最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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番外編 10

 

 

 

 

 

「それでは前半戦始めてください」

今まで前半後半共に15分だったのが20分となっている

ジャンケンによりボールは最初Aクラスから始まる

「くそ、止めろ!」

「速坂、パス」

「あいよ!」

サッカー部の速坂がボールを取ると次々とFクラスをかわし走り抜ける

「キャー速坂くん」

「かっこいい!」

「ちっ、んだよ女子にモテモテかよ」

「羨ましい、羨ましすぎるぅぅっ」

「絶対に落としてやる」

女子の声援を受ける速坂に嫉妬恨み妬みの念が湧き上がる、相変わらず恐ろしい連中だ

「死ねや速坂ぁ!」

吉川がスライディングをしボールではなく速坂の足を狙うが

「うわ、ばか」

速坂はジャンプをしかわす、吉川は同じく速坂にスライディングをしかけた同志にあたる

「いってぇなこら」

「空気読めや」

「お前がな!」

「言い争ってないで止めろや!」

「うるせぇ!」

喧嘩してる合間にゴール前に立ち止まる

「さぁこい!皆ほゴールは俺が守る!!」

速坂は右側にうつが大きくカーブをし左シ上ギリギリを狙っている

「ここだぁ!」

俺にかかればんなの見極めれば余裕なので軽くキャッチをし受け止め

「速攻!」

俺はボールを蹴り上げる、うむ今度はちゃんと前に真っ直ぐに飛んだ

「行け鬼豪!」

「うおっしゃあ!」

ボールを受け取り走りゴールめがけてシュートをうつが

「ふん!」

キーパーである磐城はその能力と体格を生かし軽々受け止める

「隼人!」

もう1人のサッカー部めがけボールを投げる、龍我ほどではないが良く飛んでいる

「死んでも止めろぉ!」

「うおぉぉぉっ!!」

「死ねやモテモテェ!」

「うろら!」

「二度と走れない足にしたらぁ!」

「その顔変えてやる!」

と、スライディング、タックルなどもはやファールである行為をするがどれもかわされる

「きゃー、格好いいよ隼人くん!」

「いっけぇ!」

「ちっくしょ、なんでだ」

全員で倒しにかかり全てをかわされたので落ち込むF男子共

「落ち込んでいる場合か、動け!」

「おらぁ!」

タイチがボールを奪う

「いいよ、タイチ」

「タイチくん、ファイト!」

「させるか!」

さすがはAクラス、すぐにタイチからボールを奪うべく前に立つ、ダメなFクラスとは比べものにならない

「勇!」

勇に向かってボール蹴り上げる

「任せろ!」

胴で受け、ボールを確実におさめゴールめがけて走る

「勇、パスくれパス!」

「俺にシュート決めさせてくれ」

「決めてヒーローになるんだ!」

「んでモテモテになるんだ」

Fクラスの男子共が勇からボールを受けとろうと声をあげる

「黙れカス共!」

勿論あてにしてないためパスなどださすかわりに罵声を与え

「勝負だ磐城ぃぃっ!!」

右端上を狙いゴールめがけシュートをうつ

「ふん!」

手を上げはじく

「うおらぁ!」

「タイチぃ!」

はじいたボールを蹴りゴールを決めようとするが

「入れさせぬぞ!」

着地と同時に左上めがけ飛びボールをキャッチする

「なっ!?」

「いけえぇぇっ!!」

脅威的反応を見せボールを投げる、まずい今ボールをまともに取れるのは鬼豪のみ、これはまずい

「磐城さん凄いですね、あの状態からボールを取るだなんてまさしく不動のキーパーですね」

「情報によりますと、体力テストによると握力右80左78とハンドボール投げ48とパワーもありながら、50m走6.8秒、反復横飛びが76回と大柄ながら俊敏な動きが出来るそうですね」

「その脚力は凄まじいですね、キーパーだけじゃなく攻めも見てみたいですね」

「そうですね」

実況からは活躍をした磐城の情報が流れる

「すげぇ、異常な数値じゃねぇか」

「あれで1年かよ」

「相手したかねぇな」

先輩方も恐れるその身体能力の高さ、磐城恐るべし!

