最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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番外編 17

 

 

 

ある日

「ふぁ~…」

あくびをしながらいつも通りの時間に教室に入る

「ん?」

気のせいか、俺が入るとなぜかみな俺の方を見る

まぁ気のせいだう、俺は自分の席に座り鞄を机の横にかけ一息つく

「…………」

なんか教室に重々しい雰囲気が漂っている、まぁ気のせいだろう

「おい龍我」

ここで勇が話かけてくる

「どったの?」

「これはなんだ?」

勇から渡される一枚の写真

「なにこれ?」

写真を見ると俺と氷堂が一緒にゲームをやっている写真だ

「これがどうした?」

「はぁ…わかっちゃいないな」

「??」

「今日朝黒板にこの写真が貼られていた」

「へー」

「今日お前が来る前に2Fが戦争をしかけてきた」

「へー」

「…まだわからないのか?」

「何が?」

「はぁ、このクソバカが、理解しろよ」

「?」

「つまりだ、この写真は俺達Fクラスの男子のやる気を削ぐ罠、つまり今日宣戦布告してきた2Fのバカ共の仕業」

「へー…で?」

「いっぺん生まれ変わって頭ん中に脳みそ詰め直してこい!」

「もっと簡単に説明しろよ」

「つまりだ、俺達を叩き潰そうとしているんだよ」

「なぬ!?なめやがって…返事は?」

「こんな罠に気づいてそうあっさりはいなんて言えるか、昼休みに再び来るからその時に返事をする」

「どうするんだ?」

「総力戦になったらまず無理だな」

「なんで?」

「1F男子(バカ共)の憧れの的が取られちまっているからな、ましてやこのクラスの男に」

「???」

「だからやるとしても代表戦、俺とタイチ、鬼豪はこんな記事どうでも良いかからな」

「へー」

「…お前理解しているか?」

「さぁ?」

「お前含む4人+捨て駒1人で叩き潰す、いいな」

「別にいいけどそう上手くいくか?」

「いかせるんだよ、姑息な手使いやがって…」

「よく分からんが頼むわ」

「お前も頑張るんだよ!」

「当然」

「龍我、あんな氷堂とそんなに仲良かったの?」

ここで優香がやってくる、来たばかりだからさっき知ったのであろう

「なんつーんだ、縁があったっていうかなんというか…はぁ」

「どうしたんだその溜め息は」

「なんでもねぇよ…はぁ」

「いや絶対あるでしょ」

「うるへー!」

「おいおい隠し事は良く無いんじゃないか?」

「そうだぞ」

鬼豪とタイチが言ってくる

「あぁ!?」

「別に対した隠し事でも無いんだろ」

「まぁそうだけどな」

「じゃあなんだ?」

「別に俺の兄貴と氷堂の姉が友達なだけで」

「へー、お前に兄いるんだな」

「まーな」

「お前の兄貴っていやー」

「黙れ鬼豪、それより今日代表戦やるんだろ?お前ら気合い入れろよな」

「当たり前だろ、ボコボコにしてやる」

いつも通りの鬼豪

「また戦争か、いいかげん疲れる」

タイチもまたいつも通り

「負けたら承知しないからね」

「…頑張って」

優香も玲子もいつも通り もっと変われよ

「で、問題はこの写真だ…」

勇が再び写真を取り話す

「その写真がどうしたんだ?」

「だからこの写真のせいで俺ら覗くF男子と」

ガラガラ

「龍我ぁ!貴様に勝負を申し込む!!」

「俺もだ、出てこい龍我!」

「ぶっ殺してやる!!」

ドアを開け声を荒上げる男共

「…このように他のクラスの男子から反感をくらう可能性がある」

「あいつら他のクラスにもばらまいたのかよ」

「んだよ、遊んだだけだってーのになんでこんな騒ぎになるんだか」

「男ってバカよね~」

「単純…」

「勝負しろ龍我」

「だってよ、行け龍我」

「別に構わねぇけど、やるからには今後の人生になんらかのハンデを背負う覚悟は持っておけよ」

「うるせぇ」

「テメェこそ二度と安息につけると思うなよ」

「ぶっ殺してらぁ!」

「死ね龍我」

缶やら辞書やら投げて煽ってくる

「………」

俺は投げてきた辞書を拾い

ビリビリ

まっぷたつに破り捨て、つづいて缶を広い

パキャァ

両手で圧力をかけ潰す

「冷た!?」

「中身入りかよ」

「ってかそれスチールだろ?」

「……覚悟、出来てる?」

脅しをかけ、それでも挑む覚悟があるか聞く

「うっ…」

「怯むな退くな怯えるな、その程度の覚悟で俺に挑むな、カス共が!だから2年ごときになめられるんだ」

「なっ!?」

「鬼豪、雑巾ある?」

「ロッカーにあるだろ」

「ちっ」

塗れた短ランを脱ぎ窓にほし、ロッカーから雑巾を取り

「邪魔だどけ」

ドア、廊下を埋める男子共をどかせ雑巾を濡らし戻り濡れた床を拭く

「黒のタンクトップで過ごすの?」

「しゃあないやろ、バカ共が中身入り投げてくるんだから」

「…凄い筋肉」

「聞き飽きた、テメェら邪魔だからはよぉ散れや」

「うっ」

「このまま引く訳には」

なかなか散る気配がない

「はやくしないと、石井先生にとっ捕まってまとめて生徒指導室(地獄)送りだぞ」

俺と鬼豪は経験者なためよーくわかる

「そんな脅しきくか!」

「勝負しろ龍我!」

「き~さ~ま~ら~」

ここで不穏な声が聞こえる

「もうすぐ授業が始まるぞ、さっさと席につかんかああぁぁっ!!」

「ひっ!?」

「すみませーん」

すぐさま急いで教室に戻る生徒達

「ったく」

「度胸無!?」

「浅はかな男子共だ」

「貴様ら、なんの騒ぎだ?」

「なんでもないですよ」

「そうか…ならどうしてタンクトップ姿なんだ?貴様露出狂だったか?」

「タンクトップで露出狂って、そんなわけないじゃないですか、学ラン濡れちゃったんですよ」

「なにぃ!?ならブレザーでも着るか」

「イヤだ、んな女々しい制服誰が着るか」

「ならそのままでいい」

「そうしてください!」

「そうか、なら授業を始めるぞ」

ちっ、数学かよあーあーダリィ

「それと龍我、教科書20Pの問3答えられるようにしおけ!」

「は、はい…」

最悪だ、なんでこんな目に…

 

