一般人15歳で〝ちょっと〟変わった彼のIS生活(完結)   作:A.K

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わたし達は■■■■からとある人を知った

その人はわたし達を動かす女性ではなく、少し変わった力を持つ男性でした。


彼はわたし達を動かすある基準を持っていました

だから彼────榊澪と言う男性はわたし達を動かす事ができた

彼がわたし達に触れる際に、わたし達は彼の心を知りました

彼はわたし達────ISをこの世の誰よりも憎んでいます

だからこそわたし達は知りたい、榊澪の事を……









IS学園のIS倉庫の奥深く、厳重封印と書かれた扉の向こう

その広い部屋の中にポツンと、様々な意思を持った一機のISが光り輝いている。

目覚めの時は近い


明日を勝ち取る為の力

────早朝午前5時 IS学園校舎近辺特別訓練施設

 

「……ぬっ、ぬぐぅ」

 

 

 4月のまだ午前5時はまだまだ寒いそんな中俺はIS学園校舎近辺特別訓練施設……通称『特施』にて、5日後に行われるクラス代表決定戦(巻き込まれ強制参加)に向けての鍛錬を行なっている。

 

 

 

『榊君、次行くわよ。準備は?』

 

「だ、大丈夫だ。問題無い」

 

『……それじゃあ始めるわよ』

 

 

 刀奈の言葉を聞いて、俺は待機状態にしていたフランスデュノア社製第二世代後期IS『ラファール・リヴァイヴver.更識家カラー』を戦闘モードに移行させる。

 そして同時に現れるのは訓練用ドローン。その数三十数機、更に妨害用砲台が部屋の壁や床からせり上がってくる。……そう、俺は今IS訓練を行っている。

 

 

『開始!』

 

「……っ」

 

 

 刀奈の言葉の後、妨害用砲台が俺に対して実弾ではないが強化ゴム弾を発射してきた。

 

 

「(イメージ!)」

 

 

 俺は頭の中で某機動戦士のロボットの飛んでいる姿をイメージ。それによりラファール・リヴァイヴのPICが起動し、空中に舞う。

 空中に舞った時には既に強化ゴム弾が目の前に来ているのを、ISの機能の一つであるハイパーセンサーが捉える。俺は直ぐ様PICで強化ゴム弾をギリギリながら避けるが、避けた時には直ぐ様次の強化ゴム弾が俺に向けて発射されていた。

 

 

 尚現在俺がいる所は特施地下二階『特施地下IS訓練場』と呼ばれる地下なのに全長500mはあると思われる巨大地下訓練場で、高さ(地下なので深さ)も100mはある。その為ISが飛んでも問題はない。

 

 

 俺は両手にアナハイム社製多目的バズーカ『ハイパーバズーカ』を展開し、ドローンに向けて狙いを定める

 

 

 

 

「……いくぞ」

 

 

 俺はそう言ってハイパーバズーカの引き金を引いた

 

 

────────────────────

 

 

『……いくぞ』

 

 

 IS学園近辺特別訓練施設『特施』、その地下二階『特施地下IS訓練場』のモニターから私は榊君の訓練の様子を見ていた。

 榊君は強化ゴム弾の弾幕を、IS飛行術の一つである『シューターフロー』で避けつつその手に持つハイパーバズーカでドローンを撃ち続けていく。

 『シューターフロー』本来なら素人である榊君が、訓練を始めて二日目である今日で出来るような技術ではない。それでも尚モニターに映る榊君はさぞ当然かの様に、強化ゴム弾の弾幕を避けつつドローンを撃ち続けていく。しかし……

 

 

『しまっ!?』

 

 

 やはりまだ完全には出来てはいなく、何処か動きが不安定……それがISロシア国家代表である私が思ったことだ。モニターに映る榊君はミスで強化ゴム弾の弾幕を受け、姿勢が崩れる。そこに強化ゴム弾の弾幕が集中的に放たれた。

 

 

『いだだだだだだ!?』

 

 