「くそ、攻めが強いだけじゃなくて守りも堅いとは」

「唯一の救いが龍我がキーパーってところか」

「くたばれ、爆烈シュート!」

鬼豪はボールを奪うと爆破をのせた蹴りを放つ

ボゴオォン

「どぉだクラァ!」

ゴールめがけ一直線に飛ぶが

「ふん、龍我に破れてから俺は鍛えなおしたからな、きかんわそんなものぉ!!」

能力を使わず受け止める磐城

「なに!?」

「とんでもねぇやつだな」

「ここで前半終了です」

磐城の力みせつけられた所で前半戦が終了する

「くっそっ、あんなの反則だろおが!」

「よくもった方なんじゃない?前の試合じゃ前半戦でもう5点入れて12点で勝利を収めているからね」

「んなの知るか、くそなにか打開策は無いか…」

「インパクトシュートはボールが持たないしな」

「鬼豪の爆烈シュートもボールを壊さない為に威力は少ないから磐城なら受け止められる、なにかないのか」

「さすがにこればっかりは作戦は無いんじゃないか」

「…そうだな、テメェら死ぬ気で行くぞ、絶対優勝すっぞぉ!」

「うおおぉぉぉっ!!」

「頑張ってよ勇!」

「負けた承知しないから…」

「勝つに決まっているだろ」

「まぁこればっかしはそうだな」

「龍我、絶対にボールを入れるなよ」

「誰にもの言ってんだよ、当たりますだろ?」

「んじゃあ、今さらだけど円陣いっかぁ!」

男女共に円陣を組み

「絶対勝つぞおぉぉ!!」

「しゃぁぁぁっ!!」

勇の声に続いて声を上げる、クラス全員が気合いに満ち溢れている

「私達も応援するわよ、なんだっけえーっと」

「パラッパー?」

「それよそよ、私達もやるわよ」

「…うん」

「後半戦始めてください」

「テメェら殺せぇ!!」

「うおおおぉぉぉっ!!」

ボールを奪い

「ゴーゴーレッツゴー!ゴーゴーレッツゴー!ゴー!ゴー!レッツゴータ・イ・チ・!」

女子の応援を受けドリブルをし抜いていくタイチ

「させるか」

ボールを奪い前へ蹴るA男子

「させっか!」

ヘディングで返す鬼豪

「もらったぁ!」

そのボールを受け取り前へ進む勇

「いかせるか」

「させるか!」

速坂を動かさないようにブロックをするタイチ

「くっ、じゃまだ」

「行かせるか!」

鬼豪も隼人押さえている

「いけ勇!」

「入れろぉ!」

「うおおぉぉ、死ねや磐城ぃぃっ!!」

「ふん!」

渾身のシュートだが受け止められボールは蹴りゃ飛ばされる

「くっ、戻れねぇよ」

「龍我頼むぞ!」

「まかせろぉい!」

速坂と隼人の2人でパスをしあいゴールへやってくる、くそ、どっちか来るかわからねぇ

「隼人!」

「おう!」

速坂がシュートを決めると見せかけ隼人にパスをする、実に上手い、だがな!

「ふん!」

なんなく受け止めボールを投げる

「くそ、これをとるのかよ」

「キーパーとしてスカウトしたいぐらいだ」

「次期サッカー部を引っ張る存在となる2人の連携シュート受け止めた今話題の男龍我、彼も磐城にも引けを取らないキーパーですね」

「まぁ彼なら当然よね」

「おっと、知った口調がでましたね、知り合いですかね?」

「あなたも名前なら知ってるいでしょ?」

「そうでしたね」

実況が何か話ているが耳に入らねぇよ!