 

 

 

「龍我死ねえぇ!」

「くたばれ龍我ぁ!」

「死んでくれや!」

「うおおぉぉっ!!」

廊下を歩けば男共に囲まれる

「はぁ、くつろぐ時間も無いのかよ」

廊下だけでなく、便所、教室などでも襲われその全てを返り討ちにする

が、もちろん俺の体も無傷なわけがない、手足、武器で殴られた所が痛い、だからやりすぎちゃったがまぁ自業自得だな

昼休み

「おい龍我、いくら挑んできたからってやりすぎだろ」

「あぁ!?知るかよ」

「返り討ちにした奴の大半は血を流し、全員が気絶」

「挑んできたんだから仕方が無いだろ」

「だからって、やり過ぎだって」

「それは向こうだろーが、鉄パイプで殴られた脇腹が痛いぜ」

「おい、今日戦争かもしれないってのに大丈夫か」

「支障だすなよ」

「はん、俺はいつなんどきでも絶好調だからな」

「ならいいが」

「いたぞ!」

「呑気に飯なんか食いやがって」

ドアを開けて入ってくる1年男子共

「死ねや」

「ったく、飯ぐらいゆっくり食べさせてくれよな…」

「うーん、氷堂人気がここまでだとはな…」

「基本完璧だから、憧れなんだろ?」

「くっだらねぇ」

もうダメな、いくら温厚和平な俺でも頭にきた、プッチンだプッチン

「死ねや龍我」

金属バットで殴ってくる男

「周りの迷惑だろぉが!」

拳でバットごと殴り飛ばす

「ぐああぁぁっ」

大きく吹き飛ぶ男、近くに拳の後が残っているバットが転がる

「何が死ねだ殺すだ!俺がなんかしたってーのか?おーー?」

「うるさい、お前ばっかいい気になりやがって!」

「…勇、他のクラスもFクラスみたいなのか?」

「知るか」

「吉川が広めたのかもな」

「なんだそれ、そしたら吉川が1学年のトップみたいじゃねぇか」

「本当だったら実質そうなるな」

「聞いてみればどうなんだ?」

「おい吉川、どうなんだ!!」

「知るかボケェ!」

「だそうだ」

「なるほど、じやあ他クラスとFクラスは大差無しだな」

「動かすとは、氷堂人気凄いな、さすがは1学年トップと言ったところか」

「ふん、くだらねぇ」

「男のひがみほど情けないモノはない」

「くそ、どうしてお前なんかが氷堂さんと」

「あ?氷堂?」

「お前みたいなバカが氷堂さんと仲良くなるなんて」

「……何言ってんだこいつら?」

訳わからんので勇に行く

「あ?お前ここまで来て分からねぇのかよ」

「わからん!」

「はぁ、バカが…つまりだ、お前が氷堂と親しい関係が許せないんだとよ」

「なぁにぃ!?んなバカ」

「今まで氷堂と何やった」

「飯くって、ゲームして、勉強教えてもらって、遊びに行って…あ、田植えを手伝ってくれたこともあったな」

「なあにい!?」

俺の言葉に激しく反応する男共

「昨日なんかボッコボコにやられてよー、ありゃぁ柚子以来だ…っなわけで今日大乱闘大会やろー!」

「断る!」

「却下!」

「はあぁ!?つれねーなー!」

「お前の寮狭いんだよ」

「仕方ないだろー」

「9人の時が地獄だった」

「良い思い出だ」

「嫌な思い出だ…」

「ってな訳でぇ、俺以外にも親しい仲の奴はいるわけでと」

「うるせぇ、これとそれは別だ」

「助けたからって調子乗りやがって」

助けた?なんかしたってけ?

「吊り橋効果巧みに使いやがって」

釣り針?効果?何言ってんだ?

「とっとと別れろ!」

「独り占めは許さねぇ」

独り占め?何言ってんの?

