一般人15歳で〝ちょっと〟変わった彼のIS生活(完結) 作:A.K
次は四千文字以内に収めたいな……
(∩´。•ω•)⊃では、本編へどうぞ
あと予告と変えました。すみません……
平成27年6月1日)内容一部変更、予告変更
あれから少し時間が経ち、今はこの学園で初めてとなる休み時間だ。普通なら新しい友人・前からの友人と話したり、次の授業の準備や予習をしたりと様々な事をする時間である。
「……チッ」
生憎、今の俺はとても苛立っている。勿論のこと原因はあのクズ教師だ。あの教師とは思えないような行動ばかりをするあいつのせいで、俺の心情はとても荒ぶっている。さらに廊下にいる大量の女子達、そいつらから出ているまるで俺を『珍獣』の様に見てくる視線。それがたまらなくイライラさせる。
「ねーねー」
「ああ?」
俺は突然声を掛けられ、余りのイラつきにより怒りを混ぜながら声のした方向にへと視線を向けた。
「あうう……なんで怒るのさ〜」
俺の視線の先には小動物的な少女がいた。しかも涙目だ。これは間違い無い、俺の「ああ?」のせいだ。たしかこのやけにダボダボした袖を着ている少女は確か……
「あー……えーと、なんか済まない……というより申し訳ない布仏さん」
俺がそう言うと布仏さん────本名『布仏本音』は、泣きそうな顔から一変して笑顔になった。
「許してくれるの〜ありがとうね!レイレイ〜」
「えーと、レイレイとは俺の事か?」
「うん!榊澪でレイレイ〜。あとついでなんだけど、お菓子ある〜?」
もう何と言うか……これまでの人生で初めての体験をしてるんじゃないか今。あとなんか知らないがこの子を見てるだけで癒される感じがあるな。あと布仏さんはこうなんというか、独特のテンポでやり取りがしずらい。主権をあちら側に奪われている様な気がするな。
「お菓子か……確か鞄の中にあるはずだ。ちょいと待ってろ」
榊はそう言うと自分の鞄の中にあるはずであるお菓子を探すために、あーだこーだ言いながら鞄の中に手を入れながら探した。
「ん……これだ」
榊はそう呟いて、あるお菓子の箱を取り出した。
「最後までチョコたっぷりの『POT』……これでもいいか?」
「うん!ありがとレイレイ〜」
「おう。……あと手を出せ」
「はいは〜い」
俺はその言葉を聞いた後早速お菓子の箱を開け、中の袋から最後までチョコたっぷりの棒状のお菓子を出す。そしてそれを布仏の手に載せる。
「……布仏」
「ん〜?なーにレイレイ」
「今すぐ自分の席に戻れ……何か嫌な予感がする」
「……んー分かった。んじゃ戻るね、お菓子ありがとうね〜」
布仏はそう言って自分の席に向かって行った。さて……もうそろそろ嫌な予感が的中する頃だと思うのだが
「ちょっとよろしくて?」
「(やはり当たったか……)……何の用だ。イギリス代表候補生セシリア・オルコット」
「あら? 一般の人だから私の事を知らないと思っていましたが、案外知ってるものなのですわね」
……チッ、やはりコイツもこの時代の典型的なタイプである女性主義者の一人か。しかしまあなんだ。コイツのクルクルしているロール型の髪型、そしてその身分がイギリスの有名な貴族オルコット家の現当主で、更には確か世界で初めてとなる【遠隔脳波操作無線兵器】搭載機のパイロットだ。いくら一般人でも大体わかるだろ。
「流石にIS関連の所に行く事になってからIS学の事や、専用機やその操縦者の事も調べておくってのがアンタの頭でも分かるだろ?」
「……少し話し方が気に入りませんが安心しましたわ。あの織斑一夏は世界最強である織斑先生の弟だからある程度はISの事を知っていると思っていました。しかし、私は一般人である貴方は何も知らないのではないかと思っていたので」
「そーかいそーかい、アンタの頭の中では俺をそんな風に思っていたのか。多分アンタは俺がもしも『知らない』と言っていたら俺をバカにした挙句ひどいことを言っていただろうな。だってアンタ先程の言葉からして女性主義者の一人なんだからさ」
