最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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番外編 39

 

 

いつものように朝早く起きていつものようにトレーニングをせず今小さな台所と呼べるようなものではないが今台所に立ち料理をしている俺、なぜこんなことしているかって?それは昨日の話だ

 

 

 

昨日の夜

俺の部屋にて事件は起きた

「…いてっ」

「いていていててて」

「いぃででででで」

このセリフだけで俺は今何をしていると思う?簡単だよ耳かきしているのさ、あれってすっごい痛いよな

「いっでえぇ!?」

俺は自慢じゃないが自分では耳かきが出来ない、かと言って自分以外の人にやらせても痛くて無理、出来てお袋と恵華ちゃんが限界であるこのままでは将来自立した男になれないと思い自分で出来るよう今必死にやっているのだ、しかし痛いなんでこんなに痛いんだろう

「うるさいぞ」

グサッ

「ギィヤアァ」

氷堂がいつものように勝手に部屋に入り話しかけてくる、耳かきに集中していたので急に声かけられたらビックリする、だから手元が狂いグサッとなった

「だ、大丈夫か」

「いて~…あぁ、氷堂まいどまいどお馴染みのように勝手に入っくるな不法侵入者め!」

「まいどまいどお馴染みのように鍵がかかっていなかったのよ」

「でも入ってくんな!」

空いているから入っていい訳じゃねぇんだぞ、そんなんじゃ空き巣になっちまうぞ

「で、何騒いでいるんだ?」

「騒いでねぇよ」

「じゃあ何で悲鳴上げているの」

「悲鳴言うな」

くそ、悲鳴なんて言いやがってこのやろハッタオスぞ!

俺は耳かきを氷堂に見せる

「…耳かきをしていたのか」

「そうだよ」

「まさかと思うが、耳かきしてて騒いでいるのか?」

「うるせぇ騒いでねぇんだよ」

「もしかして出来ないのか?」

「はぁ?出来るし俺を何歳だと思っているんだよ!」

「そうだよな」

「ほれ、わかったならさっさと帰れ」

「………」

「………」

「………」

「帰れよ!」

「いや、耳かき出来ない人初めて見たから」

「出来るっつってんだろ!!」

「騒がないの」

「そうだな」

「本当に出来ないのか?」

「だから」

「目が涙目だぞ」

「なわけあるか」

龍我の目は赤くうるうるしている、龍我には見えないが氷堂からは見えるそういうものだ

「じゃあやってみてよ」

「………」

くそ、なんでこいつの前でやらなきゃいけないんだよ

目を閉じ恐る恐る耳の中に入れる

「~~~~~~」

「…もういい、私が悪かった」

痛み恐怖に悶える顔を見ていたら申し訳ない気持ちになった氷堂が謝る

「~…ほら、できたぞ」

「はいはいわかったわ、できたね偉いね」

「子供か!」

「1人じゃ出来ないんでしょ」

「うっ」

くそ俺の迫真の演技(やせ我慢)を見抜くとは、さすが氷堂だ

「やっぱりね、その年で出来ないのは恥ずかしくないのか?」

「これからなおすんだよ」

「友達に頼まないのか?」

「あいつらにやらせてみろ、難聴になるわ」

「そうなのかな」

「いーよ、また今度恵華ちゃんにやってもらうから」

耳かきやられて痛くないと感じたのは今の所3人だけ、そのうちの1人に俺はならないとな

「だから携帯かせ」

「何に使うんだ」

「やってくれる日を聞くんだよ」

「また今度遊ぶ日にすればいいんじゃないのか?」

「今耳がすっげぇムズムズするんだよ、だから待てない」

今すぐに恵華ちゃんの所に言ってやってもらいたいぐらいだ

「だったら、その、私がやってあげようか?」

「あぁ!?嫌だよ難聴になりたかねぇもん」

「そこまで信用されてないのか私」

「いや全然」

「………」

恵華ちゃんの負担を減らす為にも、ものは試しという事でやってもらうことになった

氷堂の膝の上に枕を置き横になっている俺、あーー怖いよー

「…震えていぞ、力を抜いたらどうだ」

「うるせぇ、はよーやれ」

俺の心中を見抜いたような発言しやがって、ひと思いにやってくれよ

そうとしていると耳の穴に何が入ってくる

「あっ」

「まだ入れただけだよ」

「~~~~~」

冷たい何かが皮膚に接触し刺さるような痛みが走る

「いでっ」

思わず氷堂を払いのけ距離を取る

「そ、そんなに痛いのか」

「ひぃ~いてよ~、もーやだぁ」

「男なんだからもう我慢しなさいよ」

「うるせぇ、痛いもんは痛いんじゃ!」

「ナイフで刺されても悲鳴上げないのに耳かきだと悲鳴上げるんだな」

明らかにこっちの方が痛くないと思うのだが人間とは不思議な生き物だなと思った氷堂

「触れただけで痛いとか、恵華は凄いな」

どうやったら龍我に痛いと言わせないで出来るのか気になった氷堂

「くそーいてぇ」

「軽くやったのだが」

「全然軽くじゃねぇよ、殺す気かバーカ!」

「そこまでか」

「ふん、お前料理出来ないだろ」

「なっ、多少は出来るぞ」

「ふん、納得だ」

「何を納得したのか説明してよ」

「料理出来ない奴は耳かきヘタクソなんだよ」

凄い偏見かもしれないが俺の経験上そうなんだ、過去に飛鳥やら青宮やら松沢やらにやらせたが全員料理が出来ないんだ、柚子は料理出来るが恵華ちゃんほどではないので耳かきは痛いが我慢出来るレベルだった、以上を踏まえて料理と耳かきは結ばれているのである

「なっ!?君だって耳かきできないんだろ」

「お前よりは痛くねぇし!あと料理もお前より出来るからな!」

「そんなことは無いわ、だったら勝負よ!」

と俺の言葉にカチンときたのか喧嘩腰になる氷堂、珍しいな

「おーいいさ、やってやるよ」

 

 

 

 

 

