最強を目指して   作:匿名希望ただの人

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大戦争

「撃て撃て撃ちまくれ」

「近づかせるな!」

学校の屋上から空を飛ぶ化物達を撃ち落とす

「手投げ弾を放り込め、自滅用も全て使え」

地上でも機関銃を乱射するもその圧倒的数の前に突破されてしまう

「弾が全て尽きました」

「わかった、それぞれ行動をうつせ!」

「姫華は校舎の守りに専念しろ」

「わかったわ」

「星嶺は他の奴らと連携して倒せ」

「任せて」

「良太、貴様は敵陣へ突っ込んで死ね」

「僕だけひどくないですか!」

3人に改めて指示を出す高雄が真っ先に最前線に出て次々斬っていく

「隊長に続け!」

飛び出す七番隊、さすがは天下の七番隊恐れずに果敢に挑む

「怯むなぁ、こんなやつら隊長より怖くない」

「ぶち殺せ!」

なんとか姫華のボードゲームでそれぞれ強化され対等に戦えている

「雷斬」

ズバアアアッ

雷が放射線状に広がり敵に穴が空くがすぐに埋まってしまう

「数が多すぎる」

何人かで組み、それぞれ背中を守りながら戦う、陽介ら狙撃隊が屋上から援護に回りたいが校舎を守るのに精一杯である

「姫華、西側を回ってくれ太刀打ちできん」

無線機で陽介の指示で今戦っている戦場から反対側へ向かうと化物達は校舎を壊そうと壁を叩いている

強化されているが壊れないという訳ではない、このまま続けられては侵入されてしまう

「燃え尽きろ、バトルファイヤー」

化物の体が燃え、悶え苦しみながら死んでいく

「こっちの部隊ははやくも全滅ね」

校舎を守るように囲うように配置されている、もっとも敵が集まっている所に戦力を傾いているがそれでもこんなはやく突破される訳がない

「やるじゃないか、人間」

姫華の前に剣を持った人型の男が歩みよってくる、他の化物とは違って喋れるから知能はあるそうだ

「あなたが親玉かしら?」

「まさか、ただの指揮官程度さ」

「なるほど、倒しがいがありそうね」

「人間ごときが、勝てると思うなよ」

振るう剣をかわし、即座に炎で作った剣を振るう

「ほほう、火を放つだけじゃなく操れるのか」

「人間だからってなめないでちょうだい」

火の球(ファイヤーボール)を数弾なげつけるが全て斬られる

「その程度の火力で倒せると思う.、なっ!?」

瞬間、姫華が化物の炎の剣を突き刺していた

「なっにい!?」

火の球(ファイヤーボール)はただの囮として放ち隙をついての攻撃。姫華もこんな単純な攻撃がまさか通じるとは思わなかった

「ギャアァァァッ」

炎の剣が燃え上がり化物を炭にする

「ここは私が相手をしないとダメのようね」

はやくも防衛網が突破されピンチになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大空に赤い龍が巨大を揺らしながら飛んでいる

「見えた、あの島だ」

前方に小さな島が見えてくる

「近くに軍事基地がある島がある、攻撃してくるぞ」

龍那が言ったそばから戦闘機からミサイルやら弾が飛んでくる

「うっとおしい」

龍は口を大きく開ける、瞬間目映い閃光が爆ぜる。閃光が消えるとそこにあった島を焼き付くし跡形もなく消し飛んでいた

爆風で戦闘機は操作を失い海へ墜落している

「本島は吹き飛ばすなよ」

「どうせ殺すんだ、構わんだろ」

龍が不機嫌そうに言う

「色々と聞いておきたいんだ」

「そうだぞ、情報はあるにかぎる」

「けっ、全てぶっ壊せばいいのによ」

「穏便にいきたかったんだけどな」

「今更か?」

「そう言うな、ほら、つくからお前は外で待ってろ」

「そうする」

島の上にくると虎我と龍那は飛び降りる、場所は島の中央に建設された唯一建物、『統将邸』十二将を統べる真の場所であり世界政府が集まる場所、地図には乗ってない秘密の場所である

待ち構えていた武装集団全員を瞬く間に斬り捨て突入する、機関銃で撃たれるも弾も全て斬り真正面から突入する。世界で数々の伝説を残し最強の名を轟かせたこの2人を止めれる者などいない。

