最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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番外編 16

 

 

 

 

学校

いつにも増して険しい?顔をする俺

「おいおい面白い顔して何考えているんだ?」

鬼豪が聞いてくる、面白い顔って失敬な!

「…今日面談なんだよ」

「それがどうした?」

「問題が、どっちが来るかだ?」

「母親か父親かだろ?」

「俺は恐らく親父が仕事バックれて来ると予想する」

「はは、お前の親父強烈だからな」

「問題はどう話をスムーズにもっていくかだな」

「なんだ、ややこしいことでもしたのか?」

「んな事すっかよ、俺は学校1の真面目ちゃんだぞ!」

「バカ言うな学校1の問題児ちゃん」

「それはテメェだろう!」

問題児中の問題児であるキング・オブ・問題児の鬼豪に言われたくない、実に不快だ

「あぁダリィ、チクショー嫌な予感しかしないぜ」

「そりゃいつもだろ」

「うーるせっ!」

「俺も苦労して終わったんだからお前も頑張れや」

笑いながら言う鬼豪、自分勝手ながら腹が立つ

「まぁ頑張れや」

そう言い席につく鬼豪、帰りのSHRがあるからって1分前に座るたぁ6月前の鬼豪が見たら驚くぜ

ちょうど泉先生もやってきてチャイムがなるのでスムーズに進む

「今日で三者面談は終わりになります、明日から普通の日課になりますから、有意義に使ってください」

と、有意義という決して勉強をしなさいとは言わないのが不思議である

「それでは終わります、当番さんお願いします」

すぐに終わり放課後になる

「さて、か」

「龍我さん、ちゃんと面談の時間には学校には来てくださいね」

帰ろうとする俺にちゃんと呼びかける

「面談?はて、私はもうおわ」

「来ませんでしたら……覚悟し」

「よおぉくわかりましたぁ!」

「じゃあお願いしますね」

「はいっ!!」

俺の返事を聞くと教室から出る

「どうした、なにかあるのか?」

いつにもまして気合いの入った声を上げる俺をみて聞く勇

「なんもねぇよ、お前ら今日も遊ぶのか?」

「正解、お前も来るか?」

「面談があんだよ!」

「最後だろ?3時間遊べるぞ」

「時間に遅れちゃいかんからな、大人しく寮に戻って寝てそのまま一夜を過ごしたいな~」

「なにバカ言ってんだよ」

「うっせっ、バカ言うなバカ!」

「バーカ」

「なに!?」

「お前は来ないんだな」

「そーゆーことだ、俺居ない方が盛り上がんだろ?楽しんでこい」

「その通りだからそうさせてもらう」

そう言うとあの4人の元へ戻る、うぜぇから俺は屋上で飯をくい、食休みも兼ねて寝て、ウエイトヘ向かい体を鍛える

「ふう鍛えた鍛えた」

今日は主にサンドバックを叩き打撃面を鍛え、シャワーを浴び汗を流しプロテインを飲み生徒保護者控え室へ向かう

「およ?」

中には氷堂が1人窓側の一番端の席にポツンと座り本を読んでいる

「…………」

まだ気づかれてない、俺は静かに下がろうとした時

「どこへ行くのかしら?」

そう言う氷堂、ちっ、気づいていたのか

「……帰るんだよ」

「ならどうして開けたのかしら?」

「………気まぐれ?」

「そうか」

「そうですそうですさようなら」

俺は教室から出ようとする

「泉先生からの伝言で、お父さん遅れるそうだからここで待ってなさいとのことだ」

その言葉が足をとめる

「………」

仕方が無いので、一番距離のある場所である廊下側の前隅の席に座る

「……遠くないか?」

「気のせいだ」

「……私が嫌いなのか?」

「別に、近々2年を制圧した後テメェらを叩き潰す予定があるから慣れ慣れしいことはしないようにしている」

「昨日会話したのにか」

うぐっ、とても痛い事を言う

「きょ、今日から、今から決行したんだ」

「続くのかしら?」

「…多分無理でしょう」

そう言い俺は氷堂の1つ席を空けて座る

「やはり距離を取るのか?」

「あ?あぁ、あんまり女子近づくのは良くないと聞いたことがあるからな」

「恵華と柚子はどうなんだ?」

「あの2人は家族だからな、そんな溝などない」

「…そうか」

ふぅ、なんか納得してくれたか、んにしても無意識に空けていたか、まだ女子と接する時に緊張、女子に対する溝などがまだ治っていないとはな、みんなで居る時はなんとかなるがこう1対1になると……無理

アドレナリンが出ればなんとかなるが、なにか興奮させないと

「どうした?真顔だぞ」

「えあ!?」

不意に声かけられたので変な声が出る

「今日の君は変だぞ、いやまていつも変だからなんて言えばいいのかな」

「ちょいこら、なんという言い方だ!」

「あ、戻った」

「何が戻っただ、くそ」

こっちの気も知らずに、あぁクソ!!

