スランプなのかどうか分かりませんが、今回の話が甘いのかどうか分かりません。
まあ、作者的にはちょっぴり甘い話にしたつもりです。
夕食を堪能した俺は教員室に戻り、特に何もすることなく寝転んでいる。
「なら、私達と楽しく話そうじゃない」
「・・・・・・え?」
なんで
「どうやって分かったんだよ」
「私が尾行し、居場所を
この四人の行動力・・・他の所に活かせないのか?
「一夏!アタシ達はあんたに聞きたいことがあって来たのよ!」
「聞きたい事?」
「そうですわ。それは一夏さんにとって大事なことですのよ!」
鈴とセシリアが俺に問い詰めてくるけど、大したことじゃないな。
「一夏。そうやって甘く考えてると、痛い目を見るから」
シャルロット、お前が怖い。
「では本題に入るぞ。一夏・・・」
「この四人の中で彼女にしたいのは誰だ?」
お前達・・・自分が選ばれたいからって、その質問で問い詰めるのか。
「どういう意味だ?」
「どういう意味って、アタシ達の中で彼女にしたいのは誰なのかっていう質問よ」
「一夏さん。この四人の中で彼女にしたいのは・・・」
「誰なのかなぁ・・・」
「この四人の中だったら、セシリアかな」
「「「・・・そんな」」」
セシリアが胸を張っているんだが、四人の中ではセシリアが安心できるかな。今まで暴力してこなかったしな・・・盗撮行為は問題だが。
「まあ、わたくしが選ばるのは当然の結果です」
「そ、そんな・・・」
「私・・・じゃないの・・・」
「僕は・・・」
分かりやすい反応だな。
「では、一夏さん。今夜はわたくしと一緒に夜を過ごしましょう」
「無理」
「え?」
「だって、四人の中ではセシリアが彼女にしたいって言ったんだ」
「で、では、四人以外だったら誰ですの?」
「山田先生」
「・・・四人を含めたら?」
「山田先生」
「・・・・・・二番目は?」
「二番目以降はいない」
「・・・・・・」
ここまではっきり言えば・・・
「一夏さん・・・今、夢から覚ませます!」
セシリアは目から光が無くなったまま、ISを部分展開して俺に襲い掛かって来た
「爆裂空転!」
・・・が、千冬姉の登場で阻止された。見た事ない技なのに、驚いていない自分がいる。
「まったく、懲りもしない連中だ」
三人は顔を蒼白にしたまま、その場を動いていない。
「織斑、お前は浴場にでも浸かりに行け。私はこいつらとガールズトークをする」
ガールズトークという名の尋問ですね、分かります。
「分かったなら、さっさと浴場に行け」
「だから何で分かるの!?」
「弟の考えを読めずに姉としての務めが果たせると思うな」
「いや、読めないから!」
千冬姉に言われるがまま、浴場に向かった。
「そういえば、真耶はどこに行ったんだ?」
そんな疑問を浮かべながら浴場に向かっていると、ラウラと簪が自販機の前で会話をしていた。
「簪、お前に言わなければならないことがある」
「どうしたのラウラ?」
「浴場に入る人数に制限が掛かっているという話を聞いたか?」
「え!?そうなの?」
まあ、IS学園と言っても女子校だからな制限は掛かるな。
「人数が多い分、時間を分けて入らなければならないことになったが、それでも浴場に全員入れないことが分かった教員たちは急遽人数制限を掛けたと聞いたが」
「そうなんだ」
そんな情報を仕入れるなんて、ドイツ軍人は凄いな。
「それで今の時間帯に入るメンバーも知っている」
「誰なの?」
「私とお前だ」
「・・・え?」
なんだラウラと簪か・・・え?
「もう一度言う。私と簪がその時間帯に入れる」
「ちょっと待った!」
通り過ぎようとしたが、その発言はちょっと・・・
「ラウラ。お前、千冬姉の鉄槌を喰らったのにまた・・・」
「一夏。夫婦というのはお互いどんな時でも一緒ではないのか?」
「結婚してないだろ。それに女同士だから夫婦にはなれない!」
「私が夫だ!」
どういう理屈だよ!?