ドンと扉を蹴り統華が常にいる部屋に突入するが誰もいない

ドオォォッ

それどころか建物が崩壊するほどの大爆発が起こる

「逃げたか?」

「さぁな」

しかしこの2人は何もなかったかのように平然としている

「建物の爆発か、証拠隠滅の為か?」

「なら逃げたという線もあるぞ」

「…いや、証拠品をこんな人がくる場所におくか?」

「なら、地下でもあるのか?」

「確認する価値はあるな」

そういうと龍那は剣を抜き地面に向かって大きく振るう

ズパァァッと激しい音と共に島もろとも真っ二つに割る

「蟻の巣じゃないんだからな」

「この方が簡単だろ?さぁいくぞ!」

飛び降りると下の方に無数の空間があり、様々な研究施設がある、本当に蟻の巣のような断面図である

「これはすごいな」

「しかもこんな地下深くまで」

中に入ると液体が充満した巨大なカプセルの中に尻尾が生えた人や角が生えた人、体の一部が異様な形をしている人などがはいっている、資料を見るにどうやら他の生命体と人の遺伝子を組み換え新たな人工生命体を造る実験をしている

「人工生命体か、神への冒涜だな」

「現役の神様がいうから説得力があるな」

「もう許す気はない、必ず見つけ最後の審判(ファイナルジャッチ)にかける」

「閻魔に任せるのか?」

「公平だろ?」

「優しいのか優しくないのか…まぁいい、私も同族が酷い目にあってあまりいい気分じゃないんだ」

「互いに許す気はないんだな」

「そうだな」

2人は両手からエネルギー弾を放ち研究施設を破壊する

「すまない、お前達」

「安らかに眠ってくれ」

割れた左右にバラけて統華を探しながら破壊していく

「居たか」

「居ない、そっちは」

「こっちもだ」

全ての部屋を周り探したが、実験体以外誰もいない

「ちっ、逃げたか」

「どうやって探す、奴の気は探し憎いぞ」

「……仕方ない、使うか」

「何をだ」

「過去を見て運命を変える、カグヤには悪いが使わせてもらう」

大きく深呼吸をし目を閉じる

虎我の脳に流れる映像、そこでは先程爆発した部屋で1人の女性が部下と話している。

 

統華様、このままでは龍那や虎我に殺されてしまいます

 

大丈夫だ、魔界へ亡命すれば見つからない

 

そのような危険な場所へですか

 

大丈夫、あてがある。みろ、魔界へ繋がるワープホールだ、これですぐに逃げれる

 

 

 

「…なるほど、魔界へ逃げたか」

目を閉じ過去を見た虎我は

「魔界だと?」

「今から魔界へ向かう、来るか?父親が治めてた世界へ」

「乗り掛かった船だ、最後まて付き合う」

「兄貴、異界のゴミ共が境界の亀裂を広げてやがる」

龍の顔が亀裂の間から覗き込む

「龍我はここに残って鎮圧しろ、俺と龍那さんは魔界へいく」

「オーケー、俺からもマカミに連絡しといてやる。」

「助かる」

虎我はポッと黒い空間をつくりその中へ入る、龍那も続いてはいるとパッと空間は消えてしまう

「さぁて、ここも破壊しておくか」

龍は口から炎を吐き出し島を焼き尽くしてから空にできた亀裂へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

星蘭高校

「はぁ、はぁ」

「くそ、きりがなねぇ!」

圧倒的数に体力が削られ、さらに化物達にどんどんやられ数が減ってきている

「まずいぞ、押されてきている」

「陽介さん、もう弾が尽きそうです」

「無くなったら武器を持って俺達も戦場に出るぞ」

「は、はい」

「…まさか、これまでってことはないよな。」

「はあぁ!」

仲間とはぐれ敵陣で奮闘する星嶺だが、複数からの攻撃に対応できずやられる

(ダメだ、後ろからも攻撃されて全部よけれない)

ストロングチャリオッツを限界まで引き上げれば圧倒できるかもしれないが、動けても精々3分が限界だ。終わった後の反動も考えるとかなりリスクが大き過ぎる、あくまで奥の手としてとっておく