と、こんな感じで明日の弁当を作って交換して食べるということになったのである

それにしてもこんな朝から料理ってダルいな、あぁ筋トレしたよー

お袋と柊さん、恵華ちゃんに尊敬と感謝する俺、ありがとう

「ふぁ~」

でもダルい、朝から切って焼いて茹でて煮て揚げなきゃいけないんだか、別に楽しいからいいけどさ

自分の朝食を含めて作る、沢山作ったな…恵華ちゃんとユリアさんの気持ちがなんとなくわかった

さて作ったので食べよう食べよう

ご飯を貰いに食堂へ行きついでに弁当箱も借りる

食べる前に盛り付けしないといけない、全部食べたら笑いものだからな

「いただきます」

盛り付けた所で朝食を取る

「ごちそうさまでした」

朝食を取り終え食器を洗う、さて体鍛えてから学校にでも行こうか

その前に7:40分にあいつは学校に行くといったので先に弁当を渡そう

氷堂の部屋に行きノックをする、うん普通に出てくれる

「どうしたの?」

「ほら、作ったから残さず食えよ」

弁当を包んだ風呂敷を渡す

「大きいな」

「エネルギーこそが力だ食べて強くなれ」

「はい、私のお弁当ねちゃんと食べてね」

氷堂がら弁当の入った包みを貰う

「小さいな~」

持った感じ小さい、おにぎり持っていこう

「これでも小さいか」

「まぁええわ」

「じゃあ、その」

「じゃあな」

「え、ちょ」

氷堂と別れ勉強を部屋に置き体を鍛える、それから学校へGOだ

 

 

 

 

学校

授業を淡々と進み早くもお昼になる

「お、お前今日違う弁当箱だな」

「自炊か?」

「関心だな」

3人が聞いてくる

「まぁな」

「なんだぁ?モテようと自炊ってことか」

「ちげぇよ、ちと訳わりありだ」

「ほー」

「訳ありが気になるのは俺だけかな」

「どーでもいいだろ」

会話を交えながら弁当の蓋を開ける、うん普通だ

卵焼き、鮭、野菜、ご飯の上に乗っている肉まぁ普通だな

とりあえず卵焼きからいただこう

卵焼きを一口いたたぐ

おっ?しょっぱいな、とうとうこの味をわかってくれたか

ふむふと食べていくと

ガリッ

…今嫌な音がしたな

「どうした龍我」

「食べる口が止まっているぞ」

いつもハイペースで食べる龍我、今日はいつもと違う

「……いや、なんでもない」

この感触は卵の殻だな、料理初心者素人がやるよくあるやつだ、まぁこんなものカルシウムになるだけだ気にしないでおいてやろう

気を取り直して次は鮭でもいただこう

ザクッ

ん~…皮が焦げている、焦げ過ぎだなガンになっちまうよ、あと味…甘い!!

「どうした龍我」

「箸が止まっているぞ、何かあったか?」

聞いてくる勇とタイチ

「いや、なんでもない」

平然を装いつつ考える、なんでこんな味になったのかを…ここで2つあることを思いだす1つはこの卵焼きがしょぱいこと2つは氷堂が卵焼きはあまい派だということ…つまり塩と砂糖を間違えたということだ

口直しにご飯を頂こう、上に乗っている肉と一緒にね

パクリ

「!?」

口に広がる俺の嫌いな味、す、酸っぱい…

「どうした龍我」

「顔が青いぞ、風邪か?」

「なん、でもない」

普通を装い普段使わない脳みそを使いなぜこうなったか考える

なんで酸っぱい、何を入れたんだこれ

推測するにきっとこの肉は焼き肉、味つけに使うのはしょうゆとかみりんとかである

恐らくみりんと酸を間違えたかあるいは好意的か、もしくはヤツがこういう味覚なのか…そういや氷堂はこういう味を食べていたな

………

今口が地獄なので野菜、ほうれん草のおひたしを頂く、色が鮮やかではないから蓋して茹でたとすぐ分かる

さすがにこれは大丈夫だろ

ガキッ

なんだろうこの懐かしい感触は、昔砂場で走ってこけた時の口の中と似た感触がする

…じゃりだ、ちゃんと洗ってないなこいつもしくは洗い方が違うか…茹でてあるのに残るって相当だもはや好意的とでしか思えない

「どうした龍我」

「顔が真顔だぞ、手も震えて、どうした?」

「…………」

俺は1つ心の中で決めたことがある、二度と氷堂のご飯を食べないと

料理を作る技術はあるが味付けに問題がある、普通は間違えないことなのにあいつが意外にもドジなのか、またまた今日がそうはだけなのかは定かではない

え?この弁当はどうするかって?食べるに決まってるだろ、どんなにマズくても食材に罪は無し、あと一応作ってくれた氷堂への礼儀だ

死ぬ覚悟で全てを平らげた龍我はこの後の農業の授業をフラフラになりながらこなすのであった

 

 

 

 

 

文句を言うついでに弁当箱を返すべく氷堂の部屋に向かう、なんで学校で返さないかって?洗って返すのが礼儀だろ!

ガンガン

「やっと帰ってきたか」

私服姿の氷堂が出てくる、くそ今にても顔面ぶん殴ってやる!