「くっ」

「くそ、邪魔だ!」

「どけコラァ!」

タイチ、勇、鬼豪が完全にマークされ身動きが出来なくなっている

「ここは俺の出番か!!」

吉川が独走しようとするがすぐにボールを奪われてしまう

「なにやってんのよ吉川!」

「あーあー」

「くそ…当たりが強い」

「落ち込むなへこむな続けろ吉川!」

「うるせぇ」

くそ、闇と問題がいろいろあるからなかなか勝てないんだよなこのクラス

攻めが足りない、龍我だって無敵じゃない、このままじゃいずれ点を入れられる

「うるらぁ!」

ゴールから離れボールめがけ走ってくる龍我

「は!?」

「うるあぁ!」

「くっ」

相手の足ごと払いボールを奪う

「どけオラアァァッ!!」

前に立ち塞がるA男子、俺はボールを足に挟みジャンプをし飛び越える

「なっ!?」

「うっそぉ~ん」

「んなのアリかよ」

手させ使わなきゃありなんだよバーカ!

華麗に着地をし、俺はゴールとの距離をどんどん縮めていく

「二度とは負けん…それがスポーツでもだ…勝負だ龍我ぁ!!」

磐城も受け止める気満々である

「ドォラアァァッ!!」

ボールを蹴り上げる、それはゴールの支柱に当たる

「ミスってんじゃねぇぞ下手くそ!」

「論外だ論外!」

「キーパーがしゃしゃるな!」

とAクラスとなぜかFクラスからも暴言が飛ぶ、だが俺の狙いここからである

跳ね返ってくるボールめがけ俺は飛び胴で軽く前に出し

「死ねボケェ!!」

ボールを合間に挟んで磐城に頭突きをする

「うおおぉぉ!!」

磐城も頭を石にし受けとめる

「ぐっ」

「ぐぬぅ」

互いに後ろへ下がりボールは下へ落ちる

「うらぁ!」

「ふん!」

ボールを蹴るがそれも0距離で受け止められる

「オラァ!」

「はあ!」

再び蹴るがこれも0距離で止められる

「まだまだぁ!!」

「こっからだ!!」

ここだけサッカーというより蹴り合っているように見える

「しまいじゃあ!」

「させねぇ!」

俺が蹴る前よりも先にボールを蹴る

「しまっ…」

「キーパーがいない、チャンスだ!」

「行けぇ!」

足止めをしようと立ち塞がるF男子を抜いていく速坂

「まてオラアアァァァッッ!!」

全力で走る、距離の差があったが追いつく

「うお!?」

スライディングで速坂を倒そうとするがその前にパスを出される

「まてゴラァ!」

「誰が待つか!」

発表を受けとった隼人は走る、俺もすぐに立ち上がり追う

「入れぇ!」

「うやあぁ!」

シュートを横から蹴りA男子にうまく当て外へ出し、すぐにボールを持ち

「いくぞオラァ!」

足に挟んで前宙を連続でやりラインギリギリで投げる、遠心力を利用して投げる頭の良い投げ方

だがしかしすぐに取られてしまう

「今度こそ」

「させるかぁ!」

先程同様に後ろからの奇襲、横からボールを蹴ろうとすが

「バカが、二度はくらわないよ!」

蹴るタイミングをずらし、俺が蹴り通りすぎてから蹴る

「なめるなぁ!」

その勢いのままゴールの支柱を蹴り登り後ろへ方向転換しボールをキャッチする

「なっ!?」

「お前凄過ぎだろ」

「速攻ぉ!」

常人離れした俺の動きに唖然としているA男子、今あの3人は自由に動けるので俺はボールを蹴る、当然如くゴール近くまで飛ばす