「何時から?」

「一番最後だ」

「私と一緒ね」

「あぁそう」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「そう言えば君、2年生制圧とか言ってたけど本当にやる気なのか?」

「当然!!最強は俺らのクラスだからな」

「でも一応私達に負けているけどね」

そうなのである、ちょっと色々様々あって負けてしまったのである、しかも俺に黒星つけて…あー、悔しい!

「あぁクソ、思い出すだけでも腹が立つ!!」

「私にか?」

「ちげぇよ、自分にだよ!!」

「じ、自分にか?」

「くっそっ、試合中だってのに相手を気づかっちまうなんて、まだまだあまい甘すぎる!!」

もっと極悪非道にならねば

「…そこまで責めるのか?」

龍我の過度な責めと悔いを見た氷堂は苦笑い

「…ごめん」

そして謝る

「あ?なあんでお前が謝るんだ?」

「だって、私が原因で」

「いや、別にお前を助けたから悔いているんじゃなくて、試合中に変な情を出しちまう俺がみっともなさを悔いているのだよ氷堂くん」

別に試合中じゃなくても良かったのだ、それなのにどうして試合中に、戦士として恥だ恥!

「そうか」

「そういうこと」

「私と君は初対面だったはずなのになんであの事を知っていたんだ?」

「ん?俺のダチがさ俺に話してくれたんだよ、もしかしたらお前助けるかもしれないから、とか言ってよ~、予言者か!?って話だけどな」

「当たっているから予言者だな」

「そうだな」

「それにしてもその人はお人好しなんだな」

「まぁお人好しだから、まぁ、頼る相手を俺にしたのがミスかもしれんが、覚えていた俺も俺だけどな!」

「…ちょっと言葉変じゃないか」

「ほっとけ!」

「その人にお礼を言いたいわ」

「奴はそういうの嫌う質だからやめとけ」

「…そうなの?」

「ああそうだ」

「あなたと一緒ね」

「考えは似ているからな」

などと会話してる中ふと時計を見ると時間になる

「おっと、もう時間か行かなくてはな」

「まだ10分前だぞ」

「ふん、甘いな、社会人として10分前行動は基礎中の基礎である基本中の基礎!!そしてその中には親を待つという時間も含まれているのだ」

「おぉそうかそうか、お前にしては考えているな」

「だろぉ?ん?」

後ろから男の声が聞こえるので振り返ると巨漢の男がいる、そしてそのデカい手で頭を掴んでくる

「ダァッハッハッハッハッハッ久しぶりだなぁ龍我ぁ!」

「お、親父声デカい」

「なぁにぃ、小さい事気にするなや!っはっはっはっ!!」

「ったく泉さんが待っているから行くぞ」

「おぉそうだったな、まさか泉さんがお前の担任になるとはなぁ、偶然とはあるもんだなぁ!」

「じゃあな!」

「え、えぇ」

氷堂と別れ教室へ向かう

 

担任と親と子の3人で面談をする、内容はいろいろ面倒だから断腸の思いで省略とさせていただきます

 

 

 