 ISには絶対防御という操縦者を攻撃から守る機能が存在している。その機能は攻撃から守るというものだが、実はそこに欠点がある。それは攻撃から守るというものだが、攻撃から操縦者を完全に守るということではない。なので、今の榊君みたいに攻撃を受けた衝撃を完全に無くすことはできない。と言うよりも、榊君がなんだか可哀想に見えてきたわね……

 

 

『ぐうあっ!』

 

 

 あっ、脱出したようね。さて、そのままどうするのかな

 

 

『ぶっ飛べ!』

 

 

 そう来たか。まあ榊君が使っているハイパーバズーカの弾は拡散式の弾、デタラメに撃っても今の状態だと強化ゴム弾の弾幕を撃ち落とすのにも使えるわね。

 それにしてもまだISの操縦時間は十時間にも達してないのに、此処まで上手く操れるとはね……本当に思うけど榊君って凄いわ

 

 

『おーい刀奈。終わったぞ』

 

 

 どうやら考えている内に終わったようね

 

 

「訓練お疲れ様。時間も時間だし、今日の朝の訓練はこれで終わりよ。あっ、ISを待機場所に戻してから寮に帰ってね」

 

『ああ分かった』

 

「放課後の訓練は第五アリーナで行うから、ちゃんと放課後までに許可証貰ってね」

 

『ん?第五アリーナって何処にあるんだ?』

 

「あー……、だったら放課後榊君の教室に向かうから」

 

『了解』

 

 

 ふー……残す所はあと6日。このまま順調に行けば────

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

「うう……」

 

 

 澪はラファール・リヴァイヴver.更識家カラーを特施IS待機室に戻し、現在寮に戻っている。今日で訓練は二日目を迎え、昨日はあの後(前話の最後の所)早速さっきまでいた特施にへと連れて行かれてISの初期的な操作を覚えさせられ、今日は朝から激しい訓練をやらされ今の時点でヘトヘトだ。

 あらかじめドローン撃破訓練の前に今回使用する銃火器をある程度試し撃ちをしといいて正解だった。IS用の専用銃火器は元となった銃火器よりも大きく威力が増してある為、撃つ時にはISのパワーアシストがオートで発動する。しかし、ある程度の衝撃を緩和することが出来るが完全には押さえきれずに腕に衝撃が来る。

 

 

「いてっ」

 

 

 考えながら歩いていたら何時の間にか自分の部屋に着いていたようで、頭をドアにぶつけたようだ。それも勢いよくだ。俺はドアを開け部屋の中に入り、ベッドに置いてあるデジタル時計を見る。

 

 

─────AM6時37分26秒

 

 

 予想よりも早く着いたな。もう少し時間が掛かるかと思っていたが……まあいいか。一応このIS学園は女子高で、男の汗の臭いとか気にする奴らもいる。

 兎に角今はさっさとシャワーを浴び、早く食堂に行かなくてはいけない。何故かって?決まっている、それは腹が減ったからだ。さあ早く浴びよう

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────

 

 サッと、軽くシャワーを浴び今俺はIS学園唯一の食堂に来ている。ここの食堂は料理のレパートリーが豊富で、世界各国の料理を提供している。そんな食堂は6人の日本人のおばちゃん達が作っているがこれがなかなか旨く、どんな料理でさえ必ず美味いと思わせられる程の腕を持つ。

 よくよく考えると、この6人の日本人のおばちゃん達はいったい何もんだ?料理を頼んで出来上がるのが10分も掛からない……うむ、不思議だ

 

 

 

「いただきます」 

 

 

 俺は窓側の適当な席に座り、日替わり魚定食Sを頼んだ。因みにこのSとはスモールという意味で、普通なら小さいとかの意味だが此処では量のことを示す。俺は朝は小食なんだ。あと美味い。

 

 

「……ちっ」

 

 時間帯的に多くの生徒が起きている為、日替わり魚定食Sを半分程を食べきる時には食堂の半分ほどが人で埋め尽くされている。たいていの生徒が俺に向けて様々な目線を送ってくる。その目線のたいていが『憎しみ』の目線だ。数日前のあの馬夏共のやり取りが学園中に伝わって今話題の一つとなっている……が、どういう訳か俺があの低脳屑教師に対して言った事が伝わったらしい。その為あの低脳屑教師の信者みたいなヤツらがいい加減な噂話を作って俺の評価を最底辺まで下げやがった。