「行けオラテメェら!!」

俺のボールを受けとりゴールへ向かう

「入れさせねぇ!」

「くたばれやぁ!爆烈シュート!!」

「ふぅん!」

爆破するシュートを受け止める

「どぉりゃ!」

タイチが持っているボールめがけて蹴りを入れる

「くっ」

さすがに怯むがボールを落とすことなく

「次こそ入れろぉ!」

ボールを投げる

「これでもダメか」

「こっからじゃボケェい!」

投げるボールをジャンブし顔面で受け止める

「おま、ゴールから離れるな」

「いーから点入れるぞ!」

ボールを勇にパスをする

「面白い、かかってこい!」

「インパクトシュート!」

インパクトを使ったシュート

バチィン

強烈なシュートを受け止める磐城、しぶてぇ野郎だ

「ぐぐっ、今のは危なかったですよ、ではこちらも使わせてもらうぜ」

「インパクトォ!!」

インパクトを利用しボールを投げる、ゴールまで一直線である

「おっと」

龍我が止め投げ返すがすぐにとられてしまう

「あんまり使いたくないけど勝ちたいから使うぜ!」

「こいやぁ!」

速坂は軽く助走をつけ

「インパクト!」

インパクトを使ったシュート、ただでさせサッカー部という脚力があるというのにインパクトで威力を倍増するという凶悪なシュート

「ウオォラアァァッ!!」

受け止めようとするが凄まじい威力に後ろへ怯み上へはじく

「しまっ」

「もらったぁ!」

ここで隼人が速坂を踏み台にし上へ飛び上がり

「インパクト!」

オーバーヘッドキックで蹴り返す

「うおおぉぉっ!!」

パチャアァァッ

なんとか受け止めたが腹部に凄まじい激痛が走る

「ぐぐっ…くそ、いくぞ…ってあれ?」

おかしいな受け止めたボールがないぞ

「あれ?ボールは?」

「き、消えた?」

速坂と隼人も驚いている

「ん?なんだこれ?」

近くに落ちているゴムきれを手にとる

「ま、まさか破裂?」

「強度を極限まであげ鉄なみに頑丈なあのサッカーボールが!?」

「嘘だろ?」

「後半戦終了です」

ここで後半戦が終了する

「ここからはPK対決です!」

「いやーすごかったですね、あのシュート」

「さすがサッカー部というだけあるでしょう」

「それより凄いのが龍我、あれだけ走っているのに息1つも切らしていない、笑顔でいます」

「情報によると、最近やった体力テストでは、握力左右測定不能(エラー)、ハンドボール投げ58、50m走5.9秒、シャトルラン217と異常な記録を叩きだしています」

「ん~…その他はどうなんですか?」

「立ち幅飛び3,33、反復横飛び86回、長座前屈は68、上体起こしが52回ですね」

「彼本当に人間ですか?」

「人間ですよ」

「それにても異常過ぎる」

「なんてったって彼はあの伝説の桜義龍我ですから」

「はは、伝説のですか」

「お嬢!個人情報の公開はプライバシーの侵害ですぞ!」

今PKの準備をしている為その解説を聞いていた俺

「私も含めた元最協中だったからみんな知っているわよ、」

「最協中の龍我だと!?」

「なに!?あの龍我?」

「文化祭で革命を起こしたあの龍我か!?」

急にザワザワしはじめる先輩方