「ふぁ~…ダリィ」

生徒抜きで2人だけの面談をするので俺は先に帰ると伝えて了解を得たので帰る

おっと?廊下を歩いてると氷堂ともう1人、氷堂とスタイル容姿は似て大人っぽさがあり、髪色は同じで短い女性と一緒に歩いている

「あ」

しまった、目が合ってしまった

俺は目をそらさずゆっくり静かに後ろへ下がる

「…どうして下がるんだ?」

「………」

ここで喋ったら殺される、いつ氷漬けにされるか分からないので最新の注意を払いながら~

「あら、この人が噂の子?」

「ちょっと姉さん、違わないけど言わないで」

「ごめんなさいね」

「………」

反応はしちゃいけなので引き続き俺は無視して下がる

「って、まだやっているの?」

「………」

「みっともないわよ」

「………」

確かに高校生が動物相手に通じるか通じないかレベルの動作をしている、とても恥ずかしいな

「…面談終わった?」

「これから寮に帰る所」

「そうなの?へー、じゃ!」

軽い会話をし帰ろうとする俺だが

「気をつけぇい!」

「!?」

その声を聞いた瞬間歩く足を止めその場でシャキイィンとピシイィッと気をつけをしてしまう

「お久しぶりね、龍我」

「……どちら様で?」

氷堂に似ている人を見る、全く見覚えがない

「私よ、冷月(れいげつ)」

「レイゲツ?はて…ん?…あっ…あぁ…あれ?」

「覚えてないのね」

「確か兄貴の友達だった記憶が」

「覚えているじゃない」

「いや、3年前の事だからギリギリ覚えていますよ」

「あらそう、虎我は元気かしら?」

「わーんないですよ、連絡手段無いんで」「あら、兄弟そろってケータイ無いんだ」

「ほっといてください、それに兄貴は買って出て行きましたから」

「あ、買ったんだ」

「…姉さん知り合いですか?」

ここで氷堂が聞いてくる

「ん、友達の弟なのよ、偶然ね」

「そっすね、んにしても姉が冷月さんとは」

「気づかなかったの?」

「気づくわけないじゃないですか、冷月さんと違って大人しいっスから」

「それどういう意味?」

「元気良くて社交的ってことですよ、兄貴もそう言ってたし」

「なら良かったわ」

「まぁ、強引な所は一緒だけとね」

「何か言いました?」

「なーんでもありませぇん!」

「そう、それにしても知らなかったわ~、まさか彼氏が龍我くんだなんて」

「…カレシ?なんですかそれ?新しい香辛料か何かですか?」

「彼氏、付き合っている、夫よ」

「なんでそうなるんですか?」

「ほら、水月と話している時あなたと思われる人の話題が出てさ」

「ひょおぉどおぉっ!!?」

「わ、私に言わないでくれ」

「お前以外に誰を言うんだタワケ!個人情報バラすな」

「別にバラした訳じゃなくて、友達が出来たよって話ただけで」

「あらそうなの?そのわりには長くハキハキとした文だったわよ?」

「ちょっと姉さん」

「帰る!」

「帰るなら私も水月の部屋見て行くから一緒に行きましょう、隣人なんだから」

「ヒョオォドオォッ!!」

「わ、私じゃ」

「お前とは切る縁すらない縁を切る、二度と近づくな!」

「にしても私の友達の弟とデキているなんてね~…私に似ていい女でしょ?」

「はっ、生憎俺は理解出来ない性分でしてね」

「またまた強がっちゃって~」

「あのですね…」

「おぉ龍我、まだ学校にいたのか?」

