というより、お気に入りが100件超えたって・・・たった2話で・・・
不定期更新のはずなのに・・・
食堂に着いた俺は夕方限定販売のディナーセットを頼み、一人黙々と食べていた。
そういえばセシリアの専用機って、どんなのだろう?専用機ってことは、やっぱり凄いんだろうな・・・
時空を超えて、テレポートでもするのかな?分身でもして、敵を圧倒するのかな?通常の3倍のスピードで相手を翻弄するのかな?それとも・・・
「一夏?ここ、いいか?」
「ん?・・・箒」
なんで帰ろうというタイミングで来たんだ・・・
「なんだ!その不満そうな顔は!」
「い、いや・・・もう食べ終わったから、部屋に戻ろうかなって」
「そうか。だが待て、少し話がある」
「話?」
珍しいな、箒が俺に話があるなんて。姉についての相談かな?でも、勝手に俺の隣に座らないで欲しい。
「では、単刀直入に言おう」
後、勝手に話を始めないでくれ。
「一夏。私と後で道場に来い。私が鍛えてやる!」
「ごめん、無理!」
「なぜだ!?」
箒、それISの練習ちゃう。ただの剣道や。
「千冬姉が言ったろ。そういうのは、山田先生がやってくれるって」
「確かに先生の指導は良いが、それだけで相手に勝てるのか?相手は専用機を持ってるんだぞ!」
勝ち負けより、決闘当日までにセシリアが生きているのか疑問だ。
「だから、私が鍛えれば先生の負担が減って、お前は強くなる。良いではないか!」
その理屈はおかしいから箒。
「箒。俺、中学三年の時に剣道やめちゃったからさ・・・箒にものすごく迷惑をかけるというか・・・」
本当は真耶のおかげで自分自身を見つめ直した結果、剣道をやめたんだ。そのおかげで少しずつだけど、強くなっていってるかな。無理に強くなろうとして、真耶を泣かせたこともあったからな。闇雲に力を求めるのがどれだけ虚しいのかが嫌でも分かる。
「安心しろ一夏!私の手に掛かれば、一週間で剣道の勘を取り戻せる!」
剣道・・・やりたいだけだよな箒・・・
仕方ない。言いたくは無かったけど、箒のためだ。
「なあ、箒」
「なんだ、一夏」
「お前、ISの経験ってどれくらいあるんだ?俺よりは多いよな?」
「・・・」
えぇ・・・
「箒。俺、やっぱり山田先生と特訓することにする。じゃあ・・・」
「ま、待ってくれ一夏!」
「ん?」
「山田先生との特訓、私も参加させてもらう!」
え・・・なんで?
「どうして箒が・・・」
「理由は聞くな!とにかく私も参加するからな!分かったら私に連絡を寄こすんだぞ!」
そう言って、箒は一目散に去って行った。
「・・・どうしてこうなった」
箒・・・お前の考えが未だに分からん。
「そんなことがあったの・・・。ごめんね、一夏君」
「いや、真耶が気にかける必要はないよ」
部屋に戻った後、食堂での出来事を真耶に話したら落ち込んじゃった。まあ、二人きりの時間が減っちゃたからな。
「でも、特訓って言っても具体的には何をすればいいんだ?」
「明日の早朝に、第一アリーナでISの基本動作の練習と戦い方をレクチャーしようと考えてたけど・・・」
「箒の事ですか?」
「え!いや・・・その・・・一夏君が篠ノ之さんに目移りしちゃうんじゃないか心配で・・・」
どこか不安げのある顔のまま、下を向いちゃったけど・・・
「なんだ、そういうことか」
「え?」
俺は真耶の背中に周り、優しく抱擁した。
「俺は真耶以外の女性には目移りなんかしないよ。だって、真耶のおかげで今の俺がいるんだから。だから真耶、心配しなくていいよ」
「一夏君・・・」
やっぱり真耶には落ち込んでる顔なんて似合わないよ。
「そうだ、真耶。今日は一つだけ言うことを聞くよ」
「え?」
「いろいろと、お世話になったからさ。だから今日は一つだけ、何でも言うことを聞くよ」
「・・・本当?」
「ああ!」