 

 

「……ふん」

 

 

 それでも俺にとってはその方が都合がいい。その方が色々やりやすいからな。……っと、時間がもったいない。

 澪はその後の様々な視線が向けられる中残りの朝食を、綺麗に食べきって食器を返して食堂から出た後だ。

 

 

「澪!」

 

「……なんだ」

 

 

 先程低脳屑教師の信者みたいなヤツらがいい加減な噂話を作って……と言ったが、それをあの馬夏が信じ込み俺に倒してあーだこーだ言ってくるようになった。しかも天災の妹も連れてだ。

 

 

「また他の生徒に手を挙げて泣かせたのかよ!?」

 

「……はあ」

 

 

 めんどくせえ……こういう奴は無視だ無視

 

 

「……てめえ!」

 

 

 馬夏が俺の顔に向けてパンチをしてきやがった。普通に避ける事は出来るが、最近何かと馬夏のせいでイラッとすることが多い。だからさ……

 

 バキィ!……と一夏の右パンチは澪の顔の左頬に当たる。

 

 

「…………効いたか!この野y「これで正当防衛になるな」……はっ?」

 

 

 一発ぐらい殴っても構わないよな?

 

 

「ふん!」

 

 

 澪は自分を殴った一夏の右腕を掴んだ後、思いっ切り一夏をその場でブン回す。一夏は気づいた時には既に空中を舞っていることに思考が追いついていない。澪は空中を舞っている一夏に向けて一発右掌底突きを放つ。空中で喰らうため衝撃が体から逃げずに一夏にダメージを与える。更に重力下のために空中を舞うものは下に落ちる……一夏も例外なく床に落ちた。結果的に、掌底突きと地面落ちによる二連激コンボが決まった

 

 

「ぐう……」

 

「……ッ、一夏!」

 

「毎日毎日しつこいんだよ。テメェもテメェであんな噂話を信じるんじゃねえよ」

 

 

 まあ……さっきの内容は間違っちゃいないが、事実と異なる。 先程の実際の内容は俺に対して数人の女子生徒が武器を使って襲い掛かってきたから、俺がそいつ等の武器を壊してボコボコにして返り討ちにした。これが本当の内容だ。

 

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 今度は天災の妹が木刀で襲い掛かってきた……けどなあ

 

 

「そんな見え見えの攻撃じゃあ俺には当たらん」

 

 

 あーめんどくせえ……このまま馬夏と同じ末路にしてやってもいいが、先程から居るあの人に最後の締めを頼むか。今か今かと出てきたそうにしてるし

 

 

「んじゃあな……芋侍さん。それと……あとは頼みます山田先生」

 

 

 

 

 

「えっ」

 

 

 

 

「はい♪」

 

 

 

 天災の妹が山田先生の声を聞いて、体を震わせている。今の山田先生は顔は笑顔で素敵だが、山田先生からオーラ?的何かがに溢れ返っている……主に気絶している馬夏と天災の妹に向けてな。

 

 

「……榊澪はクールに去るぜ」

 

 

 俺はそう言ってからさっさとその場から離れ、寮に帰って授業の支度をしてから歯磨き・着替えをして教室に向かう。さて今日もストレスに耐えるか。




次回予告

遂に始まるクラス代表決定戦

織斑一夏には専用機が渡されるらしい……が、まだ来ていない

その為、榊澪が先に試合をやらされる羽目になるのだが……


「アリーナ厳重封印室より連絡!例の試験機が自動稼動を開始!」

「……なんだと!?」


試合前に突如起きたとある試験機の自動稼動。その試験機はアリーナの床や壁を壊して、突如榊澪の目の前に降り立った。


「……なんだ?オマエが俺を呼んでいるのか」


封印されし試験機と榊澪が触れ合う時、物語は加速する


次回=起動=

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