「安心しろ一夏。男湯の方はお前と山田先生の貸し切りにした」
「どうやって!?」
「シュヴァルツェ・ハーゼを甘く見ては困るな」
「職権乱用だろ!」
「IS学園の生徒会長はこれよりもっと酷い」
何をやったんですか、生徒会長は・・・
「あ、織斑君。そこにいたんですか」
浴衣を着た真耶が小走りでやって来た。簪が何か悔しがっていたが気のせいだ。
「そろそろ行かないと浴場の時間が無くなりますよ」
「ああ、そうだったな」
ラウラの言ったことは、多分何かの冗談だろう。
「一夏。山田先生と一緒に入らないのか?」
「ラウラ。あれは冗談なんだろ?」
「冗談ではない!」
マジかよ・・・
「あの、何が冗談では・・・」
「今の時間帯、各浴場に入れるのは二人だけという話だ」
「えっと・・・それで?」
真耶が軽く混乱しているぞ。
「女湯に私と簪、男湯に一夏と山田先生が入らせようという提案だ」
「ぼ、ボーデヴィッヒさん!?」
「不服か?」
「ふ、不服じゃなければ、不服じゃないですけど・・・じゃなくて!そのようなことをしてはいけません!」
「一夏が嫌いなのか?」
「大好きです!!」
「では、一緒に入っても問題は無いのではないか?」
「きょ、教師が一生徒と・・・み、淫らな・・・」
ああ、真耶が顔を赤くし混乱しながら説明しようとしてるけどラウラを説得するのは無理だ。
「私は一人の女性として意見を言っている。簪、私の意見に対して何かあるか?」
「な、無いけど・・・大丈夫なの?」
「安心しろ。嫁を守るのが夫の役目だ」
「ラウラ・・・」
それにあっちはあっちで勝手に話が進んじゃってるし・・・ここは俺が何とかするしかない。
「あのさ、ラウラ。気持ちは嬉しいけど・・・」
「謙遜をするな。お前の悪い所は人の好意を謙遜する所だ。素直に受け取っても悪くはない」
「いや、さすがにやりすぎ・・・」
「互いの愛を知り、互いの事を知るというのも恋人同士だからこそできることだ。それに・・・」
「このように青春を謳歌できるのは若さの証だよ」
ラウラ・・・完全に青春を間違った方向で謳歌してますよ。
結局、俺はラウラの説得に失敗し・・・
「一緒に入ることになったね・・・」
「真耶。俺、千冬姉に遺書を渡してないよ」
真耶と一緒に男性の浴場で浸かっています。嬉しいけど、今日が命日な気がする。
「でも、こうやって一夏君と一緒にお風呂に入れて私は嬉しいな」
眼鏡を外してても笑顔の真耶は可愛いな。
「ねえ、一夏君。近づいていい?」
「いいけど」
そう言い真耶は・・・
「真耶・・・これは近すぎじゃない?」
「こうしないと、顔がよく見えないの」
俺の前で跨っている。顔を赤くしながらも笑顔で近づいてくる真耶に俺の理性は削られていく。
「一夏君。その・・・我慢できなかったら・・・その・・・」
「い、いや。臨海学校でする訳には・・・」
お互いの顔が徐々に近づき、互いの吐息が顔に掛かる程までになった。輝くエメラルドの瞳、艶のある唇、弾力のある豊満な胸。その三つが俺を理性を削り、野生の本能を目覚めさせようとしている。鎮まるんだ俺の野生の本能!確かに真耶と体を重ねるのは久しいが、こんなところで手を出して千冬姉にばれたらどうなる?明日の朝日を拝めなくなるんだぞ!
「一夏君、どうしたの?」
「その・・・この続きは夏休み・・・俺の部屋で・・・いいかな?」
「そうだね。この続きは・・・」
「この・・・馬鹿弟子がぁ!」
「ふぎゃあぁぁぁ!」
女湯からラウラの断末魔が聞こえた。
「「早くあがらないと・・・」」
俺と真耶は早くあがって千冬姉の鉄槌は逃れたけど・・・
「
「「織斑君のマッサージ。期待してるよ!」」
「おりむ~のマッサージは嬉しいな~」
「さあ、山田君。私からの有難いお言葉をちゃんと聞くんだぞ」
「は、はいぃ!」
こうして、就寝時間になるまで俺と真耶の罰は続いた。
ちなみに千冬姉曰く・・・
「あの
頼むからIS学園をSHINOBI学園にしないでくれ。
「ふぅ、疲れた。お休み真耶」
「お休み」
就寝時間になり、俺と真耶は疲れた体を休めるべく布団に潜り込んだ。俺の左右に千冬姉と真耶が寝てるんだが・・・
(真耶の布団に潜り込みたい)
どうも欲には勝てない俺である。
「真耶」
「どうしたの一夏君?」
「そっちの布団に入っていい?」
「いいよ」
幸い千冬姉は熟睡している。これなら真耶の布団に入り込んでも問題は無さそうだ。
「じゃあ、失礼しまぁす」
「いらっしゃい一夏君」
俺と真耶は小さな声で一緒の布団に入れたことを喜んでいる。
「やっぱり、真耶と一緒に寝ると落ち着くよ」
「良かった」
真耶は笑顔で俺の頭を優しく撫でてきた。その撫で心地に俺は久々に真耶にアレを頼んでみた。
「真耶。その・・・久々に・・・アレしても・・・いい?」
「いいよ。実は私もしたかったの」
真耶は浴衣の脱ぎ、豊麗な胸を曝け出した。俺はその豊満な胸に顔を静かにうずめた。
「ふふっ。一夏君って意外と甘えん坊さんなところがあって可愛い」
真耶は俺の顔を胸に優しく押し付け、頭を撫でながら幸せそうな顔をしていた。
「それは真耶が可愛いからだよ」
「じゃあ、明日から厳しく指導しちゃおうかしら?」
「それは・・・」
「冗談よ」
真耶はその後、俺に子守唄を歌ってくれた。山田家オリジナルの歌だけど、優しい歌声に俺は真耶の胸の中で安らかな眠りについた。
そして、日が昇り・・・
「目覚めのライジングスマッシュ!」
千冬姉による「目覚まし天空宙心拳」が炸裂し、二日目が始まった。
次回は千冬姉と
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