IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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今回は、甘々シーンが入ります。

というより、お気に入りが100件超えたって・・・たった2話で・・・

不定期更新のはずなのに・・・


第3話

食堂に着いた俺は夕方限定販売のディナーセットを頼み、一人黙々と食べていた。

 

そういえばセシリアの専用機って、どんなのだろう?専用機ってことは、やっぱり凄いんだろうな・・・

 

時空を超えて、テレポートでもするのかな?分身でもして、敵を圧倒するのかな?通常の3倍のスピードで相手を翻弄するのかな?それとも・・・

 

 

 

「一夏?ここ、いいか?」

 

「ん?・・・箒」

 

なんで帰ろうというタイミングで来たんだ・・・

 

「なんだ!その不満そうな顔は!」

 

「い、いや・・・もう食べ終わったから、部屋に戻ろうかなって」

 

「そうか。だが待て、少し話がある」

 

「話?」

 

珍しいな、箒が俺に話があるなんて。姉についての相談かな?でも、勝手に俺の隣に座らないで欲しい。

 

「では、単刀直入に言おう」

 

後、勝手に話を始めないでくれ。

 

「一夏。私と後で道場に来い。私が鍛えてやる!」

 

「ごめん、無理!」

 

「なぜだ!?」

 

箒、それISの練習ちゃう。ただの剣道や。

 

「千冬姉が言ったろ。そういうのは、山田先生がやってくれるって」

 

「確かに先生の指導は良いが、それだけで相手に勝てるのか?相手は専用機を持ってるんだぞ!」

 

勝ち負けより、決闘当日までにセシリアが生きているのか疑問だ。

 

「だから、私が鍛えれば先生の負担が減って、お前は強くなる。良いではないか!」

 

その理屈はおかしいから箒。

 

「箒。俺、中学三年の時に剣道やめちゃったからさ・・・箒にものすごく迷惑をかけるというか・・・」

 

本当は真耶のおかげで自分自身を見つめ直した結果、剣道をやめたんだ。そのおかげで少しずつだけど、強くなっていってるかな。無理に強くなろうとして、真耶を泣かせたこともあったからな。闇雲に力を求めるのがどれだけ虚しいのかが嫌でも分かる。

 

「安心しろ一夏!私の手に掛かれば、一週間で剣道の勘を取り戻せる!」

 

剣道・・・やりたいだけだよな箒・・・

 

仕方ない。言いたくは無かったけど、箒のためだ。

 

「なあ、箒」

 

「なんだ、一夏」

 

「お前、ISの経験ってどれくらいあるんだ?俺よりは多いよな?」

 

「・・・」

 

えぇ・・・

 

「箒。俺、やっぱり山田先生と特訓することにする。じゃあ・・・」

 

「ま、待ってくれ一夏!」

 

「ん?」

 

「山田先生との特訓、私も参加させてもらう!」

 

え・・・なんで?

 

「どうして箒が・・・」

 

「理由は聞くな!とにかく私も参加するからな!分かったら私に連絡を寄こすんだぞ!」

 

そう言って、箒は一目散に去って行った。

 

「・・・どうしてこうなった」

 

箒・・・お前の考えが未だに分からん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなことがあったの・・・。ごめんね、一夏君」

 

「いや、真耶が気にかける必要はないよ」

 

部屋に戻った後、食堂での出来事を真耶に話したら落ち込んじゃった。まあ、二人きりの時間が減っちゃたからな。

 

「でも、特訓って言っても具体的には何をすればいいんだ?」

 

「明日の早朝に、第一アリーナでISの基本動作の練習と戦い方をレクチャーしようと考えてたけど・・・」

 

「箒の事ですか?」

 

「え!いや・・・その・・・一夏君が篠ノ之さんに目移りしちゃうんじゃないか心配で・・・」

 

どこか不安げのある顔のまま、下を向いちゃったけど・・・

 

「なんだ、そういうことか」

 

「え?」

 

俺は真耶の背中に周り、優しく抱擁した。

 

「俺は真耶以外の女性には目移りなんかしないよ。だって、真耶のおかげで今の俺がいるんだから。だから真耶、心配しなくていいよ」

 

「一夏君・・・」

 

やっぱり真耶には落ち込んでる顔なんて似合わないよ。

 

「そうだ、真耶。今日は一つだけ言うことを聞くよ」

 

「え?」

 

「いろいろと、お世話になったからさ。だから今日は一つだけ、何でも言うことを聞くよ」

 

「・・・本当?」

 