「氷堂、この弁当」

「どうだった?美味しかったか?」

「………」

味を聞いてくる、こうガツンと文句を言ってやりたいのだがなんだこの感じは言えない

「君を思ってつくってみたのだが、どうだった?」

そうだよな、理由はどうあれ俺の為に作ってくれたんだ文句なんて言えない、ましてやこれから沢山料理をするのにここで厳しくいったら二度と作らないかもしれないここは1つ優しく言ってやろう

「うまかった」

「そうだろ、恵華さんほどではないが上手く出来たと思う」

「あのさ、氷堂お前味見とかするか?」

「味見…そういえばしてなかったな」

やはりな、これで味見してたって言ったらその舌引っこ抜いてやる

「味見は大切だぞ、火加減とかも、あと調味料を見分けることも」

「わかっている、子供じゃないんだからそれぐらい出来る」

すまん氷堂、出来てないんだ

「で、このお弁当はどうだった?」

なんて言おう、これしかないな

「普通」

「ふ、普通だと」

それには氷堂もがっかりする、なにか期待していたのかよ

「いや普通にするって難しいんだぜ」

「そうだけど、他に何か言ってほしかったな」

「普通が一番だよ、背伸びするな」

「そうだよな」

「じゃ、頑張って腕磨けや」

部屋に戻って座って一息ついてバイトに行きたいので話を手短にして切り上げる

「ままって、まだ君のお弁当の感想を言っていない」

「いーって、んなの」

はやくも帰りたいからんなの聞いている場合じゃない

「君だけ言うのはズルいだろ、だから私も言う」

「あーわかった、手短にな」

「わかった、まず君の料理の腕前には驚いたぞ」

「そうか?」

「あぁ、似顔絵のオムライスは好評だったぞ」

そういや本気を出して作ったな、オムライスを顔にして唐揚げと野菜を髪の毛に見立ててつくったキャラ弁的なやつ

「そうかい」

「クラスの人が誉めてくれたぞ」

「はいはい」

「味も美味しかったよ、唐揚げも冷めてても美味しいなんて凄いな」

「あーそう、じや」

なんか話が長くなりそうなので無理やり切り上げる

「まて、話はまだ続いている」

「俺これからバイトあるから、すまんな」

「そうか、それは仕方ない」

「そうだろ」

「バイト頑張ってね」

「おー」

氷堂と別れ一旦部屋に戻りバイトの制服と鍵を持って時間が無いので一息つく間も無くバイトへと向かう

 

 

次の日

「今日大学の奴らが来るのか」

「そういやそうだな」

「龍我はどうした?」

「龍我なら用事があって午後から行くそうだ」

勇の問いを返すタイチ

「用事ってなんだよ」

「どーせバイトだろ」

鬼豪が言う、まぁだろうな

「あり得るな」

ピンチヒッター龍我として平日出勤しているんだろう、学生ではなく労働者の鏡である

「何時頃来るんだ?」

「そこまで聞いてない」

「なるだよ、一緒に戦えねぇのか」

「…本当に戦う気なのかよ」

「当然だ、最強を見せてもらおうじゃねぇか」

「なんだお前、格闘家目指しているのか?」

「なわけあるか、ストレス発散だよ」

「なるほどな」

「龍我とは違った意味で戦闘狂だな」

「俺が一番ツエェんだ!」

「なんか言ってるぞ」

「2年の先輩にやられたってーのになんか喚いているぞ」

「そうだな」

「うるせぇ、あれは点数邪魔したんだよ」

確かにあの時の点数は低かった気がする、そもそもこのバカに高得点が取れる訳がない

「頭も鍛えろよな」

「うるせぇ!」

「そもそも相手にされるかどうか不安だな」

「そうだな」

「あ?挑んだザコ共もこんな感じだろーが」

「そうとは思えないがな…」

「とにかく叩き潰してやる!!」

やる気満々の鬼豪に対して何ごと無く無事に終わって欲しいと思うタイチ、そして面白い事にならねぇか期待している勇であった

授業を進め1時間目2時間目が終わり間の休憩に入る

「まだ龍我は来ないのか、つまらん」

「お前は何を期待してるんだよ」

「鬼豪と一緒に乱闘騒ぎ」

「あのな~…もっと平和的にいこうぜ」

「俺にいうなあの馬鹿に言え」

勇が馬鹿に指さす

「っしゃあぁゴナゴナに吹き飛ばしてやる!」

その馬鹿は今にも爆発しそうな位闘志を燃やしている

「……言っても駄目っぽいな」

「諦めろ」

「鬼豪、暴れたら…」

玲子が鬼豪にスタンガンを向ける

「ちょっとまて、スタンガンをこっちむけんな!」

「じゃあ、戦わないで」

「…考えておこう」

爆発しそうな鬼豪を静めた玲子、さすがだね

「あれで飛びかかることはなくなったな、面白くない」

「勘弁してくれよ」

「おいお前ら行くぞ」

静まった?鬼豪が2人に声をかける

「体育館か」

「こんな暑いのに頭可笑しいんじゃねぇのかよ」

「そもそも教室には扇風機が1つ天井についていよだけってーのかおかしいんだよな」

「エアコン帰ってくれよな」

若干学校の愚痴を言いつつも体育館へ向かう

 

 