ここで親父がやってくる

「厳蔵さん、お久しぶりです」

「おぉ、冷月さん久しぶりですな」

「ご無沙汰しております」

一応兄貴の友達であり家に遊びに来ることもあるので親父も知っている

「姉さん、この方は?」

「龍我のお父さん、厳蔵さん」

「久しぶりですな水月さん」

「え、なんで私の名前を?」

「覚えていないか、そりゃよかったはっはっはっはっ」

笑う厳蔵、なにがおかしいのやら

「すみません、覚えていなくて」

「いいんじゃいいんじゃ、まだ幼い時だったからな、はっはっはっはっ」

「…親父、なんかあったのか?」

「なーんにも、それより龍我、母さんからの要望でお前の部屋を見てきて欲しいとのことだ」

「え?なんで?」

「なんでって、どのような生活をしているか心配で心配でたまらないそうだ、母さん寂しがっているぞ」

「いや、妹2人いんだろ」

「そうだけど、虎我は自衛隊で寮生活、お前は学校で寮生活、2人も居ないから寂しいんだよ」

「なんだそれ、青空でも行って住めば?」

「そうしたいんだが、さすがに迷惑だろ」

「うん、そうだね」

「さて、話は戻り行くぞ」

「へーへー、じゃあな氷堂と冷月さん」

「そうね、また後であいましょう」

「うぐっ」

隣人だから会う運命か…嫌な予感しかないな

一旦?氷堂姉妹と別れ寮へ向かう、今廊下を歩いている所

「親父、どうやって来た?」

「バイク、お前もだろ?」

「じゃあ俺が先行すっから、っつーても道知っているか」

「まあな」

「ん?」

ここで石井先生が横切る

「おぉ石井!」

「厳蔵…そうか今日は三者面談があったか」

額を手で押さえ言う

「久々だな」

「3日前に飲みに行ったばかりでしょうが」

「そうだっけ?」

「覚えていないとは、まさかとは思うがこれも忘れてはいないですよね?」

親父の前に手を差し出す石井先生

「…………」

その手を叩く厳蔵

「…忘れたのですね?」

「悪い、なんのことやらサッパリです」

「はぁ~…さすが親子だ、これ」

ポケットから財布を取り出し紙切れを見せる

「なにこれ?」

渡された紙切れ、領収書を見ると4860円と書かれている

「…なにこれ?」

「3日前飲みにいった時あなたが払うはずだった代金だ」

「あれ、そんなに飲んだっけ?」

「これはあんたの奢りで払うんですよ」

「え?なんで?」

「はぁ、本当に覚えていないのか」

「うん」

「以前俺が全額奢りだったから今回は俺が払うとか言って飲みに行ったのに財布忘れただのふざけたこと言って俺に払わせたんだろうがっ!!」

「あ~…そうだっけ」

「だからこうして領収書も貰ったんだ、今すぐ払え!!!」

「え~…財布家に忘れた」

「なあにいぃ!?」

「ってことで龍我払ってくれ」

「はああぁぁ!?!?」

「貴様自分の息子に払わせる気か!?」

「冗談冗談、ほれ」

親父は財布を取り出し五千円札をとり渡す

「釣りはいらないぜ」

「ふん、利子ですよ」

「はっはっはっ堅いな~お前」

「こっちも色々あるんですよ、ったく」

「俺もだよ、あはははは」

「ちゃんと息子に教育するんだぞ」

「おう、また飲もうぜ」

「次はちゃんと財布持ってこいよ」

「多分な」

「多分って…」

「ダッハハハハじゃあな」

石井先生と別れ寮へと向かう

 

 

 

