原作でもそうですがこの物語の序章も一緒くらいですね。
とりあえず早くあの人たちを出したいぜぇ…
自分のFGOもやっと二章終盤にやってきました。
赤セイバーを取りにガチャ引くのもいいですが…個人的にはまとめて引きたい人なのでキャス狐の出る三章以降から引きたい…。
一応無課金なんで召喚石は最初だけ使ってそれ以降は使ってはいませんので大量にあるのですが(これで全部礼装だったらキレそう)
俺たちがオルクスに乗り、学園島から出航してから数時間が経った。
「キンちゃん、白野君。ジャンヌに聞いたんだけど、パトラのGは推定25。世界最強の魔女の一人らしいの。しかもピラミッド型の建物がそばにあれば、無尽蔵に魔力を使えるんだよ。パトラはピラミッドを『無限魔力』の立体魔法陣として使ってる。『無限魔力』は日本でも古墳とかを造って研究されてたんだけど、強力過ぎるから禁じられた術なの」
黄緑色の片眼鏡のようなMHD(ヘッドマウンドディスプレイ)をつけたままの白雪が高部座席の俺たちに話しかけてくる。
それに反応したのはキンジだ。
「そう言えば、パトラも似たようなことを言ってたな。ピラミッドさえあれば自分は無限の力使えるとか」
「例えるなら、白雪やジャンヌは普通の銃で、パトラは砲弾無限の戦車みたいなものか。俺のコードキャストも魔力が切れたら使えないし。」
「そう。白野君の言う通りだよ。あの魔女はそう言う存在なの。」
「そんな奴から取り戻せるのかよ…アリアを」
気弱に呟くキンジから、白雪は目を背けるように前を向く。
「キンちゃんは…アリアが心配なんだね」
白雪の言葉にキンジは何も言わなかった。
「なんとなく分かるよ。アリアはキンちゃんにとって、すごく意味の深い子。だから、私も守りたい。それに、アリアとこんな形で決着したくないし」
「…決着?」
「あ、う、えっと、それにパトラは、スカラベを星伽にも侵入させてたのイロカネアヤメを盗んだのも、たぶんあの女。パトラは星伽の敵でもあるの」
そう言えば白雪がいつも持っていた刀持っていないな。
それが盗まれたということは今回の白雪の参戦も予想されていたということか。
パトラってのはそんなに頭がいいのか?
いささか謎だが俺自身パトラをじかに見たことが無いので特に何も言わないでいた。
白雪はごまかすように早口でいい、決着に関してはキンジに触れさせないようにした。
その後、船内にあったホワイトチョコみたいな栄養食と飲料水で空腹を満たしながら太平洋を北東へと進む。
そして、タイムリミットまで後一時間という所で、アリアが居ると思われる海域に到着した。
速度を落とし、超音波探信儀で辺りを探る。
すると、周囲に巨大な物体の反応が無数にあり、デジタル潜望鏡で確認するとそれは大量のシロナガスクジラだった。
クジラの群れを掻き分けて進み、俺たちはそこにあった建造物に驚いた。
「…あ…アンベリール号…!」
キンジがそう呟いた。
アリンベリール号。
なんだっけか…どこかで聞いたことが…
…あ、そう言えばキンジの身辺調査をしたときにそんな名前を見たような気がする。
素早く電子手帳で調べるとそれは去年の冬、浦賀沖で沈没しキンジの兄さんの金一さんが失踪した客船だった。
俺は一度キンジを見た。
一度死んだと思われた金一さんが生きていた。
キンジがそれをどう思っているかは目を見ればわかる。
けど、俺はその感情について深く読み取ろうとしなかった。
それが親友としてのできる境地だと思ったからだ。
俺は何も言わずに行く末を見つめた。
ところどころ錆びており幽霊船の様に見える。
かなり改装もされてるみたいだ。
喫水線は沈みそうなほど低く、甲板には巨大なピラミッドがあった。
あれが、『無限魔力』の魔法陣か。
…破壊できるか?
俺は電子手帳の礼装である『空気打ち/三の太刀』を見たがすぐに直した。
これを撃てる魔力も復活し実際に振るうこともできるがそのまま撃つとどこにいるかわからないアリアも傷つけてしまうかもしれない。
不確定要素が多い現状、内部調査が必要だと考えたからだ。
「分かる、分かるよ。あの中にアリアと、パトラが…」
白雪はピラミッドの頂点を見て眉を吊り上げる。
頂点はガラス製で、その中を陽光にキラキラと輝いている。
燃料が切れたオルクスを漂着させるように、アンベリール号の前方に砂で出来たような陸に接舷させる。
陸には十メートルほどはあるパトラ像が左右に二体ずつそびえていた。
「かなりアレンジされているけど、古代エジプトのアブシンベル神殿を模してるよ。すごい…全部、魔力で造ってある」
これを全て魔力で造っているのか。
無限魔力…どうやら今回の相手も一筋縄ではいかなそうだな。
そう思いながら俺たちは、パトラ像を潜り、ピラミッドの入口のトンネルに入る。
中は迷路のように複雑な構造になっていたが、ほとんど足止めを食らわずに奥に進むことができた。
しかし、順調なその足取りも止めるしかない事態が目の前で起きた。
「わかれ道か…」
そのまままっすぐに進む道と上へと続く階段が俺たちの目の前に現れた。
俺たちは顔を見合わせどうするかを話し合った結果
「二手に分かれよう。上にはキンジと白雪が向かってくれ。俺はこのまままっすぐに進む」
「ああ…けど大丈夫か?白野。一人にしてしまって」
「けどこれが最善の選択だしな」
キンジは今ヒステリアモードではない。
キンジには悪いがさすがに一人でパトラ相手はとてもじゃないが荷が重いだろう。
それに白雪はキンジと一緒の方が最大限力を発揮できるしな。
「…それじゃあ時間もないし行くとするか」
「気をつけてね白野君」
「うん。白雪さんも気をつけて」
俺たちはそう言葉を紡ぎ合い足を進める。
進む方向は違ってもみんなの気持ちは一つだ。
俺たちは気を引き締めそれぞれの道を進むのだった。
60弾終わりました。
パラノイヤ(偽)さん、阿刀さん、昆布さん、島田響奏さん、感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
タマモキャット持っている人許すまじ(涙目)