「じゃあ・・・キスを」
「真耶。キスなんて俺に頼めば、いつでもするのに」
「ええ!?」
うん。これは本当。真耶のキスって、強くもなければ弱くもない、優しいキスだからいつでも大丈夫なのに・・・もしかして、抑えてるのかな。まあ、俺もいろいろと抑えてるけど・・・
「じゃ、じゃあ・・・」
「うん」
意を決したのか、真耶は口を開こうとしたが・・・
「一夏、いるのか?」
ドアから箒の声がしている。なぜ場所が分かったし・・・。
仕方なく俺はドアを開けた。
「なんだ、箒?」
「明日の特訓の事についてだが、場所と日時は決まったのか?」
「ああ、決まったよ。山田先生、日時と場所を教えてくれませんか?」
「は、はい!」
ごめん真耶。決意を鈍らせるような出来事に巻き込んで・・・
「明日の早朝、第一アリーナでISの基本動作と戦い方の特訓をします」
「分かりました。それでは、失礼します」
何だか満足げな顔したまま、箒は去って行った。
「ふぅ・・・」
これで、この部屋に来る人はもう・・・いる。・・・千冬姉だ。
「その通りだ、織斑」
「ち、千冬姉!」
「織斑先生だ」
というより何で考えてる事が分かったの!?
「山田先生、夜分遅くにすまない。少し、織斑に言いたいことがあってな」
「はい」
さすがの真耶も、千冬姉の前ではおとなしくなっちゃうか・・・
「織斑、お前に専用機が支給されることになった」
「専用機・・・ですか・・・」
大体の理由は察しがつく。俺がISを動かしたから、データを収集して他の男でもISを動かそうと言う考えだよな。結局、モルモットをやれってことか・・・
「織斑、気難しく考えるな。今のお前なら専用機を扱いこなすことはできる。自分に誇りを持て」
「千冬姉・・・」
「では、私は部屋に戻るとしよう。もうそろそろ、オルコットの本性がむき出しになる頃だ」
セシリアを一人の生徒として見てくれないかな・・・千冬姉
「あと、もうひとつ・・・」
また、釘を刺されるのか!?
「織斑先生と呼べ。以上だ」
そう言って、千冬姉はドアを閉めて去って行った。
「ふぅ」
「一夏君・・・」
「真耶。俺は、少し自分を厳しくしすぎてたかもしれない」
千冬姉は知ってたんだな、俺が力を持つことに恐怖を覚えていたのを。それを見越して、不器用ながらのエールを送ってくれたんだ。
自分に誇りを持て
やってみるよ、千冬姉。今の俺が持てる誇りを・・・
「一夏君。さっきの話なんだけど・・・」
「なに?」
「その、また今度にしてくれないかな?」
真耶、その気遣いありがとう。でも・・・
「だめ」
「え?」
「いろいろとお世話になったから、そのお礼がしたいんだ。なんでも言うことを聞くから、ね?」
「・・・じゃあ」
そう言うと、真耶は服を脱ぎ始めた。
「私を・・・抱いて・・・くれる?」
服を脱ぎ、ピンクの下着を付けている真耶を見て、俺は自分を抑えるのをやめた。
「シャワールームからでいい?真耶」
「うん。私・・・もう我慢できない」
「俺もだよ、真耶」
真耶は下着を外してシャワールームに入り、後を追いかけるかのように俺は服を脱ぎ、シャワールームに入った。
「一夏君・・・」
「真耶・・・」
その後、シャワールームで互いに髪を洗ったり、体を洗ったり、獣の様にキスしたり、ヤっちゃったり・・・・・・
ベットでやるべきことも、全部シャワールームで済ませてしまった俺と真耶は、シングルベットで仲良く寝ることにした。
まあ、全部シャワールームでやって正解だと思ってる。邪心無く、仲良く眠れるから。・・・裸じゃないけどね。
「一夏君」
「何、真耶?」
胸と肩が開いているピンクのネグリジェを着ている真耶は、半袖短パンで寝てる俺に近づいて、小さい声でつぶやいてきた。
「一夏君も、私にワガママ言っていいのよ」
「ワガママですか?特にないですけど・・・」