「俺そんな目立つことしてないっスよ」

「そう思っているのはあなただけよ」

「んなバキャな」

「あの龍我が星蘭生徒だとはな!」

「知らんかったー!」

「龍我、踊ってくれよ」

「なんかおもしろいことやれよ!」

「龍我!龍我!龍我!龍我!」

「っせー、クソ先輩共、黙ってろや!」

「なにぃ!?」

「生意気だぞコラ!」

「死ねや」

「ブーブー!」

「いくらでも言え言え先輩共ォ!」

暴言を笑顔で吐く先輩方、俺も笑顔で答える、なんでって?本気じゃないからだよ

「えーこの全先輩に喧嘩を売っている桜義龍我、クラスTシャツにはただいま恋人募集中と書いてありますね」

目を凝らして見て言う室伏

「桜義龍我、ただ今恋人募集中です、愛し愛される方絶賛募集中ゥッ!」

俺もそれに乗って笑顔で言う

「あら?私が付き合ってあげようかしら?」

それを聞いた時雨先輩が言う

「か、勘弁してくださいよ」

「それ、どういう意味」

「どういう意味でしょう?」

「…放課後、覚悟しなさいよ」

「ええぇぇ!?!?」

やはり軽はずみな行動発言はよくないな

「それではPKの準備が出来たそうですので開始してください」

「切り替え早!?」

「プロですから」

「龍我、先輩方に人気だね」

「あ?多少名前が通っているだけさ」

優香が言ってくるのでさらっと返す

「さてさて、PKだPK」

俺らは後行なのでゴール前に立つ

「しこいやオラァ!」

「シュート決めろよA男子!」

「絶対取れよ龍我!」

観客の意見が分かれる、龍我という存在が面白いからにのかみんな注目している、みんな見ないでくれよ~

「はっ!」

「ほいさ!」

ボールを止める、飛ぶことによりオーバーに見せる

「その飛びいらねぇだろ」

「うっせぇ、だまれ!」

ブーイングに対してこちらも暴言で対応する

「PKなんだから静かにしろや!」

「うるせぇバーカバーカ!」

「お前が黙れ!」

「………」

「…黙るなよ」

続いて俺らの攻撃、タイチが蹴るも止められる

このようなことが続き一周目を向かえる

「くそ、緊張するな」

「どちやかというとここまで長引いたから緊張がとけたよ」

「それが油断に繋がるんだよ」

「…だな」

「ほっ!」

なんなくボールをはじく俺

「よーし、はやく入れろよな!」

「はいはい」

そういう勇だが止められる

「よしこい!」

気合いを入れゴールへ立つ

「くそ、いい加減に決まれよ」

「頼むぞ隼人」

「任せろ!」

相手は隼人、何度も止めているが慣れないぜ、よーし集中だ集中!

どこから来るか五感全てではなく六感全てを駆使して身構える、さぁこい!

周りをよーーーく見る……ん?

よーーく見たせいか、校舎近くにある家の中が見える

2階の柵に人がぶら下がっている…え!?

俺は咄嗟の判断で動く

「決まれぇ!」

隼人のシュートを無視して

「あ、あれ?」

「あいつどこ行っているんだ?」

俺はネットが張られてない場所、フェンスを飛び超えその家めがけて走る、普通の道を行けば間に合わない、だから俺は最強の近道を使う、それは突っ切ることだ

迷惑かもしれんが人の敷地内に入り弊を乗り越え、屋根を渡り走る、あと少しだ!間に合えっ!!