体育館

早く集まった生徒達で蒸している、業務用の扇風機を使ったり窓を開けているが全く変わらない

「あっちいな~」

「あーダリィ、なんで話聞かなきゃいけねぇんだよ」

「たかが大学生だってのに、はぁ」

「あー涼しいお家に帰ってアイス食べたいよー」

生徒達も不満があるそうだ、だよな堂道館だが堂々館だが大やら学短大やらしらないが聞いてどうするんだと、とても興味が無いのでそりゃそうなる

「これからの日本を守る人の話です、失礼の無いように静かに聞くように」

と先生から告げられる

「それでは堂道館大学から代表の4年生新鋭 煉音(しんえ ねおん)さんが来ております大きな拍手で迎えましょう」

扉からステージまでの一直線を歩く白の軍服を着た男

「新鋭だって」

「もしかしてあの新鋭さん?」

「きゃー凄い」

ザワザワする生徒達

「新鋭煉音?誰だそいつ」

「新鋭…もしかして新鋭財閥の1人息子」

「クラウン・ネオだろ…聞いたことあるぜ」

鬼豪以外は聞いたことがあるそうだ

「クラウン・ネオ?」

「若くして様々な戦いの大会で優勝した戦いの天才、その強さからついた由来がのが、先へ進み続ける王者(クラウン・ネオ)」

「経済的にも恵まれているし格好いいときた、テレビにも出るほどの有名人なんだぞ」

「へー、芸能活動もしてるのか、見たことねえ!」

「だから女子からも人気あるんだって」

「なるほど、Fクラスの敵か」

「まぁそうだな」

「で、そいつ相手だどうするんだ?」

「今暴れたいが、石井がキレるから終わってから挑む」

「なるほどな」

鬼豪にしてはちゃんと後先の事を考えているな、だったら挑まないでほしいと思うタイチであった

「は~、つまんねぇ話だな」

話を聞いていても今の世界の状況の話だとか戦争、治安我々の存在だとか難しい政治的な話を聞いているので鬼豪はつまらないという

「私語すると殺されるぞ」

隣の生徒がちゃかす

「上等だ返り討ちにしたらぁ」

「おいおいマジかよ」

「そういう世界を知らない俺らでも知っている相手だぜ」

「お前じゃ無理だ」

と、周りが笑いながら止める

「あぁ?んなわけねぇだろ」

「おいおいトークはもうやめようぜ」

「俺達を巻き込むなよ」

「だったら黙ってろ、ったく」

腕を組み若干不機嫌になりながらも話を聞く鬼豪

「俺からの話は以上です」

「んだ、終わりか」

「最後に何か質問がある人はいますか、答えれることならなんでも答えますよ」

「質問コーナーとかいらねえからとっとと終わらせろよな」

早く昼休みの時間にしてほしい鬼豪はイライラしている、やはり若干ではなく普通に不機嫌である

誰も手を上げないかと思えば相手が相手だからか多少の挙手が見られる

「意外に上がっているな」

「くそ、はやく終われや」

相手が男だからかもしくは格好良くて女子に人気だからか早く終わってほしい男子も少なからずいる(特に1F)

「ねぇどうする、聞いてみる」

「えー、でも恥ずかしいな」

「でも今しかチャンスないよ」

それとは逆で女には人気があるので手をあげ時間を伸ばす女子も多くいる

「じゃあ、そこの人どうぞ」

指名されマイクを受け取った女子生徒が立ち上がる、位置的に3年生だ、一体どんな質問するんだろう

「彼女とかいるんですか?」

さっきまでの話とか関係無い、興味無関心な鬼豪でもわかる

「全然関係無いじゃねぇか」

「3年生がああだからダメなんじゃねぇのか?」

鬼豪や勇だけではなく

「なんだそれ」

「くっだらな」

「んなのに時間使うなや」

との声も男子から少なからず上がる

「彼女、彼女か~」

その質問に考える、こんなこと聞かれるとは思いもしなかったのかな?

「彼女は居ないね」

「じゃあ、女性のタイプを教えてください」

マイクを持った女子生徒が言う

「ヒュー、責めるねぇ」

「いいぞ、もっといけ」

と周りから上げられる

「タイプか、なんて言えばいいだろうな」

「より具体的にお願いします」

「うまく言えないけど、俺には好きな人がいるんだよね」

知らない生徒達の前で恥ずかしがることも無く言う、さすがだな大物となるとこんぐらいじゃ恥ずかしがらないものなのか

「その人がそろそろ来ると思うので見て分かってください」

「失礼な質問に返答してくれてありがとうございました」

生徒はお辞儀をし座る

「さて、ちょっと尺も繋いだので俺はこれにて失礼させてもらう、話を聞いてくれてありがとうございました」

そう言いステージから降り近くにある椅子に座る

「続きまして、今回特別に来ていただきました、織田龍那さんです」

ステージに上がる黒の軍服を着た1人の美女、スタイル、ルックス全て良しな為

「うおおぉぉ、すげぇ可愛い」

「やっべえぇ美しい」

「なんだあの美人は!?」

「お近づきになりてぇ!」

可愛さのあまりに発狂狂いな状態になる男子

「あれが新鋭さんの好きな人」

「これが好みの女性」

「無理だわ、勝てる訳がない」

と絶望する女子と

「もしかしてあの龍那さん!?」

「憧れれるわ!」

「嬉しい感激だわ」

との声もある

「龍那、俺でも知っているぞ」

「強さ美貌共に世界一と名高い最強の女皇だな、なんでこんな所に」

「さすがに有名人過ぎるぞ」

鬼豪も知っているその女性

「偶に雑誌に出るよな」

「毎日お国の為に働いているからな、忙しいすぎてテレビなんざぁかまってられないんだろ?」

「出演した時の視聴率半端無かったらしいからな」

「すげぇお方だな」

と会話する3人

「すげぇな、憧れる」

「格好いいよな」

「うんうん」

と、男女共に魅了する龍那、大物はやはりこうでなきゃな

その為全校生徒は恐らく入学式や卒業式以上に集中して話を聞きこの会に取り組んでいる

「私からの話は以上だ」

話は本当に手短に終わらせステージから降りる

「もう終わりかよ」

「まだ話聞きたかったな~」

「くっそっ、質問は無いのかよ」

「スリーサイズとか教えてくれねぇかな」

「出来る訳ねぇだろ」

「あぁ良い目の保養になった」

「視力良くなったんじゃね?」

「ありがとうございました、学校代表挨拶」

生徒会長の時雨先輩が前に立ち代表として感謝の言葉を言う、こんなバカ共とは違い真面目なので良かったと思うのが救いだと思った3人、全員があんな感じだったら荒れるわな

「ありがとうございました、それでは新鋭さんと織田さんが退場しますので大きな拍手て送りましょう」

そう言うと生徒達は寛大な拍手をする、今まで拍手をしてきたがこれほど凄い拍手は見たことも聞いたこともないくらいに凄いものであった

 

 

 