「ウソ。そんなの無かったら、シャワールームであんなに激しくしないから・・・」
顔を赤くして照れる真耶・・・可愛い。そんなことより、ワガママか・・・特に・・・・・・あった。
「じゃあ・・・一つ、いいですか?」
「何?」
俺は意を決して、ワガママを言った。
「真耶の胸に・・・顔をうずめたい」
これ・・・ワガママじゃなくて、変態の要求じゃないか・・・
「ふふっ。いいよ」
「いいの!?」
俺は思わず叫んでしまった。いけない、今は夜中なのに。
「だって、一夏君。私と二人っきりになるまで、どこか寂しい顔をしてたから・・・」
顔に出てたのか・・・
「それと、シャワールームで・・・あそこまで激しくするってことは・・・そこまで私に会えなかったのが、寂しかったでしょ?」
「何か恥ずかしいからやめて・・・」
俺は思わず顔を赤くしてしまった。なんか・・・すべて見通されて、逆に恥ずかしくなってきた。
「だから、この部屋にいる時はいっぱい私に甘えていいのよ」
「学園内でも同じじゃないですか?」
「学園内では教師と生徒。ここでは恋人同士。」
千冬姉、俺・・・専用機を貰っても、真耶には勝てないことが分かったよ。
「じゃあ・・・いいですか?」
「いいよ」
腕を伸ばして、どうぞと呼ばんばかりの笑顔を放つ真耶に俺は、自分の顔を真耶の胸にうずめた。
「ふふっ。いい子、いい子」
そう言い、真耶は俺の頭を優しく撫でてくれた。
なんだろう。こういうのは普通、息を荒げてたり、このまま本番を迎えるのがセオリーらしいが、そんな気は起きない。
なぜなら、左腕で俺の頭を優しく撫で、右腕で腕枕をしながら俺の頭を胸に優しく押し付ける。しかも俺が窒息せず、胸の弾力が顔に分かるほどの力加減だから、逆に安心感を覚える。おまけに真耶の匂いが良いときてるわけだ。
・・・変態じゃん、俺。
「ふふっ。一夏君の匂いがして私・・・心が安らぐ」
心を読まないで真耶、同化されちゃう。同化されたら、二度とこんなことができなくなるよ。
「こんなことしてあげるのは、一夏君だけだからね。だから・・・おやすみ、一夏君」
「おやすみ・・・真耶」
俺は静かに、真耶の胸の中で眠りについた。
時間はさかのぼり、セシリアの部屋にて・・・
「ぜえ、ぜえ、ぜえ」
な、なんですの・・・。織斑先生が打鉄でわたくしの特訓相手をすると言いましたのに、ブルーティアーズ4基すべてをアサルトライフルで落としたと思いきや、インターセプターも残りの2基もすべて、アサルトライフルで落とされましたわ。もしかして・・・
「織斑先生は、実は刀の扱いが上手くない・・・。いえ、少し考えすぎですわ。あの、織斑先生です!きっと、今のわたくしの実力では、刀を使うほどではないと見下したに違いありませんわ!だとしたら、明日から特訓を始めましょう!あの男は、きっと強くないはずですわ!ただ、ISを動かしただけの人です。どうせ、実力などたかが知れてますから、圧倒的実力で・・・」
「圧倒的実力で・・・何をするんだ?イギリス代表候補生のセシリア・オルコット?」
な、なんで背後にいるのですか!?織斑先生!
「私は寮長だからな。見回りしているときに、この部屋から身内の悪口が聞こえたもんで・・・」
そんな・・・大きな声でしゃべったわけでもないですし・・・
「オルコット。私はどうやら勘違いしてたようだ。お前はあの特訓で改心したと思った。だが、無駄だったらしいなあ」
「あ、あわ、あわわ」
「セシリア・オルコット・・・」
「は、はい!」
「ハイクを詠め・・・」
その後、セシリア・オルコットは体調不良により、三日間欠席をした。
どうでした?甘々だったかな・・・
むしろ官能的な部分が強かった気がする・・・
ちなみに次回は、早朝の特訓を執筆する予定です。
ご意見、ご感想、お待ちしております。