化物の手を取り振り回すが、奴らは仲間の体を剣で斬り、リーチが無くなった所で攻撃してくる

「くっ」

下半身を投げつけ後ろへ下がりかわすが背後から蹴りをくらい倒れてしまう

そのチャンスを逃さないと一斉に襲いかかる

「ぬうぅぅっ!」

ドドドン

化物達を何者かがまとめてなぐり飛ばす

「……」

「久しぶりだな」

その人物に星嶺は驚いた、背に阿修羅が描かれた着物姿の化物達と肩を並べられるほどの大男が目の前にいた

いつものスーツ姿ではないが花川恵、龍我と同じクラスのとても高校生とは思えない男。今まで学校にも行かず行方がわからなかった彼がこのタイミングで戻ってきたのは心強い

「花川…今までどこにいってたの?」

「おやっさんの所へ行ってな、喧嘩してきた。」

「おやっさん?」

「後は俺に任せろ、お前らは休んでいい」

「無理よ、この人数」

「うおおぉぉぉっ!!」

拳を振るう度に化物達が吹き飛び、その風圧で倒れる

なぜかわからないが以前より遥かに強くなっている

「ふん!」

飛び上がると巨人の目を殴り倒れた所を足を持って振り回す

人間場馴れした怪力を生かした無茶苦茶な戦いで数を減らしていく

「あれが龍我や虎我が一目を置く男の実力か」

「花川か、おもしれぇ…てめぇら喧嘩だけの素人に負けるな!七番隊の強さを見せてやれ!」

茂男が斬馬刀を振り回し化物達を斬っていく

「茂男さんに続け!」

「素人に負けるな!」

花川に対する闘争心が芽生えた茂男と共に残りの七番隊が再び勢いづく

「ぎゃあぁぁ」

「なんだこいつらは!?」

目や鼻などない口だけの巨大な化物が顎をガチガチさせながら地面を抉って校舎へ突撃してくる

「うおぉぉぉ!」

花川は迫り来る巨体を受け止める

ズザザザザッ

それでも化物は止まらない。どんどん押し込まれていく。摩擦で靴が燃え尽き、踏み込む地面は抉れる

「ぬいやぁぁ!」

上半身を反り自身も倒れる形で上へ投げる、だがそれでも校舎に当たってしまう

「星嶺!」

校舎の窓を利用し上へ上へ上がった星嶺は空中にいる化物めがけ飛び

「はぁ!」

全身全霊の力で放つ飛び蹴りが化物に炸裂し敵陣へ押し返す

「やるじゃねぇか星嶺先輩」

「これくらい余裕、なめないで。」

「なら、あれも余裕だな」

敵陣の後方で歩み寄る巨人の群れ、ここからの距離でもくっきり見える、直接見ればどれほどでかいのか

「巨人が、あんなに?」

「あいつらは目が弱点だ、的も大きいから簡単に倒せる」

「わかった」

「まずは、こいつらの全滅だ!」

襲いかかった化物の頭を掴み握り潰し投げつける

「いぃりゃ!」

地面を殴りその衝撃で化物達を吹き飛ばし距離をあけ

「ふぅん!」

両腕を広げ走り次々と化物を薙ぎ倒していく

「まるで箒だなありゃ」

「みろ、化物がゴミのようだ!」

「花川に近づくな、巻き添えをくらうぞ!」

「俺達は校舎を守れ!」

「ローズウィップ」

茨の鞭で化物達を縛りあげる町田、その隙に七番隊が仕留める

「ありがとよ茨姉ちゃん」

「助かる」

「茨じゃなくて薔薇よ」

「かわらんだろ、ほらくるぞ!」

「あんなの受け止められないわよ」

「ちょ、うわ!?」

まだなんとか戦えているが、ビュウッと青い光線が校舎に当たり爆発する

「なっ!?」

「飛び道具か、最悪だ」

幸い、避難している人達は新校舎と旧校舎の真ん中にある体育館にいる。校舎はあくまで防壁として使っている

「北側の校舎がやられました」

「あんなの撃ち落とせないぞ」

屋上では空に浮かぶ岩のようにゴツゴツした飛行物体を陽介が狙撃するがびくともしない

「ミサイルでも壊れねぇだろ、どうするんだあんなもん」

「何度も撃たれたら負ける、その前になんとしてでも撃ち落とせ」

今ある弾薬を撃ち込むが構わずエネルギーを貯めている」

「ビームストーンか、厄介なもを」

「知っての?」

「あぁ、あれを落とすぞ」

「でもどうやって?届かないよ」

「…いいもん、あるじゃねぇか。」

斬馬刀を振り回している茂男を見る花川、そして化物を拘束してる町田、最後に星嶺を見る

「ねぇ、大丈夫なの?」

「一年前龍我とやったことある、まぁ相手はドラゴンだったが大丈夫だろ」

茂男の斬馬刀に町田が何度も重ねて作ったぶっとい茨を固く結んだを持った星嶺、それを持つ花川

作戦はいたってシンプルだ、花川に投げられた星嶺が斬馬刀をあの物体に突き刺し、後は引っ張り力で落とす

「なんで私?」

「あいつは硬いからな、自信ないか?」

「やってやるわ」

「それでいい、いくぞ」

「こい」

「いぃぃりゃ!」

花川は星嶺を全力で投げる、まるでハンドボール投げのように軽々と

凄まじい勢いを殺さないように星嶺は斬馬刀を振りかぶり全力で突き刺す

ガキィン

鈍い音がしたがまだ刃の半分しか刺さっていない

「はぁ!」

柄を殴り少しずつ中へ押し込み完全に突き刺し、合図として星嶺はそこから飛び降りる

「降りたぞ」

「引けえぇぇぇっ!!」

「うおおぉぉぉっ!!」

花川と茂男が全力で引く、さすがに重たいのか傾きはするがなかなか落とせない

「おぉ、おおお」

「ぐぬぬぬぬ」

あとひと押したりない、あと少しで落とせるのに

「落とせてないじゃないじゃない」

無事生還した星嶺な茨を掴み一緒に引っ張る

「力いれろぉぉ!!」

「うおぉぉぉぉ!!」

「はあぁぁぁぁ!!」

ついに地面へ落とす事に成功する

墜落した物体は地面を抉り前進し化物達は押しつぶれていく

「やりゃできりるじゃねぇか」

「2人で落とせないのは誤算だったが、助かった」

「いいよ」

「だがまだ戦いが終わった訳じゃない」

「そうだな」

全く減らない化物達、その数はもはや異常である。

その原因である亀裂、そこへ龍が敵を殲滅しながら向かっていた

 

 

 

 

「ゴミ共がああ!」

全身を爆破させながら進み亀裂までたどり着く

「創烈」

腕で亀裂を押さ出てこようとする化物を押し戻す

「ぐぬぬぬぬ、元に戻れや!」

亀裂が徐々に修復していき、次第に直っていく

完全修復まで時間がかかる、俺が行くまでなんとか耐えてくれ

 

 

 

 