講演会も終わり教室に戻る

「で、喧嘩売るのか」

勇が鬼豪に聞く

「いや、龍那を見てなんかもうどうでも良くなった」

「鬼豪を静める美貌か、すげぇな」

「俺も見てドキッとしたからな」

「俺もだ、初めてかもしんねぇなこの感覚は」

「おい鬼豪、お前は玲子がいるから言っちゃダメだろ」

「鬼豪…」

「おわ!?れ、玲子どうしたんだ」

「私じゃ…ダメ?」

手には鞘から抜かれた刀を握っている

「ま、まて、話をする前にその刀をしまえよ」

「…私じゃ…ダメ?」

「ほら、女の子にそこまで言わせておいて逃げはないぞ鬼豪」

「はぁ!?テメェフッザケンな」

「私じゃ…」

「まてぇ、近づくなあぁ!!」

鬼豪を悲鳴をあげている時だ

「よーお前ら元気だったか~…って何してんだ」

龍我が学校に登校してくる

「おー龍我、来るの遅かったじゃねぇか」

「何してたんだ?」

「あー、ちと漁に行ってセリ体験して木を切ってきた」

「色々やっているな」

「農林水産男ですから」

「もはや農業科を超えているな」

「だろ、で…なんで今夫婦でいちゃいちゃしてるんだ?」

「りゅ、龍我、玲子を止めろ!」

振ってくる刀を白羽取りで防いでいる鬼豪

「聞いてよ龍我、綺麗な女性に会っただけで男子達が受かれているのよね」

優香が言ってくる、その瞬間俺はなんで今この1Fクラスがいつもと違って幸せが漂っているか分かった気がした

「へー、Fクラスらしいじゃねぇか」

「全校全てそうよ」

「そりゃすげぇな、優香は見てどう思った」

「そうね~…確かに可愛いし美人だし強いし憧れるし尊敬してるわ」

なるほど、優香が憧れる存在かきっと凄い人なんだろうな

「じゃあ凄い人なんだな」

「でも会っただけでここまで魅力されるなんてバカじゃないの?って思わない」

確かに、聞いた感じ100人中100人が一目惚れをしている、さすがにそれはバカじゃねぇかと思う

「バカ共だな」

「男子はね」

なるほど、女子は同性だから例外なのか

「でもなんで今日そんな人が来たんだ?何かあったのか?」

「…なに、忘れていたの?」

「何が?」

「今日堂道館大学が来る日だよ」

「…………」

やばい、完全に忘れていた

「…でももう終わったから仕方ないな」

「残念だな、見れなくて」

「来なかった自分を恨めよ」

勇どころかタイチまで言う始末、どんな人なのかは気になるな

「別に恨むことじゃないだろ」

そこまで会いたいとは思わない、なんでだろうなー

「けっ、くされ男かゲイかお前は」

「いくら龍我でも見たら好意を得ると思うぞ」

「あっそ、ほれ飯食べようぜ」

「お前昼飯食べに来ただけだろ」

「ほっとけ」

いつものように椅子を3つ合わせる。ん?なぜ3つかって、鬼豪は今玲子さんと一緒に食べているんだよ

「そういやあいつ喧嘩売らなかったのか?」

「美しさにやられたんだとよ」

「なんだそれ、玲子さんに愛情注いでもらえよな」

「今二度とやましい心を持たないように注がれているだろ」

椅子に固定され身動きが一切取れない鬼豪にご飯を食べさせている玲子に指をさす

「だな」

「…でもさ、この学校に来た理由は堂道館高校を倒した者を見に来たんだろ?」

タイチがいう、そういやそうだったなとそもそも今日だという事もあることも存在すら忘れていた俺が言える立場ではないがな

「そういやそうだな、俺達以外は全員やられているらしいからな」

「もう終わったからいいだろ」

「ちっ、つまんねえの」

 

 

廊下

「珍しいですね、仕事を空けてこんな所に行くなんて」

「知り合いが通っているからな、久々に顔を出しておこうと思ってな」

廊下を歩く新鋭と龍那…

「…で、なんでお前らまで来ているんだよ!!」

「なんでって、さっきまで一緒に仕事してたんだついでに来たんだよ」

ライオンの鬣ような長くボサボサした黄色の髪をした露出度の高い服装の女性に言う

「ならまだ許せるが、なんでお前まで来てるんだよ!」

「うちもここに知り合いがいますから、この際だから会いに行こうと思いまして」

長い黒髪の黒のセーラー服を着た女性がいう

「そうなのか夜空」

「妹から聞いたの」

「はぁ、知り合いに会いに来たんじゃないんだぞ俺達の目的は倒した奴をスカウトしに来たんだからな」

「スカウトって、今の所全員に断られているじゃないんですか?先輩」

「そう言うな人材は欲しいものだ、それに本来なら龍那さんと2人で食事でもしようかと思ったのに」

「食事って、何回もフラれているのに諦めが悪いッスね~」

「うるさい!」

「しかも本人の前で、もう慣れたんだな」

「普通そうな学校に見えるが、そんな強い奴はいるのか?」

「確かな情報ですよ」

「へー、誰なんですか?」

「名前は聞いてなかった、自分で探せだとよ」

「なかなかシャレたことする後輩だな」

「新鋭、行く前に校長に挨拶しに行くんだろ」

「あぁそうでした」

「何ごとも礼儀が大事だ、お前は堂道館大学の代表ってことを忘れるな」

「は、はい」

「年下に説教されてやんのダッサ~」

「次言ったら殺すぞ獅子虎」

「そりゃ楽しそうですね」

「うちは先に挨拶をしてくるので」

「私もついて行くよ、校長と会ってもつまんないし」

「いけいけ、俺と龍那さんの時間を奪うな」

「フラれ先輩が、しつこいと嫌われるぞ」

「しつこいのも恋愛の1つだよ小娘」

「そうですか、行こうぜ夜空」

「こっちですよ大河」

「行きましょう龍那さん」

「あぁ」

 

 

 

 

 