今俺はこう言ったが実際この時代の一般人の男はある感覚が非常に研ぎ澄まされている、それは相手が敵かどうかっていう識別の感覚だ。この時代女性主義者の馬鹿達が好き勝手するもんで、一般人の俺を含めた男はそいつらから身を守るために相手が敵かどうかっていう識別の感覚が非常に高まった。
因みに目の前に居るセシリア・オルコットは俺の言葉を聞き、自分が考えていたことを当てられて非常に不愉快……と言うような表情をしている。
「どうやら図星見たいだな……ええ? 生憎、俺はアンタみたいな女性主義者の馬鹿女とは仲良くするなんて事はねえから安心しろよ……っと、もうそろそろ次の授業が始まるな。アンタも早く座りな、早くしないとさっきの俺みたく頭をバンバン叩かれるぜ」
俺の言葉に対して「……くっ、覚えていなさい!」と言いながら、セシリア・オルコットは自分の席に戻って行った。二度と来るんじゃねえバーロー
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それから二分後、先程の俺の言葉通りあの低脳屑教師が哀れな生贄……じゃなくて、このクラスの良心である山田先生を手下にしながら教室に入ってきた。
本当に思うけど何であの低脳屑教師が担任なんだ? アイツ確かIS学園のホームページではこの学校の中で一番就任履歴が若い部類の先生なんだよな。実際山田先生は既に五年程教師として働いてる。本来であれば担任は山田先生の方が適任で、年齢では山田先生より上だとしても教師歴は圧倒的に山田先生の方が多い。本当に不思議だな。
因みに何故か織斑一夏と篠ノ之箒が授業に遅れてきた。それであの低脳屑教師は二人に殺人スマッシュをかませてた。やはり身内には甘いあの低脳屑教師は、俺の時より確実に弱いスマッシュを他の奴らにやっているよな。
この授業は実戦で使用する武装を習う『IS武装学』という授業らしい。担当教員はあの低脳屑教師だ。どんな授業をするのかと思っていたが、案外普通に行っていた。しかし、なんか説明が判りにくい。
「────っと、済まないが一時授業を中断する。大事な事を忘れていた」
ん?なんだ
「実は再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めなければならない」
クラス対抗戦・代表者……そうか、即ち各クラスの代表が他クラスと戦って頂点を目指すってことか。ん?前の方で織斑一夏が首を傾げてるな。大体わかるだろこんぐらい……
「クラス代表者は言わゆるクラス長だ。クラス長に選ばれた者はクラス対抗戦以外に様々な仕事がある。なお一度決めたら一年間は変わらないと思え」
あの低脳屑教師がそう言うと、教室内がざわつき始めた。外国じゃどうか分からないが、日本だと大体どこの学校でも今と同じ反応をするよな。でも今回は一人選ばれるのか……、だとするとだ。俺の予想だとこの後の展開がどうなるのか少し予想出てきたぞ
「はい!私は織斑君を推薦しまーす!」
やはり予想通り。やはり世界最強(笑)の影響が有るのか、やはり織斑一夏が推薦されたか。
「……む?」
織斑一夏の奴……自分の名が挙げられているのに、「織斑って奴が選ばれたんだー」とでも思ってるかのようにボケってしてやがる。で、さっきの休み時間中に話し掛けてきたお嬢様(笑)が何やら……まあ予想は出来てるがイライラしてやがる。生憎俺はアンタみたいな女性主義者の馬鹿を推薦する気なんてない
その後、結果的に織斑一夏以外の推薦は無かった。で、あの低脳屑教師が「結果が出たか」と言ってから全員に向けて言う。
「……では、代表者候補は織斑一夏と榊澪の二名とする」
……は?何で俺も候補に入ってるんだよ。俺は頭の中でそう思い、思わず席から立って叫んだ。