柵から手を離し落ちるその人、俺は決しのダイブキャッチをこころみる

見事空中でキャッチすることに成功する、後着地だが、このまま行けば俺は大丈夫かもちれんがこの人に損害なるダメージが食らう、どうすれば

ふと視線を地面からずらすと近くにゴミが大量に捨ててある場所がある

俺はそこへ投げ、後は…

ガシャァン

道路に出て近くを通った車に激突する

「……ッ!?」

「おい、君大丈夫か!?」

運転手が降りて声をかけよ

「ゴ……ゴ……ミ……」

激しい痛みと衝撃によりうまく喋れない

「ごごみ?」

「イエノ…ゴミ…ヒト…イ…イル…」

俺は単語だけを言い家を指さす

「イイ……ケ……」

「」

「家のゴミ?人?」

その運転手は頭がいいのか伝わり指さす家へ行き近くにあったゴミ貯めをあさる

「なっ!?」

そこには傷だらけで小さくうずくまっている少女がいる

「え、救急車!?そうだ救急車だ!」

運転手はすぐに電話を取り出す

「き、きみ…大丈夫?」

少女を保護した運転手は俺に声をかけてくる

「ブジ、カ?」

「無事?あぁ、無事だ、でも君は」

「オレハイイカラ…ソノヒトヲ…」

「で、でも」

頭が流血、右腕がプランプランしているのを見て心配しないはずがない

「ダイジョウブダ」

「大丈夫って…」

ここでサイレントを鳴らしながら救急車が来る

「あ、良かった来た」

救急隊がやってきてその少女が救急車に乗せられる

「はやく君も乗りなさい」

「オレハイイカラ、イケ!」

「その傷じゃ死ぬぞ」

「ガッコガアンダヨ!」

声も戻ってきたので多分死ぬことはない、はやく戻ってクラスマッチでも…

「でもその傷じゃsh」

「なんとほないわ!はっはははは」

俺は高笑いを上げ

「すまないが、後は任せた」

運転手にそう告げ俺は何もなかったかのように学校に戻る

この後グランドへ戻るなり俺を見て驚く

「お前、その傷どうした!?」

「あぁ!?知るか!」

「病院行けよ!」

「病院なんか金なくて行けねぇわ!」

「救急車呼ぶか!?」

「救急車なんか女々しくて乗れねぇわ!はははははははは」

と、なんともないように対応をする

「体傷だらけ、何したんだ?」

「お前がどこか行ったから負けちまったじゃねぇかよ」

「悪い悪い、ちょっと急用があってなーっはっはっはっ」

「なんだよ急用って」

「気にしなーい気にをしな…」

ドサッ

俺はこの後のことは覚えていない、なんでだろうなー

 

 

目を覚ますとここは保健室、一応あのシステムがあるから多少の大きい怪我なら見れるよう道具と先生が揃っている

「あり?ここは?」

「あら、目を覚ましたね?」

白衣を着た女性が声をかける

「よくこんな短時間で目を覚ましましたね」

「ん?何かあったっけ?」

「凄い怪我したんですよ、生きているのが不思議なくらい」

おでこが切れ、肩が骨折、腕脱臼、足首捻挫、肋骨3本の重傷を負ったらしい

「一体何やったの?」

「さ、さぁ?俺バイトだからお先」

「安全にしないとダメよ」

「大丈夫ですって、もう慣れてますし慣れましたから」

俺は立ち上がり、制服に着替えバイトへ向かう、めちゃくちゃしんどかった~

 

 

 

 