1-F

「でよ、今日カツオの一本釣りしてきたんだよ」

「海ばっかだな、だから磯臭いんだな」

「言ったな、貰ったカツオやらねぇからな」

「カツオなんかいらねぇよ」

「なにぃ!?いったな、今日部屋来てもやんねぇからな」

「いかねぇよあんな狭い部屋」

「なによ、1人部屋なんだから仕方無いだろ」

「お前らな、食事中なんだから喧嘩するなよな」

口喧嘩をしている龍我と勇に言うタイチ

「タイチは来るよな、一緒に海産物食って強くなろうぜ」

「海産物って、カツオだけだろ」

「他にも色々貰ったんだよ」

「けっ、海坊主頭が」

「言ってろバーカ」

「なに!?」

「お前らな~…」

ガラガラ

「確かこの教室だったと思うんだけどな」

「本当俺私に聞くなよな」

教室に入ってくる2人の女性

「な、なんだあの女性は」

「可愛いな~」

「エロいエロ過ぎるぞ」

全く知らないのにも関わらずクラス(主に男)から注目を浴びる中

「あー今カツオをバカにしたな」

「それがどうした、あんなしょうもねぇ魚」

「カツオはタンパク質が豊富なんだぞ」

「黙れ筋肉バカ」

「ぬあにい!?」

全く関係無しに喧嘩し続ける2人

「で、いたか?」

「うんいたよ」

「ふん、たかが魚でムキになりやがって」

なに!?たたが魚だと、こっちは命を奪って頂いているというのに許せん

「おーこら、お前にカツオの旨さを教えたらぁ」

「別に嫌いとは言ってないけどな、むしろ好きだ」

「だろ?」

「ただお前の部屋に集まるのは狭くなるから嫌なだけであって」

「なんだよ、それを言えよな~」

「くれるから家で食べるからくれよ」

「おーいいぞ持ってけ持ってけ」

「お前ら自然に仲良くなるな…」

さっきまで喧嘩していたのに急に仲良くなる、良いことだ

「でさ、一本釣りするわけだ、そしたらよ引きが強いのにあたってよ、全力で引っ張ってやったらマグロだったんだよ」

「マジか、スゲェなそれ」

「だろだろ」

あれは驚いたな、まさかカツオ釣ってたらマグロ連れるとか漁師もびっくりだよな

「マグロの一本釣りとか怪力め」

「だろだろ~も~っと誉めてくれや」

ん~、誉められるのは悪い気分ではないな

と喜んでいると急に視界が真っ暗になる

「はにゃ!?」

思わずみっともない声を出す

「だ~れだ」

目から感じられる温もりとその声からして相手は人、そして女性…そこまでしかわからん

「………」

え?誰だ、声からしてこの学校にいる俺の知り合いではないことは確か

「…………」

視界を隠す時間も長いしクラスも静かなので怖くなってきた、どうする反撃にでるか

と悩んでいると視界が急に明るくなる、眩しい~

「も~、うちの事忘れちゃうなんて酷いわ龍我くん」

「!?」

振り向くと見覚えのある俺はその人が知り合いである

「夜空…さん?」

「覚えてくれてたのね、良かったわ」

「お久しぶりです夜空さん」

椅子から降りてお辞儀をする、なんでって?俺よりも年上だからだよ

「覚えてくれたのはヨカッタけど、昔は夜空お姉ちゃんって言ってくれたのに今は言ってくれないのね、悲しいわ」

「か、勘弁してくださいよ、昔って5年前じゃないですか小学生ですよ」

「私の中では可愛い龍我くんなのよ」

「勘弁してくださいよ」

「そうだぞ~夜空、龍我は思春期真っ只中なんだから、そんな恥ずかしい事言わすなよな~」

俺の背中に寄りかかる女性、この感じまさか

後ろを見るとまたまた見覚えのある人まで

「ね、姉さんまで…」

「よっ、久しぶり!」

「大河、その方が恥ずかしいんじゃないの?」

「ん?思春期なんだから嬉しいんじゃないのか?ほ~れうりゃうりゃ」

俺の顔を両手で掴むなり大きな胸にこすりつける

「お姉さんがいつでも気持ち良くしてやるぞ~」

「や、やめてくださいよ」

「あっははははは、反応も昔と変わらないな~」

「姉さんもでしょ、ったく…今日何かあったんですか?」

「何って、さっき私らの先輩の話聞いてたんじゃないのか?」

「生憎その場に居合わせてなかったので」

「あちゃ~、そりゃ勿体ない」

「で、なんで俺がここに居るって分かったんスか?」

「妹が教えてくれたの」

言わないって約束したのに…くそ、まぁ仕方ない

「大丈夫よ、まだ私以外は調べますないから」

「…本当ッスか?」

「私もさっき知ったばかりだしな」

「………」

「なんだよその目は」

「いや…信用ならないっていいますか、何度も騙されていますから」

俺はこの人に何度騙されてきたか、さすがに覚えているし学習している、だから疑う

「人を疑うようになったな~、お姉さんがその汚れを浄化してやるぞ」

再び俺の頭を胸に押し付ける、そこは柔らかく温かい、そして息が出来ない

「こら、あまりやりすぎると怒られるわよ」

「そうだな、さすがにやりあいたくないもんな」

「っは、死ぬかとおもた…」

「りゅ、龍我誰なんだこの人は!?」

タイチが顔を赤くしながら言う

「俺の先輩、光月夜空さん」

「よろしくおねがいします」

「美穂さんのお姉さんだよ勇」

「なんとなくわかってた」

お?さすがファン

「で、こちらが獅子虎 大河(ししどら たいが)さん」

「よろしくね~」

笑いながら軽く挨拶をする

「こんな感じだけど優しい性格してるから安心しろよ」

「言うようになったな~このこの~」

「モガモガガガ」

「……」

「……」

この光景を見た男子共は目から血を流し凄まじい嫉妬と憎悪などの全ての不、負の視線をぶつける

「っはぁ、っはぁ、死ぬ」

「どうだ?5年も経ったから変わっているだろ」

「その前に性格を変えてくださいよ」

「そう言うなよな」

「俺、ジュエリーのファンなんですよ」

「じゃあ妹達の応援よろしくお願いします」

「はい」

夜空と握手をする勇

「あぁ!?ふざけるなよ勇」

「俺達だってファンなんだぞ!」

「じゃあジュエリーが結成2周年記念に作った曲と発売されてから1ヵ月の売上数とその当時主演した美穂さんがヒロインとしてでていたドラマのタイトルを言ってみろ」

「……」

「……」

「輝けジュエリーレンジャーで、売上数は1000万枚その時に小鳥南さんが加わり今のジュエリー4人組が形成された、当時美穂さんが出演していたドラマは小さな一歩、平均視聴率は20%超最終回は視聴率28.5%を叩き出した名作だぞ」

