やめて!!冬木市の復興予算はもうゼロよ!!   作:後藤陸将

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本編もあと少しで終わり……エイプリルフールの没ネタなのに、気づけば一作品として完結までこぎつけるとは思いませんでしたね。


最強の敵、最後の変身

 ゴジラとウルトラセブンの実力差はこの時、既に隔絶したものとなっていた。

 セブンのパンチもキックもゴジラにダメージを与えることはできず、体勢を崩させるのがやっとだ。侵略者切り裂きし正義の刃(アイスラッガー)も皮膚を切り裂くことができず、闇を切り開く翡翠色の閃光(エメリウム・レイ)で穿った傷も一瞬で再生してしまう。

 それに対し、ゴジラの怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)は大幅なパワーアップをとげ、一撃でセブンを消滅させうる威力となっている。

 また、厄介なことに、ゴジラ自身もエネルギーを制御しきれていないらしく、時折せびれからエネルギーが噴出し、ゴジラの背後を強烈な熱で焼き尽くす。これまで豊富な経験によって培われた勘を駆使してゴジラの熱線や体内放射のタイミングを見切ることで回避していたセブンも、間欠泉のように不規則に熱線が噴出するとなると、避けることは困難を極める。

 接近戦を挑んでも効果は無い上に、予期せぬタイミングでの体内放射を喰らうことになりかねず、遠距離でもゴジラの熱線に狙われる。これによって、セブンはほとんどの選択肢を詰まれた状態に等しかった。

 人間もまだ諦めていないのか、時折メーサーと思しき光線がゴジラの顔面目掛けて浴びせられるが、今のゴジラは数十万ボルト程度のメーサーでは蝿が止まったぐらいにしか感じていないらしい。鬱陶しそうに怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)を一吹きし、山の陰に隠れているメーサー車を山ごと抉って爆散させる。

 対戦車ヘリコプター部隊も、上空を凪いだ怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)の一撃で八割近くが一度に撃ち落されている。さらに、深山町で発生した火災による上昇気流がヘリコプターの機動を制限し、黒煙が視界を遮る。地上部隊もメーサー部隊も薙ぎ払われ、生き残った部隊が散発的に攻撃をしかけてゴジラの注意を引くことがやっとの状況だ。

 セブンにできることとも、なるべくゴジラの顔面を闇を切り開く翡翠色の閃光(エメリウム・レイ)で狙うことで注意を引きつけ、未遠川を背にして戦うことで、怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)が新都に着弾するように誘導することぐらいだ。

 既にゴジラは未遠川を渡り、守ろうとした深山町に侵入していた。怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)が深山町に当たらずとも、ゴジラが身体から放射する体内放射が街を焼くことに変わりはない。ゴジラを深山町から押し出すだけの余力がない以上、セブンにできることはできるだけ被害を減らすことしかなかった。

 しかし、セブンにできることはそれだけしかなくても、セブンたちにできることはまだある。ゴジラから人々を守りうる唯一の方法――ゴジラの打倒。それを可能とする力が、彼らには残されていた。

 切り札は、ライダーの宝具『一億三千万年眠りし究極の守護神獣(鎧モスラ)』。そして、切り札で確実にゴジラを葬り去るためにゴジラを可能な限りひきつけ、モスラが宝具を発動する隙をゴジラに突かせないことがセブンに与えられた役割である。ゴジラの注意を引くことしかできなくても、それは勝利のために必要な一つのピースになりうるものだった。

 

 ――頼んだぞ、モスラ。

 

 圧倒的とも言える戦力差を前にしても尚、セブンの心は折れてはいなかった。最後まで諦めず、共に戦っている仲間を信じて戦い続けることの大切さを、どんな絶望的な状況でも、恐怖を飲み込んで前に進もうとする勇気を、多くのウルトラマンたちは地球人に教えられてきた。

 セブンもその一人だ。矛盾を抱え、自らの行いに悩み、時に過ちを犯しながらもそれに真摯に向き合う地球人は、かつてのウルトラの星の民が歩んだその道に非常に似通っており、彼らがたどり着くことができなかった未来を実現しうる可能性を秘めた種族である。

 彼らと共にありたい――地球を去った歴代のウルトラマンたちも、誰もがその想いを抱いていた。

 今は自分たちの後ろを歩いている彼らに対し、恥じることのない背中でありたい。いつか彼らが自分たちと並んだときに、そのことを誇れる在り方でいたい。

 来るその日までの――そして、その日から続く未来の彼らと自分たちのために、ここで情けない姿を晒すわけにはいかない。

 セブンは点滅を始めたビームランプには目もくれず、ひたすらに戦場を駆けてゴジラを釘付けにした。全ては、己の信念と、守るべきこの星の人々のために。

 