「死ねぇ!」

殴ってくる男、俺はその俺の顔面を掴む

「ぐあぁぁ」

「よぉ分からんけどよぉ、氷堂に好意あんだった俺に構うんじゃなくて話かけろや」

そのまま上へ持ち上げ更に力をこめる

「ぐあぁぁ」

「うるさいこれが一番手っ取り早い方法なんだ」

「だから死んでくれや!」

「二度と近づくな!」

「バカかテメェら!!」

腐りきっている男共を見て思わず叫んでしまう

ブシュゥッ

力の入れ過ぎか、こめかみ辺りが切れ血が吹き出す

「んなシャバイことすっから振り向いてくれねぇんだよ」

「!?!?」

「ワシ狙い前にやることあんだろうが!!」

「こ、これ以外ないだろ」

「あんだろうが、話かけるとかよー!なぜやらない」

「俺達が声かけとても、なぁ」

「高嶺の花過ぎて話かけられない」

「はーーー、テメェらが思っている程氷堂は高くねぇぞ」

「ど、どういうことだ」

「お前バカにするな」

「してねぇよ、あいつは誰にでも優しくできるし、そんなプライドが高いって訳じゃない、頭の良さと外見からじゃ分からないけど結構普通なんだぜ」

「…そうなのか?」

「そーだ、だから今すぐにでも声かけてこい」

「…………」

男共は静かに帰っていく

「おー、お前いつからそんな仲良くなったんだ?」

「あ?別に特別仲良いって訳じゃねぇよ、むしろ嫌っていると言っても過言ではない」

「と言うと?」

「俺に勝っているからな」

「なんだその理由」

「はははは、氷堂結構可愛いのに、そんな事言っていいのか?」

鬼豪が言う

「あっ?んなの関係ないわ!」

「アギャバババッ」

「鬼豪、浮気…許さない」

スタンガンてコゲコゲになっている鬼豪、まぁ愛する妻がいるのにそんな事言ったコイツが悪い、自業自得

「もっとも、氷堂のなにが良いのか俺には理解できないがな」

「!?」

「ん?どったのそんな顔になって」

「いや、なんでもない」

「そっ、んにしても2年Fか?遅いな」

「そういやそうだったな、来ると思ったが」

ガラガラ

「1年F組、不動勇、返事を聞きに来ましたよ」

メガネをかけた真面目そうな男が入ってくる

「来るのが遅いんじゃないのか?先輩」

「なにやら揉め事があったのでね、来るにもこれなかったのですよ」

「お前らが仕込んだことだろ?」

「さぁ、なんのことやらサッパリです」

「けっ、腹立つ言い方だ」

「それで、返事は?」

「そうだな、代表戦なら受けてやってもいいかな?」

「代表戦…」

「あぁそうだ、5か3、それとも1か」

「……いいでしょう、3対3の代表戦にしましょう」

「そうか、ならこの戦争引き受けよう」

「今日放課後でいいですね」

「望む所だ」

「フフッ…楽しみにしていますよ」

そう言い教室から出る男

「3対3か、誰が出るんだ?」

「鬼豪と俺、龍我で行く」

「おろ?タイチは出ないのか?」

「タイチにはやることがあるからな」

「やること?」

「後で教える」

「嫌な予感しかしない…」

「順番は?」

「鬼豪、俺、龍我、これでいこう」

「吉川とか使わないのか?」

「5だったら使っていたかもしれないが、もっともこの騒動があったいじょうF男子がたいして戦力にならん」

そういや最初にんなこと言っていたな

「まぁ俺が3人抜きでパパッと終わらしてやるよ」

「恐らく出来ないな」

「なに?」

「強力な能力を持つ鬼豪と強い龍我がいるんだ、それを阻止するために恐らくルールは勝ち抜きにしてこないはずだ」

「ちっ、たったの1試合かよ」

「相手も確実に俺達を倒す精鋭を出すはずだ、なめてかからんことだな」

「刃先輩以上に強い奴と当たれば嬉しいな~」

「何いっている、まぁ鬼豪、俺、龍我の勝利で完全勝利して徹底的に叩き潰してやるがな」

「勇、お前出来るのかよ」

「俺もクラスの代表だからな、カッコいいとこみせないといけないだろ?」

「ハハッ、んじゃあ気合い入れてけよ!」

「おぉ!!」

んで

 

 

 

 

放課後

体育館

いつもの通り金網のリングがある、普通のリングでもいいと思うのだがまぁよしとしよう

それにしても人が多いな、これ見るとかどんだけ暇人なんだよ

「ちっ、ヤバい雰囲気だな」

「なにが?」

勇に聞くと

「お前自覚無しか…ならいいや」

「???」

それといってヤバい雰囲気などではない、ただ男共が俺に注目してるぐらいかな?

「でよ、タイチに何を命令したんだ?」

「後で分かる」

「もったいぶりやがって」

「楽しみに待っておこう」

「そうしとけ」

リングの近くに行くと優香と玲子がいる、来るのはやいな

「目の前でちゃんと見ておくから、絶対勝つのよ」

「当たり前だ、怖くて悲鳴あげるなよ」

「勇も痛みで叫ばないでね」

「…できるだけ頑張ろう」

「鬼豪、負けたら…殺す」

「お前正気か!?」

「正気…だって鬼豪、負けないから」

「んだそれ」

「信じてるから…」

勇は優香と鬼豪は玲子さんと話している、うーむ、なんか羨ましく感じるのはなぜか…まぁいいや

「龍我くん」

ここで後ろから声が聞こえる、呼ばれたので振り返ると氷堂がいる

「…氷堂」

「負けないでね」

「あ?誰にモノいってんだ、俺は誰にも負けねぇ、少なくともテメェを倒すまではな」

「楽しみにしているぞ」

「楽しみに待っとけや!」

現時点での目標である敵と会話してやる気が上がる、よし気合い入ったぁ!

「おっ?やっぱ仲良いるじゃねぇか」

「ほっとけ」

俺ら3人はリングへと上がり、対人する2F男子3人を睨む

相手との挨拶をすませ、早速先鋒の試合が始まる

「鬼豪か…めんどくせぇのが相手だ」

「ほぉ~…俺の名前を知ってるとはな、俺も知名度が上がったな、ところで誰かさん」

「誰か…死ねやぁ!」

「バカが、闇雲に突っ込む奴がいるか!」

爆破で吹き飛ばす

「フフッ、さすがの威力だ…だが俺の能力も負けちゃいないぜ」

体から電流が流れる

「おぉ!?サンダー?カッケエェ」

感動している場合かよ

「死ねぇ!」

そういい走ってくる、だから爆破で撃退する

「体にまとうだけで放てないとみた…だから余裕だ」

「なめるなよ」

そういい鉄パイプを取り出す

「あー、武器ありかよ!」

「死ねぇ!」

「まっ、それでもかわんないけどな!」

挑む男を爆破で吹き飛ばすが

ヒュンヒュンヒュン

飛んでくる電流を帯びた鉄パイプに当たる

ビリリッ

「ぐおぉぉ!?」

「ぬああぁぁっ!!」

電流で怯んだ瞬間鬼豪を掴む

バリバリバリバリ

「グアァァ」

「コゲ死ねや」

「グオオォオォ……ォォ…おっ?」

「?なんだ」

ボッゴオォン

瞬間大爆発が起きる

「ぐっ…な、なんだ何がおこったんだ」

「おっかしいな~…全然効かないんだよな」

ピンピンしている鬼豪を見て驚く

「ば、バカな1万ボルトで効かないだなんて、人間じゃねぇ」

「玲子に毎日食らわされているからな~…なれますたっつーか玲子の方が圧倒的に威力高いわ」

確かに毎日食らっているけどそれで耐性なんかつくものなのか?