「いやー、石井に合うとはな~」

「先生やってるって知ってたろ?」

「いや、あいつの本業は警察だろ?かなり偉い」

「そうだな、偉いのに下っ端のような仕事をこなし、更に教師もやる、とんでもない男である」

「あいつはスゲェよ、俺は警察も先生もやる!とか言って本当にやるんだからな」

「親父も見習え」

「そうだな」

「ほれ、ここが俺の部屋だ」

部屋を開け入れる

「おー、お?おー、狭いな」

「1人用だからな、しゃーない」

「なんだ1人だけか、つまんねぇな」

「かっ、知らねぇ奴と過ごしたかねぇよ」

「そうか?まぁ俺も学生の時は石井と同じ寮部屋だったな」

「幼なじみだっけ?」

「腐れ縁、産まれる病室から保育園、唯一違ったのは大学くらいか」

「親父行ってないもんな」

「俺くらいのレベルだと勉強なんざぁ中学までで充分なんだよ」

「あぁそうかい」

「んにしても1人は寂しいだろ?」

「いやそーでもないさ、それに俺1人だから安心してダチ招けるしよ」

「そーかそーか、じゃあ女でも招いたか?」

「ダチのな」

「なんだ、彼女じゃないのか」

「俺が出来る訳が無いだろ!」

「あ~あ、はやく孫が見たいな~」

「兄貴で言いだろ」

「自衛隊だから厳しいな」

「愛雀と愛武は?」

「まだ若い、愛武なんかまだ小学生だ」

「雀愛は中学だろ?」

「まだまだ子供」

「俺もだろ!」

「高校生は別だ」

「あんな~」

「まぁいい、健全と言いたいが不健全な生活をしているとでも言っておくわ」

「誤解を招く言い方するなって」

「分かってる分かってる」

親父はケータイを取り出し部屋の写真を一枚撮る

「これ見れは母さんは分かるからな」

「ふん、何も無い部屋見て何が分かんだか」

「俺も分からん、母さんしか分からないんだよな」

「そっ、で部屋見てどうする?」

「帰る!さようなら~」

風の如くドアを開け帰る

「帰るの早ッ!」

帰ったと思った親父がドアを開け顔を見せ

「早く彼女作って孫を見せるんだぞ」

そう言いドアを閉める

「うっせっ」

ったく、とんでもねぇ親だ、あー疲れた

疲れたのでベッドに横になりゲーム機を手にする

ピンポーン

……嫌な予感がする

というのもさっき冷月さんが「また会おう」とか言ったからである

俺は気配を消し気にせずゲームをする

ピンポーン

くそ、まだ鳴らしてやる、こんど電池でも抜いておこう

ピンポーン

イヤホンをしゲームをする、気にしなーい気にしない、聞こえなーい聞こえない

「出なさいよ!」

「うわっ!?」

急にイヤホンを取られ耳元で声を上げられる、犯人は勿論冷月

「イヤホンなんかしてゲームするな!」

「ふっ、不法侵入だぁ!」

「鍵してなかったわよ、不用心ね」

そう言えば鍵してなかったな、くそ忘れていた

「で、何か用ですか?」

「聞いたわよ、あなたの活躍」

氷堂にでも何かを聞いたのであろう、聞いてもしゃあないのでそうですかと言い軽く受け流す

「お兄ちゃんと変わらないね、さすが兄弟ね」

「ほっといてください」

「で、結婚式の話」

「うおい!?なぜそんな話があがる!」

「付き合っているんでしょ?」

「勘弁してください、俺が氷堂と付き合う理由なんてこれ1つも無いですから」

「水月は奥手でね~、なかなか自分から踏み込めないのよね」

「あの~…俺の話聞いてます?」

「でも龍我がよければそのまま結」

「姉さん、帰ったんじゃないの?」

ここで氷堂がやってくる、次から次へと不法侵入者が…くそぉ

「あら水月、なんでこんな所に?」

「隣がうるさいから様子見に来たのよ」

「不法侵入よ」

「それは姉さんもでしょ」

「よく分かったわね」

「大体分かるわよ」

「氷堂、冷月さん連れ帰って」

「あら、その言い方酷くない?」

「酷いのは姉さんです、私の立場というものを考えてください」

「そうね、私が力を貸す必要無いってことね、じゃあ頑張ってね」

そう言うと立ち上がり素直に帰る

「攻めが強い、女1人でお前を育てただけあるな」

「ごめんなさい、行動力のある姉でして」

「別に、知人だから知ってたし」

「そうか、お兄さんの友達なんだっけ」

「あぁ、さすが兄貴とつるむだけはある」

「どんなお兄さんなの?」

「あー、なんだ、ザ・長男!って感じだ」

「なんだ、それは」

「アレだ、真面目とは言いにくいが真面目で、知識もある、基本なんでも出来るのに努力家ときた、んで社交的で誰とでもうまく付き合えリーダーシップもある、なにより正義感が強いから困っている人を助ける、俺ら弟妹を引っ張ってくれたからな」

「なるほど、長男らしいわね」

「俺とは違って立派な兄さ」

「君はどうなんだ?」

「俺?なにが?」

「その、自分で分かる性格というのは」

「兄貴と真逆さ、アレだ、ドロップアウトって奴だ」

「道を踏み外すか」

「おっ!?意味分かってるのか?さっすが~」

「それぐらい誰にでもわかるさ」

「やっぱり?」

「まっ、それが俺の道なんだけどな!」

「変に堂々だよな、君は?」

「良く言われる、気にすんな」

「そうか」

「…で、いつまでここに居る気なんだ?」

そう俺は言う、だってこのまま会話したらずっといそうだもん

「そうよね」

立ち上がり帰ろうとする

「そーそー、帰れ帰れ」

「あ、」

ドアの前で立ち止まり振り返る

「なんだ」

「その、夕ご飯…一緒に、どうかな?」

「夕ご飯?」

そう言えばもう5時、まだ夕飯にはちと早いな

「べ、別に嫌ならいいんだ」

「いや、飯の時間早くない?」

「…早めに行かないと混むから」

「あっ、そっか」

「奢りを含めて」

「奢り?女に払ってもらう金なんざぁ無い!俺が奢ってやる!!」

と言う俺、だがふと思いだす、こいつはAクラス、俺を倒し者ということを!!