うん、さすがは自らファンを名乗るだけあはあるな、さすがださすが過ぎて気持ち悪い

「知るかよそんなこと」

「そうだそうだ」

「その程度も知らねぇでファン名乗るんじゃねぇよカスが!」

「うるせぇオタク」

「意外なオタクめ」

「うるさい!」

勇は勇で夜空さんと会って喜んでいる

「やること終わったんなら帰ってくださいよ、周りに迷惑です」

「そーつれないこと言うなよな」

「そうですよ、本来ならこのような再開はしなかったのですから」

うっ、痛い所を言う夜空さん、確かに本来ならこのような形では再開はしなかったであろう

「そうだぞ、なんで堂道館入らなかったんだ推薦きていたろ?」

「いやー多分来てなかったんじゃないんですかね、ほら兄貴がバカやりましたから」

俺の兄貴も最初は堂道館に入ろうと試験を受けたのだが、筆記は全て満点に等しい点数を取り面接、実技も完璧推薦でありながらダントツのトップで入れたのにも関わらず筆記中に隣の人が体調不良なことに気づき助ける為に自分の番号を破り捨てたという格好良いことをした、今では伝説になっているらしいよ!

そのおかげで恐らく俺には推薦は来てないのだろう、あれ来ていた気がするな、あれれ?

「あれはああいう性格だから仕方がない」

「堂道館も勿体ないことするわよね」

「お恥ずかしい話です」

「龍我って堂道館から推薦来てたのか?」

「多分ね」

「やはり猛者だったか、なんで入らなかったんだ?」

タイチが聞く

「兄貴がクソとか言っていたからかな?」

「なんだそりゃ」

「でも実際入らなくて良かったと俺は思っています」

戦いを習っているのにもかかわらず俺らのような素人軍団にやられるようじゃたかがしれている

「なるほど、なんとなくわかる」

「そういや、ここの生徒が1人で堂道館に襲撃したり英寿を倒したって聞いたが」

「トップを倒したのは龍我だけど」

「襲撃したのは居ないだろ」

「…いやまて、そういや龍我先に帰った時あったな、お前何していた?」

「あ?知らねぇよ」

「ちょっと聞いてみるね」

夜空さんはポケットからケータイを撮り出し使い始める、恐らく美穂さんに連絡を取っているのであろう

「それにしても倒すとはやるな~、まっ当然と言った所かな」

「その通りですよ」

「さすが私達とつるんでいるだけはあるな、私も鼻が高いよ」

笑いながら俺の頭を激しく撫でる、おかげで髪はぐちゃぐちゃだ

「それより姉さん、あの人は今日来ているんですか?」

「あの人?あーはいはい、残念ながら来てないよ」

「そうですか」

「あいつは忙しいからな」

「そうですよね」

「やっぱり龍我くんなんだね」

恐らく美穂さんから聞いたのだろう、俺に言ってくる

「いやーそんなどうでもいいこと覚えている暇ないんですよね、はい」

「さすがね、強くなっていて私は嬉しいわ」

「アザーッス」

「さっき美穂から聞いたけど飛鳥さんもいるんでしょ」

やっぱりさっきまは美穂に連絡を取っていたのだな、さすが俺名推理だぜ(普通に考えれば分かる)

「いますよ」

「おぉ飛鳥までいるのか、推薦者2名もいるんだから負けるわな」

「飛鳥さんは何で入らなかったのかしらね」

「お金とか勉強とか色々あるスよ」

「推薦だからそんなの関係無いわよ」

「だから私でも入れたんだよ」

「あははは、そうですよね」

「そこは違いますよとか否定しろよな」

「いでででで、やめてくださいよ」

俺の頭を手で締めグリグリと拳をこする、これが地味に痛い

「いいじゃない素直で」

「夜空まで!」

「こんなことするから言われるんですよ」

「うるさーい、お前に言われたくないんだよ」

「あぁ、姉さんまで酷い事言ったじゃないですか」

「これで五分五分だろ」

「そうですよね」

「あははははは」

「わははははは」

納得して笑う俺と姉さん

「似たもの同士ってことかな?」

「あー、久々に話すけどやっぱ面白いな、今日飲みに行こうぜ」

「ちょ、自分未成年ッスよ」

未成年にお酒を進める大学生がどこにいるんだよ…おっと、目の前にいたわ

「そんなこと言って~、影では飲んでいるんでしょ」

「自分お酒に弱いですから」

「またまた~、酒豪って顔しているぞ」

「じゃあ飲みましょう、龍我くんの部屋で」

「勘弁してくださたいよおぉぉ」

「本気(もとき)も連れてくるか」

「伊達ニイか~会いてぇな~」

「だろ~?」

「いやいやでも先輩方も学校あるですから」

「学校?行っても戦うか勉強の2択やってらんないね」

なんでこの人は大学まで言ったんだ、よく行けたな行ったと関心する

「まっ、何日かサボっても大丈夫だろ?」

「大河はサボり魔だからね」

「人聞きが悪い、常連者と言ってもらおうかな」

「あまりかわりませんよ」

「そうか?」

「そうですよ」

「じゃ、学校終わったら来るから準備しておけよ」

「いやいやいやいや来ないでくださいよ」

「そー言うなって、ビール1箱な」

「未成年に何買わせるんですか!?」

「別にそこら返からパクッてこいよ」

「俺を犯罪者にするつもりですか?」

「冗談冗談」

「冗談なら早く帰ってくださいよ、また遊びに行きますから」

「遊びに来るのはいいけどよ、今帰るにも友人を待っているからさ~帰れない訳さ~」

「そんな事言われたって、もう授業始まりますよ」

あと少しお昼の時間が終わってしまう、この後は農業の授業だ!……とは言うが今朝漁業に出てセリやった後野原先生が酒を飲み授業なんか出来る訳がなく、先生は出勤している設定にして俺が1人でまともに授業をする形になっているのである、ダメ先生?の鏡である