「愛の力だな」

「雷、愛の電撃越えられずだな」

すげぇなと話す勇と俺

「っつーわけだ、死ねや」

「しっ、死ねぇ!」

電流を帯びた鉄パイプで殴ってくるが、それを素手で受け止め

「俺以外だったら勝てるチャンスあったのにな、残念だったな」

ボゴオォ

 

 

「今までで一番簡単な試合だったかもな」

「1万ボルトって普通死ぬぞ」

「俺でも生きている自信無い」

「慣れだ慣れ」

「でも玲子の効いてるじゃないか」

勇のといに

「それな、なんでだろうな、スタンガンで1万超えるのは売ってないはずだぞ、っつーか売ってくれねぇよ」

「改造か?」

「いや、玲子にそんな知識無い」

「…まさか能力者?」

「んな話聞いたことねぇよ」

「お前が言うなら、そうか」

「そうだ、ほれ次お前だから行ってこい」

「あぁそうだな」

「まずは1勝、絶対勝てよ」

「当たり前だろ」

そういいリングへ向かう勇

「鬼豪…」

「玲子、どうしたんだ」

「勝った、私嬉しい」

「んな無表情っぽく言われても嬉しかねぇ

ギャバババババッ」

「鬼豪の…照れ屋」

玲子が放つスタンガンでコゲコゲになる鬼豪、今日で2回目だ、さっきは効かなかったのに人間って不思議だよな

 