 

 

 

 エリアス族の三姉妹が舞を踊る。

 モスラに愛を祈り、モスラに平和を祈り、モスラに繁栄を祈るエリアス族の古より伝わる歌。三姉妹の調が重なり、美しいハーモニーを奏でる。

 緑溢れるこの星を、星に溢れる数え切れぬほどの命の灯火を、何千万年、何十億年と積み重なってきた生命の営みと共に合った星の生命を繋ぐ歌が冬木の地を満たす。

 この星の命を脅かすもののために我が身を省みず戦うモスラの勇気を讃え、この星の全ての命とその営みを平等に慈しむモスラの愛を崇め、この星の数十億年の叡智を授かったモスラの智恵を敬う。

 そして、三姉妹のハーモニーに呼応するかのようにモスラの力が高まっていく。ゴジラの怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)で跡形なく吹き飛ばされたはずの翼が再生し、白銀の身体にエネルギーが満ち溢れていく。

 これこそが、ライダーの――モスラの巫女たる彼女達の有する能力である。

 愛と知恵と勇気の三姉妹(エリアストライアングル)――それは、サーヴァントを分裂させるだけの宝具ではない。エリアス族のモスラの巫女が命を捧げることで、モスラの力を一時的に増大させる能力を有しているのだ。

 片道切符とはいえ、姉妹の一人が命を捧げることでモスラは時を遡る能力を手に入れられるのだから、その能力は非常に強大なものだと言えよう。

 サーヴァントという枠に、そして宝具という枠に当てはめられたことで弱体化しているとはいえ、三姉妹の命を捧げれば魔法の域に至ることであっても不可能ではない。そう、サーヴァントの身でありながら、第五魔法の本質の一端である時間旅行ですら、可能となるのだ。

 英霊となる前、モスラは一度だけその禁忌の技を使用し、過去に渡ったことがある。かつて、キングギドラに手も足も出ずに完敗したモスラは、キングギドラを倒すために一億三千万年前の地球に跳んだ。そして、未だに成熟していない若い頃のキングギドラを討ち取ったのだ。

 

「マスター、後を頼みます。短い間だったけど、私はマスターといっしょに戦えてよかったと思います」

 三姉妹の三女ロラの言葉に、ウェイバーは静かに頷いた。顔をクシャクシャに歪め、大粒の涙を流しながらも彼は真っ直ぐに消えゆく彼女達を見つめ続ける。

 次に、次女のモルが声をかけた。

「ウェイバーさん。貴方なら、きっとこの星の未来を守っていけます」

 本心で言えば、ウェイバーは不安でいっぱいだった。弱音は吐かないのは、彼女達に託されたものを守ろうと虚勢を張っているからにすぎない。しかし、それはモルにはお見通しだったのだろう。モルは優しく微笑みながら続けた。

「大丈夫。貴方には、冷静に周囲の状況を把握し、分析できる力があります。今は、自分の持ちえる力が小さくて無力に思えるかもしれませんが、気にすることはありません。貴方には、人を惹きつける力がある。足りないものは、他所からもってきて埋め合わせるのが魔術師でしょう?……貴方を支えてくれる人といっしょなら、きっと貴方の手でたくさんのものを守れるようになります」

 力をモスラに注ぎきったライダー(エリアス三姉妹)の身体が薄れゆく。最後に、ウェイバーは涙で霞む目で三姉妹の長女、ベルベラを見た。

 ウェイバーがどんな声をかければいいか迷っている間に、ベルベラはその身体を消滅させつつあった。既にその後姿は透け、身体の向こう側の景色が見えるほどだった。

 時間がないことを悟ったウェイバーが意を決して口を開こうとした。しかし、彼が口を開き、声を出そうとした瞬間ベルベラがこちらを振り向いた。

 

 ――ベルベラは笑っていた。彼女らしくない、少し寂しそうな、それでいて嬉しそうな微笑。それは、ウェイバーも初めて目にする表情だった。

 

 喉まで出掛かっていた言葉はベルベラの微笑みを見たことによって喉の中で霧散する。彼女に最後、何を言いたかったのか、彼女が最後に何を想ったのか……そんなことはいつのまにかウェイバーの頭の中から吹き飛ばされていた。

 そして、ベルベラは微笑みを浮かべながら妹たちの共に消滅した。

 三姉妹の最期を見届けたウェイバーの頬を涙が伝う。だが、ウェイバーにとってこの別れは『終わり』でない。それでいて、この別れは彼にとっての『始まり』にもまだ至っていない。