「巫山戯んな! 何で俺も候補に入ってるんだよ!? 誰も俺を推薦した奴はいなかったじゃねえか!」
「私が勝手に推薦しといた。感謝するんだな」
もう駄目だこいつ。ただの自己中&女性主義者の馬鹿で低脳屑教師だ。もう怒りを通り越して返って頭が冴えてきた……
「織斑一夏……って、俺ぇぇぇ!?」
「テメエは今頃気づいたのかよ……」
本当になんなんだよこの馬鹿姉弟共……、思考回路がどうなってんだか知りたいぜ。榊はそう思いながら席に座った時だった。榊が座るのと変わるように今度は先程から不機嫌になっていたセシリア・オルコットが机を叩いた後、「納得いきませんわ!」と言いながら立ち上がった。
俺は普段懐に隠してあるICレコーダーに手を伸ばし、録音を開始した。ん?何故録音をするのかって?なんか俺の頭の中で録音をしとけと促せてるからだ。
「男がクラス代表なんていい恥さらしですわ!」
はい、録音を開始早々問題発言頂いたぞ。
「良いですか?普通今の時点で専用機を持ち、更に実力もあるイギリスの代表候補生であるこの私がクラス代表になるのは必然ですわ! それなのに男だからという理由で、珍しいという理由で男をクラス代表に選ばされるなんて困ります!」
……録音をして今更思うのだが、コイツは各国のお偉いさんにバレたらやばい事になるのではないか? あの金髪ドリルがまだ喋っているが説明させてもらうぞ。
そもそもだが、ISの専用機を持ってる者は『国家IS代表』『国家代表候補生』『代表候補生』の三つの種類の人々しか普通は持っていない。この三つの中で一番高い位が『国家IS代表』である。いわば総理大臣みたいなもんだ。それで、セシリア・オルコットが属するのが『代表候補生』で一番低い位になる。
しかし、一番低い位になると言ってもこの時点で既にある程度の権限というものがある。しかもその権限がほぼ国家の意志という感じになってるので、現在セシリア・オルコットは今日本のことを馬鹿にしている最中なのだが、これは言わば『イギリスが日本に宣戦布告している』と同じような事だ。俺はある国の国家IS代表とよく会う仲で共に数少ない友達でもあるが、その人はその意味をちゃんと理解していた。でもその人は何と言うか……猫みたいな印象を持った女性だ。
話を元に戻すが、即ち今の時点でセシリア・オルコットは戦争を勃発させようとしているのと同じ事をしている。
「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一料理がまずい国で何年覇者だよ」
「……っ、あの馬鹿」
つい口に出してしまったが織斑一夏……否、馬夏はなんていう事をしてくれたんだ。
「あ、あ、貴方私の祖国を侮辱しますの!?」
あー……本当にやってくれたな。
「決闘ですわ!」
もう驚くのはやめた方がいいのだろうか……。そう言えば決闘って今の時代やると罰させるような……あっ、ここはそれらの法が利かないんだったな
「おういいぜ。四の五の言うよりわかり易い」
「言っときますけど、わざと負けるようなことがあるようであるならば……貴方を私の奴隷にしますわよ?」
……もうこいつら普通の学校だったら完全に逮捕されてるよな。
「侮るなよ……俺は真剣勝負で手を抜くほど腐ってはいない」
「そうですか……フン。ならそれはそれで結構、イギリス代表候補生であるこのセシリア・オルコットの実力を示すいい機会ですわ!」
あーそんな甲高い声を出すんじゃない。さっきから煩くてしょうがないじゃねえか
「それでハンデはどの位付ける」
「あら?早速お願いかしら?」
まー……相手は女性主義者の馬鹿だとしても、世界初の【遠隔脳波操作無線兵器】搭載機のパイロットだ。ハンデは一つや二つぐらい貰わないと素人である俺らはセシリア・オルコットに勝てないだろう……っと、榊は考えていたが織斑一夏はその考えを裏切るような言葉発した。
「いや、お前じゃなくて俺がどの位ハンデを付けるかだ」
はっ?