だから4、5、6時間は寝る、完璧なり

「じゃあ私達は帰るから、夜楽しみに待ってろよ」

「来なくていいです!」

「あははは、じゃあな」

「またね、龍我くん」

姉さんと夜空さんと別れる、あー忙しい昼休みだこと

「へー、お前大学の方に知り合いがいたんだな」

「まーな」

「恵華が言っていた年上に好かれるの意味が理解出来た」

タイチが言う、海に行った時恵華と飛鳥が言っていたが龍我と勇は色々あって聞いてなかった

「ちくしょー、お前だけいい思いしやがって、うやらましいぞタコ!」

鬼豪が自力で縄をほどき俺の短ランを掴み揺さぶる

「何が羨ましいだ、お前には愛してやまない玲子さんがいるだろ!そっちが逆に羨ましいわ!」

「うっせぇ、お前だけモテやがってぶっこロロロロロロロ!?」

「鬼豪、逃げちゃダメ…」

いつもの用に玲子さんの愛のスキンシップで大人しくなる鬼豪、これが愛の力か

「ここか、」

「さっさと要件済ませろ」

「わかってます、はやく終わらせて一緒にこれからの事を話合いましょう」

「貴様と話すことなど無い!」

「照れないでくださいよ」

ガラガラ

「失礼する」

新鋭が入るが

「獅子虎って凄い名字だよな」

「獅子と虎って凄過ぎだろ」

「名前は大河だぜ」

「ザ・獣って感じだな」

「まぁ半端無く強いからな、戦うとなりゃ覚悟は決めないとな」

勿論死ぬ覚悟ね!

「………」

とまぁ言い合って気づかないバカ共

「あれ、新鋭さんじゃない」

「キャー、どうしてこんなところに」

「どうしようどうしよう」

「格好いいな~」

「やっぱ憧れるな」

「お前ら敵が来たぞ」

「どうする」

「やるか?」

「無理だ!」

男女様々な反応をする

「このクラスに堂道館と戦った者がいると聞いたんだが、誰かな?」

「あー、それならこのクラスじゃなくて1学年のAクラスにいる氷堂と磐城って人じゃないですかね」

「そーそー」

「あの2人強いからな~」

と、面倒なのであいつらに全て押し付けようとする悪3人、でも嘘は言ってないよね

「その氷堂という女性と磐城という男子から聞いてここへ来たのだ」

チイィッ、この手は通用しなかったか

「…おほん、俺らですけど何か?」

「君達4人か、思ったより普通な感じだな」

「アザーッス!」

「どうだ?堂道館に来て強くなってみる気は無いか?」

「全くありません」

「やりたくありません」

「興味ありません」

「そうか…やはりそうだよな」

「そーでーす」

「だが、それなのによく堂道館に勝てたな、何か能力を持っているのか?」

「教えたくありません」

「個人情報ですから」

「そうそう」

「そうか、さっき言った氷堂と磐城にもそう言われたよ」

「じゃあすみやかにお引き取りお願いします」

「そうか、だが変わっているな」

「何がッスか?」

「俺が言った他の学校では生徒から戦いを挑まれたのだがここはそんな生徒が居ないからな、少し驚いたよ」

「暴力はよくないですらかね」

「そーそー、平和が一番ラブ&ピース」

勇が珍しい事を言う、だがその通りだ、暴力の果てになにがあるのか、戦争の先には何があるのか、俺はたかがしれていると思う

「龍我、意味言ってみ?」

タイチが言ってくる…くそ何も言えねぇ

「………」

「二度とつかうな」

「……はい」

「でもよ、そう言われたら俺もやるしか無いよなぁ?」

鬼豪が言ってくる、煽るのは得意だが煽りに乗るのも得意のようだ

「鬼豪、もう授業が始まるぞ」

「まぁ待てや、っつーか授業なんざぁどうでもいい」

「おいおい…」

「俺が相手になってやるよ」

「そうこなくっちゃ、実力を試しに来たのも理由の1つなのさ」

「遅いぞ新鋭、時間がもう無いぞ」

龍我は知らない今日講演に出た人の1人がやってくる

「ちょっと待ってくださいよ」

「知り合いを紹介して欲しいと言ったのは貴様だろ時間ぐらい守れ」

「あと少しだけですから」

「あいつらも待たせているんだから、時間を守らない奴は嫌いだ」

「なぁ、龍那さんの男嫌いって本当なのかな?」

「さ、さぁ?」

「でもあの新鋭さんを罵倒しているぞ」

「やっぱ噂は本当なんだな」

「かー、お近づきの夢所か会話する夢すら途絶えたなこりゃ」

「………」

「どうした?龍我、後ろなんか向いて」

「帰る…」

そう言い鞄を手にして窓に向かう龍我

「あ、おい」

「帰るって本当に飯食いに来ただけだな」

「明日石井の野郎にしごかれるぞ」

「………」

誰の言葉にも反応せず開いている窓に身を乗り出す

「彼は何をしようとしていんだ?」

新鋭が言う、高さはそれほどないが怪我ならするであろう

「あいつは大丈夫でだ、この高さじゃ死なねぇから」

「そーそー」

「そうなのか、なら気にはしないが、えっと鬼豪だっけ、今日の放課後またここに来るからやりあおうぜ」

「はっ、俺は今すぐにでもいいんだぜ」

と再び戦いの話へとかわる、こいつらにとってはその程度で終わる

「皆の前で飛び降り自殺はしない方がいいんじゃないか?」

龍我が飛び降りようとする所を襟を掴み教室に戻す

「おぉ!さすが!お優しい!」

「あんな奴ごときにも優しさを見せるなんて」

「龍我の野郎が羨ましいぜ」

「俺も飛び降りようかな?」

とバカげたことを言う男共はバカである

「ダメだぞ命を粗末にし…え?」

「………」

「龍…我…?」

 

 

 

つづく


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