 ウェイバーは歯を食いしばり、涙を振り切って視線を燃え盛る冬木の街に向けた。彼の視線の先にあるのは、破壊の権化となった赤き怪獣王の姿。この戦争を終わらせて初めてウェイバーは『始まり』に辿りつける。

 怪獣王を睨むその姿は、もはや一週間前の頼りない少年のものではない。託されたものの重みと誇りを知り、それを背負い続ける覚悟を決めた男の姿だった。

 

 

 

 

 巫女の命を、そして己の命をも犠牲にする最後の切り札、時間遡行をもってしてゴジラを葬り去る。モスラは決死の覚悟をきめていた。

 翼を大きく羽ばたかせて宙に浮かんだモスラは、その姿をトビウオにも似た鋭角的なフォルム――光速飛翔形態へと変化させる。速度を上げながら上昇するモスラだったが、その姿がゴジラの目に留まった。

 幾度も怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)を外し、セブンにチマチマと攻撃を加えられて気が立っているゴジラにとっては視界に写った敵は即座に攻撃対象だった。ゴジラは背びれを発光させ、怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)の発射体勢を取る。

 モスラが切り札を使おうとしていることを知っているセブンは、ゴジラの熱線発射を妨害しようと侵略者切り裂きし正義の刃(アイスラッガー)を構える。だが、ゴジラの背びれから翼のように噴出した熱線の余波でセブンは吹き飛ばされてしまう。

 そして、ゴジラは口からエネルギーが迸る一撃を放った。

 口内から溢れ出した怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)はこれまでよりもさらに太く、激しく渦を巻いている。余波だけで地を焦がし、大気を焼くそれは、まさに極熱・放射熱線(インフィニット・アトミック・ブレス)というべきものであった。

 モスラに迫る極熱・放射熱線(インフィニット・アトミック・ブレス)。しかし、モスラの羽を掠める直前、突如ゴジラの身体が意に反して傾き、極熱・放射熱線(インフィニット・アトミック・ブレス)は明後日の方向に消えていった。

 何とか命拾いしたモスラは、時間遡行のための光速飛行に入る直前に視界の端に自分を救ったヒーローの姿を見つけ、念話で謝意を伝える。

 モスラをゴジラの熱線から救ったのは、ボロボロになりながら大地に横たわる赤き巨人、ウルトラセブンだった。セブンが最期の力を籠めたウルトラ念力はほんの数秒ではあるが、ゴジラの身体を完全に縛り付けていたのである。

 

 ――後は私が。

 

 モスラはそれだけ念話で伝えると、光の道を潜って時間を越えた。

 そして、最期の希望を見届け、使命を終えたかのように大地に横たわる赤き巨人は姿を消した。

 

 

 

 圧倒的な力で冬木を蹂躙し、敵対するものを寄せ付けないゴジラ。既に冬木に集めた自衛隊の戦力の80%近くがゴジラの攻撃によって失われている。組織的な抵抗力を失った自衛隊は、軍事的には全滅判定を下されていた。つまりは、彼らは敗北者と言っても過言ではなかった。

 対ゴジラ攻撃の司令部は、御通夜のような暗い空気に支配されていた。辛うじて海上部隊の単装速射砲が生きているだけで、既にゴジラに対してまともに攻撃する手段が彼らには残されていなかった。

 しかし、誰もが俯き、敗戦処理をするかのように淡々と各所に指示を下す中で、一人だけ瞳の中に気炎を燃え上がらせている男がいた。黒木翔特佐――今回の敗軍の将となった若きエリートである。

 彼は、既に自衛隊が敗者となることを受け入れていた。自衛隊が負けても、ウルトラセブンとモスラが勝てば、この国は立ち直ることができるだと考えていたからである。そして、彼の目から見て、既にこの戦いは終わりに向かいつつあった。

 ゴジラがその身体から凄まじい熱を発しながら炎のように真っ赤に染まるなどという想定外の事態があったが、それでも、ゴジラの終わりは近いように彼には思えた。ゴジラの身体の輝きは、ゴジラが命を燃やして灯しているものにしか彼には考えられなかったからだ。

 時折、空に向かって苦しい叫び声を上げながら真っ赤な熱線を吐くゴジラの姿は、まるで悲痛な声と共に血反吐を吐く末期の重篤患者のようだ。熱病患者のように身体に湯気を纏い、動きそのものもどこか苦しげで、身体のあちこちからまるで噴火したかのように熱波が噴出して眼下の街を焼く。