「はっ!?いかん、俺とお前は敵同士…社交的にするのは不味いか!?」

「…今更遅いんじゃないのか?」

氷堂の冷たい現実を言う

「…そうだな、試合と生活ちゃんとメリハリつけとかんといけないよな」

「君、面白いよね」

「うっさい、黙れ!」

ってな訳で少し早いが夕食を食べることに

 

 

食堂

「何を食べる」

「私はいつもの」

「何ぃ!?いつものだと!?」

「そ、そうだけど」

「いつものばっかり食べたら死ぬぞ!」

「別に死にはしないと思うが」

「何を食べるんだ?」

「パスタ」

「なにぃ!?コ食だコ食!!」

「コショク?」

「コ食、パンやら麺類などの粉ものだけを食べる粉食!同じものを食べる固食!食べる量が少ない小食!味が濃いのを食べる濃食!子供だけで食べる子食!バラバラに、バラバラなものを食べる個食!」

「へー、そんなのあるんだ」

「頭良いなら知っておけ!」

「だが私には2つしかあっていないんじゃないのか?」

「バカヤロー!半分以上当てはまっているだろうが!」

「いや、高校生だけしかいないんだから完璧は無理だろ」

「他全てをクリアするんだよ、柊さん焼肉定食大盛り2つ!と餃子2人前!!」

「食券で買ってちょうだい」

「そうだった!はい食券!!」

素早く買い素早く渡す

「大盛り2人前か、よく食べるな」

「あ?なに言ってんだお前の分だよ」

「え?」

「いったろ、コ食を無くすって」

「だからって」

「うーるせっ、異論討論異議反論反対否定拒否拒絶嫌は許さん」

「じゃあ抗議するわ」

「ぬおー、入れ忘れたぁ!」

「龍我、作り終わったからはやく取りにきなさい」

はやくも作り終えた柊さん、まぁすいているしね…でもはやいな

「よし食べるぞ」

俺は素早く取り席に置く

「食べるぞ、座れ」

「う、うん」

目の前に座らせ

「いただきます!」

「い、いただきます」

「さぁ食べよう食べよう」

ご飯大盛りにされた茶碗を持ち、食べる

「ん~…辛いな」

「そうか?普通じゃないのか」

「俺辛いのダメだからか」

「私は少し濃いめと感じるんだが」

「そうか?普通じゃないか」

「そうなのか?」

「いやわからん…ってかこれで濃いと感じるということは運動してないな、不健康め」

汗を流していないからしょっぱく感じるという俺の正しいのか間違っているのか分からない曖昧な知識を言う

「じゃあ君は運動のやり過ぎね」

「うるせぇ、健康体でいいじゃねぇか」

「なら登校の時は歩きなさい」

「うぐっ」

会話していると、氷堂が調味料を手にとり器に入れる

「…なにやってるんだ?」

「何って、餃子につける調味料を入れているんだが」

「それはなんだ?」

「ポン酢?」

「バカヤロー、餃子には醤油、酢、ラー油、おろしニンニクだろう!」

「醤油、酢、ラー油まではわかるがニンニクは無いだろ」

「ふん、ポン酢を入れるサッパリお前には分からんことだ」

「これで大根おろしがあればいいんだけどね」

「秋刀魚かよ、あと大根おろしなら言えば貰える」

「本当か?」

「本当だ、いってこい」

立ち上がり柊さんのところへ行き大根おろしをもらいやってくる

「俺は酢とラー油を少々で、醤油を入れそこにニンニクを入れる」

「こだわりあるんだね」

「姉さんがこの食べ方をしていたから」

「なら兄貴の影響っぽいな」

「そうなの?」

「あいつ食べ方には色々とバリエーション多いからな」

「そうなんだ」

「そもそも家族全体で食べ方誓うからな、親父なんかこしょうだけだぜ」

「こ、こしょうだけ…」

「母さんなんかゴマ油とか入れてるんだぜ、長女は酢を多め、次女はそのまんま、家族1つでもだいぶちかう」

「面白い家族だね」

「だろ?賑やか過ぎてうざったいぐらいだ」

「それなら1人は寂しい?」

「…かもな、でもまっ、そうでも無い」

「というと?」

「こーしてダチと楽しく会話しながら飯食えてんだ、俺は寂しかねぇよ」

「………」

「どうした、顔赤いぞ」

「え?あ、いや、なんでもない」

「大盛りだからな、残すなよ」

「それは厳しいかな?」

「…そしたら俺がいただこう」

ってな訳で

「よく食べれるわね」

「お前が食べなさ過ぎなんだよ、小食(こしょく)」

「これが高校生男児の食欲か…」

