IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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クリスマスだからと言って、特別編は投稿しません。と言うよりできません。

クリスマスの告白を先に投稿してしまったからです。


第44話

放課後。教室で特別HRが始まり、クラスの出し物を決めるため盛り上がっているが・・・

 

「全部却下です」

 

「「「「「ええー!」」」」」

 

「俺は景品でもないし、見世物でもないんだから」

 

クラスで提案された出し物は、俺のホストクラブ、俺とツイスター、俺とポッキーゲーム、俺と王様ゲーム・・・救いは無いのかよ。

 

「織斑君は山田先生とツイスターやった事ないの!?」

 

「やった事はないが、ここでやる必要なんて・・・」

 

「大いにあるぞ一夏!」

 

箒!どうしてそんなに張り切るんだ。お前なら破廉恥だと言って否定しそうなんだが。

 

「お前は私達の交流を未だに疎かにしている。ここは私達の交流を深めると・・・」

 

「いやいや!交流は深めてるぞ!」

 

「一夏。それは一部のクラスメイトだけでしょ」

 

今度はシャルロットかよ・・・

 

「僕、クラスリーグマッチから全然話してない気がするんだ。それって交流を疎かにしてる証拠だよね?」

 

シャルロットの笑顔が段々暗くなってくるのと同時に教室に悪寒が走って来る。この流れだとセシリアが・・・

 

「・・・・・・」

 

何も言わない!?言わない代わりに何かを見定めてるような目つきで俺を見てる!

 

「とにかく!私は一夏とのツイスターを推薦する!」

 

「僕は、一夏とポッキーゲームがしたいな」

 

いつの間にか箒とシャルロットが自分のやりたい事を推薦してる。俺はやりたくないぞ!真耶と二人きりならやるが、二人(箒とシャルロット)はダメだ!

 

「まーやんはおりむーとツイスターかな〜?」

 

「えっ!?あ、いや、その、つ、ツイスターだなんて!でも、一夏君が良かったらやろうかな」

 

真耶がのほほんさんの言葉にときめいている。千冬姉は職員会議でいないから、教室は混沌とした状態だ。いや、千冬姉がある意味混沌なのだろうか。

 

「とにかく、これらは全部・・・」

 

「一夏!いい加減逃げるな!」

 

箒から逃げてないだろ・・・

 

「なら、メイド喫茶ならどうだ?」

 

おお!ラウラが別の案を・・・メイド喫茶?

 

「客受けは問題ない。それに飲食店は経費の回収ができ、入場者の休憩所としての需要は少なからずはある」

 

何だ。俺が執事での接客に物凄く需要がある訳じゃ・・・

 

「それに一夏の執事姿はかなりの見物だと考えるが」

 

都合の良い話なんて無かった。

 

「織斑君の執事いい!」

 

「それにしよう!」

 

「私のパパの知り合いに、一流劇団の衣装を担当した人がいるから電話して聞いてみる!」

 

「良い奉仕を期待してるからね!」

 

皆、揃いに揃って俺の執事に期待を寄せている。俺を客寄せパンダにするのか?

 

「一夏の執事姿の奉仕は魅力的であるが、一夏に頼った勝利など機体の性能に頼った戦い方と同じだ」

 

ラウラは、あくまで『俺も働く』メイド喫茶であることを強調した。

 

「学園祭開始前から行動し、他のクラスや生徒会に勝たなければならない」

 

「何か策があるというのか?」

 

マドカが疑問を投げつけた所で、俺は全校集会後の二人のやり取りを思い出した。

 

「ああ。既に部下達は作戦を実行している」

 

もしかして・・・

 

「ラウラン。生徒会にちょっかいを出すのはや・・・」

 

「これはちょっかいではない。終わらせるための戦いだ。長きに渡る生徒会と一般生徒の争いに終止符を打たせるための戦いだ」

 

のほほんさんの質問に答えているが、ラウラは指導者にならないと死んでしまう病気にでもかかっているのか?どこかの政治家みたいな口調になってるぞ。

 