 背びれからゴジラの意志とは関係なく噴出した熱線は、ゴジラの周囲に灼熱の炎を出現させる。まるで、ゴジラを中心に煉獄の景色が具象化されたようだった。

 そして、黒木は気づいた。熱線が断続的に噴出する火口と化した背びれの変化に。

「ゴジラの背びれが溶けた……」

 これまで、自衛隊の如何なる攻撃でも、ウルトラセブンの如何なる攻撃でも削ることができなかった、鋭利な鋸を思わせるゴジラの背鰭がまるで蝋細工のように溶け出していた。偵察部隊の報告では、ゴジラの体内でも最も温度が高い心臓部は、既に1100℃を超えているという報告が入っている。

 ゴジラは、自身の大幅なパワーアップのために体温を大幅に上昇させたが、ゴジラの身体自体が上昇した体温に耐えられずに崩壊しつつある。確実に、ゴジラの自滅が近づいていると黒木は確信するに至った。

 黒木はゴジラの自滅が近いことに希望を抱く。だが、これまでの自衛隊の被害と、ゴジラが自滅するまでにこの街が被る被害を考えれば果たして、これが勝利と言えるのだろうか。国民と自衛官を合わせればどれだけの人命の損失が出たことか。

 この国の三分の一の原子力発電所を失い、地方都市一つが灰燼と化した上で放射能で汚染された。ゴジラ襲撃による一連の経済的な損失も計り知れない。下手をすれば、株価、債権、為替のトリプル安や経済危機すらありえるだろう。

 自分の指揮に悔いはないが、これほどの人的、物的被害を出した以上は責任を誰かが取らなければならない。対ゴジラ対策を指揮した特殊戦略作戦室がその責任を負うことも必然だろう。

 ――これで我々(特殊戦略作戦室)の来年度の予算は0だな。来年度があれば、だが。

 戦いが終わった後のことが脳裏に過ぎり、暗い未来に対して黒木は自嘲せずにはいられなかった。しかし、黒木はすぐに脳裏を過ぎったものを振り払って目の前の現実の景色と再度向き合った。

 後のことは、この戦いが終わった後でいくらでも考える時間があるのだから。

 

 

 

 

 光速飛行したモスラは、時空を超えていた。

 サーヴァントの消滅は宝具の消滅と同意義であるため、既にモスラの身体は消滅を免れぬ運命にある。時を越えたところで、最期の力を籠めたエクセル・ダッシュ・バスターを叩き込めばそのまま消滅するだろう。しかし、元々二度と戻れぬはずの片道飛行だ。今更、自身の消滅に対してモスラが想うところはほとんどない。

 モスラにとって今自分の成すべき事は、光速飛行形態でつけた加速と、全力のフラッシュエネルギーを加えた最強の一撃を外さないこと。それだけだった。

 そして、モスラの前に時空の狭間の出口が見えてきた。そこに見えるのは、僅かに東の空が白みつつある半壊した地方都市――ほんの数十分前の冬木市だった。

 サーヴァントは英霊であり、時間や空間の外にある英霊の座に本体が存在するため、生前の英霊となる存在を葬ったところで英霊は消滅しない。この場合、もしもゴジラになる前のラゴス島のゴジラザウルスをモスラが葬ったとしても、英霊の座にいるゴジラが消滅することはないのだ。

 そのため、サーヴァントであるゴジラを葬るならば、サーヴァントとして召喚された後で最も弱体化していたころを狙う他ない。そして、モスラの知る最もゴジラが弱体化していたころというのが、ウルトラセブンの闇を切り開く翡翠色の閃光(エメリウム・レイ)でうなじを貫かれたころのゴジラだ。

 この頃のゴジラであれば、人間が撃ちこんだ秘密兵器と思しきもので大幅に弱体化しており、自分とエリアス三姉妹の命を捧げた乾坤一擲の一撃を奇襲で撃ち込めば打ち倒せるという確信がモスラにはあった。

 闇を切り開く翡翠色の閃光(エメリウム・レイ)で穿たれた孔から怨嗟咆哮・放射熱線(アトミック・ブレス)を噴出して倒れ伏すゴジラを眼下に見たモスラは、迷わず吶喊する。身体に残る全てのエネルギーを我が身の強化に用い、最大加速で倒れ伏すゴジラに急降下するモスラ。

 

 そして、モスラの乾坤一擲のエクセル・ダッシュ・バスターが地面に横たわるゴジラに上空から襲い掛かり、大地震に匹敵する凄まじい衝撃と大気を吹き飛ばさんとする轟音が冬木市を揺るがした。




黒木特佐にあの言葉はどうしても言わせたかった。そのための出番です。

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