「おかわりおかわり~」

空いた茶碗にご飯を敷き詰める

「あれだけ食べて迷惑じゃないですか?」

柊に聞く氷堂

「そんな事無いわ、あれだけ美味しく食べてくれるから作りがいがあるわ」

丼飯5杯完食しまだ食べるその胃袋、確かに作りがいはある

「龍我と恵華、柚子を見ると子供欲しいな~って思うのよね」

「え?」

「私もてないから、あなたは良い奥さんになれるわ」

「え、えぇ!?」

「柊さん、ごちそうさまでした」

食べ終えた食器を片付け、柊に感謝の礼をし

「何話してたんすか?」

「龍我よく食べるなーって話よ」

「美味しいですから」

「嬉しいわ」

「明日も美味しいご飯お願いしますよ」

「任せて」

「氷堂、俺は先部屋に戻るから、気がすむまで会話しいな」

「これから忙しくなるから会話なんて出来ないわ」

「す、すみません」

「じゃあ、またね」

「じゃあ、失礼します」

部屋へと戻る龍我と氷堂

 

 

 

 

部屋

「はあぁぁ!?」

「あ、勝った」

「んだよそのメテオ、ザケンな!死ねちくしょぉ!!」

色々あって今俺の部屋で氷堂とゲームをしている

「くっそっ!もっかいだぁ!!」

「別にいいけど奇声はやめてくれ」

「なにぉ!?」

2試合目をやり

「パラアァ!?」

「はははは、なにその声」

「くっっそっ!なんだよそれ」

「あは、あはははは…はぁ、お腹痛い」

「違うゲームだぁ!」

カセットを変え再び挑む

「ざけんなよ、なんで2位でんないいアイテムが出るんだよ」

「結局はこういうゲームじゃないの?」

「違うよ、そんなゲームじゃないって」

「じゃあ運がいいんだ」

「くそ、柚子みたいなこと言いやがって…お前もなんか柚子に似てきたな」

「そうかしら?」

「そうだ、えぇいもう一回だぁ!!」

まぁ結果は言うまでもなく

「レースなんざぁ前座中の前座!真の戦いはこのバトルで決まる」

「敗者の譫ね」

「うるせぇ、叩きのめしてやらぁ!」

んで

「ア°ーーーッ!?」

「あははははなにその声ははは、た、高いよ」

「ちくしょおぉ、これじゃ動画と一緒じゃないかぁ!!」

「ど、動画?」

「なんでもねぇ、もっかいだ!ラストだぁ!勝つまでやるぞ!」

「言葉が矛盾ばっか」

「うーるせぇい!」

「ダハハハハハッ」

「あはははは、なんで挑んてきたのよ」

「ちげぇし、緑3つもあれば当たるだろうが、ってかなんで相打ちじゃないんだよ」

「知らないわよ」

「くやしいぃ!!」

「あんまり騒ぐと怒られるわよ」

「くっそっ、もういいやめる!」

「え?なん」

「やったら俺の心がもたない、壊れる崩れる、悲しい」

「そう落ち込むなって」

「うるさい、くそ…ギスギスしてきたから協力ゲームしかないだろ!」

「協力する気…ある?」

「ぶっ殺してやる」

「……ないわね」

「よぉし、スイッチオォン!!ポチィッ!!」

「頑張りましょう」

「足引っ張らせてやる」

「憎しみが憎しみを産んでいるわ…」

「アベラ!?」

「ちょっと、やられるのはやいわよ」

「くそ、オーバーオールの龍と呼ばれたこの俺が…」

「でもさっきそのキャラ使ってな」

「うるさいだまれいうなーシャラップ!」

「はいはい」

「お前はやられるんじゃないわよ」

「それは難し、あ、やられちゃった」

「うおい!?」

「ごめんなさい」

「くっそっ、まぁ最後の面だから許す」

「最初にやられた君に言われたくないが」

「うぐっ…」

「そろそろ8時になるからやめましょう」

「そうだそうだ、帰れ帰れ!」

「楽しかった、ありがとうまた誘ってくれ」

「二度と誘うかボケェ!」

「…期待しているぞ」

そういい部屋へ戻る氷堂、はぁ何やってんだか俺、一緒に飯食ってゲームして、まぁいか

俺は筋トレを始める為着替える、今日は外で縄跳びかな

皮で出来ている頑丈な縄跳びを手に取りサウナスーツを着て外に出て公園目指し走りそこから死ぬほど飛び、フラフラになりながら走って帰る、プロテインを飲み少し休んだら風呂入って寝る、こうして充実した日課を終えるのであった

 

 

 

つづく

 


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