続いて中堅

「ここでクラス長のお出ましか」

勇の相手は太っている巨漢の男

「生憎俺はスター要素が無いんでね、一番地味な順番を選んだだけさ」

「まあいい、クラス長のくせに弱いお前にイライラしてた所だ、ぶっ殺して惨めにさせてやる」

「弱い…か、確かそうだな」

「知ってて出るのとはな、勇気あるのかバカなだけかはっきりきてくれよ」

「そうだな、ここではっきりさせてやるよ」

「面白い」

勇はステップを踏む

「ボクシングか…」

「それはどうかな?」

「ボクシングごときが、俺に勝てるか?」

「あ?」

「ふぅん!」

ガシャアァン

走り体当たりをしてくるがかわし金網に激突する

「こう見えてラクビーやっていたんでなぁ、力と体力には自信があるんだよ」

「ちっ、その体格でこのスピードかよ」

「潰れろぉ!」

構え再び走る

「が、おおいにアマい!」

勇は横になり走る男の足を絡め倒す

「カニ挟み」

「結構行動な技だぞあれ」

「狂狼(きょうろう)」

ここで鬼豪がボソッと言う

「なんだそれ」

聞いたことのないので聞く

「勇の肩書きだ、あいつ中学では結構名の知れた不良だったんだぜ」

「そう言えばそうよね」

優香も言う

「へー、そうなんだ」

「誰にも従わずつるまずたった1人で喧嘩し勝ってきた、相手を徹底的に完膚無きまでに叩きのめすことから、狂狼がついた」

「へー、俺知らなかった」

「地区が違うから仕方がない」

「あの頃の勇は荒れていたからね」

「確か2年の頃落ち着いたって聞いたが、優香関係あるのか?」

「んー、初めて出来た友達、かな?」

「なるほど、落ち着く訳だ」

「さぁて、どう出るんだ狂狼」

「ぐっ」

倒れる男の上に乗り顔面を殴る

「ぐっ、この」

顔をガードし、巨体を生かし動き勇を上から振り落とす

「やろぉ…この能力で死ねぇい!」

男は拳と拳を合わせ力む

「はぁ~…ふうぅん!!」

体が茶色の毛が生え、2本の角が出る

「イノシシかよ」

「うぅ~…ダダダダッ」

一気に走り突進する

「四足歩行じゃカニ挟みも使えないか」

飛びこみなんとかかわす

ガシャアァン

金網を貫き場外へと出る

「ちっ、場外戦か…上等だ!」

勇もリングから出るやる気である

「ご来場の生徒は急いで2階、もしくは体育館から出てください」

とアナウンスが流れる、ってことは続行か

「ドケドケェ!」

他制度ごとなぎ倒す男、飛ばされた生徒達はテストの点が瀕死状態になっている、なかには0点も

「ちっ、熊、チーター、サイ、ライオンにつづいてイノシシ、2年は獣揃いかよ」

「動物こそが最強!人間ごときが勝てるかぁ!」

「いや、そうでもないぜ」

「なに?」

「こいよ、わからせてやる」

「ぐぬぬ…うおぉおっ!」

勢い良く走る男、しかし

ガシャアァン

勇めがけて走ったはいいが倒れているパイプ椅子にひっかかり転倒する

「ほらな、人間なら転びはしないぜ」

「ぐっ、くそぉ!」

立ち上がり怒りに身まかせ突出してくる

「うらあ!」

逃げず向かえうつ勇はパイプを持ち立っている

「しねぇ!」

「ここだ!」

当たるギリギリで手に持ったパイプ椅子を頭部から鼻部の間に叩き込む

「インパクト!!」

ドオォツ

大きく吹き飛ぶ勇

「がっ、かは…」

角が体に刺さることは無かったが、皮膚を切られ血が流れる

対するイノシシ男は白目を向いて倒れている、上に点数0のとかかれ

「はぁ、はぁ、俺の勝ちだ」

勇は立ち上がり

「確かに獣の力はすげぇよ人間がかなう訳がない、だがな、人間には知恵というものがあるんだよ!テメェも人間なら突進しないでちったぁ考えろボケッ!」

「やったなあ勇」

「当然の結果だ」

「でもイノシシ倒したんだよ」

「あんなのイノシシじゃねぇよ、イノシシ擬だ」

「お?なんか龍我と同じ発言だなそれ」

「獣の力なんて人間ごときが扱える力じゃないんだよ、戦ってよく分かった」

「そうだろそうだろ、俺と同じ考えだよ」

うむ、ようやく理解者が増えて俺は嬉しいぜ

「ちなみに龍我は野生のイノシシと戦ったことあるの?」

優香が聞いてくる

「当然、あの突進力はシャレになんねぇよ、力士超えてるわ」

「当たり前だろ」

「ってか本当かよ」

「傷みたろ、熊より酷くないが一応貫通してっからな」

「マジかよ」

「よく生きているな」

「だろ~」

「野生は強しね」

「その通りだ」

と会話をする俺ら、なぜそんな時間があるかって、今パイプ椅子のセットやら金網の直しやらで時間を多少使っているのである、まぁ一旦フィールドを消して再び戻せば元通りに直るんだけどね

「っしやぁ、次は俺か」

「あり得ないとは思うが、負けるなよ」

「当然、めざせ完封!っしゃあ」

「油断すんなよ」

「任せとけってーの」

皆の不安?をよそに俺はリングへ上がる

つづいて大将戦、もう2勝しているが最後まで戦うのが礼儀なのでやる、だから最終戦!!