「ああ!」

 

「じゃあ・・・キスを」

 

「真耶。キスなんて俺に頼めば、いつでもするのに」

 

「ええ!?」

 

うん。これは本当。真耶のキスって、強くもなければ弱くもない、優しいキスだからいつでも大丈夫なのに・・・もしかして、抑えてるのかな。まあ、俺もいろいろと抑えてるけど・・・

 

「じゃ、じゃあ・・・」

 

「うん」

 

意を決したのか、真耶は口を開こうとしたが・・・

 

 

 

 

 

 

「一夏、いるのか?」

 

 

 

 

 

 

ドアから箒の声がしている。なぜ場所が分かったし・・・。

 

仕方なく俺はドアを開けた。

 

「なんだ、箒?」

 

「明日の特訓の事についてだが、場所と日時は決まったのか?」

 

「ああ、決まったよ。山田先生、日時と場所を教えてくれませんか?」

 

「は、はい!」

 

ごめん真耶。決意を鈍らせるような出来事に巻き込んで・・・

 

「明日の早朝、第一アリーナでISの基本動作と戦い方の特訓をします」

 

「分かりました。それでは、失礼します」

 

何だか満足げな顔したまま、箒は去って行った。

 

「ふぅ・・・」

 

これで、この部屋に来る人はもう・・・いる。・・・千冬姉だ。

 

「その通りだ、織斑」

 

「ち、千冬姉!」

 

「織斑先生だ」

 

というより何で考えてる事が分かったの!?

 

「山田先生、夜分遅くにすまない。少し、織斑に言いたいことがあってな」

 

「はい」

 

さすがの真耶も、千冬姉の前ではおとなしくなっちゃうか・・・

 

「織斑、お前に専用機が支給されることになった」

 

「専用機・・・ですか・・・」

 

大体の理由は察しがつく。俺がISを動かしたから、データを収集して他の男でもISを動かそうと言う考えだよな。結局、モルモットをやれってことか・・・

 

「織斑、気難しく考えるな。今のお前なら専用機を扱いこなすことはできる。自分に誇りを持て」

 

「千冬姉・・・」

 

「では、私は部屋に戻るとしよう。もうそろそろ、オルコットの本性がむき出しになる頃だ」

 

セシリアを一人の生徒として見てくれないかな・・・千冬姉

 

「あと、もうひとつ・・・」

 

また、釘を刺されるのか!?

 

「織斑先生と呼べ。以上だ」

 

そう言って、千冬姉はドアを閉めて去って行った。

 

「ふぅ」

 

「一夏君・・・」

 

「真耶。俺は、少し自分を厳しくしすぎてたかもしれない」

 

千冬姉は知ってたんだな、俺が力を持つことに恐怖を覚えていたのを。それを見越して、不器用ながらのエールを送ってくれたんだ。

 

 

 

自分に誇りを持て

 

 

 

やってみるよ、千冬姉。今の俺が持てる誇りを・・・

 

 

 

 

 

 

「一夏君。さっきの話なんだけど・・・」

 

「なに?」

 

「その、また今度にしてくれないかな?」

 

真耶、その気遣いありがとう。でも・・・

 

「だめ」

 

「え?」

 

「いろいろとお世話になったから、そのお礼がしたいんだ。なんでも言うことを聞くから、ね?」

 

「・・・じゃあ」

 

そう言うと、真耶は服を脱ぎ始めた。

 

「私を・・・抱いて・・・くれる?」

 

服を脱ぎ、ピンクの下着を付けている真耶を見て、俺は自分を抑えるのをやめた。

 

「シャワールームからでいい?真耶」

 

「うん。私・・・もう我慢できない」

 

「俺もだよ、真耶」

 

真耶は下着を外してシャワールームに入り、後を追いかけるかのように俺は服を脱ぎ、シャワールームに入った。

 

「一夏君・・・」

 

「真耶・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、シャワールームで互いに髪を洗ったり、体を洗ったり、獣の様にキスしたり、ヤっちゃったり・・・・・・

 

ベットでやるべきことも、全部シャワールームで済ませてしまった俺と真耶は、シングルベットで仲良く寝ることにした。

 

まあ、全部シャワールームでやって正解だと思ってる。邪心無く、仲良く眠れるから。・・・裸じゃないけどね。

 

 

 

 

 

 

「一夏君」

 

「何、真耶?」

 

胸と肩が開いているピンクのネグリジェを着ている真耶は、半袖短パンで寝てる俺に近づいて、小さい声でつぶやいてきた。

 