次の日

「よっ!テメェら」

俺は元気よく挨拶をする

「お、生きていたか、さすがだね」

「あれ?怪我は?包帯は?」

「包帯?んなの女々しいんだよ!」

「龍我くん、朝学校に来たら保健室寄りなさいって言ったでしょ!」

ここで保健室の先生がやってくる

「大丈夫ですって、ほらほら元気」

痛い右腕だけで腕立て伏せをしてみせる

「ダメよこんなことしちゃ、ほらきなさい」

「嫌じゃぁぁ」

先生に引きずられながら保健室へと連行される

「怪我みる必要なくね?」

「異常なくらい元気だぞ」

「バカだから仕方ねぇだろ?」

「ねぇ昨日のテレビ見た?ここら返の家で少女が誤って2階から転落した所を救った勇気ある少年の話」

優香が聞いてくる

「あぁ、見たぞ、運転手も突然の出来事だったからよく覚えていないから特定できてないアレだろ?」

「俺も見たけど、どうやって助けたんだろうな」

「さぁ?」

「そいつは凄い人なんだよ」

「そうね」

「龍我は何で怪我したんだろうな?」

「謎だよな、試合放棄して怪我して帰ってくるなんざぁ最悪だ」

「あいつのせいで大事な試合2回負けているからな」

「それ言うなよ」

プルルルルルッ

ここで優香のケータイが鳴る

「鳴っているぞ」

「ちょっと待ってね」

開いてみると柚子表示されている

「柚子からだわ、ごめん出るね」

そう言い教室から出る

「なんだろうな」

「遊ぶ約束じゃねぇ?」

「いや、龍我をパリシに使うんじゃねぇの?」

「まさか、電話してまでやるか?」

「そこだよな」

「可能性は0じゃないけどな」

ここで優香が教室へ戻ってくる

「どうだった?」

「ちょっとした世間話よ」

「そうなのか?」

「その為に電話したのかよ」

「女子はそんなものよ」

「ほんとかよ」

「あ~ダルダル」

ここで包帯をまかれた龍我が帰ってくる

「よー随分立派なミイラ男になったな」

「だろ~?」

首にぶらさがっている包帯、本来腕を固定するものだが怪我している右腕に松葉杖を首に立てかけ持つ龍我

「お前、それじゃ意味ないだろ」

「あ?んなの使えるか女々しい」

「女々しいって問題じゃねぇよ」

「いーのいーの、刺激を与えなきゃ治らねぇのさ」

「あ、龍我さっき柚子から電話来て、伝言があんまり無理しないでだって」

「なるほど…さすが柚子、長い付き合いなだけあるな」

「怪我の心配しているみたいだけど、昨日会ったの?」

「まさか、あいつは色々鋭いからなー」

「そうなの、あともう一つ伝言があって今日プリン食べたいなー?だって」

「くっそっ、怪我察してるくせに俺をパシリにするたぁなんてやつだ」

「…どういうこと?」

「知るか、どーせあいつの事だ崩壊後生徒会の仕事があるからな、学校に届けてやる」

と、結局買い届けてしまう俺、甘いなー、実に甘い、あんこの代わりに山椒を使った大福なみに甘い

「あと、さっき恵華から来た伝言で、人助けも良いですけど無理しないでくださいだって」

「なんだ、人助けしたのか?」

「意外だな」

「なわけ、急用があって急いだら車に当たっただけさ」

うむ、本当の事であるから嘘ではない

「なんだそれ」

「イカレてるな」

「だろ~」

いつもと変わらん会話、今日も平和だ!

「龍我はいるかっ!!」

バンとドアを開け入ってくる石井先生

……全然平和じゃない、悪夢だ

「貴様またやらかしたそうだな」

「はっ、知るかボケ!」

「なんだその口は!」

「うーせー」

「まぁいい、学校終わったら俺の所へ来い昨日の事について聞きたいことがある」

「はぁ!?いかねーよ!」

「貴様は重要参考人だから仕方ないだろ!」

「俺じゃねぇっつってんてだろ!」

「ならその怪我はなをだ!!」

「転んだんだよ!」

「昨日のクラスマッチ途中で抜けただろ!」

「用事があったんだよ」

「やはり貴様がやったんだな」

「ちげーし、俺かまってないで町の見回りでもしとけ!」

「今日は教師として学校に1日いるんだ、たっぷりしごいてやる」

「…………」

その言葉に俺は黙り込む

「まぁいい、放課後ちゃんとこいよ」

そう言うと教室から出ていく

「うるせぇ奴だな、まるで台風だ」

「また何かやらかしたのか?」

「なわけ、俺は健全善良極々普通極まりない探せばどこにでもい過ぎて困る一般過ぎる市民だぜ」

聞いてくる勇に対して言う

「なんだそれ」

「皆さんHR始めますよ~」

ここで泉先生がやってくる

「あ、龍我さん昨日は色々活躍したそうですね」

龍我を見るなり話かけてくる

「いや、そんなことないっスよ!」

「でも自分の体の事も気をつけてください」

「大丈夫ッスよ、自分頑丈なんで」

「今度はちゃんと受け取るんですよ」

「いやいや、そんな凄い事した訳じゃないですから」

「そんな事ないですよ、ですから放課後ちゃんと石井先生の元に行くんですよ」

「はーい」

「それじゃお願いしますよ」

そう言い前へ行く

「お前、えらい素直だったな?」

「あ?そうか」

「石井先生とは打って変わって違う対応」

「そんなもんさ」

俺は笑ってごまかしそのままHRが始まるのであった

 

 

 

 

 

 

つづく

 


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