「君が相手か…ちょうどよかった」

相手は相手のクラス長、名前知らん

「そりゃどうも、正々堂々よろしく」

「ふっ、それは否定出来ないね」

「そうか、じゃあ互いに頑張ろう、えっと」

「金沢 影浪(かなざわ かげろう)…よろしく」

「おう!」

「なんであいつは敵に対して社交的なんだよ」

「仕方ないだろ、戦いの中にも礼儀の考えを持つ奴だから」

「なんだよそれ」

「私の時とは扱い違うな」

氷堂が言う

「まぁ相手が女だったからじゃないかな?」

「龍我、優しいから…」

「そうとらえておくよ」

「行きますよ、龍我!」

「おっしゃこい!」

金沢が龍我を殴るが怯むことなく安定のはいドーン殴りをする

「ぐっ、かたい」

「お前柔らかい」

「これでも空手やって鍛えた拳なんですけどね」

「鍛錬が足りん!空手なめるな!」

「はは、素人の君に言われちゃ俺も終わりだな…だから能力使って叩き潰す」

「っしゃこい!俺はどんな動物でも戦ってやろう!」

「動物?やめてくれ、あんな獣の能力を使うだなんて汚れらわしい…はぁ!」

力むと全身から鋭い棘が出る

「棘か…」

「この棘は岩をも貫く、1年の磐城なんて眼中にない」

「磐城が眼中にないか…こりゃ面白いぜ」

磐城よりも強いか、胸が高鳴るぜ

「はぁ!」

俺の拳を手の平で受け取る

グサッ

「いつ!?」

「全身が棘、いわば全身が刃物!攻め守りと共に優れた能力」

「へー」

「な、なんだその棒読みは?」

「あれだ、お前にとっては攻撃も出来て守りも出来るって思っているかもしれんが、俺に言わせりゃ攻撃だけって感じだな」

「そうですか…なら見せてもらおうか!」

「はぁいドォン!」

バギャッ

腹部を殴る、勿論棘が刺さるので拳からは血が流れる

「なっ!?バカな、痛くないのか」

「痛み?そりゃ痛いさ~、でもな痛み恐れちゃあ勝てないんだぜ、空手やってるなら知っとけよ」

空手こそ痛みを乗り越えやっと強くなるもの、己の弱さに打ち勝ち手に入れる強さは偉大なるもの、だから俺は空手を含む武道が好きである

「痛みを恐れる覚悟、やはり強いな氷堂を振り向かせるだけはある」

「あ?氷堂?振り向く?何言ってんのお前?」

「だからお前を倒し俺が振り向かせる」

体の棘を更に大きく鋭くする、胴体に刺さったら貫通し即死間違いなしである

「おー、すげぇウニみたい、パンク~」

「余裕ですね」

「別に余裕じゃないさ、ただあの人らに比べれば余裕なんだよ」

「ならその余裕を無くしててあげますよ!」

そういい走りタックルをしてくる、長く伸ばした棘を掴みそれを止め

「ふん!」

後ろへ投げ飛ばす

「くっ、なんて力だ…だがそんな攻撃じゃ点数は削れない」

「俺もかったるい作業は嫌いなんでな、一気に決めさせてもらう」

俺は金沢めがけて走り

「ふん、自分から当たりにくるとは、自滅行為だな!」

俺は棘を掴むとそれを拳で殴り壊す

「なっ?」

「全部ぶち壊したらぁ!」

続いて棘を壊す、すると棘のない部分が出来るのでそこを殴る

「ぐぁっ」

棘を掴まれたり壊されたりと長くしたのが仇になる

「くっ」

すぐさま棘のサイズを縮め掴みにくくそれでも体を突き刺せる大きさになる

「これで掴めない、さぁ苦しみながら死ね」

「苦しみは嫌いだから一気にしとめる」

俺は大きくふりかぶり拳を叩き込む

グサッ

「ぐっ」

「ぐわぁぁ」

「どーよ!」

「ふふ…そんな両刃の剣攻撃いつまで続けられるでしょうね」

「お前がやられるまで」

「………」

金沢は目を見て悟る、本気だと、痛みに屈せず倒すという覚悟があると

「さぁて俺が出血死するかお前がぶっ飛ばされるか、勝負といこうか」

「ウルラアァァ!」

俺は顔面に拳を叩き込み怯んだ所を飛び回転し蹴りを顔面に見舞う

「ぐわあぁぁ」

後ろへ大きく吹き飛ぶ

「ぐっ、ぐぬあぁ!」

殴った拳から蹴った足から血が流れる、この流血戦に見物者も悲鳴を上げる

「はぁ!」

金沢は立ち上がり、攻撃を仕掛けてくる

全身に棘がついてあるので当たればただではすまない

「はぁ!」

グサッ

金沢の蹴りが右股に当たる

「ぐっ…オラァ!」

それをくらっても怯むことなくその足で首元を蹴る

「どうしたオラァ!気合い見せてみぃ!」

こっちが有利な立場だというのに圧倒されるその気迫このままではマズい、負ける可能性が大きい、ならばコレを使うしかない

そう思った金沢はポケットから写真を取り出し見せる

「あ?」

こっ、これは…

「これをバラまかれたくなければこの戦争を放棄し負けろ」

脅迫というものか、汚い

「勝ちたいのなら俺倒せ、だがその瞬間にこの写真がこの体育館にバラまかれる」

「………」

「さぁどっちだ?」

 

 

「急に大人しくなったけど何やってるのかな?」

「…龍我、困った顔してる」

「ちっ、何やってんだよ」

「…あれは写真…まさか脅迫されてる」

「脅迫って、また氷堂ネタか」

「また私関係か?」

「知るかよ、だがあの顔はそうとうだな」

「何かやらかしたのか?」

「何もやっていない」

「そう言うわりには顔が赤いな」

「これは違う」

「そうかよ、だがこのままじゃ出血時間で死ぬぞ」

「だろうな、どちらにせよ時間稼ぎになるから相手が有利になる」

「汚い真似するなぁ」

「安心しろ、手はうってある」

「なに!?」

 

 

「さぁ返事を貰おうか」

「………」

「龍我ーー!」

2階から呼ばれる声が聞こえるのでみる

「ちゃんと抑えてあるから気にするな!」

そこにはタイチと磐城がいる

「バラまこうとした奴はみんな倒したから」

「そういうことだ」

鼻血を出している男2人を掴み見せる磐城

「くっ、だが証拠全てはメモリーに」

「メモリーとはこれか?」

磐城がメモリーカードを見せる

「なっ、どこでそれを」

「こいつが見つけだした、たいした才能だ」

タイチに指さし言う

「磐城が来なかったら持ってこれなかったけどね」

「ふん」

「この写真をバラまかれたくなかったらそれを返してもらおうか」

「そううまくいくかよ」

「なにを言って…あ?」

手見ると写真がない、すぐに龍我を見ると手にもっている

「ふん…ゲスが」

メモリーを握り潰し破壊する

「あっ…あぁ…」

「金沢、テメェ正々堂々と戦うなりかと思えば他人使って卑怯しやがって…許さねぇぞクズ野郎」

「ちくしょう、なんでこんな奴に…氷堂は…」

「何ゴチャゴチャ言ってる」

「テメェさえいなければ氷堂は俺のものになるハズだったのに」

「お前、氷堂がもう脅しで屈すると思っているのか?」

「なに?」

「まぁいい、テメェは俺のダチに手をかけた…死んで償えや」

「償うのは貴様だ、たとえ試合は負けたとしても貴様だけは倒す」

「……冷めた…」

「何が冷めただ、貴様は後少しで大量出血で死ぬ、そんな短い時間内で俺を倒せるか?」

「ハアァァッ」

「!?」

 

「マズいな、また冷めやがった」

「またアレが出るのかよ」

「アレ?アレってなに」

「知らない方がいい、だから目を閉じろ」

「?」

「玲子、お前もだぞ」

「なにが起こるの」

「……お前には知らなくていいものだ」

「龍我くん……」

 

「はあぁっ!!」

蹴ってくる金沢、しかし龍我はそれを掴むと

ボキィッ

膝蓋骨が割れ足が曲がってはいけない方向に曲がり折りたたむ

「へ…?」

まだ痛みがきていないのか今何が起きたかわかっていない

パアァァン

口を殴り歯がゴナゴナに破壊され破片が辺り血と一緒に散らばる

ドオォッ

髪を掴みリングに叩きつけると腕を取り回らない方向に回しゴキリと音を鳴らす、しかしまだ終わりではない、今度は骨を折り肘、手首を外し、手を殴り完全に腕を壊す

すでに0点、勝負はついているだがそれでも龍我はやめなかった

「………」

髪を掴み起き上がらせる、顔面は酷い有り様でとても口では説明できない

ガシャガシャガシャガシャガシャ

金網にぶつけこすりつける、リングにも金網も真っ赤染まる

ガシャガシャガシャガシャアァン

最後は投げ捨て、トドメに腹部を踏みつける

バキッと鈍い音がする

「…………」

顔は無表情で目は冷たく死んでいるようなものである、感情を無くしただ相手を殺すロボットに限りなく近い

「………」

静まる会場

「ちっ、起こすか」

鬼豪が立ち上がり爆破を浴びせる

ボゴオォ

「ちょ、鬼豪、なにやってんだよ」

「あ?目覚ましだ目覚まし、あいつ一旦冷めるとなかなか戻らないからな、こーやって終わったって合図して教えるんだよ」

「でも、死ぬんじゃ」

「ってなぁ鬼豪!殺す気かボケェ!」

煙の中声を上げる龍我

「あ?何が殺す気だ!だ、ピンピンしてるじゃねぇか」

「ううぅぅるせっ!クソがボコすぞ!」

「やってやろうか?」

「上等じゃいボケェ!叩き潰したらぁ!」

「おいおい喧嘩くるなって、龍我はやく戻れ」

「ちっ…」

いつまでもこんな汚ねぇ場所に居てもしょうがねぇからリングに降りるか

「おっと、言い忘れる所だったぜ」

ここで俺はあることを思い出すので足を止める

「氷堂、2年制覇したら次はテメェだからなぁ」

俺は氷堂に指差し言う

「俺の威信に賭けてぶち殺す…覚悟しとけッッ!!」

「…そうか、楽しみにしているぞ」

それに対して冷静に答える氷堂

「奇跡は二度起こらねぇぜ、氷堂」

「そうだな、次こそ実力で勝ってみせよう」

「ふっ…今のうちに楽しく過ごしとけ…二度と生きれると思うな」

「望む所だ…」

互いに睨み合う2人

「やれやれ、仲良いんだか悪いんだか」

「本当に昨日一緒に飯食ってゲームやったのかよ」

「しかも隣人で付き合いが良い」

「…矛盾が多い」

「まぁ龍我らしいけどね」

 