「一夏君も、私にワガママ言っていいのよ」

 

「ワガママですか?特にないですけど・・・」

 

「ウソ。そんなの無かったら、シャワールームであんなに激しくしないから・・・」

 

顔を赤くして照れる真耶・・・可愛い。そんなことより、ワガママか・・・特に・・・・・・あった。

 

「じゃあ・・・一つ、いいですか?」

 

「何?」

 

俺は意を決して、ワガママを言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真耶の胸に・・・顔をうずめたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ・・・ワガママじゃなくて、変態の要求じゃないか・・・

 

 

 

 

 

 

「ふふっ。いいよ」

 

「いいの!?」

 

俺は思わず叫んでしまった。いけない、今は夜中なのに。

 

「だって、一夏君。私と二人っきりになるまで、どこか寂しい顔をしてたから・・・」

 

顔に出てたのか・・・

 

「それと、シャワールームで・・・あそこまで激しくするってことは・・・そこまで私に会えなかったのが、寂しかったでしょ?」

 

「何か恥ずかしいからやめて・・・」

 

俺は思わず顔を赤くしてしまった。なんか・・・すべて見通されて、逆に恥ずかしくなってきた。

 

「だから、この部屋にいる時はいっぱい私に甘えていいのよ」

 

「学園内でも同じじゃないですか?」

 

「学園内では教師と生徒。ここでは恋人同士。」

 

千冬姉、俺・・・専用機を貰っても、真耶には勝てないことが分かったよ。

 

「じゃあ・・・いいですか?」

 

「いいよ」

 

腕を伸ばして、どうぞと呼ばんばかりの笑顔を放つ真耶に俺は、自分の顔を真耶の胸にうずめた。

 

「ふふっ。いい子、いい子」

 

そう言い、真耶は俺の頭を優しく撫でてくれた。

 

なんだろう。こういうのは普通、息を荒げてたり、このまま本番を迎えるのがセオリーらしいが、そんな気は起きない。

 

なぜなら、左腕で俺の頭を優しく撫で、右腕で腕枕をしながら俺の頭を胸に優しく押し付ける。しかも俺が窒息せず、胸の弾力が顔に分かるほどの力加減だから、逆に安心感を覚える。おまけに真耶の匂いが良いときてるわけだ。

 

 

 

 

 

 

・・・変態じゃん、俺。

 

 

 

「ふふっ。一夏君の匂いがして私・・・心が安らぐ」

 

心を読まないで真耶、同化されちゃう。同化されたら、二度とこんなことができなくなるよ。

 

「こんなことしてあげるのは、一夏君だけだからね。だから・・・おやすみ、一夏君」

 

「おやすみ・・・真耶」

 

俺は静かに、真耶の胸の中で眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間はさかのぼり、セシリアの部屋にて・・・

 

「ぜえ、ぜえ、ぜえ」

 

な、なんですの・・・。織斑先生が打鉄でわたくしの特訓相手をすると言いましたのに、ブルーティアーズ4基すべてをアサルトライフルで落としたと思いきや、インターセプターも残りの2基もすべて、アサルトライフルで落とされましたわ。もしかして・・・

 

「織斑先生は、実は刀の扱いが上手くない・・・。いえ、少し考えすぎですわ。あの、織斑先生です!きっと、今のわたくしの実力では、刀を使うほどではないと見下したに違いありませんわ!だとしたら、明日から特訓を始めましょう!あの男は、きっと強くないはずですわ!ただ、ISを動かしただけの人です。どうせ、実力などたかが知れてますから、圧倒的実力で・・・」

 

「圧倒的実力で・・・何をするんだ?イギリス代表候補生のセシリア・オルコット?」

 

な、なんで背後にいるのですか!?織斑先生!

 

「私は寮長だからな。見回りしているときに、この部屋から身内の悪口が聞こえたもんで・・・」

 

そんな・・・大きな声でしゃべったわけでもないですし・・・

 

「オルコット。私はどうやら勘違いしてたようだ。お前はあの特訓で改心したと思った。だが、無駄だったらしいなあ」

 

「あ、あわ、あわわ」

 

「セシリア・オルコット・・・」

 

「は、はい!」

 

「ハイクを詠め・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、セシリア・オルコットは体調不良により、三日間欠席をした。




どうでした?甘々だったかな・・・

むしろ官能的な部分が強かった気がする・・・

ちなみに次回は、早朝の特訓を執筆する予定です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。

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