「私は部下の情報と独自に得た情報を基に・・・!」

 

ラウラが作戦内容を言おうとした時、突然ラウラが飛んだ。いや、地面から出て来た何かがラウラを突き飛ばした。

 

「ふんっ!」

 

その何かは跳び、空中にいるラウラを捕まえて回転をつけたまま床に叩きつけた。

 

「うぐっ!」

 

「因果応報・・・南無」

 

こんな事をする人は一人しか考えられない。

 

「こ、この・・・技は・・・」

 

「ボーデヴィッヒもこの技は知っているか。これが葉隠流飯綱落としだ」

 

千冬姉の姿をしたSHINOBIだ。

 

「千冬姉。何やってるんだよ・・・」

 

「織斑先生だ。その公私混同はいつになったら直るんだ?」

 

千冬姉が普通の人に戻ったら直るかもしれません。

 

「ボーデヴィッヒ。私はお前の付き合いに異論を唱える気はない。だが、その付き合いの為に学園を危機に晒すなら話は別だ」

 

千冬姉は出席簿をラウラの首に添えた。

 

「貴様をこの手で葬りたくはない。考えを改めろ。道は幾らでもある」

 

「あの・・・織斑先生。どうやって教室に入られたのですか?」

 

「忍びは手の内を明かさず」

 

答えになってないから。

 

「とにかく、ご奉仕喫茶を行うなら私からは異論はない。だが・・・もし、織斑を商売道具のように扱うならお前達にSHINOBIの柔術をお見舞いしよう」

 

公私混同なのは千冬姉の方だった。

 

「何か言ったか織斑?」

 

「い、いえ・・・」

 

「では。私は会議があるので失礼する」

 

そう言い、千冬姉は教室の窓から飛び降りて姿を消した。

 

「ブリュンヒルデ時代の千冬姉はどこに行ったんだ・・・」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

特別HRが終わり、俺は真耶と一緒に資料を運びながら学園祭の事について話している。

 

「色々と大変な事になったね一夏君」

 

「これじゃあ、真耶のお弁当を作る時間が無くなるよ」

 

「それほど一夏君が学園に与える影響力は物凄い事なんだよ」

 

真耶の言ってる事は確かである。人類最強の姉を持ち、白騎士を専用機にしていたら学園どころか世界に多大な影響を与えるけど・・・

 

「そうかも知れないけど、一生徒として扱って欲しいよ。俺は千冬姉みたいな活躍は出来ないのに」

 

「誰も織斑先生の様になってほしいなんて言ってないよ」

 

「真耶は俺にどうして欲しいんだ?」

 

「それは・・・」

 

「山田先生」

 

俺と真耶の会話に静かに覚悟を決めたかのような声が割り込んできた。

 

「セシリア・・・!」

 

「オルコットさん。どうかしましたか?」

 

するとセシリアはポケットから白い手袋を取り出した。

 

「山田先生。わたくしと決闘してください」

 

「え!?け、決闘!?」

 

「明日の放課後、第一アリーナでわたくしとの決闘。如何ですか?」

 

決闘の申し込みに真耶は困っている。セシリアは一体何を考えているんだ?

 

「セシリア。真耶が・・・」

 

「わたくしは山田先生とお話をしております。話に割り込む事はご遠慮願います」

 

「あ、ああ・・・」

 

どうしたんだ。いつものセシリアと様子が違う。

 

「えっと・・・どうして私と決闘を?」

 

「それは決闘の時にお話しします。もし、決闘を申し受け入れらないならそれまでの事です」

 

セシリアの目は本気だ。本気で決闘を申し込んでいる。

 

「わ、分かりました。決闘を受け入れます」

 

「寛大なる処置に感謝いたします。明日の放課後、第一アリーナでお会いしましょう」

 

セシリアはそのまま回れ右をして去って行ったけど、真耶の方は・・・

 

「ど、ど、どうしよう一夏君。私、教え子と喧嘩することになったよ」

 

涙目で俺に助けを求めてる。




次回は、「山田先生対セシリア」の予定です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。

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