俺が金網を引き裂きリングに降り花道を歩く、しかし

ダンッ

上から磐城が飛び降り俺の前に立つ

「龍我…俺もお前に果たすものがある」

「どけ、テメェなんざぁ眼中に無い」

「クラス長と戦いたくば俺を倒してからにしろ!!」

「テメェはお呼びじゃねぇんだよ、敗者」

「お前もだろ?」

「二度は無い」

「俺もだ」

「首でも洗って待っているんだな」

「テメェも精々強くなるんだな」

「………」

そう言うと磐城は無言で立ち去る

氷堂に磐城か…かっかっかっ、楽しくなってきた

 

 

 

 

 

 

放課後

「いやー、なかなかグロい試合だったね」

優香が言う

「そうか?」

「まさかとは思うがアレを氷堂にやるつもりなのか?」

タイチが聞いてくる

「つもり?バカ言うな、アレ以上をやるんだよ」

「お、おいそれはやめとけ」

「まっ、試合内容はどーでもいいけど負けるなよ」

「そうだぞ龍我」

それといって心配しない勇と鬼豪

「当たり前だ、徹底的に叩きのめし俺には絶対に勝てないと体に恐怖として叩き込んでやる」

「お前女には甘い性格してっから不安だな」

「な、なにお?」

「はは、言えてる」

「タイチ」

「まっ、それもそうよね」

「優香まで」

「そういうことだ」

「あんな~…その根拠はなんだよ」

「柚子と恵華を見てれば分かる」

「あぁ一発だ」

「そうよね」

「くっそっ、氷堂との戦いで違うと証明したらぁ!」

「そうか、なら頑張れ」

ぐぬぬぬ、適当な返事しやがって、絶対信じてないな

「それよりよく相手が脅してくるって分かったな」

「まぁな、試合前に手を打つやつが試合中に手を出さない訳がない、だからタイチを2Fに忍びこませた」

その判断のおかげで試合中も試合後も何も起こらなかったのである

「よく見つけたな」

「まぁ磐城に手伝ってもらったんだけどね」

「アイツがか?」

「なんか、クラス長が困っているから助けるとか言ってさ」

まぁ、あんな写真をバラまかれたら困るわな

「磐城の力あっての結果だから感謝しな」

「で、証拠はどうしたんだ?」

「燃やした、メモリーは磐城が握り潰したし、もう無いよ」

「中身はなんだった?」

「それ俺も気になるな」

「俺も見てないよ」

「なんだー」

「そう言えば龍我持っていたよね」

「あ?んなのを破り捨てたわ」

「どんな内容だったんだ?」

「お前、脅迫ネタなんだからそう簡単に言えるかよ」

「なんだ、じゃあお前関係か」

「いや、そうでもないな」

「え?じゃあなんだよ」

「言わねぇよ、さいなら~」

これ以上いるとめんどくさくなるので帰る俺

「ちっ、逃げたか」

「まぁ当然でしょうね」

「誰かの脅迫ネタを面白がって言うなんて出来ない」

「そうか?」

「さぁ?」

なんてクズなんだこの2人は

「もしかしたら…」

ここで玲子が口を開く

「なんだ、心辺りがあるのか?」

「もしかしたら、私達の内容かもしれない」

「俺達の……内容……」

「………」

ここで黙り込む2人、きっと思いあたる脅迫ネタでもあったのであろう

「龍我に感謝だな」

「あぁ…」

 

 

そろそろ夕ご飯の時間だから龍我を誘おうと部屋の前行くタイチ

ぬわああぁぁ!?

あはは、なにその負け方

くっそ、あと1つだったのに

残念だったね

ちっくしょ~

と声がかすかながら声が聞こえる

バンとドアを開け出てくる龍我

「おぉタイチ、どうした?」

「どうしたって…お前こそどうした?」

「あぁ?氷堂にゲームで負けたから今からジュースを買いに行くんだよ」

「え?氷堂と?」

「そうだが、どうした?」

「いや、別になんでも」

「ってことで、じゃ!」

そう言うと走り去る龍我、多分自動販売機だろう

それにしてもあれだけメンチ切って数時間後には仲良く遊ぶとか

「…矛盾しすぎだろ、あいつ」

「あらタイチくん、どうしたの?」

ここで氷堂がやってくる、まぁドア開けぱなしだったから気づくか

「いや…龍我をご飯に誘いに来たんだけど、邪魔だったかな?」

「ううん、これからご飯にするところだから」

「え?ご飯って、今ジュース買いに行って」

「ご飯食べに行くからついでに買う話だったんだけど、なんか先に行っちゃったのよ」

「へ、へー」

「食べに行くなら一緒に行きましょう」

ってことで氷堂と食堂へ向かうタイチ

 

 

 

食堂

今日は混む時間滞に来ているので人が多いい、柊さんも大変大変

「混んでるな」

「そうね、やっぱりもう少しはやく来るべきであった」

「座る所あるかしら?」

「いや、あるぞ」

隅の席で横になっている龍我を指差しいう

「横になって場所取りとは…」

「迷惑にもほどがあるだろ…」

「おろ?タイチと~、だ」

「そーゆーのはもういいよ」

「…氷堂、席空いてるから座りなされ」

「空いてるというより取っておいたでしょ」

「うっさい、いーの!」

「で、注文したの?」

「ぜーんぜん、場所取りで精一杯」

「…じゃあ私注文してくるから」

「俺も」

「あ、ちょい、俺の、って聞けよ!」

俺の言葉を聞かず食券を買いに行く2人、ったくなんだよケーッ!