「おい、亀裂がふさがっていくぞ」

「それじゃぁこいつらを仕留めれば終わりね」

「よし希望が見えてきたぞ!」

「全員倒せ!」

その亀裂の修復に喜び微かな希望が見えてくる、その希望にすがるように必死で戦う

だが

「ぐはっ」

長時間にわたる激戦、体力も疲労もピークに達しやられていく

「負傷者は撤退しろ、私がこいつらの相手をする」

倒れた者の元へ行き敵の前に立ち塞がる高雄

「隊長!」

「無理だ、死んじゃうよ」

「ならお前達は生きろ!」

「ですが」

「行けえぇぇぇっ!!」

高雄の命令を無視し逃げない隊員、だがそいつらを狙い飛び出す化物

「ひっ!?」

隊員を庇い前へ出て首を斬るも化物の剣が高雄の腹部を貫く

「がふっ」

口から血を吐き、膝から倒れる

「隊長ぉぉぉっ!!」

「さっさと行け、私に、構うな…バカ」

それでもなお立ち上がり化物を睨む

「隊長、貴様ぁぁ!」

「茂男、こいつらを連れて退け!」

近づこうとする茂男を止める、その迫力に思わず立ち止まってしまう

「隊長…まさか」

高雄の全身に巻かれた爆薬に気づいた茂男

「ふっ、戦場なら役立って死ねだ…闘えない者に情けをかけるな」

「隊長…俺も戦う」

「貴様」

「一緒に入隊した同期(仲)じゃねぇか、隊長と戦い死ねるなら本望だ!」

「俺もだ」

「隊長を守れ!」

「こんな傷、なんでもない!」

高雄の前に集まる隊員達

「お前達…、本当に、バカな奴らだ」

「隊長部下共にいい部隊です、さすがは御主人様が認める者達」

突如現れた黄金の鎧に身を包んだ女性は手に持つ純白の大剣で化物を斬り払う

「自らを盾にしてまで仲間を守るその覚悟、同じ部隊の上に立つ者として戦う者として尊敬します、決して死なせないでください」

「あなたは」

「私はメシアス、御主人様の命により助けに参りますました」

「御主人様?」

「話は後ですみなさんは全員を避難させてください、後は私達の仕事です。」

「あんただけじゃ無理だ」

「大丈夫です、それよりはやくしないと」

ドゴオォオッ

敵陣の中央に巨大な火柱が立ち上がる、その熱風はここまで届き軽い火傷を追う

「巻き込まれますよ」

「クリュゥさん、まだ避難してませんから手加減してください」

「そうなのか?」

青いドラゴンがメシアスの方を見ると旋回しながら徐々に姿は小さくなり女性の姿になり着地する

「お前ら邪魔だ、オニキシが暴れる前に避難するんだな」

「安心して、私達は味方だから」

「…そうか、ドラグニアの竜人か」

クリュゥと名乗る女性を見て高雄は何かを理解した

「ほう、知っているのか」

「行こう、後は彼女達に任せて」

「いいんですか隊長」

「あぁ、お手並み拝見といこうか、戦姫」

負傷者は茂男に抱えられ体育館へ避難する、動ける者は避難指示を伝えに回っている

 

「くっ、強い」

「人間にしてはやるではないか」

姫華と良太は黒のローブを着た痩せ干せた男、両手には刃が捻った剣を持っており、体には紫の刻印が刻まれている

「あなたには死なれてはこまりますからね、手加減しているのですよ」」

「はぁ!」

良太の剣を受け止め力で押しきり地面に叩きつける

(こんな細身の腕で、なんて力だ)

