺は苦しみツラさを自ら受け入れ修羅の道を選び突き進んできた、つらくて悲しくて何度泣き何度逃げだそうとしたか、それでも俺は立ち上がり逃げず挑み続けた、この尊い過去の為にも

「男かな筋を通せ!!」

何より、龍那さんの為にも勝つんだ!!

「テメェの思いはそんなもんなのか!」

違う…

「その程度の覚悟なのか!!」

違う!!

「こんな所ではいつくばっていいのか!!」

違う

俺は、こんな所で終われない!!

「立ち上がれ龍我」

「ぉ…ぉぉ…っ」

「叫べ、前を見ろ」

「ぉぉおお」

「終焉は目の前だ!!」

「うおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおっ!!」

体中を駆け巡る湧き出る熱い闘志、無尽蔵に漲る力、なにより今までの過去が友が龍我を奮いたたせる

「おおおおおおおおおおおああああああああああああああ■■■■■■■■■■■」

龍我の雄叫びは地を揺らし天を轟かせる

「■■■■■■■■■■」

いつしかあの時と同じ狂気に満ちたこの世のものとは思えないほどのおぞましい咆哮へと変わる

「ま、まずい狂鬼が出るぞ」

龍我の変化に焦る鬼豪、再び狂戦士へと変わることを恐れている

「■■■■■■■■■■■■」

右肩から光輝き集まり消えていた右手が再生する

「■■■■■■■■■■■■■■」

龍我の後ろから6本の腕を持つ狂鬼が荒れ狂う炎、稲妻と共に現れる

「な、なんだあのバケモノは!?」

「実体型能力者か?」

「だが能力者センサーに反応しない」

「ならなんだというんだあれは!?」

思いもしなかった事態に慌てる生徒達

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

大気が張り裂けるような咆哮へとかわり周りのモノに影響を及ぼす咆哮へとかわった時突然赤い龍が現れその狂鬼を巻きつく

「■■■■■■■□□□□□□□□□」

締め上げ圧縮し1つに一体化しようとする声に変化が生じた

「□□□□□□□□□□」

先程とは違い荒々しく力強いも周りに被害を及ぼす破滅の咆哮ではなくなっている

「□□□□□□□□□□□!!!」

その時には龍我は龍我ではなくなっていた

「誰だ、あれ…」

身長はおよそ2メートルを越え体重も細身だが80キロは越えているように見える、赤く赤い燃えるような激しくも優しいオーラを纏った体に傷は無く瞳は紅く髪は長く白銀色をした神々しい姿の男がいる

「なんだ、この姿は…本当龍我なのか!?」

「変化しすぎだろ」

「別人にしか思えない!」

友達として深くつるみ慣れ親しんだやつでも信じられない変貌を遂げる龍我

「…なるほど、虎我と同じく解放されたのか」

「…………」

「龍我本来の姿か…やっと戻れる用になったのだな」

龍我は落ちている短ランを拾い腰に巻き構えしる

「面白い…今一度見せてみろ、お前の真の強さを!!」

ダンッ

強く地面を蹴り一気に距離を詰める龍我、その速さに驚き反応が遅れた龍那は氷柱を造りガードするが

バキャアァン

分厚い氷柱を砕き腹部に拳を叩き込み吹き飛ばす

片手を振るうと爆発が起こり地面に底が見えない程の深い大穴を空ける

「………」

「ふふ、ははは…いいぞこうでなくては面白くない」

「…………」

「はあぁ!」

振ってくる剣を拳で弾き振られてくる拳を剣で受け止め殴り斬りし合う2人、動きは速く剣と拳が重なり合う鈍い音だけが聞こえる

「はあぁ!!」

ガキイィィッ

龍那を吹き飛ばし距離を空ける、龍我が指をくいと上げると龍那がいる位置に大爆発が起こる

煙が舞う中ピカッと一瞬光りレーザーのようなものが龍我の顔を通る、なんとか首を曲げかわすが頬に傷をつけ後ろを爆発させる

「威力があるが、無駄があり過ぎる…私が鍛えてもっと強く更なる高波を目指させてやりたいものだ」

「この土壇場での覚醒は見事だった、だがあの時にも満たない実力はまだ私には勝てないぞ」

「…………」

「残念だが私が勝たせてもらう」

龍我は地面を殴り割り、巨大な岩盤を造り上げ持ち上げ投げる、それを豆腐を切るかのように容易く切り刻む

「おおおおぉぉぉぉっ!!」

肩を狭ばめ突進してくる龍我が目の前にいる

「はぁ!」

龍那が作り出す斬撃波を破り龍那にぶつかるも突出を続ける

勢いは止まることなく壁を壊し柱を倒し地面を潰しても止まることはなく挙げ句の果てには山を崩す

「はあぁ!!」

ボゴオォン

体から爆発を起こし山を半分吹き飛ばす

「がっ…ぐうぅ」

怒涛の猛攻に仕留めたかと思えば煙が晴れると胸元を刺される龍我、続けて蹴りを首に見舞い吹き飛ばす

「絶剣…」

一瞬の内に龍我の体を切り裂き血を吹き出す

「どうした、まだ始まったばかりだぞ」

「ぐっ…ぐぬうぅ」

立ち上がり全身に力を込め切り傷を塞ぎ治す

「ダァッタタタタタタッ!!」

両腕を高速で動かし放つパンチのラッシュ、しかしそれをかわし前へ進み腹部を刺し顎を膝でかち上げ更に顔面を踵を落とし潰す、それでも踏みとどまる龍我の顔面を蹴り上げ氷を放ち学校へ押しつぶし凍らせ固定する

「竜王火炎!!」

間髪入れず追撃の炎の竜作り放つ、龍我を飲み込み壁を貫き学校自体を破壊する

「はぁ、はぁ…ぬうぅ…!!」

片膝を付き倒れている龍我

「うぅ…うおぉ……うおおおおおぉぉぉぉぉっっ!!」

体から輝くエネルギーを放ち爆発させる

爆発は球状にどんどん巨大化し最後には周りのものを全て一掃する

「オオオォォォォッッ!!」

時間を歪ませ真っ暗闇に赤い月が照らし真っ赤な世界の中に異様なオーラを放っている、2本の角を生やした長い銀色の髪に赤色の眼光を放つ真っ赤な皮膚に黒の模様が描かれた、異常なまでに筋肉が盛り上がった人間とはいえはい異形な姿をもつ者

「…龍我、なのか?」

その見違えた姿に驚き思わず問いかける龍那

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

地を砕き天を割り空間を歪ませるおぞましい咆哮に地震が起こり氷が振り雷が落ち風が吹き荒れ嵐を起こす、近くの山は噴火する

「全てを、破壊する…終わりの始まりだあぁッッ!!」

 

 

 

 

 

to be continued


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