「待て待て待て待て待て待て待てぇぇぇ!?」
もう我慢をするのが限界で、俺はそう叫びながら席を立った。俺のその行動を見たクラス全員の視線が刺さるが、今はそんなことを気にしない。
「い、一体なんだよ澪?」
「テメエは気安く俺の名を呼ぶんじゃねえ……」
俺は馬夏に自分の名を軽々しく呼んだので、少し怒気を孕んだ声を含めながら言ったら篠ノ之箒と言う奴に睨まれた。今はそんな奴よりこの非常識の塊に向けて言いたいことを言ってやる
「テメエ……今お前が言ってること、自分の頭の中で分かってるのか?」
「ん? なんでだ?」
俺はその言葉を聞いて、自分の頭の中で何かが切れたような音を聞いた。
「……テメエは本当にどうしようもないな」
「はっ?」
「貴様!私の一夏になんてことを言うんだ!」
「部外者は黙ってろ。念の為聞くが……テメエはセシリア・オルコットがどんな奴かわかってんのか?」
これで何にも分かっていないようなら、俺はコイツをこれから馬夏と呼ぼう。
「全然知らん」
はい即決定。
「このたわけが、お前戦う相手のことを全然知らないのにそんなこと言ったのか……。もうお前は馬夏と呼ぶ」
「……んじゃあ逆に聞くけど、澪はセシリアの事どんぐらい知ってんだよ」
ふむ。今度は逆に聞いてきたか……、なら答えてやるか
「セシリア・オルコットは先程も言っていたがイギリス代表候補生で、現時点でのイギリス代表候補生ではある点を除けば間違いなくトップランクの実力を持つ強者だ。しかもセシリア・オルコットは現時点での世界ISスナイパーランキングジュニア部門で一位。ISの方ではイギリス最新鋭である『ティアーズ型』の第三世代機の操縦士、さらに言えば現時点での遠隔脳波操作無線兵器の最大適正値を持ち、さらにそれを最大稼動とはいかないが高水準値で動かしている。さらにセシリア・オルコットは既にIS稼働時間は300時間を超えている────で俺が知っていることは全部だ」
俺がまさかそこまで知っているとは思わなかったのか、それとも男がそこまで知ってるのが予想外だったのかわからない。だからなのか、クラス全員が驚いている。
「で、俺が言いたいことがわかるか?」
「……す、済まないけど全く持ってわからない」
「大雑把に言うと、俺や馬夏、更にはここにいる教員を除けば今この場にセシリア・オルコットにかなう奴はいないってことだ。俺や馬夏とセシリア・オルコットでは差が大き過ぎる」
俺がそこまで言うとやっと理解できたのか、馬夏は成程……と呟いた。で、次は……
「あとセシリア・オルコット」
「な、なんですの!?」
「テメエはさっき自分が言ったことがどんなことを引き起こすのか分かってんのか?」
「……」
「テメエもかよ。いいか?これは馬夏も当てはまることだがテメエら二人のせいで、もしかしたら日本とイギリスでの戦争が起きる所だったからな。もうこれ以上言うの疲れるから後は自分の頭の中で考えろ」
俺はそう言ってから席に座った。俺はそれと共にさり気なくICレコーダーの録音を終了させた。
「で、では……来週の金曜日の放課後に第四アリーナにてクラス代表決定戦を行う!」
俺が座った後、あの低脳屑教師がそう言った。それと共に授業の終わりのチャイムが鳴ってこの授業は終わった。
「ふー……」
俺は自分の席に突っ伏しながら息を吐いて考えた。
なんで俺はこのIS学園にいるんだろう……
いや、それは俺にISの適正があったからだ。
だったらだ……なぜ……
親を
友達を
俺から根こそぎ奪っていったISに俺は関わっているんだ……
燃える家
ISが俺たちを蹂躙する
親が斬り殺され
友達を撃ち殺していくあの光景が目に浮かぶ……
「はっ!」
俺はそこまで考えた時、まだ次の授業の準備をしていない事を思い出した。俺は急いで次の授業の準備をした。支度が終わるのと同時に次の授業の先生が入ってきた。
(………今は、授業に専念しないと)
俺は未だに先程の考え事から抜け出せない頭に対してそう命令し、授業に取り組んでいった。
無理矢理ISでの勝負事に巻き込まれた澪
素人である彼は、彼を知るとある人物に操縦の訓練を頼んでみることに……
次回=放課後の出会い=