「あなたは邪魔ですよ、死ね」

剣を心臓めがけ突き刺すが、体勢を変えるが肩に刺さる

「ぐわぁ」

「次は外しませんよ」

肩に突き刺したまま、もう片方の手に持つ剣を振りかぶる

良太は相手の足を斬り体勢が崩れた所を蹴り倒す

「ちぃ、こざかしいですね!」

「大丈夫、良太」

「大丈夫です、これくらいなんともありません」

「はやくしないと化物が突破しちゃいますよ」

校舎を叩き壊す化物達、今まで校舎を守りながらこの男と戦っていた

だが、それも限界にくる。この男の強さは桁違い、それにこの化物の数、今の姫華やら良太、その他数名ではいいたくはないが守るのは不可能に近い

「炎弾連射(フレイムガトリンガ)」

両手からフレイムを連続で放つ姫華だが、その男はかわし喉を掴み持ち上げる

「その女を使えば自在に境界を行き来できる、世界を全てを支配できる」

「ぐぁっ、がっ」

「会長から放れろ!」

「目障りだ!」

男う肩から触手が伸び、良太を掴み締め上がる

「がっ、はぁ」

触手は良太を包み身動きがとれない状態になる

「まず、あなたから死んでもらいます。さようなら」

そう言うと触手から触手が生え良太を貫く

ズバシャッ

「なに!?」

「お遊びが過ぎたんじゃないか?愚賢」

赤い軍服を着た女性が触手を斬り落とし、良太は受け身をとらないまま地面に倒れる

間髪いれず姫華を掴んでいる腕を切り落とす。

「やつは108の脅威の1人、バル・タ・タガール。よく戦って生き延びたものだ」

「あなたは」

燃えるように赤い髪、真っ赤な瞳には戦火の炎がゆらめいている

第8世界の戦士、ルビアス。以前結婚話があって姫華達とは顔見知りである

「あの時はすまない事をした、謝罪を兼ねて助太刀に来た」

「おやおや、ルビアスさん…あなた、自分が何をしたかわかってますか?」

「貴様こそ、誰を相手にしているかわかっているのか?」

「もちろんですよ、あの覇神リューガ…ですが、あんな無様な姿に恐れるに足りませんよ」

「貴様…」

「怒るとは、実はあなたもそう思ってるのでは?あんな小僧、恐れるに足りない。と」

「たとえ姿形強さ関係なく、私は御主人様に忠義を尽くす!」

「素晴らしいですね、できることなら仲間にしたいところです」

「くだらん冗談はよせ」

「そうですか、なら死ね」

ルビアスの前に頭自体が巨大な口の4本の腕と体中についた口がガチガチ八重歯をならしている化物が立ち塞がる

「煽っておいて、逃げるか」

「私を倒したければ、カムビッド及び76の脅威を倒せますか?」

そういい敵陣へも姿を消すタガール

「76の脅威がここに……ここは私達に任せて避難していろ」

「まだ、戦えるわ」

シュゴアアァッ

ルビアスが放った炎は辺り一面にいた化物達が一瞬で燃え灰になる

「…言い方を変えよう、お前達では足手まといだ、レベルが違う、邪魔だ失せろ!」

その圧倒的火力に息をのむ姫華

「この程度一人で鎮圧できないやつがいた所で、脅威相手に無駄死にだ…悔しかったら強くなってみせろ」

「それに、万が一…万が一に敵がそっちにいったら、対処してくれ」

「……わったわ。」

「御武運を」

姫華と良太はすぐにその場から離れた