「………」

しょうがないので待つことに、あークソ、ゲームで負けたからイライラするぜぃ!

「あの、」

「なんじゃい!」

突然声かけられたのでそのまま声に出てしまう

「ひっ、」

しまった、怖がらせてしまったか、申し訳がない

「あ、わりぃ、で、なに?」

「隣良いですか?」

「どーぞどーぞ!」

まぁ場所取りしてた俺が言うのもなんだけど場所取りはよろしくないので隣の席を開ける

「………」

「あの…」

「………」

「…あの、」

「あ?」

「桜義龍我さん、ですよね」

「…人ちが」

「龍我、買いに行っていいぞ」

「先に行ってごめんなさいね」

ここでタイチと氷堂がやってくる

「………タイチ、氷堂、タイミング悪過ぎ…」

「なんのことかしら?」

「…お前席渡したのかよ」

「とーぜん、だって俺もう飯食べたもん」

「は?」

「っつーわけで、さようなら~、これジュースね」

氷堂にジュースを渡し席を立ち食堂から出る

「…どしたんだ?あいつ」

「さぁ?何かあったんじゃない?」

「…………」

 

あークソ、席譲った俺が明らかに悪いし席を取っていた俺も明らかに悪い、だからなんとも言えるない、こうなりゃアレだ、自炊だ!

そう考えた俺は部屋へ戻り鍵を取りバイクにまたがりかっとばす

ブオオオォォォッ

スーパーで軽く買い物をし寮へ戻る

ブオオォォォッ

炊飯器が無いので米が炊けない、なら米を炊かない奴を作ればよいのさ!

ってことでパエリアを作る、まぁ練習を兼ねてだけどね

さっそく作る、スムーズにやってだいたい30分くらいかな、まぁパパッとやるか

ってなわけで

30分後

「うむ、我ながらなかなか高い完成度だな」

え?なんで料理出来るかって?それは中学の時恵華ちゃんと何度か料理をし学んだことがあるからだ、最初は全然ダメだったけどやってみれば楽しいものである、今度っから自炊にしようかな~、小さい冷蔵庫もあるし

「いただきます」

では実食!パクリ

「……味薄…」

毎回こうなんだよね、味が無いんだよ、カレー味にするとカレーピラフになるし、ってからパエリアってどんな味だよ

と考えていると、あることに気づく

「ニンニク、入れ忘れた」

そういやニンニクを入れてないことに気づく、まぁいいや

健康的で素材の味を楽しみめるパエリアを完食し、食べ足りないのでカップラーメンを食べ消化するまでゲームをし、その後恒例の筋トレからの風呂で1日をしめる

 

 

 

翌朝

「ふぁ~…」

今日も自炊をすることに、昨日買っておいた鮭と目玉焼きでも焼いて、茶碗に味噌とダシ、具材の豆腐を入れてお湯を注ぐ超お手頃みそ汁をつくる

充実しているな~、朝早く起きて筋トレ後の調理、高校生の鏡だぜきっと

強いて悪く言うならみそ汁がしょっぱいぐらいである

朝食を済ませ今日は余裕を持って学校へ登校する

ブオオォォォッ

いやー実に気持ちがよい、朝からこんな充実しているからとても良いことが起きそうである

ノホホ~ンと歩く俺、はやく来たから作物さんにでも水でもあげよう

農場へ行き水をあげる、美味しく育ってくれよ!

水を与えていると、黎明先輩がやってくる

さっそく良い事が来た!!!!

福祉の時間だけしか会えないので授業の無い今日に会えるなんてついてるぜ

「…………」

「おはようございます、れ、黎明先輩」

おはよう

いつも通り書き言葉で返してくる

「どうしたんですか?農場に来て」

ここ落ち着く、私の憩いの場

「アザーッス!」

龍我、農業?

「はいそうです」

この花壇も?

「はい」

上手に育っているね

「アザーッス」

龍我、花好き?

「好きと言いますか、自分の友達に花が好きな奴がいましてね、それの影響です」

そう、私の姉妹にも花が好きな人がいる

「そうなんですか、じゃあ黎明先輩も」

私、ダメなの?

「あ、そうなんですか」

私、生命に嫌われてるの

「…何を言っているのかわからないんですけど?」

私嫌われ者

「そんなことないですよ、自分は嫌ってないですからそんなの思い込みッスよ!」

ありがとう

「当然の事を言ったまでです」

ホースを止め水をあげるのを止める

「そろそろ時間になりますから、学校戻りましょう」

うん

2人で学校へと戻ることに

「黎明先輩って、いつもこの時間には学校に来ているんですか?」

そうだよ、龍我は?

「自分は偶々ですよ」

そうなの

「早く来て何かやることあるんですか?」

なにもない

「え?じゃあなんで」

静かな時間が好きなの

「あ、そうなんですか」

でも今日は龍我に会えたから嬉しい

「!!」

なんだよその書き言葉、すっげえぇ嬉しいんですけどぉ!?どぉしよっかなぁいつも早く学校に来ようかな?いや来るしかない来る一択だ!

「あ、自分こっちなんでまた会いましょう!」

うん

黎明先輩と別れ教室へと向かう

なんで実に良い朝なんだ!!最高の1日になるな、絶対、1000%、百発百中、に!!

とても良い気分のまま教室に入る俺であった

 

 

 

 

 

つづく

 


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