姫華達がいれば彼女達は本気で戦えない、それはわかっている。それにルビアスの強さも知っている、あれだけ強いのに私達に敵がくるかもしれないと言った、そう言わせるほど厄介な相手なのだと

 

「ローズウィップ」

茨を伸ばし化物を足止めし、負傷者達が避難するまでの時間を稼ぐ

(まだ、はやくしてよ)

昨日からほぼ休まず動いている町田、茨の強度もさっきのお陰でなくなってきた

加勢に来て戦っている嬉しいが、避難してる最中も守ってほしいものだ

化物が茨をほどき町田に向かって斧を投げる

「きゃぁ」

町田には当たってはいないが階段の破片が直撃する

「いたた」

倒れた町田めがけ一気に走ります化物

「町田殿だな」

「……あなたは」

白の制服に白銀の鏝、白の外套を身にまとった女性、黒髪に紺碧色の瞳、凜とした顔つきに町田は見覚えがあった

「我が名はフィルトアス・エメラ。妹のティナ世話になった」

「ティナの…お姉さん?」

ティナのお姉さんといったら、襲撃を受けてから不眠不休で戦い続けたのに再び戦場に足を運んでいる

「あ、あの、体は大丈夫なのですか」

「私の事は心配するな、それよりはやく逃げろ」

「でも」

エメラが放った暴風は敵陣を吹き飛ばし、風の斬撃は地面をえぐる

「安心しろ、全力で戦っていいなら苦戦はしない」

一瞬であれほどてこずっていた化物達を倒す

「私の世界を助けた借りを今返そう、さぁいけここから先は誰も通さない」

敵を鋭い目で睨むエメラ、連戦で疲れきった体とは思えない動き、これが彼女の本気。確かにこの強さがあれば襲撃なんてすぐに鎮圧できただろう。

「ここから先は私達が相手だ、第2ラウンドといこうぜ…脅威ちゃん」

脅威の1人を殴り飛ばすオニキシ、ついでに向かってきた化物を全て捻り潰す

「終わったら主に酒でも奢ってもらうか」

「オニキシ、貴様御主人様に対する礼儀がなってないな。」

「だってエメラも見ただろ?あんな小さくなってよ、カッコいいから可愛いに変換だ。おまけに年下!愛でてもらうから愛でるに立場が変わるな」

「………」

「お?今想像しただろ?主の頭をなでなでしてたか?」

「黙れ、戦場で戯れ言を言うな!」

頬を赤くして手に持つ剣をオニキシにむける

「私じゃなくてあいつらに向けろよな」

「わかってる…」

「さて、あいつをどうしたものか」

上を見るとうっすら見える巨大な口に3つ目の顔がにんまりと笑っている、そいつは空に、いや宇宙にいる。

「星砕き、ロット・イーター」

「あれをなんとかしないと全てパァだぜ」

「あの巨体あいてにどう攻撃すればいいのか」

「まずは、ここにいる反逆者の始末。あとで考えよう」

「そうだな、まずは目の前の敵だ」

「脅威共とは一度戦ってみたかったんだ、しかもほぼ全員と戦える!最高だ!」

「楽しまず速やかに始末しとけ」

「当然、全力で死合うから楽しいんだろ」

「戦闘狂の鬼の気持ちはわからん」

「私から見てもお前らは戦闘狂だぞ」

「…そうかもな」

「よぉし、誰が多く倒すか勝負だ!」

「風よ吹け嵐よ狂え(ワン・デスト・ディ)」

巨大な竜巻が全てを吹き飛ばしながら敵陣へ移動する

「ふん!」

「上等だ、全員私がぶっ飛ばしてやんよ!」

 

 

 

 

 

 

つづく


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